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第二部 非正規探偵の憂鬱 第一章 魔法の種
第2話
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その日はそれで家に帰った。2日で6万。おいしい仕事といえばおいしい仕事だった。明日はお休み。スマホでサイトもチェック。大丈夫だ。明日はお昼ごろまで寝てよう⋯⋯。
その日の夜更け。部屋をノックする音。僕が気づかず寝ていると、だんだん強く叩かれる音。
ん?
もう、なんだよ。
夜の2時に。
僕はドアを開けて外を見渡す。
誰もいない。
勘弁してよ。
深夜のピンポンダッシュは!
僕はドアを閉めて寝床に戻る。
「ごめん。真夜中に。緊急事態発生よ。あの銀行に至急来て」
あの女の声だ。
「何時だと思ってんだよ。勤務時間じゃないでしょ」
僕がそう言うと女はスマホを見ろという。僕は慌ててスマホを見るとあのサイトに深夜バイトの決定通知。
時給1万。
時給1万ですか!
僕は慌てて着替えてあの支店に向かった。
僕はあの支店に急ぎ足で行く。夜更けということもあり、すれ違う人はいない。まあ、東京といっても大都会の東京というよりも庶民的な東京なので夜更けじゃなくても人通りは少ないのだが。
銀行の前に行くと、パトカーが何台もきていて騒然としていた。ヤジ馬も結構な数だ。僕はそのヤジ馬に混じって様子を見ている。
「何、見ているのよ。さっさと現場に行きなさいよ。あんた探偵でしょ!」
あの女の声。
「でも、警戒線がはってあるから中には入れませんよ」
「大丈夫よ。あんたは見えないから」
見えない?
どゆこと?
僕は警戒線を越えて現場に入っていく。店の入口までくると女の声。
「あたしはこれ以上いけないから、あんた見てきて」
へえ、一人称はあたしなんだ。
僕は一人で店内に入る。
まず気になった点。
昼間見た客が何人かいる。
警察は何やってんだろう。
まず、壁にぶつかりながら歩いている女。
「夜が怖い。夜が怖い」
いや、怖けりゃ家帰れよ。
それと僕の席の隣で立っている女。どうせ無視だろうけど、とりあえず話掛ける。
「魔法使いは魔法使い。武器屋は武器屋。じゃあ、金庫破りは?」
なんだよ。
喋ったと思ったらなぞなぞかよ!
金庫屋じゃねえか!
もういい。
他の人。
右端のオジサン。
「この世界は魔法が使えるかどうかでエリートと非エリートに分類される」
相変わらず、失礼なオジサンだ。
僕が気になっているのは昼間、僕の席の一つ飛ばした席に座っていたオジサン。そのオジサンに声を掛ける。
「⋯⋯」
どゆこと?
まあいいや。
気を取り直して、警官のところへ行く。警官Aに声を掛ける。
「何が盗られたかわからないってことはないだろ!」
そりゃ、そうだ。
今度は警官Bに声を掛ける。
「警部、確かに不審者が防犯カメラには映っているのですが、何が盗られたかわからないらしいです」
ということは、警官Aが警部ってことだね。
それ以外はこの店内には人はいない。僕は何もやることがなくなり入口に戻る。
「あら、お早いお帰りね。もう事件は解決したの?」
「なんか。事件じゃないみたいですよ。眠いから帰っていいですか?」
僕は女に退勤を申し出る。一応、雇い主の許可をとって帰らなきゃね。
「はあ? 帰っていいわけないでしょ。ちゃんと事件を解決してきてよ。この給料泥棒!」
いやぁ、パワハラ以外の言葉が見つからん。
「わかりましたよ。事件を解決してくればいいんでしょ」
僕がそう言うと女は苛立つ。
「さっさと行きなさいよ!」
僕はふたたび店内へ。
とりあえず、ここにいる人全員に接触した。あとは⋯⋯。
あっ!
そうだ。そうだ。この機械があった。
僕は左端の窓口に行く。
そうだ。この人、忘れてた。
「いらっしゃいませ」
窓口の女の人がそう言うと目の前に浮かぶ文字。
預入。
引出。
貸出。
返済。
その他。
僕は迷わずその他を押す。
ピコっという音で文字が変わる。
ギルド。
召集。
その他。
迷わずギルドを押す。
ピコっという音で文字が変わる。
加入。
脱退。
その他。
加入っと。
名前。
風宮薫。
年齢。
25。
職業。
うぅぅん。
会社員は職業じゃないと昼間、女が言ってたな。
そうか!
エム探偵事務所の非正規職員だから探偵だ。
探偵っと。
確定。
「かしこまりました。探偵でギルドに登録完了しました」
僕の手には黒縁メガネがあった。
僕は急いで入口に戻り、女に話掛ける。
「探偵って書いたら、黒縁メガネ持ってました。これなんでしょうね?」
「探偵になったんなら、もう一度訊いてきなさい。違うセリフ言うから」
セリフって言っちゃったよ。
僕はふたたび店内へ。とりあえず壁にぶつかっている女に声を掛ける。
「私は見ていない。ガルが魔法の種を盗っていくのを」
ガル?
