流行りじゃない方の、ピンク髪のヒロインに転生しました。

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第一章

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 模擬訓練の翌日、

「…………ごめんなさい!」

 コーンウォリスさんに、謝られてしまった。

「いえ、私もあの時、無神経な事を言ってしまったと思うので」
「でも、ミアさん、ザイードの神力が暴走して、大変な思いをさせてしまったし、喰種のレプリカントにも襲われたんだよ?」
「えっ、喰種のレプリカントが?! 大丈夫だったの?! それに、……ザイードの、神力が暴走したの……?」
「あ、あの、ルカ君が来てくれたので、大丈夫でしたよ」
「ユリア、大変だったんだよ?」
「し、知らないわよ。私……そんな事になるなんて、思ってなかった……、ごめんなさい。……それで、どうやって、抑えた、の……?」

 コーンウォリスさんが、酷く不安そうな声で言う。
 
「ルカ君が来てくれて、薬を飲んで落ち着かれましたよ」
「そう、だったの……。その、あなたとは、何も無かったのかしら?」
「無かったよ。ザイードが、ミアさんに服を貸したくらい」
「え、何それ。どういう状況?!」
「……ユリアが、ミアさんをびしょ濡れにしたから、そんな事になったんだよね?」
「うっ、そう、よね。ごめんなさい」

 今日も、いつもの場所で勉強をしていて、そこに、コーンウォリスさんが来てくれた。もう用事は済んだからとすぐに行ってしまったけれど。



 今日は、ずっと気になっていた事を、ルカ君に聞こうと決めていた。

「あの……ルカ君は、薬をいつも持ち歩いているんですか?」
「ああ、うん。そうだよ。僕も、いつ、ザイードみたいになってしまうか分からないから」
「……あの、神力測定をした時に、神官様から説明を受けたんです。直系の神力を受け継いでいる男性が、成長期に神力を暴走してしまうのを、抑える必要があると。薬は、一時的にしか抑えられないとも。……それに、抑える方法も」
「…………」
「それぞれの属性が対になっていて、魔属性は、聖属性と対になっているとお聞きしました。……ルカ君は、魔属性ですよね?」
「……うん。そうだよ」
「ルカ君は、お相手になる聖属性の方はいらっしゃるんですか?」  
「いや、いないよ」 
「じゃあ、私は聖属性なので、……私でも、良いんでしょうか?」
「……ミアさん、本当に抑える方法を知って、言ってるの?」
「はい。聖属性の場合は、体液の摂取でも抑えられると聞きました」
「ああ、うん、そう、だね」

 ルカ君が言い淀む。
 
「……その、具体的に、身体のどこで摂取するんでしょうか? そのことはお聞きしていなくて」
「ああ、そうなんだね。……ええと、その、
……………………む、胸、だよ」

 ルカ君の顔が真っ赤になってしまう。

 胸? 胸から出る体液って、母乳だよね? え、妊娠してなくても出るものなの?

「母乳の事ですか?」
「いや、違うんだ。聖属性の女性だけの、特殊なものらしい」
「そうなんですね……」

 なるほど。最後まではしなくても、イチャイチャできるシステムって事か……18禁乙女ゲームめ……

「ルカ君は、今も薬を飲んで、力の暴走を抑えているんですよね」
「……うん、そうだね」
「その、薬を飲み続けていたら、どうなるんでしょうか?」
「……今まで、最長で、27歳まで飲み続けていた人はいたらしいよ。何世代か前の方だけれど。その人は、でも、28歳で亡くなっているね」
「そう、なんですね……」

 やっぱり、薬を常用していたら、身体に大きな負担になってしまうんだ。成長期に、力を抑える為に、身体の成長まで抑えてるんだから、無理が出るに決まっている。

 …………これは、献血と一緒だ。助けられる人がいるのに、手を差し伸べなかったら一生後悔する。
「交わる」なら、婚約者にとかなんとか、色々と面倒くさいみたいだけど、……それで、人の命が救えるなら、安いものだ。

「今、聖属性で生存している人は、現王妃と、ミアさんしかいないんだ…………。実は、入学する前から、聖属性の女の子が入学するっていう事は知ってて……ミアさんが聖属性だって事も、名前を聞いた時から分かっていたんだ。……その事を伝えたら、その為にミアさんに近づいたと思われるんじゃないかと思って、言えなくて」
「そうだったんですね。…………ルカ君は、もう大切な友達です。そう思っているのは、私だけじゃないって事ですか……?」

 出会って間もないけれど、毎日の様に一緒にいて、沢山助けてもらっている。

「うん。……ミアさんは大切な人だよ」
「じゃあ、大切な人には、自分の身体を大切にして欲しいと思います」
「……それは、僕も同じだよ? 大切な人に、簡単に触れたりはできないよ」

