【読者への挑戦状あり!】化け物殺人事件~人狼伝説・狼の哭く夜~

あっちゅまん

文字の大きさ
44 / 62
第5日目

第39話 到着5日目・夕方~夜

しおりを挟む
【訂正のお知らせ】
『第31話 到着5日目・昼その1』ですが、探偵コンジとジェニー警視、メッシュが見回りを行った描写ですが、下記の通り訂正がありましたのでご報告いたします。

(誤)ライフル銃 → (正)散弾銃

本編の謎には直接影響はありませんが、以前にライフル銃は紛失してしまっていて、探偵コンジたちの手元に残された武器は、ハンドガン、散弾銃でしたので訂正を致しました。

今後とも宜しくお願いします。
では本編をお楽しみください!


第39話 到着5日目・夕方~夜



※ダイニングルーム席順・夕方
赤=死亡 ピンク=行方不明 橙=部屋に籠もっている。



 再び、私たちは、ダイニングルームに集まりました。

 ママハッハさんとアネノさんは、ママハッハさんの部屋に閉じこもってしまって出て来ないという事でした。

 アレクサンダー神父も、さすがに祈祷はせずに、ダイニングルームで神妙な面持ちで待っていました。


 そして、今、おのおのが席に着きました。



 シュジイ医師の話では、メッシュさんの怪我はそこまで深いものではなく、人狼に少し引っかかれた傷程度で、今はもう応急手当をしたとのことで、ダイニングルームに集まっています。

 普段は使用人のメッシュさんが座る席はないのですが、今は、シュジイ医師の隣がエラリーンさん、イーロウさん、アイティさんの席が空いているため、イーロウさんが座っていたところに腰を掛けていた。



 「ヤハリ、ミスター・ビジューは見つからなかったデスネ……。」

 アレクサンダー神父が口を開いた。

 みんな、黙って頷いた。

 カンさんが管理していた警備室の裏口のドアの鍵が開いていたらしい。

 もしかしたら、外へ逃げ出していったのかも知れない……。




 コンジ先生がおもむろに口を開いた。

 「だが、シープさんが誰を疑って『右翼の塔』の様子を見に行ったのかは、わかったぞ。」

 「え!? それはいったい誰を……?」



 「スエノさんだろうな……。おそらく、我々がいったん考慮したように、シープさんもその考えを思いついていたらしいな。」

 「わ……、私を……、ですか?」

 スエノさんがびっくりして聞き直した。



 「そうですね。パパデスさんとイーロウさん……、そしておそらくはジジョーノさんも……ですが、その彼らが殺された状況で怪しむべき人物として、まず僕とジェニー警視が気にかかったのが、2名の人物でした。」

