感情が色で見えてしまう伯爵令嬢は、好きな人に女として見られたい。

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前編

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 昔から、私には人には見えないものが見えた。
 
 人と目が合うと、その人の周りに、滲む様に色が広がって見える。
 仲の良い友人には黄色やオレンジ色が見え、親友や家族など身近な人程、朱色などの赤色に近づいていく。青色は殆ど見たことがないけれど、あまり仲が良くない人に見える事が多い。

 小さい頃は、他の人にも同じ様に、人の周りに色が見えると信じていた。
 ある時、私に意地悪をしてくる女の子に、初めて青色が見え、

「あの子、青色が見えるわ。なぜかしら」

 と妹のルイーゼに聞いてしまい、ルイーゼにはそんなものは見えないと言われ、これは自分にしか見えないものなのだと、そこで初めて気がついた。

 様々な人の色を見て、この私にしか見えない色は、私に対して感じている好悪を表しているのだと思う様になった。

 子供の頃は、会う人は大抵決まっており、見える色も、ほとんどが黄色から朱色の温かい色ばかりで、家族や親しい人の中で、大切に育てられてきたのだと思う。

 17才になった昨年は、私の社交界デビューの年で、今までは会わなかった様な方達とお会いする機会がぐんと増えて、小さい頃は見えなかった色が、頻繁に見えるようになった。

 それは、紫色だ。

 私は発育が良く、お母様やお姉様に「ソフィアの売りはそこね」と言われるくらい胸が大きい。胸は大きいのに背は余り伸びず、アンバランスな身体つきだ。
 自分の事は好きだけれど、慎ましさが感じられず、好奇の目で見られる事が多いこの身体はあまり好きになれない。緩めのコルセットをしてもふくらみは隠せないし、太って見えてしまうのも悩みだ。

 紫色は、性的に興味のある色だと思っている。ジロジロと不躾に見てくる男性は多くはないけれど、身体に視線を感じる時に見えるから。
 新しく出会う男性は、どんなに誠実に見える人でも、濃淡はあるけれど、大抵は紫色が見えてしまう。
 私の理想としては、親愛の中で恐らく一番強い愛情の、赤色が見える人と結婚できたら、と夢見ているのだけれど……。

「お父様のお母様に似てるのよ、ソフィアは。お祖母様もお胸が立派で、腰が折れそうな程コルセットを締めていたから、よりお胸が強調されて、数多の殿方を虜にしたらしいわよ。ソフィアも恥ずかしがらずに、せっかく持って生まれた物なのだから、武器にしてしまいなさいな」

 私の自信の無さそうな様子を見て、心配したお母様に、そんな風に励まされてしまう。
 今日の夜会は将来有望な青年達が参加するらしく、お母様も、今年デビューした妹のルイーゼも相当気合いが入っていた。私もその熱に巻き込まれてしまい、いつもよりコルセットをキツく締め上げられ、より胸が強調される様な姿にされてしまう。

 夜会では、両親とお兄様から紹介してもらった人のみ踊る様にしていて、それでもすごく気疲れしてしまうので、あまり参加したくないのが本音だ。昨年のシーズンではお姉様のお相手が見つかり、今年は私の結婚相手を見つけようと、両親がはりきっているので、中々嫌だとは言えない。

 兄の友人のアンドリュー兄様は、小さい頃から仲が良いせいか、家族以外の男性の中で、唯一朱色が見える兄の様に大切な人。とても優しい、お日様の様に温かい素敵な人だ。

 以前は、休暇の度にうちに遊びに来てくれていたけれど、最近は、兄とは外で会うことが多いらしく、家まで来られる事が減ってしまった。来られても、以前は、本当の妹の様に可愛がって下さっていたけれど、いつの頃からか、お話して下さることも減り、さみしく感じていた。

 アンドリュー兄様は男爵家の次男で、お医者様になるために大学で勉強をされている。跡取りでは無いけれど、アンドリュー兄様の穏やかなお人柄と、少し垂れ目の甘いお顔立ちで、密かに令嬢からの人気も高かった。
 普段会う事は少なくなってしまったけれど、夜会には参加されていて、ルイーゼや私を誘って踊って下さる。今日の夜会にも参加されるらしい。
 アンドリュー兄様と踊るのは楽しく、心穏やかに過ごせる大切な時間なのだけれど、今日は遅れて来られるみたいで、まだ姿を見ていない。