ガル。
ガル。
ガルって誰だ?
念のためもう一度。
「私は見ていない。ガルが魔法の種を盗っていくのを」
それに魔法の種って何だ?
僕は右端のオジサンに声を掛ける。
「魔法の種は魔法が使えない人が魔法を使えるようにする」
へえ、そんなもんがあるんだ。
念のためもう一度。
「魔法の種は魔法が使えない人がが魔法を使えるようにする」
今度は座っているオジサンに声を掛ける。
「⋯⋯」
またかよ!
念のためもう一度。
「あの防犯カメラはあっちのもの。こっちの人は映らない」
おっ!
喋った。
あっちとか、こっちとか。
よくわからん。
僕の席のそばに立つ女の人に声を掛ける。
「さっきの答えは金庫破りではないわ」
僕はさっき何も答えてないけどね。
金庫屋って思っただけだよ。
念のためにもう一度。
「さっきの答えは金庫破りではないわ」
さっさと答えを言えよ!
まあいい。
気を取り直して、警官Aだ。
「それじゃあ、いたずら電話だったってことだろ」
それって?
念のためもう一度。
「それじゃあ、いたずら電話だったってことだろ」
ああ、警官Bのセリフを受けたセリフってことだな。
警官Bに声を掛ける。
「実際に防犯カメラの映像を見たんですが誰も映っていないんですよ。警部」
念のためもう一度。
「実際に防犯カメラの映像を見たんですが誰も映っていないんですよ。警部」
防犯カメラに誰も映っていないのに、防犯カメラに不審者が映っているって通報してきたら、そりゃいたずら電話だろ!
これで全員に声掛けたかな。
あれ、左端に昼間の人がいる。
確かこの世界の通貨の話をしたオジサンだ。僕はそのオジサンに声を掛けた。
「左端の窓口にはどんなものでも預入れたり引出したりできるよ」
そりゃ、銀行なんだから、どんなものでも預入れたり引出したりできるだろ。キャッシュ以外のものを預入れたり引出したりするのを貸金庫っていうんだよ。
念のためもう一度。
「左端の窓口にはどんなものでも預入れたり引出したりできるよ」
このオジサンは何が言いたいんだ?
手詰まりになったので入口に戻る。
「事件解決した?」
「いや、全員に2回声掛けたんですけど、手詰まりになったんですよ」
「あんた、これ時給一万の仕事よ。さっさと終わらせなさいよ。この給料泥棒!」
本当、パワハラだが、女の言い分もわからんでもない。
僕はもう一度店内に入る。
その日の夜更け。部屋をノックする音。僕が気づかず寝ていると、だんだん強く叩かれる音。
ん?
もう、なんだよ。
夜の2時に。
僕はドアを開けて外を見渡す。
誰もいない。
勘弁してよ。
深夜のピンポンダッシュは!
僕はドアを閉めて寝床に戻る。
「ごめん。真夜中に。緊急事態発生よ。あの銀行に至急来て」
あの女の声だ。
「何時だと思ってんだよ。勤務時間じゃないでしょ」
僕がそう言うと女はスマホを見ろという。僕は慌ててスマホを見るとあのサイトに深夜バイトの決定通知。
時給1万。
時給1万ですか!
僕は慌てて着替えてあの支店に向かった。
僕はあの支店に急ぎ足で行く。夜更けということもあり、すれ違う人はいない。まあ、東京といっても大都会の東京というよりも庶民的な東京なので夜更けじゃなくても人通りは少ないのだが。
銀行の前に行くと、パトカーが何台もきていて騒然としていた。ヤジ馬も結構な数だ。僕はそのヤジ馬に混じって様子を見ている。
「何、見ているのよ。さっさと現場に行きなさいよ。あんた探偵でしょ!」
あの女の声。
「でも、警戒線がはってあるから中には入れませんよ」
「大丈夫よ。あんたは見えないから」
見えない?
どゆこと?
僕は警戒線を越えて現場に入っていく。店の入口までくると女の声。
「あたしはこれ以上いけないから、あんた見てきて」
へえ、一人称はあたしなんだ。
僕は一人で店内に入る。
まず気になった点。
昼間見た客が何人かいる。
警察は何やってんだろう。
まず、壁にぶつかりながら歩いている女。
「夜が怖い。夜が怖い」
いや、怖けりゃ家帰れよ。
それと僕の席の隣で立っている女。どうせ無視だろうけど、とりあえず話掛ける。
「魔法使いは魔法使い。武器屋は武器屋。じゃあ、金庫破りは?」
なんだよ。
喋ったと思ったらなぞなぞかよ!
金庫屋じゃねえか!
もういい。
他の人。
右端のオジサン。
「この世界は魔法が使えるかどうかでエリートと非エリートに分類される」
相変わらず、失礼なオジサンだ。
僕が気になっているのは昼間、僕の席の一つ飛ばした席に座っていたオジサン。そのオジサンに声を掛ける。
「⋯⋯」
どゆこと?
