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第108話 ロスロ騎士同盟
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夕食の時間になると、宿の食堂に皆が集まっていた。
キシャナは夕食の直前まで寝ていたらしく、寝癖が目立っていた。
「よく寝た。後で温泉にもう一度入り直そうかな」
「それはいいけど、酒は程々にしておけよ」
「シェーナがまた介抱してくれるのを期待する」
「お断りだ」
シェーナはパンをちぎってスープに軽く浸すと、そのまま口にして呆れた様子でキシャナに注意する。
キシャナは目を擦ってシェーナとルトルスの頭に髪飾りがあるのに気付くと、シェーナの頭を軽く撫でる。
「二人でデートだったのか。邪魔者の私は寝ていて正解だったかな」
「一緒にお土産の買い物をしていただけさ。まあ……ついでに髪飾りも似合いそうなのを二人で選んだりしたけど」
「シェーナ君、世間一般ではそれをデートって言うんだよ」
キシャナに突っ込まれると、皆は笑って話が盛り上がった。
キシャナとペトラには色違いのリボンを買っていて、水色をキシャナに、ピンク色をペトラに用意していた。
「可愛らしいリボンですね。食事が終わったら、後で付けてみますよ」
ペトラはリボンを気に入ってくれたらしく、やっぱり女の子なんだなとシェーナは思った。
キシャナはリボンを軽く頭に乗せて鏡で見ると、長耳を上下に動かしてまんざらでもない様子だ。
シェーナは歴史資料館でリィーシャに頼まれた事を皆に伝える。
「それとリィーシャさんに頼まれて、ロスロ騎士同盟から聖騎士を一名預かることになった」
「リィーシャに? 私が言うのもあれだが、問題児を抱えるのに特化した店になりつつあるな」
グラナはリンゴを頬張りながら耳を傾ける。
問題児に特化したと言う点で否定できないのは悲しいが、特に異論はなく受け入れてくれた。
ロスロ騎士同盟について、グラナは過去に起きた出来事を思い出す。
「ぶっちゃけると、五大国の中でもロスロは不気味だ。私とカルラが何度か対峙した事があったけど、底知れぬ違和感を感じ取ったよ」
「先輩がそんな風に思うのは珍しいですね」
「妙な兵士を投入してきたのを覚えているよ。魔法使いが使役するゴーレムに近かったが、周囲に術者は見当たらなかった」
グラナは当時を振り返ってロスロ騎士同盟との戦いを話してくれた。
ロスロは早い段階で魔王復活後の戦争に参加したが、他の五大国とは連携を取らずに独自に動いていた。
ロスロの聖騎士は他国でも有名だが、どうやら戦線に聖騎士の姿は一人もなかったらしい。
「こちらが攻撃を加えて倒しても、這い上がってくる姿はアンデットの類かと思ったが、そんな気配もなかったし、考えられるのは魔法使いが使役するゴーレムだが、術者のいる気配もなかった。結局、面倒だったので私の魔法で灰にしてやった」
「そいつがロスロの兵士だってよく分かったね」
「片言の言葉で本人達がそう言ってたからな。それっきり、ロスロの連中と戦場で出会うことはなかった」
グラナが騎士ではなく兵士と表現したのは騎士とは程遠い格好をしていたからだ。
顔は紙袋に覆い被さって、全身を黒のスーツを着こなしていたらしい。
シェーナもハシェルにいた頃から、ロスロの情報は精鋭の聖騎士団が存在するぐらいしか知らなかったので、そんな者達がいたのは初耳だ。
「姉さんもロスロの連中は不気味だと言っていたのを覚えている。私は直接対峙することはなかったが、店に訪れる聖騎士がおかしな真似をすれば私が大剣で追い払ってやるよ」
ルトルスも姉のカルラから同じような事を聞かされていた。
視察に訪れる聖騎士が街で滅多な事はしないと思うが、どんな人物なのかは見極めたいとシェーナは思う。
「怖いねぇ……そんなに身構えないでくれよ? 元暗黒騎士のルトルス・ライヤー殿」
シェーナ達の背後で食事をしている女性は大げさに怖がってみせた。
シェーナ達は女性に視線を移すと、女性は動じることなく優雅にテーブルのスープに手を付ける。
「貴様……何者だ?」
女性はルトルスが過去に暗黒騎士だった事を知っている。
強張った声でルトルスは女性に対して言葉を向けると、背を向けて座ったまま簡単に自己紹介を始める。