 「ああ、そうだったな。キノノウくん。」

 「あ!? あのとき言っていた……。」


 「ああ。ジョシュア。君も覚えているだろう?」

 「えぇ……。あ! シープさんですね!?」

 「お……おぅ……。ジョシュア。君さ、シープさんが疑ってた相手がシープさんなら自分自身を疑ってたことになってしまうんだが……。」

 「……。はっ! そうでした!」



 「それで……!?」

 「ああ。スエノさんだったんだよ。」

 「ええ。その通りです。ジェニー警視。」



 「でも私はあの夜は、『右翼の塔』の地下室に閉じ込められてたんですよ!? それがどうしてなんですか?」

 「そうですよ! あのときはスエノ……、さんは、閉じ込められていたんですから容疑は晴れたはずじゃあなかったんですか!?」

 スエノさんもジニアスさんも心外だと言わんばかりに聞いてきた。



 「まあ、それはだね? 『右翼の塔』のちょうどパパデスさんの部屋の裏側に当たる箇所に扉がありますよね?」

 「あ……、ありますが、それがなにか?」

 「もし、どこかにマスターキーを隠し持っていたなら、パパデスさんの部屋には『右翼の塔』から入ることが出来たわけなんですよ。」

 「そんな! 私がどこにマスターキーをどこに隠し持っていたっていうのですか?」

 「いや。まあ、それはですね……。その……、言いづらいですが、何かの中に隠していて、ジニアスさんに持ってきてもらっていたとか……ね?」



 二人はショックを受けた顔をしている……。

 特にジニアスさんが真っ青な顔をしていた。


 「ど……、どうして、僕が……、そ、そんな真似をしないといけないのですか? あれは行方不明のジジョーノさんの仕業じゃあないんですか!?」

 ジニアスさんは、そう言いながらもなにか隠している……、そんな態度でした。



 「でもそれはイーロウさん殺害の謎に説明が付かないので我々も今は疑っていませんよ……。そんなに怯えないでください。ジニアスさん?」

 「ほ……、ほお……? そ、それなら、そうと言ってくださいよ! 人が悪いなぁ……。キノノウさん。」

 「うむ。キノノウくんの言うとおり、私も最初、スエノさんを疑ったんだがな。」

 「じゃあ、それをシープさんも考えたということですか?」

 「……だと思いますね。それで、『右翼の塔』の地下室を確認しに行ったのではないかと僕は考えているんですよ……。」



 スエノさんは、そこまでの話を聞いていましたが、まったく動じていらっしゃらないようでした。

 最初に会ったときのおどおどしたスエノさんとは少し印象が違って見えたのは気のせいでしょうか……。

 少しこの惨劇が続く中で、スエノさん自身も精神的に成長した……、そういうことでしょうかねぇ。



 コンジ先生が話を続けました。

 「……というわけで、シープさんは自ら『右翼の塔』に行かれて、その際に人狼に襲われたと見てます。そして、その後、ビジューさんに成り済ましたということは、ビジューさんも、おそらくどこかで犠牲になっている……。その可能性が非常に高いと考えています。」

 「そ……、そうですよね……。コンジ先生。考えないようにしていましたが、ビジューさんに化けて逃亡を謀ったというのは、ビジューさん自身も餌食になったと考えるのが自然でしょう! そして、ビジューさんの遺体は発見されていない……。」

 「ジジョーノさんに引き続き、ビジューさんも行方不明……、そういうことだな? キノノウくん。」

 ジェニー警視もそのことを改めて言葉にして確認した。



 「しかしデスネ! ジンロウは今、この館内に潜んではいないデショウ!? さきほどワタシたち全員でこの館を探索しましたカラ! そこで、今夜は、皆様の部屋の扉に、ジンロウ対策の『聖なる結界』を張っておきマショウ! といっても、『銀の粉』を扉の外側に振りかけるという単純なモノデス! だから、決して自分から部屋の外に出ない限り、ジンロウがマスターキーを使ってきても、嫌がって入って来られないデショウ……。」

 へぇ……!

 神父さん、何の役にも立たないと思いきや、そんなことできたんですね。

 ……つか、そういうことなら、もっと早くやっておきなさいよね!



 「そうか……。人狼も苦手なものがあるのだな。じゃあ、今夜は各自、部屋にこもって、ヤツの夜の活動時間をやり過ごしましょう! 朝の光が差す頃には人狼はチカラを発揮できなくなりますからね……。それまでの辛抱ですよ?」

 「わかりました!」

 「もちろん、外に出たりしませんわ!」

 「ああ……。あっしも気をつけますぜ。朝の光が差してから朝食と致しましょう!」




 こうして、この日の夜、メッシュさんから簡単な食事を提供された後、早めの就寝となったのでした。

 コンジ先生とも対策について話し合いましたが、今夜は安心して眠れそうです。

 あ! ちょっとだけお夜食用に、パンを頂きましたが、なにか?


 そして、コンジ先生は、謎の解明にいよいよその黄金の頭脳をフル回転させ始めたようでした……。






 ◇◇◇◇




 ~人狼サイド視点~


 はぁ……。はぁ……。はぁ……。



 頭が割れそうだ……。

 またしても血の渇望が抑えられない。

 そう……。やはり、自分は人狼なのだ。

 今、この時、はっきりと覚醒している。

 昼間はどこかおぼろげに覚えているが、その成り済ました人物に記憶も性格も委ねているので、はっきり認識はしていないのだ……。




 だが、今は違う!

 全身の細胞という細胞がわかっているのだ。

 人間という種を……。




 『喰らえ!!』


 ……と本能が訴えかけてくるのだ。




 思えば、いつも比べられてきた……。

 許してきた。

 だが、今、我慢するべきことではないと、理解している。

 今、成り代わったこの記憶と身体……、本物のほうはいずこに消えたのか?

 私もわからない。



 だが……。

 もう比べられることもない!