「お姉様、大丈夫? 顔色が悪いわ」

 妹のルイーゼに心配そうに聞かれてしまう。
 
「今日も、誠実な男性はいなかったのかしら?」
「……そうね。今日は、どの方も紫色が濃く出ていて、なんだか疲れてしまったわ」

 ルイーゼには、唯一秘密を知っていて、信頼できる相手だからか、何かと気持ちを溢してしまう。

「あ、アンドリュー兄様が来られたみたいよ」

 早速どこかのご令嬢を紹介されている。お話しながら周りを伺う様にされて、ぱちりと目が合う。ルイーゼと一緒に小さく手を振ると、一瞬、とても優しく微笑まれて、嬉しくて、ふわふわと浮ついた気持ちになる。
 
 私は、父の知人の息子だと紹介された方と、ダンスを踊る。ダンスを終え、アンドリュー兄様の姿を探すと、ルイーゼとお話されていた。ルイーゼは嬉しそうに、アンドリュー兄様も笑顔でお話されていて、ルイーゼがアンドリュー兄様の耳に顔を近づけて、とても親しげに話されていて、その近い距離が、なぜか妙に気になってしまう。

 3曲踊った後、コルセットの圧迫感と、緊張とで疲れてしまい、一人きりは良くないと分かっていながら、飲み物を取ってくると嘘をついて、ホールを抜け出す。テラスの下にあるベンチに座り、外の空気を吸い込んで、ほっと息をついた。

 先程まで誰もいなかったテラスから、男性数人で楽しそうにおしゃべりしている声が聞こえてくる。アンドリュー兄様も、その中にいるみたいだ。

「先程のダンスで、レベッカ嬢に思い切り足を踏まれてしまった」
「何か粗相をしたんじゃないのか」
「髪飾りの羽が素敵ですねと誉めただけだよ」
「それがいけなかったんじゃないか。ご令嬢方は相当苦労をして、準備しているみたいだから、ありとあらゆる努力を誉めなければいけないよ」
「そういえば、苦労と言ったら、普通の令嬢だと、谷間を作るのに、コルセットをキツく締めあげて四苦八苦らしいが、ソフィア嬢はコルセット無しでも見事な双丘ができるらしいな」
「ああ、今日は特に見事じゃなかったか。思わず目がいってしまうから、見ない様にするのに苦労したよ」

 羞恥で顔が熱くなる。聞きたくないと思っているのに、身体が動かない。

「その話、誰に聞いたんだ」

 アンドリュー兄様が硬い声で問いかける。
 
「妹が、ドレスを着るのに苦労して、そうこぼしているのを聞いてしまってね」
「令嬢のごく私的な話を、こんな公の場でするなんて失礼じゃないのか」
「なんだ、珍しく険しい顔をして。ここだと中には聞こえないだろ。……あぁ、アンドリューはソフィア嬢と昔からの知り合いだったな」
「……妹の様に大切な子なんだ。やめてくれないか」
「分かったよ。悪気は無かったんだよ。すまない」
「ああ、知っているよ。こちらこそ声を荒げてすまなかった」
 
 剣呑なやり取りから、穏やかな雰囲気に変わりホッとする。アンドリュー兄様がかばってくれた事が嬉しいのに、なぜか「妹の様に」という言葉を頭の中で反芻してしまう。


 気がつくと、ダンスの申込みをお断りした男性が近くに立っていた。

「隣に座っても?」

 と、断る間もなく、隣に座ってしまう。

「赤ワインはどうですか?」

 とグラスを勧められ、手に持たされる。

「あ、ありがとうございます……」

 ダンスを申し込まれた時から、背後に濃い紫色が揺らめいていて、今も舐める様に見つめられ、どうやってこの場から逃げようかと必死で考える。
 
「あなたが、一人で庭へ出るのが見えて、追いかけて来てしまいました」

 一人きりになるなとお兄様にキツく言われていたのに、ホールの息苦しさから逃げたい気持ちが勝ってしまった事を、今更ながら激しく後悔する。

 気がつくと男性の顔が迫っていて、思わず「きゃっ」と叫んでしまう。至近距離に詰められ耐えきれず目を瞑ってしまう。

「失礼」

 と聞きなれた声が聞こえる。

「ソフィア、サイモンが探していたよ。アルピン卿、すまないが急用らしいので、失礼します」

 と、アンドリュー兄様にサッと手を取られ、その場から離れる。

 ホールではポルカの曲が流れ、みんな楽しそうに踊っている。壁際に連れて行かれ、周りに聞こえない様にする為か、ホールを背にして、怖いくらいに真剣な表情の、アンドリュー兄様の顔が近づく。