まあいいや。
気を取り直して、警官のところへ行く。警官Aに声を掛ける。
「何が盗られたかわからないってことはないだろ!」
そりゃ、そうだ。
今度は警官Bに声を掛ける。
「警部、確かに不審者が防犯カメラには映っているのですが、何が盗られたかわからないらしいです」
ということは、警官Aが警部ってことだね。
それ以外はこの店内には人はいない。僕は何もやることがなくなり入口に戻る。
「あら、お早いお帰りね。もう事件は解決したの?」
「なんか。事件じゃないみたいですよ。眠いから帰っていいですか?」
僕は女に退勤を申し出る。一応、雇い主の許可をとって帰らなきゃね。
「はあ? 帰っていいわけないでしょ。ちゃんと事件を解決してきてよ。この給料泥棒!」
いやぁ、パワハラ以外の言葉が見つからん。
「わかりましたよ。事件を解決してくればいいんでしょ」
僕がそう言うと女は苛立つ。
「さっさと行きなさいよ!」
僕はふたたび店内へ。
とりあえず、ここにいる人全員に接触した。あとは⋯⋯。
あっ!
そうだ。そうだ。この機械があった。
僕は左端の窓口に行く。
そうだ。この人、忘れてた。
「いらっしゃいませ」
窓口の女の人がそう言うと目の前に浮かぶ文字。
預入。
引出。
貸出。
返済。
その他。
僕は迷わずその他を押す。
ピコっという音で文字が変わる。
ギルド。
召集。
その他。
迷わずギルドを押す。
ピコっという音で文字が変わる。
加入。
脱退。
その他。
加入っと。
名前。
風宮薫。
年齢。
25。
職業。
うぅぅん。
会社員は職業じゃないと昼間、女が言ってたな。
そうか!
エム探偵事務所の非正規職員だから探偵だ。
探偵っと。
確定。
「かしこまりました。探偵でギルドに登録完了しました」
僕の手には黒縁メガネがあった。
僕は急いで入口に戻り、女に話掛ける。
「探偵って書いたら、黒縁メガネ持ってました。これなんでしょうね?」
「探偵になったんなら、もう一度訊いてきなさい。違うセリフ言うから」
セリフって言っちゃったよ。
僕はふたたび店内へ。とりあえず壁にぶつかっている女に声を掛ける。
「私は見ていない。ガルが魔法の種を盗っていくのを」
ガル?
ガル。
ガル。
ガルって誰だ?
念のためもう一度。
「私は見ていない。ガルが魔法の種を盗っていくのを」
それに魔法の種って何だ?
僕は右端のオジサンに声を掛ける。
「魔法の種は魔法が使えない人が魔法を使えるようにする」
へえ、そんなもんがあるんだ。
念のためもう一度。
「魔法の種は魔法が使えない人がが魔法を使えるようにする」
今度は座っているオジサンに声を掛ける。
「⋯⋯」
またかよ!
念のためもう一度。
「あの防犯カメラはあっちのもの。こっちの人は映らない」
おっ!
喋った。
あっちとか、こっちとか。
よくわからん。
僕の席のそばに立つ女の人に声を掛ける。
「さっきの答えは金庫破りではないわ」
僕はさっき何も答えてないけどね。
金庫屋って思っただけだよ。
念のためにもう一度。
「さっきの答えは金庫破りではないわ」
さっさと答えを言えよ!
まあいい。
気を取り直して、警官Aだ。
「それじゃあ、いたずら電話だったってことだろ」
それって?
念のためもう一度。
「それじゃあ、いたずら電話だったってことだろ」
ああ、警官Bのセリフを受けたセリフってことだな。
警官Bに声を掛ける。
「実際に防犯カメラの映像を見たんですが誰も映っていないんですよ。警部」
念のためもう一度。
「実際に防犯カメラの映像を見たんですが誰も映っていないんですよ。警部」
防犯カメラに誰も映っていないのに、防犯カメラに不審者が映っているって通報してきたら、そりゃいたずら電話だろ!
これで全員に声掛けたかな。
あれ、左端に昼間の人がいる。
確かこの世界の通貨の話をしたオジサンだ。僕はそのオジサンに声を掛けた。
「左端の窓口にはどんなものでも預入れたり引出したりできるよ」
そりゃ、銀行なんだから、どんなものでも預入れたり引出したりできるだろ。キャッシュ以外のものを預入れたり引出したりするのを貸金庫っていうんだよ。
念のためもう一度。
「左端の窓口にはどんなものでも預入れたり引出したりできるよ」
このオジサンは何が言いたいんだ?
手詰まりになったので入口に戻る。
「事件解決した?」
「いや、全員に2回声掛けたんですけど、手詰まりになったんですよ」
「あんた、これ時給一万の仕事よ。さっさと終わらせなさいよ。この給料泥棒!」
本当、パワハラだが、女の言い分もわからんでもない。
僕はもう一度店内に入る。
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