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第1章
何でも屋と男のロマン(7話目)
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「砲撃が来るぞ」
それが1番の恐怖だった、銃弾よりも、魔法よりも、格闘なんかより、1番怖い存在だった。
なぜか?簡単だ、防ぎようがないからだ。
だがそれも今日までだった
リアーク「凄え…アレが…」
ライアー「…」
目の前に立つのはゴーレムではない、壁でもない、では何か?
巨大なー、ロボットだった。
ヒロ「そこっ!」
アド「あぶね!おら!」
2人が画面に向かって何かしている、見るとコントローラーを持っており、ゲームをしてるようだ。
内容は2Dの格闘ゲームだ。ただし、キャラクターは全員機械か何かの類である。
ヒロ「ロケットパーーーーンチ!!」
アド「ああああああああ!!!?」
ヒロが操るロボットの右腕が勢いよくジェット噴射し、アドのキャラクターをぶっ飛ばす。そのまま体力バーが無くなって、アドの負けとなった。
アド「もう一回!もう一回やるぞ!」
ヒロ「いいよ~♪」
ライアー「…お前らそんなに楽しいのか?」
後ろからずっと眺めてた俺がなんとなく聞いてみる。
アド「当たり前だろ!面白いからやるんだよ!」
ライアー「まあ、確かに…」
俺は時計を見る、既に深夜の時間帯だった。
ライアー「出かけてくる」
アド「え?今から?」
ライアー「ああ、軽く。帰りは待たなくて良いからな」
ヒロ「はーい!」
俺はそう言って1人で出かけた。
場所はスラム街のとある廃倉庫。
建物は廃れているが崩壊はしてなく、天井に穴がいくつか空いてるのが見える。
倉庫の扉は頑強に施錠されており、中には入れない。
俺はその扉の横にあったドラム缶を2回、4回、3回と間を空けながらも素早く叩く。
ガキンッ、と倉庫の中から返事をするかのように音がなると扉が開いてた。
中に入ると何もない倉庫のど真ん中に屋台を構えるように音の原因がいた。
倉庫の中で屋台を構えてるその変人は俺を見ると眉を上げる。
ゲール「なんだ小僧、また用か」
全体的にヒョロっとした体つきに、多少の白髪が頭に残っているこの爺さんは俺に素っ気なく挨拶をしてきた。
ライアー「ああ、また弾薬の補充だ」
ゲールは奥の箱から銃器ごとに入れてある箱を取り出す。ゲールは左目に付けてたレンズを伸ばしては確認をしていた。
ゲール、俺の武器商人の中でもっとも長い付き合いであり、信頼できる武器商人のジジイだ。
ゲール「これで十分か?」
ライアー「ああ、まあ足りるかな」
前に墓地での戦闘で消費してた分の弾薬を回収する。ついでにいくつか装備品がないかラインナップも見ることにした。
ゲール「おい、小僧。前に言ってたスナイパーライフルの小僧はどうだ?」
ライアー「ん、動きが良くなってた」
ゲール「そうか、ならこれで良いだろう」
そう言って渡してきたのは、スナイパーライフルのストックだ。前よりも更に削られている。
ゲール「それがその小僧にピッタリなはずだ。渡しておけ」
ライアー「サンキュー。俺のは?」
ゲール「お前のは修理で手一杯だオンボロ」
ゲールは修理や手入れ、使用者に合わせてのパーツの付け替えなど、お得意様ならしてくれる奴だ。これが長く武器商人をやっていける秘訣なんだろうな。
ゲール「それと小僧、アレはやってるんだろうな?」
ライアー「心配すんなって、打ってるよ」
ゲール「なら構わん」
そうぶつくさ言いながらゲールはガラクタを漁る。
ライアー「んな事はいいだろ、それ何?」
ゲール「夢だ、夢のカケラを探してるんだよ」
ライアー「そのゴミが?」
見たところ、装甲のカケラや破片。タイヤだったりと武器になりそうなものは見当たらない。
ゲール「武器の素材じゃない夢の素材だ」
ライアー「なんだ夢だ夢だって、とうとう頭がイカれたか?」
ゲール「お前ほどじゃないが多少な」
どう言う事だと反論しようとしたらゲールはガラクタから一つの破片を取り出した。それを満足げに見ている。
ライアー「あんたの夢ってなんだよ、オリジナルの銃器でも作ることか?」
ゲール「銃ではない、ロボットだ」
ロボット?そんな子供じみた単語をこいつから聞くとは思ってなかった。
ゲール「いや、正確には可能性の塊だろうか。どちらにしろ、想像のつかん奴には仕上がる」
ライアー「そんなのが何処にあるんだ?」
倉庫を見渡しても、そんな大層な物は見つからない。
ゲール「街の外だ、廃墟にスクラップに見せかけて隠してる」
ライアー「サイズは?」
ゲール「この街を、半分は破壊できるだろうな」
たった一機で国の半分を破壊ー、俺は初めてゲールを拘束した方が良いんじゃないかと思うぐらいだ。
ゲール「安心しな、儂はそんな欲はない」
俺の考えを見透かしたようにケラケラと笑う。