「僕はハラルド・オルウェン。噂の聖騎士様さ。しばらく君達の店で世話になるよ」
聖騎士と名乗るハラルドは席を立つと、シェーナ達に振り返って鋭い眼光を向けた。
キシャナは夕食の直前まで寝ていたらしく、寝癖が目立っていた。
「よく寝た。後で温泉にもう一度入り直そうかな」
「それはいいけど、酒は程々にしておけよ」
「シェーナがまた介抱してくれるのを期待する」
「お断りだ」
シェーナはパンをちぎってスープに軽く浸すと、そのまま口にして呆れた様子でキシャナに注意する。
キシャナは目を擦ってシェーナとルトルスの頭に髪飾りがあるのに気付くと、シェーナの頭を軽く撫でる。
「二人でデートだったのか。邪魔者の私は寝ていて正解だったかな」
「一緒にお土産の買い物をしていただけさ。まあ……ついでに髪飾りも似合いそうなのを二人で選んだりしたけど」
「シェーナ君、世間一般ではそれをデートって言うんだよ」
キシャナに突っ込まれると、皆は笑って話が盛り上がった。
キシャナとペトラには色違いのリボンを買っていて、水色をキシャナに、ピンク色をペトラに用意していた。
「可愛らしいリボンですね。食事が終わったら、後で付けてみますよ」
ペトラはリボンを気に入ってくれたらしく、やっぱり女の子なんだなとシェーナは思った。
キシャナはリボンを軽く頭に乗せて鏡で見ると、長耳を上下に動かしてまんざらでもない様子だ。
シェーナは歴史資料館でリィーシャに頼まれた事を皆に伝える。
「それとリィーシャさんに頼まれて、ロスロ騎士同盟から聖騎士を一名預かることになった」
「リィーシャに? 私が言うのもあれだが、問題児を抱えるのに特化した店になりつつあるな」
グラナはリンゴを頬張りながら耳を傾ける。
問題児に特化したと言う点で否定できないのは悲しいが、特に異論はなく受け入れてくれた。
ロスロ騎士同盟について、グラナは過去に起きた出来事を思い出す。
「ぶっちゃけると、五大国の中でもロスロは不気味だ。私とカルラが何度か対峙した事があったけど、底知れぬ違和感を感じ取ったよ」
「先輩がそんな風に思うのは珍しいですね」
「妙な兵士を投入してきたのを覚えているよ。魔法使いが使役するゴーレムに近かったが、周囲に術者は見当たらなかった」
グラナは当時を振り返ってロスロ騎士同盟との戦いを話してくれた。
ロスロは早い段階で魔王復活後の戦争に参加したが、他の五大国とは連携を取らずに独自に動いていた。
ロスロの聖騎士は他国でも有名だが、どうやら戦線に聖騎士の姿は一人もなかったらしい。
「こちらが攻撃を加えて倒しても、這い上がってくる姿はアンデットの類かと思ったが、そんな気配もなかったし、考えられるのは魔法使いが使役するゴーレムだが、術者のいる気配もなかった。結局、面倒だったので私の魔法で灰にしてやった」
「そいつがロスロの兵士だってよく分かったね」
「片言の言葉で本人達がそう言ってたからな。それっきり、ロスロの連中と戦場で出会うことはなかった」
グラナが騎士ではなく兵士と表現したのは騎士とは程遠い格好をしていたからだ。
顔は紙袋に覆い被さって、全身を黒のスーツを着こなしていたらしい。
シェーナもハシェルにいた頃から、ロスロの情報は精鋭の聖騎士団が存在するぐらいしか知らなかったので、そんな者達がいたのは初耳だ。
「姉さんもロスロの連中は不気味だと言っていたのを覚えている。私は直接対峙することはなかったが、店に訪れる聖騎士がおかしな真似をすれば私が大剣で追い払ってやるよ」
ルトルスも姉のカルラから同じような事を聞かされていた。
視察に訪れる聖騎士が街で滅多な事はしないと思うが、どんな人物なのかは見極めたいとシェーナは思う。
「怖いねぇ……そんなに身構えないでくれよ? 元暗黒騎士のルトルス・ライヤー殿」
シェーナ達の背後で食事をしている女性は大げさに怖がってみせた。
シェーナ達は女性に視線を移すと、女性は動じることなく優雅にテーブルのスープに手を付ける。
「貴様……何者だ?」
女性はルトルスが過去に暗黒騎士だった事を知っている。
強張った声でルトルスは女性に対して言葉を向けると、背を向けて座ったまま簡単に自己紹介を始める。
「僕はハラルド・オルウェン。噂の聖騎士様さ。しばらく君達の店で世話になるよ」
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