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第二部 非正規探偵の憂鬱 第一章 魔法の種
第6話
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僕は今、北海道のとあるリゾートホテルにいる。非正規がリゾートホテルにいちゃ悪いか。そもそも客としているのではない。今回僕は夏休みのリゾートバイトという例のサイトの企画に参加しているのだ。仕事は簡単。レストランの給仕係。バイキングの補充係という言い方の方が伝わりやすいかな。ちなみにつまみ食いがバレると1回当たり3千円の罰金。つまみ食いなんてって思うでしょ。やるんだってさ。みんな。僕はリゾートバイト初体験なのでよくわからんが、常連さんからそう聞いた。常連さんたちはみんな車で来ている。僕は電車とバスで来た。なんでこんな話をしているのかというと、このリゾートホテルがすごい山奥にあってコンビニさえもないんだよ。だから、毎年つまみ食いするバイトが多いんだって。だいたいの人は開き直ってつまみ食いレベルじゃないぐらいつまみ食いするらしい。そうこうしているうちに事件は3日後に起きた。
僕は肩を揺らされる感覚で目を覚ました。バイトの先輩が起こしてくれたのだ。なんかパトカーや救急車がたくさん来てるって。まあ、家にいる時であれば事件と聞けば身構えてしまうが、ここは北海道のリゾートホテル。
ミホは絶対にいない……はず。
現場はレストラン会場。警察の警戒線が張られている。大丈夫。僕は関係ない。
絶対に。
……。
試しに警戒線の中へ入っていく。
ん?
何も言われない。
おかしい。
おかしすぎる。
レストラン会場には警官2人と民間人2人と赤いペンキで胸の当たりを汚して倒れている女性。
赤いペンキ?
嫌な予感がする。
僕がレストラン会場を出ようとすると声をかけられた。
「あら、逃げるの? 名探偵さん」
誰もいないので僕がキョロキョロしているとふたたび声がする。
「あたしは藤堂沙織。プレイヤーよ。あたしからの挑戦よ。逃げずに解決してきなさいよ」
藤堂沙織って、N大学殺人事件で聞いた名前だ!
「おっかしいなあ。疲れてるんだな」
僕はそう言って誤魔化して自室に戻ろうとする。
モニュ?
今、お腹のあたりで柔らかい感触があったような気がする。
「逃げてもいいけど、あんたのプレイヤーがどうなっても知らないわよ! 風宮薫、あたしからの挑戦を受けた方が身のためよ」
仕方ねえか。
ミホになんかあったら大変だもんな。
僕はふたたびレストラン会場へと入っていく。人の配置はさっきと一緒。
とりあえず警官のところへと行く。まずは警官Aに話をする。
「確か東京から名探偵が来ているって聞いたけど」
こいつも民間人だよりか!
念のためもう一度。
「確か東京から名探偵が来ているって聞いたけど」
気を取り直して警官Bに話かける。
「警部、こんなところで殺人事件なんて」
念のためもう一度。
「警部、こんなところで殺人事件なんて」
続いて、倒れている女性。
「……」
念のためもう一度。
「……」
やっぱり殺人事件だ。
赤いペンキは血ってことだね。
その他には民間人が2人。テーブルに座っているオジサンとオバサン。
まずはオジサン。
「まさかこんなことになるなんて」
意味がわからん。
念のためもう一度。
「まさかこんなことになるなんて」
次はオバサン。
「さおりちゃん……」
ん?
念のためもう一度。
「さおりちゃん……」
全員に声を掛けたので僕はレストラン会場の出入口へと歩いていく。
「あら、ひょっとしてメガネ忘れたの? あれないと、あんた無能だもんね」
「いや、もう解決したよ。これは藤堂沙織さんが殺された現場を再現しただけだ。メガネなんかいられないよ」
「じゃあ、あたしは誰なの? あたしは藤堂沙織よ」
「藤堂沙織は藤堂沙織でも藤堂教授の親族とは限らないしね」
「いえ、あたしは藤堂教授の娘の藤堂沙織で間違いないわよ」
「困ったなあ。僕はN大学の殺人事件の後、藤堂教授の戸籍を調べたんですがね。お嬢さんの沙織さんは10年前に亡くなっているんですよ」
「そうね。戸籍上はね。でも、戸籍がすべてじゃないってわからない?」
「僕はバカだからわかんないっすね。なんで死んでない沙織さんが死んだことになっているかなんてね」
「それを推理するのが名探偵の役目でしょ」
「わかりましたよ。メガネを取りに自室に戻りますよ」
「素直にそうするのがいいと思うわ」
僕はメガネを取りに自室に戻っていった。
僕は自室に戻ってメガネをかける。僕はレストラン会場に向かう途中で、ふと気付く。
10年前の沙織さんの殺害現場の再現をするだけなら、なんでこのホテルに現実のパトカーや救急車が来てるんだ?