ゲール「儂は、アレが立ち上がる姿を見たい。それだけだ」
ライアー「なら良いんだがな…」
警察あたりが見たら確実に没収だろ。
ライアー「けどそんなもんどうやって見つけた?」
ゲール「昔、自立型AIのロボがあっただろ、廃墟で反乱軍によって撃破された奴が」
ライアー「それがまだ残ってたと?」
ゲール「最初はまさかと思ったが…ゴミと判断されてたらしい」
ニヤニヤしながら答えるゲール、完全に悪戯の内容が決まった子供だ。
ライアー「まあ、どうするかは自由だしな。何も言わんよ」
ゲール「良かったわ、邪魔をするようならこの新武器の試し撃ちにするところだったわい」
ライアー「おっかねえジジイだ」
そうして俺は足早に帰路につくのだった。
翌日、
ライアー「ふわ~~~~~ぁ~~~ぁ~~~~ぁーーーー?」
アド「なんだそのイントネーションあくびは」
昨日、実際に帰ったのは真夜中だったので数時間しか眠れなかった。変な奴らにつけられても大丈夫なように遠回りをするからだ。
ライアー「ヒロー?ヒロー?何処にいるー?」
アド「ヒロならまだ寝てる、ゲーム深夜までやってたからな」
ライアー「叩き起こしてくれ、今日は全員で出かけるぞ」
アド「あ?聞いてないんだが?」
ライアー「そりゃ勿論、言ってねぇもん」
アド「マジかよ…」
ブツクサ言いながらヒロを起こしに向かうアドであった。
俺たちは車に乗って左右に体を揺らされていた。向かってる先はこの国の中心ー、すなわち城だった。
アド「何の用事で行くんだ…」
ライアー「ん、2つぐらい聞くことがあるからこっちから挨拶しに行く。前は来てもらっただろ?」
アド「そうだけどよ、突然過ぎないか?」
ライアー「まあ…急用がね…」
俺は昨日のゲールの件が気になっていた為、さっさと行くことにしたのだ。
運転手「お客さん!城に行くのは良いが紋章はお持ちなのかい!?」
会話を聞いてた運転手が慌てた様子で聞いてきた。
ヒロ「紋章?」
アド「マジかよ、前のパーティーでは無かったぞ」
ライアー「問題無い」
確かに入る為には紋章が必要だが、俺には考えがあった。
ライアー「俺の名前自体が紋章になるかもしれん」
ライアー「さて、楽々入れたな♪」
場所は城の玄関、クソでかい城門前だった。
アド「さっきの門番がめちゃくちゃ訝しんでいたが?」
ライアー「問題ねぇよ、止めるなら撃つだけだし」
アド「良くはねぇな」
名前を告げたら門番は凄え困った顔をしながらも、上の人に電話を掛けると言って少し姿を消した後、結局困った顔のまま現れ、通って良いと言われた。
ヒロ「やっぱり大きいね!」
アド「だな、んで何処に行くんだ?」
ライアー「謁見だからな、もちろん専用の部屋があるらしい」
そう言いながら俺たちはやっと開いた門を通り、廊下を進もうとした時。
ニア「おい!どういう事だ!」
ドタドタと現れた全身鎧一式の人物、ニアだ。
ライアー「ん、用事があったから」
ニア「お前!アレほど秘密裏にお前の所に行ったというのに!結局意味が無くなってるじゃないか!更に城に入るための紋章すら無視するなんて!」
ライアー「そうやって声を荒げる方が意味なくなってると思うぞ、後紋章は結構前に消えたわ」
はっと、周りをキョロキョロし始める。助かったことに廊下には俺たち以外誰もいなかった。
アド「やっぱり良くねぇじゃねえか…」
ライアー「まあまあ、一々来るのも面倒だろうだから来たんだよ」
ニア「手紙とかで良いだろうが…」
ライアー「いや、今回の件はそうはいかない…つーか謁見なんだから部屋まで連れてってくれや」
(鎧でわからないはずなの)膨れっ面のニアと共に部屋まで行くことになった。
その部屋には長い、楕円形の木製テーブルがあった。そのテーブルをざっと10以上の椅子が並んでいる。その1番奥の一際デケェ椅子に少女は座っていた。
ちょうど、テーブルを挟んで反対のドアから入ったのだ。その少女はこちらを見ると手に持ってた万年筆を置き、ニッコリと笑顔を向ける。
小柄の体格に、長く漆黒に近い黒い髪。そして対照的に色白の肌。
ニア「こちらは紅蓮(こうれん)だ。紅蓮(ぐれん)と書いて紅蓮(こうれん)と呼ぶ」
アド「紅蓮…」
ライアー「東洋の人間?」
紅蓮「おっしゃる通り、妾は東洋人です」
独特な一人称だな、そう思いつつ俺は軽く会釈する
ライアー「初めまして、俺はー、」
紅蓮「ライアー、でしょ?知ってるわよ」
おっ、意外と偉そうな言い方をするなこいつ。
ライアー「ニア、こいつは何処で拾ってきたんだ?東洋にでも出向いたのか?」
ニア「紛争後に復興の為に助力をいただいたのだ…後、私達よりも歳上なんだから敬語を使え」
ライアー「ほーん………何だって?」
さっきのこいつの容姿の特徴を思い出してみようか。
小柄で色地の肌で、少女。
それが俺たちよりも歳上?それはいわゆる「合法(ピー音)」って奴か?