 ルカ君が、困った顔で言う。

「ルカ君、これは、医療行為と同じだと思って下さい。あ、私には何の資格もありませんが……。必要だからするんです。ルカ君だって、目の前で苦しんでる人がいてたら、放っておかないでしょう?」
「それは、そうだけど……」
「とりあえず、一度試してみましょう。それで本当に効果があるのか。それに、ちゃんと出るのかも不安ですし……」
「………………分かった。その為の部屋が、学園にあるから、とりあえず使用許可を取っておくね」
「そんなものがあるんですね。……じゃあ、お願いします」


◇◇◇


  ベッドと、向かい合わせに置かれた、一人掛けの椅子が二つに、テーブル。
 ホテルの様な室内に、ルカ君と二人で佇んでいる。

「こんな部屋が、あったんですね……」
「……ああ、僕も初めて使うから……」
「バスルームまである……」

 ここは、公爵家、辺境伯の子息が、「交わる」為の部屋だ。王家専用の部屋と、四大侯爵家用の部屋は、また別にあるらしい。……高級ラブホ的な?

 ルカ君が緊張した顔をしている。

「どうしよう、か……」
「えっと、とりあえず……、椅子に座ったら良いですか?」

 ベッドの上は、流石に気まずいよね。

「あ、ああ、そうだね」

 これは、献血と同じ。献血と同じ。
 
 棒タイを解き、ボタンをぷちぷちと自分で外す。

「ちょ、ちょっと待って、ミアさん」
「……早く終わらせちゃいましょう」
「う、うん」

 この変な空気が続くと、余計に緊張してしまうし……。
 ブラウスの前をはだけ、スリップドレスの様な下着の、肩紐に手をかけたけれど、自分で下ろすのを躊躇してしまう。

「……本当に、良いのかな?」
「はい。大丈夫、です」
「いや、大丈夫じゃないよ。やっぱり、おかしいよ」
「でも、この方法しか無いんですよね。ルカ君の身体を、」
「っ、だとしても、こんな事……」

 下着の肩紐を、肩からするりと落とし、胸を露わにする。
 ルカ君が、胸を凝視して固まってしまう。

「いつまでも、こんな格好だと、さすがに恥ずかしいので、早く、お願いします……」

 あとはどうとでもなれ、と、目をぎゅっと瞑る。

「…………ごめん、ミアさん」

 と、ルカ君が呟くのが聞こえる。

 指で胸の先を、くにっと触られ、思わず身体がぴくりと反応してしまう。
 湿った口の中に含まれ、軽くちゅっと吸いつかれる。
 何度か、同じ様に吸いつかれたけど、何かが分泌された感覚は無い。

「……出ましたか?」
「……いや、」

 思わず目を開けると、胸を目の前にして、真っ赤な顔のルカ君が見えた。

「だめ、ですか……」
「ごめん。ここまでしてもらって……」
「……性的に、感じないと駄目って、」
「っ、うん」
「ルカ君、遠慮しないで下さい。今まで、我慢して、ずっと薬で成長を抑えていたんでしょう? もう、我慢しなくて良いんですよ?」
「………………分かった。我慢、しない」
「っん、」

 肘掛けに手をかけ、椅子の座面に膝をつく。背もたれに押し付ける様に、キスをされた。

 唇を喰まれながら、胸を下から掬うように、優しく揉まれる。

「んっ、ぁ」

 唇から首筋へ、ちゅ、ちゅ、とキスをされ、鎖骨に吸いつきながら舐められる。

「んッ」

 ルカ君が床に膝をつき、そのまま舌を這わせ、胸の先を口に含まれてしまう。

「あ、ゃ、」

 もう片方の胸を、柔く揉まれながら、口の中の胸の先を、舌で転がされる。

「んんっ、ぁんッ」

 思わぬ声が出てしまい、自分の口を手でぎゅっと押さえる。
 口内で、執拗に押しつぶす様に、舌先で舐められ、じゅっと吸いつかれた瞬間、中から何か溢れ出る様な感覚があった。

「っ、ん、」

 ルカ君が、驚いたように、胸の先から口を離す。

「っ、ミアさん、今、何か、」
「……出ました、か?」
「あ、ああ………………甘かった……」
「……良かった」

 安心して、思わず笑みが溢れてしまう。
 ルカ君が目を見張り、顔が真っ赤になる。

「まだ、いりますか?」
「いや、……今日は、もう、やめておいた方がいい気がする」

 と、赤らんだ顔のルカ君に、目を逸らされて、言われた。
 

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