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第三章
7 ※
しおりを挟むあ、だめ、と思う間も無く、いつもの部屋にルカ君と立っていた。
「だ、大丈夫なの? そんな状態で神力を使ったら、んっ」
後頭部を掴まれ、噛み付く様に口づけられる。
「ん、んっ」
ルカ君の舌で、口の中を、激しく掻き回されてしまう。
ルカ君が、腕を腰に回し、引き寄せようとして、顔を顰めた。
「んっ、は、……だ、だめ、腕を動かしちゃ、」
「くそ、こんな時に……」
ルカ君の腕をそっと剥がす。
「…………ルカ君は、椅子に座ってくれる?」
「ミアさん……?」
ルカ君が言われるままに、椅子に腰掛ける。
ジャケットと、スカートを脱ぎ、ルカ君の膝の上に跨る。
驚いた顔のルカ君に見られながら、ブラウスのボタンを外していく。顔がとても熱くて、赤くなってしまっているのが、自分でも分かる。
ブラウスの前をはだけ、下着の肩紐を一緒に下ろすと、胸が露わになった。
「ミアさん……」
ルカ君が、目を見開いて固まってしまう。
「……触って?」
声が、小さく震える。
ルカ君の顔がカッと赤くなり、急に身体を起こしたせいで、お互いのおでこがぶつかってしまう。
「「っ!」」
「……痛い……夢じゃない……、本物のミアさん?」
ルカ君がポカンとした顔で呟く。
「夢……? 本物って?」
「ああ……ずっと、ミアさんに触れる事ばかり考えていたから、ついに幻覚が見えたかと思った……」
「……ふふっ」
ズキズキするおでこと、ルカ君が、真面目な顔で言うのとで、思わず笑ってしまう。
「……やっぱり、夢、かも……」
指先でそっと頬に触れ、優しく口づけられる。
何度も何度も、唇を喰む様に重ねられる。
ルカ君が、遠慮がちに胸に触れ、手の平で包む様に、優しく揉まれる。
「ん、」
唇が離れ、ルカ君と目が合う。
「……何度も、ミアさんの肌の感触や、匂い、声を、思い出しては、堪らない気持ちになってた。……やっと、ミアさんに、触れられた」
ちゅ、と胸元に口づけられる。
下から掬う様に胸を揉まれ、胸の先を口に含まれ、
「んっ」
舌先を使って、くすぐる様に舐められる。
「ん、んっ、ぁ」
刺激から逃げようとすると、後ろに倒れてしまいそうになって、身体を前に倒すと、ルカ君に胸を押しつける様な形なってしまう。
胸の先を深く咥えられ、じゅっと吸いつかれた。
「あっ、ンッ」
何度も強く吸われ、身体がびくびくとその度に震えてしまう。
「ンッ、ンンッ」
ルカ君が、息を吐く様に、唇を離す。
ツンと立った胸の先を、指先で弄りながら、もう片方の胸の先を口に咥えられる。
「あっ、ん、んっ」
舌と指で、優しく刺激される。
「ん、ゃ、あっ」
胸を扱く様に持たれ、強く吸われてしまう。
「あぁッ」
身体がのけ反り、ルカ君に腰をぐっ引き寄せられる。
力が抜けて、ルカ君の肩にもたれた。
「……ミアさん、大丈夫?」
「うん……、ルカ君も、腕は痛くない?」
「ああ、痛くないよ」
「……………ルカ君の匂い、安心する」
「……ミアさんも、……寂しかった?」
ルカ君が呟く様に聞く。
「……うん。寂しくて、気を紛らわせる為に、わざと忙しくしてた」
ルカ君が、片方の腕で、背中をぎゅっと抱き寄せてくれる。
「……いつも、自分勝手な思いを、押しつけてばかりで、ごめん」
「……私も……、自分に自信が無くて、逃げようとしてた……ごめん、なさい」
「それは、僕が、自分の事ばかりで……、ミアさんとの事を、一緒に考える余裕がなかったせいだ」
「ルカ君……?」
顔を上げ、ルカ君と目が合う。
「……ミアさんと、離れている間に、ずっと考えてたんだ。何がいけなかったんだろうって。どうやったら、ミアさんと、ずっと一緒にいられるんだろうって」
「……」
「セオドアのことや、辺境領でのこと……、ミアさんはどうするのが一番良いのか、ずっと考えてくれていたのに……、僕が頼りないせいで、一人で悩ませてしまって……ごめん」
「……違う。ルカ君だけのせいじゃないよ……、自分の中だけで、ぐるぐる考えてばかりで、勝手にいっぱいいっぱいになってしまって、一緒に考えようとしなかったのは、私も同じだよ」
「ミアさんと……、これからも、ずっと一緒にいたいから、一緒に、悩ませて欲しい」