紅蓮「おい貴様、今何を考えた」
ライアー「ロリBBA?」
紅蓮「死にたいようだな!!!」
紅蓮は怒号と共に両手にクナイを構え睨みつけてくる、なるほど紅蓮と言う名前の通りだな。
アド「失礼過ぎるだろアホ…」
ヒロ「BBAって何?」
アド「今は黙ってくれ…」
ニアに至っては、もう何処から注意すればいいのか困り果てて思考停止してる。
と、間違いなく修羅場になると言う所に
ギルハート「……どんな状況でして?」
目を丸くしたギルハートが現れた。
ギルハート「貴方は相変わらず失礼な事を言うのね…」
ライアー「失礼以外の何かを言ったことがあったか?」
ギルハート「…はぁ」
ため息をつくな、冗談だろうが。
紅蓮「…姫とはどのくらいの付き合いなの?」
紅蓮が俺たちの会話から、自分よりも付き合いが長い事を察したようだ。
ライアー「戦争で反乱軍が攻勢に出た頃だったか?」
ギルハート「そうね、それくらいの時」
アド「…意外と長いな」
アドに言われ、確かにそうだなとは思う。だが…
ギルハート「戦争後に姿を消さなきゃね」
ライアー「…」
その通りだ、俺は戦争が終わった瞬間に公共から姿を消した。
ニア「それは何故ー」
ライアー「そんな事よりギルハート、気になることがあってきた」
無理くり話を変える、ニアがまた膨れっ面になった。
ギルハート「何かしら?」
ギルハートは追求せずにさらりと言い返してくれた。
ライアー「旧国が使っていた、ゴーレムを覚えてるか?」
アド「ゴーレム?ゴーレムってあのゴーレムか?」
ニア「いや、聞いたことがある確か…」
紅蓮「自立型AIロボット、通称ゴーレム」
ヒロ「ロボット!?」
その単語に敏感になったなヒロ。
ライアー「そ、そのゴーレムだ。数機しか無かったがな」
ギルハート「それが今更どうしたの?」
ライアー「アレは回収したって聞いたが、今どうなってるんだ?」
俺以外の全員が何でそんなことを聞くんだと言わんばかりに眉を潜める。
勿論、ゲールの奴のせいで余計な心配が増えたからこうして確認しに来たんだよ。
なんて言ったら、このお堅い姫さんはその人を捕らえろなんて言いそうだから言わんけど。
ギルハート「…殆どの兵器や武器は回収してるわ。壊れてる物は放置したままだけど」
紅蓮「一々、城まで運び入れるのも時間と金と人手が必要になるからな。最低限の物だけ」
アド「ん?じゃあそのぶっ壊れた物は直したりしたらまた使えるんじゃないか?」
ニア「わざわざそんな事をする奴は旧帝国の奴しかいないし、そんな資材も持ち合わせるぐらいなら奴等は新しいのを作るからこのような判断になったのだ」
いるんだよなぁ、資材も暇も持ち合わせてる変人が。
ライアー「…分かった、取り敢えず心配は無いんだな?」
ギルハート「ええ、その必要は無いわ」
じゃあ、あのジジイのだけをどうにかするか…ついでにC4(爆弾)かC3(やっぱり爆弾)でも貰えねぇかな…。
ニア「何でそんな心配をするんだ?何か心当たりがあるのか?」
心当たりしかねぇんだよ。
ライアー「いや別に、アリネスの件は?」
話題を逸らす、アリネスの進捗はどうなってるか。
ニア「残念だが新しい情報は無い、そうそう見つかる物でも無いからな」
だよな…、ヒロを見ると爆睡していた。
つまらん話だったらしい。
ライアー「分かった、あんがとな」
俺は立ち上がり、アドとヒロに帰宅準備をするように言うとー、
ギルハート「ライアー、貴方何か隠してませんか?急に来たと思えばこんな事をわざわざ…?」
不審に思うギルハート、紅蓮もめちゃくちゃ訝しんでらっしゃる。
アド「そうなのか?」
ニア「…」
おーい、アド。お前まで聞いちまったらお終いや。
いよいよ無理かなと思った時、ドアが開いた。
?「ただいま戻りました」
見ると、随分とイケメン面な鎧を纏った男が入ってきた。そいつは俺たちを一瞥した後、ギルハートに視線を向ける。ニニア「ガルギティアの遠征、ご苦労だったキリング。して王は何と?」
キリング「これからも同様、交易をしてくれるとのことでした」
ギルハート「良かった…」
ほっとしたギルハートを見て満足そうに笑顔になるキリング。なんだろ、もの凄くその顔面を潰したい。ちなみにアドはスナイパーのセーフティーロックを解除して…おい待てそれは危険だ。
キリング「…それでこの人たちは?」
ニア「ライアー・スレードとそのお仲間だ」
キリング「ライアー…?」
急に侮辱するような視線を向けてきた、おお?やんのか顔面整形上等だぞ?