「ソフィ、夜会の最中に一人で外に出るなんて絶対に駄目だよ。約束してくれないか。これからは、こんな軽率な行動はしないと」

 普段は見せない、強い眼差しのアンドリュー兄様にどきどきしながらも、包まれる様な朱色を見て、安堵から思わず涙ぐんでしまう。

「ごめんなさい。アンドリュー兄様。外の空気が吸いたくなってしまって……」
「……そういう時は、僕でも良いから声をかけてくれ。美しい女性に群がる虫は、後を絶たないんだからね」

 と、真剣な顔から、いつもの穏やかな顔に戻り、持っていた赤ワインのグラスを取り上げられ、

「ご両親とサイモンには、ソフィが気分が悪くなったと伝えておいてもらうから、家まで送っていくよ」

 と手を取り連れて行かれる。



 馬車寄せに向かう途中、気が抜けたせいか、アンドリュー兄様に寄りかかってしまい、ふらふらしているから心配だ。という理由で、アンドリュー兄様が私の隣に腰掛ける。
 暗がりで普段よりも感覚が敏感なっているせいか、服越しでも体温が感じられて、なぜか緊張してしまう。

「アンドリュー兄様、先程は、助けて下さってありがとう」

 アンドリュー兄様が横にいる安心感で、自然と笑みがこぼれる。
 カーテンの隙間から差し込む、街灯の光に照らされた、アンドリュー兄様の顔が赤くなり、同時に、周りの色が朱色から赤色になった気がして、目を見張る。

「ソフィの声が聞こえたから、気になって見に行ったんだよ。……見に行って良かった。怖い思いをしたね。ソフィは自分が思っているよりもずっと魅力的なんだから、本当に気をつけなきゃいけないよ」

 と、心配そうな顔で、優しく嗜められる。
 
 ふと、アンドリュー兄様は、他のご令嬢とは、二人きりにはならない様に、とても気をつけてらっしゃるみたいだけれど、私とは無防備にこうやって二人きりになっていて、魅力的だと言って下さっても、女性として見られていないのだと気がついてしまう。

 私が黙り込んでしまい、 

「ソフィ?」

 と心配そうな表情でアンドリュー兄様に、顔を覗き込まれる。突然馬車が揺れ、アンドリュー兄様が抱え込む様に抱き止めて下さり、胸にギュッとしがみつく。

「大丈夫かい?」

 思っていたよりも、広くて硬い胸に、男性の身体なのだと実感してしまい、なぜか恥ずかしくてたまらなくなる。優しい榛色の瞳で見つめられ、周囲に紫色ではなく朱色が見えて、落胆している自分に驚いてしまう。アンドリュー兄様に性的な目で見られたいと思っている自分が、とてもはしたなく感じられる。

「さ、先程は、ルイーゼと何をお話していたの?」

 と、脈絡もなく、つい気になっていた事を聞いてしまう。
 
「ん? ルイーゼかい?」
「……ダンスの後に、耳元で何かお話されてたから、気になってしまって……」
「ああ、ソフィが疲れてそうだから、連れて帰って欲しいと頼まれてね」
「! ルイーゼったら、心配性なんだから……、ふふ、まるでルイーゼが姉で、私が妹みたいね」

 小さい頃からおしゃまで可愛い妹が、気遣いのできる素敵なレディになった事が嬉しく、笑みが溢れる。

「小さい頃は、お姉さまと私の後ろをくっついてばかりだったのに」

 小さい頃のルイーゼを思い出して、懐かしんでいると、赤らんだ顔のアンドリュー兄様と目が合う。アンドリュー兄様の周りで、朱色から赤色のグラデーションになって揺らめいている。
 いつもアンドリュー兄様の周りに見えるのは、オレンジ色に近い朱色で、その色とは違う、初めて目にする赤色を、信じられない気持ちで見つめた。