 そして、人狼は『塔』の裏側の扉を開けようとマスターキーを取り出した。



 そう……。こちら側には、あの忌々しい神父の『聖なる結界』とやらは施されていないようだ……。

 手抜きだった自分たちを恨むが良い。




 カチャリ……





 重い扉がゆっくりと開いていく……。

 その部屋の中にはこれから餌食となるであろう人間が、すやすやと寝ている様子が、人狼の瞳に映っていたのであった-。






 惨劇の『或雪山山荘』での宿泊は6日目の朝へと移る―。




 ~続く~



しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】結界守護者の憂鬱なあやかし幻境譚 ~平凡な男子高校生、今日から結界を繕います~

御崎菟翔
キャラ文芸
​【平凡な高校生 × 妖従者たちが紡ぐ、絆と成長の主従現代和風ファンタジー!】 「選ぶのはお前だ」 ――そう言われても、もう引き返せない。 ​ごく普通の高校生・奏太(そうた)は、夏休みのある日、本家から奇妙な呼び出しを受ける。 そこで待っていたのは、人の言葉を話す蝶・汐(うしお)と、大鷲・亘(わたり)。 彼らに告げられたのは、人界と異界を隔てる結界を修復する「守り手」という、一族に伝わる秘密の役目だった。 ​「嫌なら断ってもいい」と言われたものの、放置すれば友人が、家族が、町が危険に晒される。 なし崩し的に役目を引き受けた奏太は、夜な夜な大鷲の背に乗り、廃校や心霊スポットへ「出勤」することに! ​小生意気な妖たちに絡まれ、毒を吐く蛙と戦い、ついには異世界「妖界」での政変にまで巻き込まれていく奏太。 その過程で彼は、一族が隠し続けてきた「残酷な真実」と、従姉・結(ゆい)の悲しい運命を知ることになる―― ​これは、後に「秩序の神」と呼ばれる青年が、まだ「ただの人間」だった頃の、始まりの物語。 ​★新作『蜻蛉商会のヒトガミ様』 この物語から300年後……神様になった奏太の物語も公開中! https://www.alphapolis.co.jp/novel/174241108/158016858

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

アガルタ・クライシス ―接点―

来栖とむ
SF
神話や物語で語られる異世界は、空想上の世界ではなかった。 九州で発見され盗難された古代の石板には、異世界につながる何かが記されていた。 同時に発見された古い指輪に偶然触れた瞬間、平凡な高校生・結衣は不思議な力に目覚める。 不審な動きをする他国の艦船と怪しい組織。そんな中、異世界からの来訪者が現れる。政府の秘密組織も行動を開始する。 古代から権力者たちによって秘密にされてきた異世界との関係。地球とアガルタ、二つの世界を巻き込む陰謀の渦中で、古代の謎が解き明かされていく。

「魔物の討伐で拾われた少年――アイト・グレイモント」

(イェイソン・マヌエル・ジーン)
ファンタジー
魔物の討伐中に見つかった黄金の瞳の少年、アイト・グレイモント。 王宮で育てられながらも、本当の冒険を求める彼は7歳で旅に出る。 風の魔法を操り、師匠と幼なじみの少女リリアと共に世界を巡る中、古代の遺跡で隠された力に触れ——。

春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話

登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。

サイレント・サブマリン ―虚構の海―

来栖とむ
SF
彼女が追った真実は、国家が仕組んだ最大の嘘だった。 科学技術雑誌の記者・前田香里奈は、謎の科学者失踪事件を追っていた。 電磁推進システムの研究者・水嶋総。彼の技術は、完全無音で航行できる革命的な潜水艦を可能にする。 小与島の秘密施設、広島の地下工事、呉の巨大な格納庫—— 断片的な情報を繋ぎ合わせ、前田は確信する。 「日本政府は、秘密裏に新型潜水艦を開発している」 しかし、その真実を暴こうとする前田に、次々と圧力がかかる。 謎の男・安藤。突然現れた協力者・森川。 彼らは敵か、味方か—— そして8月の夜、前田は目撃する。 海に下ろされる巨大な「何か」を。 記者が追った真実は、国家が仕組んだ壮大な虚構だった。 疑念こそが武器となり、嘘が現実を変える—— これは、情報戦の時代に問う、現代SF政治サスペンス。 【全17話完結】

おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう

お餅ミトコンドリア
ファンタジー
 パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。  だが、全くの無名。  彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。  若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。  弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。  独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。  が、ある日。 「お久しぶりです、師匠!」  絶世の美少女が家を訪れた。  彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。 「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」  精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。 「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」  これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。 (※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。 もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです! 何卒宜しくお願いいたします!)

処理中です...