キリング「かの有名な英雄…ふん、それほどでも無いんですね…」
ニア「なんだ、お前はそんなに嫌いだったのか?」
キリング「いえ、ただ期待外れだっただけです」
よし、リアークの拷問部屋に送りつけてやるか。俺は無言でハンドガンのセーフティーを解除しようと懐に手突っ込んだ所でアドに止められる。
紅蓮「期待外れとはどう言う事だ?」
キリング「英雄ならば、もっと高貴で気品がある人かと思えばこんな普通な人間とはね…オマケも一緒で失望しただけですよ」
おいアド、流石にライフルを取り出すのはまずち、ここの物を壊すのはやめろ。
ちなみにヒロも言葉の意味は分かってなさそうが表情から察するにこいつの事を嫌いみたいだ。
キリングは残念そうな顔をしながらこちらに近づいてきた。
キリング「何か反論はありますか、英雄さm」
そこで顔面にハイキックぶっ放してキリングを壁際まで吹き飛ばす。
ゴッ、と生鈍い音が部屋に響き渡った。
ライアー「反論はでねぇけど、手が出ちまったわ笑」
壁に当たった際に腰を痛めたのだろう、立ち上がらない。
ニアは額に手を置き、ギルハートは仕方がないと言わんばかりにため息を吐き、紅蓮はライアーをマジマジと見ていた。
ライアー「それで?俺の意見に対する感想か質問はあるかい、キリングくん」
腰に手を当てながら、こちらを睨み付けるキリング。
キリング「き…貴様!何をやってるのか分かってるのか!?私は軍団長だぞ!こんな事をして生きていれると思うなよ!貴様がやってることは蛮族と変わりがないー、」
俺は聞き飽きたと言わんばかりにそいつの額に銃口を突きつけた。キリングは目を見開き完全に止まる。
ライアー「…良いか?この国の英雄と仲間たちは、こんなもんだ」
俺とキリング以外の全員がまるでポーカーフェイスをやってる如く、表情を動かさない。誰も、俺の行動に発言をする奴が居ないのだ。
ライアー「流石に何も知らなすぎだぜ、軍団長」
銃を戻し、俺はさっさと部屋から出る。アドとヒロも無言で付いてきた。
ニア「こればっかりはお前は悪くないが…相手が悪かった」
キリングは分からないと言わんばかりに皆に視線を向けるも、誰も答えなかった。
紅蓮「…強化人間…」
唯一、紅蓮だけがライアー達が出てったドアを見ながらボソリと呟いたのだった。
アド「んで、これからの予定は?」
ライアー「帰る」
アド「城の中を見たりしないのか、せっかく入ったっつうのに」
ライアー「…」
アドの言葉に確かにと思った、ここに来るのもだいぶ久しい。それに今ならうるさい監視もいない。
ライアー「予定変更だ」
俺は2人を連れ、門から反対方向に歩き出した。
アド「何処に行くんだ?」
ライアー「何処でも、お前らも行きたい所に行ってこい」
ヒロ「高い所!」
アド「じゃあ俺はブラブラほっつき歩くか」
ライアー「見回りに見つかったら逃げろよ?各自で家に帰るように」
ヒロ「はーい!」
アド「あいあい」
2人はそれぞれ行きたい所に向かう為に別れた。
ライアー「…さてと」
俺も、一つ気掛かりな場所に向かうことにした。
兵士「緊急!きんきゅー!!」
そんなコントでもやってるのかと言わんばかりな台詞を叫びながら入ってきたのは城の兵士だった。
ギルハート「何事!?」
先程の部屋に居たギルハート、ニア、紅蓮、キリングがその兵士を見る。
兵士「ご、ごー、ゲホッゲホッ!」
走ってきた反動として、息を荒げる。
ニア「落ち着け、呼吸を整えてから事を伝えろ」
兵士「ハァ…ハァ…、み、南の平原に突然巨大なゴーレムが!大き過ぎて混乱が生じてます!」
ギルハート「ゴーレム…?」
ニア「紅蓮!塔の監視兵と繋げられるか!?」
紅蓮「もう繋げている………ッ!?何よこれ!?」
テレビ電話みたいに映し出された画面には、平原に仁王立ちをしている巨大なゴーレムが映っていた。全身が焦げた後があるようで真っ黒になっており、緑色の平原と青空には異色すぎて目立つ。
ニア「全長はどのくらいだ」
紅蓮「…恐らく、100mぐらい…?」
キリング「で、デカすぎないか!?」
紅蓮「一体何処から…」
謎や疑問が出始めたと思いきや、その巨人が動き出した。
ニア「まずい、キリング!警察と連絡を取って市民を避難させろ!」
キリング「了解!」
ニア「紅蓮は城の兵士たちに指示を!」