「……アンドリュー兄様は、私の事を妹の様に思ってらっしゃるの?」
「……ソフィの事を妹?」
「ええ、テラスでお話されてるのを聞いてしまって……」

 アンドリュー兄様の顔色が変わる。
 
「ソフィ、あんな不快な話を耳に入れてしまって申し訳ない。男同士のくだらない話をあんなところでするべきじゃなかった」

 デビューするまでは、首元まである控えめな服を着ていたから、男性の視線に気づくことはなかった。社交界に出る様になり、男性からのあからさまな視線に晒され、他の令嬢から、影で「牝の牛みたいね」と言われ、自分の価値が身体で決められる事にびっくりしてしまい、とても悲しくなった。
 家族や仲の良い友人、そして、アンドリュー兄様は、変わらずにいてくれたけれど。
 
 アンドリュー兄様が、考える素振りをされる。

「……ソフィアを妹……僕はね、ソフィの親しい人に向ける笑顔が好きで、ソフィがその笑顔を僕に向けてくれると、いつも幸せな気持ちになって、大切にしたいと思うんだよ」
「……私も、アンドリューお兄様の、穏やかで優しい笑顔が大好き。近くにいると安心して、ずっとそばにいたいと思ってしまうの」
 
 アンドリュー兄様への気持ちが溢れて、思わず顔が綻ぶ。
 
「っ、ソフィ、それは、兄として……?」

 そう聞かれて、アンドリュー兄様の優しく微笑んだ顔や、ルイーゼと親しげに話されている姿を見た時に感じた気持ちを思い出す。私は、この力のせいで、人から向けられる感情には敏感になっていたのに、自分の気持ちには鈍感だったのだと、その時初めて気がついた。
 それは目には見えないから、伝えなければ分からないのだという、当たり前のことにも。

「……いいえ、違うわ……、一人の男性として、アンドリュー兄様が、大好きなの」

 アンドリュー兄様が、目を見開いて固まってしまう。

「………………本当に?」

 アンドリュー兄様が、掠れる様な声で呟く。
 
「ええ……本当よ」

 初めて自分の気持ちを口にし、どきどきして、顔が熱くなってしまう。
 アンドリュー兄様の真剣な目とぶつかり、後ろに揺らめく、赤ワインの様な美しい色が見える。赤紫……初めて見る色だ。

 アンドリュー兄様が、そっと頬に触れ、優しく唇が重ねられる。けれど、すぐに唇が離れてしまう。アンドリュー兄様が、躊躇う様な素振りをされる。
 アンドリュー兄様に、もっと触れて欲しくて、自分から唇を重ねた。アンドリュー兄様が身じろぐ。私は必死で目を瞑ったまま、アンドリュー兄様のシャツをぎゅっと掴んだ。
 アンドリュー兄様が固まってしまい、どうして良いか分からず離れようとした瞬間、後頭部を手の平で押さえられ、唇を噛み付くように何度も甘噛みされる。

「はっ……」
 
 息をするのを忘れてしまい、苦しくなって口を少し開けるとそこから、アンドリュー兄様の舌が侵入してくる。舌を絡め取られ、激しく弄ばれる。
 初めての深い口づけに、力が抜けて、座席に深く沈み込んでしまう。

「っ、ソフィ!」
 
 アンドリュー兄様が、焦った様子で顔を覗く。

「すまない……、頭が真っ白になって……、本当にすまない、ソフィ」

 初めてのキスの余韻に、頭がぼんやりとしてしまう。アンドリュー兄様が、身体を起こして下さり、着ていた上着を脱いで肩にかけてくれる。

 力が抜けてしまい、立ち上がれなくなった私を抱き上げ、家の玄関まで送ってくれたアンドリュー兄様は、出迎えてくれたバトラーに、私が気分が悪くなったため、送って来たと説明してくれる。

「ソフィア、また」

 と名残惜しそうに、手の甲にキスをして、帰って行かれた。

「また」がこんなに早く来るとは思っていなかった私は、昨日の疲れもあってか、お昼近くまで熟睡してしまい、

「お嬢様、アンドリュー様がお見えになっていますよ」

 という言葉で飛び起きた。

 
 
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