「逃げずに来たことだけは褒めてあげるわ。名探偵さん。でも、この謎解けるかしら?」
「10年前の再現をするだけなのになんでパトカーや救急車が来るってこと? 簡単だよ。君が呼んだからだよ」
僕はハッタリをかます。彼女は黙ったままだ。当たらずも遠からずってとこかな。
僕はレストラン会場に入る。まずは、警官Bに声を掛ける。
「ガイシャの身元が割れました。東京都在住、藤堂沙織さん。5歳女児」
だろうね。
念のためもう一度。
「ガイシャの身元が割れました。東京都在住、藤堂沙織さん。5歳女児」
次は警官A。
「やっと来たかい。名探偵」
はあ、民間人に頼るなよ!
念のため倒れている女性にも声を掛ける。
「やっと来たわね。名探偵!」
いろんな意味でクソゲーだな!
僕はテーブルに座るオジサンに声を掛ける。おそらく藤堂教授だな。
「人類RPG計画なんて話に乗らなければ」
そう言えば、教室でそんな話あったね。オートマチックだっけ。
念のためもう一度。
「人類RPG計画なんて話に乗らなければ」
次はオバサン。おそらく藤堂教授の奥さんかな。
「教授、だからあれほど止めたのに」
えっ?
まさか佐伯さん?
おいおい、5歳女児も女学生も全部オバサンにしか見えねえぞ!
もっとクオリティ上げろよ。
これじゃ推理出来ねえよ!
仕方ねえ。
あれやるか。
僕はメガネの真ん中にあるボタンに指を持っていく。
ポチッ!
僕の頭に走馬灯のようにここでの会話が駆け抜けていく。
いや、やっぱりわからん。
なんで現実世界にパトカーと救急車が来てるんだ?
僕はもう一度藤堂教授に話掛ける。
「レッドバロンという組織に依頼されただけなんだ」
レッドバロン?
なんかどっかで聞いたような。
念のためもう一度。
「レッドバロンという組織に依頼されただけなんだ」
次に佐伯さん。
「魔法の種なんて、あってはいけないの!」
念のためもう一度。
「魔法の種なんて、あってはいけないの!」
次は警官B。
「藤堂沙織さんを殺害したのは藤堂教授」
そんなバカな?
念のためもう一度。
「藤堂沙織さんを殺害したのは藤堂教授」
僕は声を失った。
そのまま倒れている藤堂沙織さんに声をかける。
「どうビックリした? 名探偵さん、これが真実よ!」
僕は膝から崩れ落ちた。
念のためもう一度。
「そこの警部に声かけな。もっと面白いから」
嫌な予感しかしない。
「さすが、名探偵!」
何がだよ?
「ガイシャは東京都在住、酒井美保さん。5歳女児。容疑者は東京都在住、藤堂沙織。15歳女性」
それを聞いた瞬間、僕の意識は飛んでいった。
僕は3日間、意識不明だったらしい。殺人事件が起きたことでリゾートホテルは休館となり僕は目覚めた翌日、東京へと帰途に着いた。
僕のアパートは隣が大家さんの家となっている。大家さんの家は今日は葬式らしい。家の前を通った瞬間、僕は自分の目を疑った。その遺影に映っている人物はミホちゃんだった。
僕は肩を揺らされる感覚で目を覚ました。バイトの先輩が起こしてくれたのだ。なんかパトカーや救急車がたくさん来てるって。まあ、家にいる時であれば事件と聞けば身構えてしまうが、ここは北海道のリゾートホテル。
ミホは絶対にいない……はず。
現場はレストラン会場。警察の警戒線が張られている。大丈夫。僕は関係ない。
絶対に。
……。
試しに警戒線の中へ入っていく。
ん?
何も言われない。
おかしい。
おかしすぎる。
レストラン会場には警官2人と民間人2人と赤いペンキで胸の当たりを汚して倒れている女性。
赤いペンキ?
嫌な予感がする。
僕がレストラン会場を出ようとすると声をかけられた。
「あら、逃げるの? 名探偵さん」
誰もいないので僕がキョロキョロしているとふたたび声がする。
「あたしは藤堂沙織。プレイヤーよ。あたしからの挑戦よ。逃げずに解決してきなさいよ」
藤堂沙織って、N大学殺人事件で聞いた名前だ!
「おっかしいなあ。疲れてるんだな」
僕はそう言って誤魔化して自室に戻ろうとする。
モニュ?
今、お腹のあたりで柔らかい感触があったような気がする。
「逃げてもいいけど、あんたのプレイヤーがどうなっても知らないわよ! 風宮薫、あたしからの挑戦を受けた方が身のためよ」
仕方ねえか。
ミホになんかあったら大変だもんな。
僕はふたたびレストラン会場へと入っていく。人の配置はさっきと一緒。
とりあえず警官のところへと行く。まずは警官Aに話をする。
「確か東京から名探偵が来ているって聞いたけど」
こいつも民間人だよりか!