紅蓮「分かってるわ!」
ニア「お嬢様、ここは…」
ギルハート「あの3人を、呼び戻して」
ニアが驚いた顔をする、見るとギルハートは窓から外を見ていた。
ギルハート「彼等の力を見せてあげるわ」
振り返ったギルハートお嬢さんは自信たっぷり言い切った。
ライアー「ふーんふんふんふーん」
あの後、ライアーは1人地下に足を運んでいた。目につかないようにひっそりと生きていたような扉から階段を降る。
地下の廊下はそんなに長く無く、曲がり角が3、4箇所しかない。
ライアー「マジか」
そんな曲がり角を曲がるとそこには、赤黒い壁や地面があった。更に言うなら乾いた何かが臭う。
ライアー「…じゃあ扉もぶっ壊れたまんまか?」
まさかなと思いつつ、更に曲がり角を曲がり見ると、予想通りぶっ壊れたまんまだった。
無言で中に入ると、そこには普通のオフィス『だった』ものがあった。
今じゃ形状も地形も変化して瓦礫の山があちこちにある、ついでに言うなら赤黒い色も。
ライアー「…」
その部屋の端をに目をやると、そこには他の赤黒い色よりも一段と真っ黒な場所があった。
ライアー「…やだやだ」
わざとらしく肩をすくめる、それから近くの窓から外を見た。
その部屋は一丁前に窓がありー、地下なので外なんて見えんがー、外を見るとデカイ下水道の配管工の穴が見える。
あの配管工は町の外まで続いている、何で知ってるんだって?外から入ったからだよ。
ライアー「今はどうなってるんだろ」
確か掘り起こしたから今は埋まってるのかー?
と、その時背後から
ニア「ここにいたか!」
急に部屋に響くほどの大声で呼ばれたから思わず背筋がピンとなった。
ライアー「…マジでビックリしたぞ」
ニア「問題が起こった、お嬢様がお前をご指名だ!」
ライアー「エー」
ニア「何だその声!?いいからこい!」
面倒ごとを押し付けられてるとしか考えられないと思いつつ地下室を後にすることになった。
ライアー「ナニアレ」
アド「昨日のゲームみたいだな」
ヒロ「操作できるかな!?」
俺たちは城壁の外側にある、草原にいた。
目の先にいるのはロボット、ここに来るまでに聞いていたゴーレムそのものだ。
ライアー「(まさかと思うがあのクソジジイ…)」
俺はそこで考えるのをやめる、どうせ聞けば分かる話だ。
アド「んで、俺たちにどうにかして欲しいと」
ライアー「どうにかして欲しいだ~?おい、アド、その適当な依頼出したの何処のアホだ?」
アド「国からだ」
ライアー「スケールが急にデカい」
ヒロ「アレ乗れるかな!?」
ライアー「乗れるならそのままどっかに飛ばして欲しいわ…」
敵意は無さそうだが、城壁の中に侵入されたらどんな被害が出たもんか分かったもんじゃない。
という訳で俺たちがここに駆り出されたと言うことだ、面倒ごとは全部押し付けられてるとしか思えない。
ちなみに国の兵士や警察連中は城壁内部で構えている、万が一の被害を止める為らしい。
…お前らも来いよ。
アド「にしてもアレはどうするんだ?破壊出来るのかあれ」
ライアー「昔の奴と同じなら戦車当たりの砲撃じゃものともしないだろうな。となると…」
リアーク「よう、持ってきてやったぜ」
ゴツい音と共に現れたのはリアークだ、その後ろには一台の戦車。
ライアー「徹甲弾式の戦車ならいけるだろ」
リアーク「お前もうちを武器庫みたいに使うんじゃねえよ」
アド「…時々思うがライアー、お前ってどれだけ顔が効くんだ?」
ライアー「さあねー」
ゴーレムは未だ不動のまま、目の代わりになっているレンズはどこか虚空を見ているかのようだ。
ライアー「じゃあ一発かましちゃってくだせぇな」
リアーク「ほいご注文の品だ…よ!!!」
リアークの叫び声と同時に砲弾が発射され、その弾は真っ直ぐとゴーレムの胸を貫通ー、しなかった。
ライアー「…あれ?」
リアーク「…ん?」
俺とリアークは完全に同じビジョンを想像してたようで、予想外のことが起こっており混乱している。
アレおっかしいなぁ…本来ならあの胸を貫通してるはずなんだけどなぁ…
アド「どうしたんだ2人とも」
ライアー「まずくね?通常弾だった?」
リアーク「俺が装填したから見間違えるわけねぇだろ!」
となると、あの装甲は更に上位の素材って事になるのか…?
