R-指定ロリっ娘彼女

いまち サク

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紗奈の恋の予感

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体育祭は一度お昼休憩を挟んだ。
凌央たちは校舎の影で昼食を
とることにした。
「ここ、涼しいねぇ」
美琴がそう言うと
「でしょ?何て言ったって私が美琴のために
探した場所だからね」
そう鼻を高くして自慢していたのは
凌央と美琴の恋火付け役となった奈美
だった。
「ありがとう」
美琴が言ったその言葉に奈美は悶えた。
「これだから美琴はぁ、可愛いんだよー」
そう言いながら奈美は美琴に抱きついた。
「やめてよー」
その二人のいちゃつきに周りは言葉を
失い
「...うっわ」
としか言えなかった。
「でも凌央くんも午後から頑張ってね」
美琴はそう凌央を応援した。
「あ、そうか、じゃぁ頑張ってな、
凌央」
大翔からも応援された。
「ファイトな」
紗奈からも応援された。
凌央はそれに答えるようにして
「おう!」
そう言った。
だが、奈美は美琴に悶えていたため、
奈美からは応援をもらえなかった。

「第八種目、学級対抗リレーです。
出場者の方は入場口まで来てください」
凌央はそのアナウンスが鳴った時には
入場口にいた。
美琴たちが観客席から手を振っていた。
凌央もそれに答えるようにして
手を振り返した。
ここに立ったとき、異常な緊張が凌央を
襲った。こんななか、みんなに気配りできる
人が正直尊敬でき、うらやましい。
そんな事を考えているといよいよ凌央に
バトンがまわってきた。それを凌央が
受け取った時は、二位だった。
だが、三位との距離が近い、気を抜けば
すぐに追い越される位置だった。
だが、凌央は先程の尊敬や羨ましさが脳裏をよぎった。その時、三位の人が凌央を
抜かした。だが、すぐに意識が戻り、
集中した。一心不乱に走った。
結果は二位だった。
一位は陸上部だったので、上々の成績
だっただろう。

その後、凌央たちのクラスは着々と
ポイントを稼いでいき、その成果もあってか
第一位という最高の結果でおわった。

体育祭の帰り道、
凌央と美琴は一緒に帰っていた。
「凌央くんすごかったねぇ」
美琴が凌央をそう誉めると
「...だろ」
凌央はそうらしくもない言葉を言った。
そう言った後の美琴は何か秘密を隠しているようだった。

美琴は聞いてしまった。紗奈が
「がんばれよ」
そう凌央に言った時の紗奈の声はとても
弾んでいた。
美琴は見てしまった。紗奈が凌央に向ける
視線はまるで恋をした乙女、または
ヒーローを見る人みたいなことに、
美琴は気付いてしまった。 
おそらく紗奈は凌央の事がずっと
好きだったんだということに、
また、それに気づいた美琴は
紗奈の恋を心のそこから応援したかった。
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