「……うん」
どちらからとも無く、触れる様なキスをする。
口づけが深くなり、ルカ君に跨っているせいで、ルカ君のものが硬くなっているのが、分かってしまう。
「……ミアさん、服を着る? その……、我慢できなくなってしまうから……」
ルカ君が、目を逸らしながら赤い顔で言う。
「……ルカ君にも、……気持ち良くなって、欲しい」
トラウザーズのボタンを外し、前を広げ、ルカ君のものを手の平で包む様にする。
「ミアさんっ、だめ、だ」
手で扱く様に、優しく擦る。
「ん」
初めての事で、加減が分からないながら、先からとろっと出てきたもので、手を滑らせる様にゆるゆると擦っていく。益々硬くなり、時々びくりと震えるのが手に伝わってくる。
ルカ君が、眉間に皺を寄せ、辛そうな顔をする。
「……気持ちよく、ない?」
「……ちがう……気持ち、良すぎて……ん、ミアさんも、……濡れてる?」
「え……」
「ミアさんも、気持ち良いの?」
ルカ君のものを、下着越しに擦りつける様に動かされてしまう。
「んっ」
もう、すでに濡れてしまっている下着を、紐を解いて剥ぎ取られ、割れ目を指先でなぞられる。
「ミアさん、中から溢れてる……」
「ん、や、」
手で、ルカ君のものを扱きながら、割れ目を擦り付ける様に、腰を上下に動かしてみる。
「ん……っ」
ルカ君が、唇を重ねてきて、口の中を舌で掻き回される。胸を掬う様に揉まれ、身体の色々な所を、同時に刺激され、頭が真っ白になってしまう。
手の動きを早くすると、胸を形が変わるくらいに強く揉まれ、唇が離れる。
「っ、ミアさん、もう、」
ルカ君の身体がびくりと震え、先からドロっとしたものが、溢れ出てくる。
ルカ君が、熱い息を吐いた。
「……ごめん、ミアさん、汚してしまった……」
「ううん、……大丈夫」
ルカ君の膝の上から降りて、手を洗い、濡らした布巾を持ってくる。
ルカ君がいつもしてくれる様に、汚れてしまった所を拭いていく。
「……ミアさん、とりあえず服を着て。また、触りたくなるから……」
「あ、う、うん」
お互いに身なりを整えて、ベッドの端に並んで腰掛ける。
「……初めての時と、逆だったね」
「……本当だ」
「あんなミアさん、初めて見たからびっくりした」
「っ、だ、だって、傷口が開いたら駄目だし……、ルカ君に、触れたかったから……」
「うん、……とても、嬉しかった」
「……自分の気持ちに、正直になろうと思ったの。考え過ぎてしまって、自分がどうしたいか、分からなくなってたから」
「……ミアさんが、神力を強くする為に、治癒院の手伝いをしているって、エリカから聞いたんだ」
「……自分の為だよ。自信が無かったから、自信をつける為に行ってるの」
「そうか……、ミアさん、すごいよ。あんな風に傷を治せるなんて。ミアさんを必要とする人は、きっと沢山いると思う」
「……治癒院でね、お手伝いをしていると、色んな人が来られるの。まだ小さい子も、お年寄りも、強そうな人だって、怪我をしてたら、みんな同じ様に辛そうな顔をしてる。……けどね、手当てをして、痛みが無くなると、安心して、みんな笑ってくれる。……治せない事も、もちろんあるし、出来る事は少ないけど、そうやって笑ってくれる人がいると、もっと強くなりたいなと、思えるの」
「うん……、ミアさんは、強いよ」
「……そんなこと、ない」
「ミアさんは、人の為なら、いくらでも強くなれるよね……でも、自分のこととなると、途端に弱くなってしまう……。僕は今は、頼りないけど……、そんなミアさんを、守れる様になりたいんだ。ミアさんが不安にならない様に、安心して過ごせる場所を、僕が作りたい」
「……」
「……ミアさんに甘えるばかりじゃなくて、一緒にいるからこそ、強くなれる二人に……、ミアさんと、なりたいんだ」
「……」
色々な感情が込み上げてきて、言葉が出てこなくなってしまう。
「……うん……、ルカ君と、そうなれたら、嬉しい」
触れられる距離にいることが嬉しくて、並んでいた手をそっと繋ぐ。
ルカ君が嬉しそうに握り返してくれて、心がじんわりと、温かくなるのを感じていた。
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