ヒロ「動き出したよ!」
そのワクワクした声で考えてたことをかき消される、見ると確かにゴーレムは左の脚部から何かを横に突出させた。
アド「ミサイルだ!!」
ライアー「リアーク!戦車を出せ!」
いち早く気づいたアドが叫ぶ、俺はヒロを抱えると戦車に飛び乗る。アドも続けて乗った。リアークは元々乗っていた為、全員が乗車を確認したら一気にバックする。
ゴーレムの脚部から飛び出した4本のミサイルは小さいのだが、空中で獲物を探すかのように少し彷徨った後、こちらに迷うことなく飛んで来た。
リアーク「追尾式か!」
戦車はバックを止めるとそのまま横に走り出す、戦車と言えばスピードなんてクソ遅そうなイメージが強いが案外そうでもない、現にこの戦車はそこら辺の自家用車の最高スピードと同じくらいの速さを出している。
ライアー「アド、降りる準備をしろ」
アド「オッケー、やってやるか!」
周りで爆発音が鳴り響く、運良くミサイルをスレスレで全弾避けたようだ。
ライアー「ただしお前らだけ」
アド「え?」
ヒロ「?」
戦車が一時停止するタイミングで、俺は戦車の中にあったとある物をヒロに押し付けると2人を外に引っ張り出した。
2人を降ろした後、俺は再び戦車に乗り込み発進させる。
アド「おいいいいいいいい!!!!」
ライアー『アド!さっきのミサイルの着弾地点の跡があるはずだ!そのクレーターに身を隠せ!』
アド「それを先に言えよ!」
無線で教えられたクレーターに体を滑り込ませる、ヒロも難なくついてきた。
ゴーレムは今度は両肩から機銃を出し、射撃を始めた。アドとヒロはクレーターの窪みに上手く隠れてそれを回避する。
ライアー『俺たちが気を引く!お前らが隙をついて攻撃しろ!』
リアーク「俺たちが毎回キツイ役だよな!ライアー!」
ライアー「いつものことだろ、やるぞ!」
さて、今更だが戦車は何人で動かすのが基本か知ってるだろうか?
普通は3、4人だ。
砲手、操縦手、装填手、車長の役割がある。だが生憎この戦車には2人しかいない。
なので…
ライアー「止まったら死ぬからな!」
リアーク「弾込めと砲手は頼むぞ!」
俺が二役やることになる、これキツイ…!
ライアー「撃つ!」
戦車の球は迷うことなくゴーレムの脇腹に当たるが、装甲にダメージを与えただけで内部に響やしない。
そこでゴーレムの標的がこちらに向いた、俺はリロードし始める。
一方、降ろされた2人。
アド「今だ、ヒロ!」
ヒロ「はーい…えーとここを引くんだっけかな?えい!」
カチッと良い音が鳴ると、その無反動砲から白い煙を出しながら鋭く目標目掛けてぶち当たりに行った。ゴーレムの上半身が黒煙に包まれ、あまりの威力にゴーレムの体制が少しよろける。
ヒロに持たせたのは、新作の無反動砲であった。だがあまりにもデカく重すぎ、何より発射の反動に(訓練兵が)3人ほど必要なthe脳筋御用達と言った代物なので使用者はいないみたいだ(ヒロを除く)。
ライアー「…リアーク、あの無反動砲をさ」
リアーク「やらんぞ、欲しけりゃ買え」
言いながら戦車のリロードを終えたので、再度発射する為に照準を合わせる。
ライアー「ケチケチすんなよな」
体制を立て直してるゴーレムに畳み掛けるが如く、もう一発お見舞いした。
これだけ直撃させてるがうんともすんとも言わない。硬すぎんだろアレ。
と、そこでまたもやゴーレムからミサイルが発射された。今度は先ほどよりも倍の数が追ってきた。
リアーク「懲りない奴だな!」
リアークは余裕といった表情で戦車を回避行動に移す。
だが…
ライアー「うおっ!?」
リアーク「何!?」
戦車全体に衝撃が走り、思わず車内に頭を打ちつけそうになった。
ライアー「おま、ちゃんと避けろよ!」
リアーク「当たってない!直撃は避けてる!」
ライアー「じゃあ…」
俺は嫌な予感がし、機銃につくために上のハッチを開けて外に顔を出す。
後ろを見ると、地面にミサイルが刺さっておりそこから何か飛び出したと思いきや爆発が起こった。
俺はすぐさま戦車に顔を引っ込める。
ライアー「リアーク!ミサイルにクラスター爆弾が入ってやがる!」
リアーク「んだと!?」
クラスター爆弾、爆弾が入っている箱が爆発してその中に入ってた爆弾を周囲にばら撒いた後に爆発すると言うタチの悪い爆弾だ。さっきのミサイルは不発だったようで地面に刺さってから爆発したが…
ライアー「うお…!」
リアーク「くっ…そ!!!」
先ほどから上空の方で爆発がなると周囲に衝撃が走りまくる。どうやら戦車に直撃させるよりも小さな爆弾で確実に当てに来てるようだ。
ライアー『アド!ミサイルを撃ち落とせるか!?』
アド「無茶苦茶言うよなお前な!」
ヒロが2発目を撃とうと構えてる隣でアドも体を起こしスナイパーを構える
アド「期待すんなよ!」
アドが距離と角度を合わせる、あまりにもデカすぎて距離感に酔いが起きそうなミサイルに照準を合わせ、撃つ。
その銃声に合わせるようにミサイルが何発か空中で爆発していく。やっぱりアイツは良い腕だ!