念のためもう一度。
「確か東京から名探偵が来ているって聞いたけど」
気を取り直して警官Bに話かける。
「警部、こんなところで殺人事件なんて」
念のためもう一度。
「警部、こんなところで殺人事件なんて」
続いて、倒れている女性。
「……」
念のためもう一度。
「……」
やっぱり殺人事件だ。
赤いペンキは血ってことだね。
その他には民間人が2人。テーブルに座っているオジサンとオバサン。
まずはオジサン。
「まさかこんなことになるなんて」
意味がわからん。
念のためもう一度。
「まさかこんなことになるなんて」
次はオバサン。
「さおりちゃん……」
ん?
念のためもう一度。
「さおりちゃん……」
全員に声を掛けたので僕はレストラン会場の出入口へと歩いていく。
「あら、ひょっとしてメガネ忘れたの? あれないと、あんた無能だもんね」
「いや、もう解決したよ。これは藤堂沙織さんが殺された現場を再現しただけだ。メガネなんかいられないよ」
「じゃあ、あたしは誰なの? あたしは藤堂沙織よ」
「藤堂沙織は藤堂沙織でも藤堂教授の親族とは限らないしね」
「いえ、あたしは藤堂教授の娘の藤堂沙織で間違いないわよ」
「困ったなあ。僕はN大学の殺人事件の後、藤堂教授の戸籍を調べたんですがね。お嬢さんの沙織さんは10年前に亡くなっているんですよ」
「そうね。戸籍上はね。でも、戸籍がすべてじゃないってわからない?」
「僕はバカだからわかんないっすね。なんで死んでない沙織さんが死んだことになっているかなんてね」
「それを推理するのが名探偵の役目でしょ」
「わかりましたよ。メガネを取りに自室に戻りますよ」
「素直にそうするのがいいと思うわ」
僕はメガネを取りに自室に戻っていった。
僕は自室に戻ってメガネをかける。僕はレストラン会場に向かう途中で、ふと気付く。
10年前の沙織さんの殺害現場の再現をするだけなら、なんでこのホテルに現実のパトカーや救急車が来てるんだ?
「逃げずに来たことだけは褒めてあげるわ。名探偵さん。でも、この謎解けるかしら?」
「10年前の再現をするだけなのになんでパトカーや救急車が来るってこと? 簡単だよ。君が呼んだからだよ」
僕はハッタリをかます。彼女は黙ったままだ。当たらずも遠からずってとこかな。
僕はレストラン会場に入る。まずは、警官Bに声を掛ける。
「ガイシャの身元が割れました。東京都在住、藤堂沙織さん。5歳女児」
だろうね。
念のためもう一度。
「ガイシャの身元が割れました。東京都在住、藤堂沙織さん。5歳女児」
次は警官A。
「やっと来たかい。名探偵」
はあ、民間人に頼るなよ!
念のため倒れている女性にも声を掛ける。
「やっと来たわね。名探偵!」
いろんな意味でクソゲーだな!
僕はテーブルに座るオジサンに声を掛ける。おそらく藤堂教授だな。
「人類RPG計画なんて話に乗らなければ」
そう言えば、教室でそんな話あったね。オートマチックだっけ。
念のためもう一度。
「人類RPG計画なんて話に乗らなければ」
次はオバサン。おそらく藤堂教授の奥さんかな。
「教授、だからあれほど止めたのに」
えっ?
まさか佐伯さん?
おいおい、5歳女児も女学生も全部オバサンにしか見えねえぞ!
もっとクオリティ上げろよ。
これじゃ推理出来ねえよ!
仕方ねえ。
あれやるか。
僕はメガネの真ん中にあるボタンに指を持っていく。
ポチッ!
僕の頭に走馬灯のようにここでの会話が駆け抜けていく。
いや、やっぱりわからん。
なんで現実世界にパトカーと救急車が来てるんだ?
僕はもう一度藤堂教授に話掛ける。
「レッドバロンという組織に依頼されただけなんだ」
レッドバロン?
なんかどっかで聞いたような。
念のためもう一度。
「レッドバロンという組織に依頼されただけなんだ」
次に佐伯さん。
「魔法の種なんて、あってはいけないの!」
念のためもう一度。
「魔法の種なんて、あってはいけないの!」
次は警官B。
「藤堂沙織さんを殺害したのは藤堂教授」
そんなバカな?
念のためもう一度。
「藤堂沙織さんを殺害したのは藤堂教授」
僕は声を失った。
そのまま倒れている藤堂沙織さんに声をかける。
「どうビックリした? 名探偵さん、これが真実よ!」
僕は膝から崩れ落ちた。
念のためもう一度。
「そこの警部に声かけな。もっと面白いから」
嫌な予感しかしない。
「さすが、名探偵!」
何がだよ?
「ガイシャは東京都在住、酒井美保さん。5歳女児。容疑者は東京都在住、藤堂沙織。15歳女性」
それを聞いた瞬間、僕の意識は飛んでいった。
僕は3日間、意識不明だったらしい。殺人事件が起きたことでリゾートホテルは休館となり僕は目覚めた翌日、東京へと帰途に着いた。
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