同時にまたもやゴーレムに豪快な黒煙が上がる、ヒロのも当たったようだ。
ゴーレムの胴体や頭が少し装甲が剥がれ、そこから電気のショートのような火花が少し放っている。
リアーク「これなら壊せるな!」
ライアー「日が沈む頃にはとか言うじゃねえぞ!?」
それまでこっちの命があるかどうかの耐久試合になろうとした時
ゴーレム「…」
突如としてアラームが鳴り響いた。
音の発生源は何処だと確認するとそれはすぐに分かった。
ゴーレムだ、ゴーレムの背中から鳴り響いてた。
アド『おい…なんか出すぞ!』
焦り声まじりな叫びが聞こえてきた、またミサイルだろう?と予想していたがそれは裏切られる。
ヒロ『飛行機飛んでくるー!』
リアーク「っ!?ドローンだ!!」
アドの無線から僅かに聞こえたヒロの声を聞き、即座に判断する。
確認すると、長方形型の小さなドローンが小鳥の群れのように飛び始めていた。
ライアー「お前ら速攻でゴーレムから距離とれ!迎えに行く!」
リアーク「行くぞ!」
リアークが戦車をドリフトさせる、側からみれば似つかないだろうがスピードだけはスポーツカーに負けず劣らずだった。
外から「チュン!」やら「キン!」やら「カン!」と音が鳴り始めた、ドローンの小型銃器に撃たれ始めたか。
リアーク「ライアー!キャタピラがやられたらドローンが相手とはいえマズイ!」
ライアー「わぁーったよ!心配性だな!」
俺は再度ハッチをこじ開け機銃につくと目についたドローンから狙い始める。
勿論、俺が撃たれる可能性もあったが撃たれる前に撃ち落とせば関係は無かった。
ライアー「お前ら!」
ライアーが無線に叫ぶ
アド「何だよこっちは走ってるのに!」
アドとヒロは指示通りゴーレムから逃げるように距離を取ってるがドローンが追いかけてきてる、撃ち落としても次から次へと執拗に出てくる
ライアー『そろそろつく!準備しろ!』
アド「準備って…やべ」
ドローンが前から迫ってきた、勿論後ろからも。
アド「ヒロ!後ろを頼む!」
ヒロ「はーい!」
それを聞いたヒロはぐるりと体を返すと、地面を思いっきり蹴って跳躍する。
アドは走った状態からスライディングに行動を移す、そのままスコープを覗き込みドローンを撃ち落とす。
跳躍したヒロは空中でドローンを一機踏み潰すとその反動で再度ジャンプをする、今度は前にいた2機を両手でそれぞれ掴むと前転の要領でその2機を地面に思いっきり投げつけ叩き潰した。
着地した後、アドに追いつく為再度走り出す。アドは全部撃ち落とすとヒロに合わせて走り始めた。
アド「また来るのかよ…!」
今度は左右から迫ってきた、と思いきや
ライアー「よう!」
左の方から声がしたと思えばいつのまにか戦車が同じスピードで走っていた。
ライアー「そっち頼む!」
アド「任せろ!」
ヒロ「元気に行こー!」
戦車を止め、こっから反撃を開始する
ライアーはまたもや機銃で撃ち始める、アドは戦車を遮蔽物とし、スナイパーで遠くから来るのを撃ち落とす、ヒロは相変わらず競技でもやってるのかと言わんばかりに楽しんで落としている
リアーク「マズイぞ」
戦車からリアークも武器を手にして外に出てくる。
ライアー「どうした?」
リアーク「戦車の燃料が無くなってる」
ライアー「はぁ!?まだ半分以上あるんじゃねぇのか!?」
リアーク「…運悪く燃料タンクに当たったようだ、予備もやられた」
ライアー「おいおい…」
こんな場所で立ち往生になるなんてな…冗談がキツすぎるぞ?
街中に戻ろうにも、俺たちはゴーレムを挟んで真反対の方にいる。つまり補給が欲しいならあのゴーレムの隣を通れってことだ、徒歩でな。
ライアー「だいぶ不利になったなこれ」
リアーク「そんなことはわかってる」
ライアー「援軍呼べないかな~…」
リアーク「姫は俺たちだけで倒して欲しいそうだ」
ライアー「アド、テメェの彼女はとんでもないワガママだな!」
アド「彼女じゃない!!!」
言いながらも取り敢えず今は迫り来るドローンを片っ端から撃ち落とす、戦車の機銃の残り球はまだあるからいける。
俺は撃ちながら破壊目標をチラと見る、なんとなく、そう何となく嫌な予感がしたんだよ。俺だったら…
その嫌な予感は思っくそ当たってしまった。
ライアー「ミサイルが来るぞ!!!」
俺は叫びながら機銃が全力で離れる、全員が反応する前にミサイルが着弾した
アド「うえああああああああ!!!?」
リアーク「うおおーー!ーー……!!」
戦車の近くにいたアドとリアークが爆風によって吹き飛ばされる。
破片と化した戦車と共に3人は空中に投げ飛ばされた。
リアーク「ぐぅ…あぁ…腰に効くぜクソが…」
地面に叩きつけられて立ち上がるのにやっとになったリアークが周りを見渡す。
周囲は戦車破片が転がってた、ライアーとアドの姿が見えない。ヒロと言う少女は遠くで暴れてる。
リアーク「ら…ライアー!?何処だ!」
立ち上がりドローンに応戦しながら周りを捜索する。運良く戦車だったもののデカい塊がありそれにドローンの攻撃から身を隠せれた。
アド「いってぇ…マジで…」
そこに横から転がり込んできたのはアドだった、見ると持っていたスナイパーが無くなったか持つほどの力が無いのか少なくとも手には持ってなかった。
リアーク「ライアーは、見なかったか?」
アド「いや…やべ!」
裏に回ったドローンがこちらに攻撃しようとした時
ヒロ「このぉ!」
飛び蹴りと言うより空中でハイキックを繰り出したヒロが反動を生かして2人の元に着地した。
リアーク「ライアーを見なかったか?」
ヒロ「え?いないの?」
同じ質問をするも答えは同じだった。
リアーク「くっそ…死んだか…?」
アド「あいつがそんな簡単に、死ぬとは思えないけどな」
呼吸を整えるぐらい時間を稼いだ後、再度落ち着いて周囲を見渡す。
リアーク「………アレか!?」
小さな破片の下敷きになっていて気づかなかったが、近くにそれらしき物を見つける
リアーク「ヒロと言ったな、援護してくれるか?」
ヒロ「任せてー!まだ疲れてないよー!」
リアーク「お前は動けるか?」
アド「い、いける」
アドは予備の拳銃を手にして頷き返す
リアーク「行くぞ!」
ドローンはまだまだいたが危険は承知だった。近くのドローンを落としつつライアーの元に着いた
リアーク「…冗談だろ」
破片を退かすと気絶していること以外でわかりたくないことがわかってしまった。
腹部に破片が突き刺さっていたのだ、30センチほどの縦長の破片が剣を刺されたように突き刺さっている。血は刺さっているので流れは止まってるようだ。
リアーク「抜くしか無い…!」
アド「大丈夫なのか!?」
リアーク「やるしかねぇだろ!」
周りはヒロが蹴散らしているため、取り敢えず安全だが悠長に言ってもられない。
慎重に引き抜いていくと、腹からまた血が流れ出した。リアークは上着を素早くライアーの腹にきつく巻き付け血を止めようとする。
リアーク「クソ…早くしねぇと」
アド「まずいぞ…ゴーレムが近い!」
アドの叫びに振り向くとゴーレムがさっきよりも近かった、ますます逃げきれない
リアーク「(どうする…このままお陀仏なのか…!)」
その時
ライアーが目を開いた
周りが真っ白だ、
ここが天国って奴か?ようやく?
…違うな、この感じは
ライアー「…[また]か?これ以上はしたく無いんだがな…」
目の前に、二重螺旋の何かが浮かんでいる。それは少し震えた後、その螺旋は形を変えた。
ドクン、と心臓が跳ねるように響く
何かが見える、これは…まるでモンスターの影か?
ライアー「…痛みも無視できるなら楽なんだけどな」
白色の世界から白が消えて…闇に包まれた
ライアーが目を見開く
リアークはその瞳を見て、思い出した。
[戦争を]
リアーク「…また、か?」
腹が裂けるように痛いがそれは無視をして立ち上がる、痛みを堪えるのは無視をするしか無い。
アド「…ライアー?」
ライアー「短期決戦だ」
周りにはドローンが円を描くように囲んでいた、だが丁度いい。
ライアー「」
ひと息呼吸を置いた後に地面を蹴って跳躍する、その跳躍は完全に人間の域ではなかったヒロと同じぐらいだ。
アド「なっ…」
リアーク「アド、下がるぞ」
飛び上がりついでにドローンを一機蹴り飛ばす、蹴り飛ばすと言っても装甲が歪む程強烈な蹴りだ。そのまま重力に従い落ちようとする時に2丁の拳銃を両手に構え、逆さまに落下したまま撃ち始める。
ドローンを破壊するほどの威力はないが、プロペラに確実に当てていく。
地面に着地する頃には殆どのドローンが行動不能になっていた。
2人は近くの遮蔽物を見つけ隠れている
アド「…一体…」
ライアーがそこまで戦えるのは知っていたが、これは…
リアーク「どんな効果があるのか知らんが」
リアークがリロードしながら答える
リアーク「ライアーはとある実験のモルモットだったんだよ」
アド「実験…?」
リアーク「オリジナルの『種族』を作るための基礎の実験らしいが…」
ライアーをチラと見る、ますます言葉では表現出来ないとんでもない動きをしている。
リアーク「大抵の奴は、その種族に『進化』するのに耐えられず廃人、化け物、はたまた自己崩壊だったそうだ」
アド「じゃあライアーは…」
リアーク「…成功したんだろうな」
ライアー「(体が軽い)」
ジャンプしてドローンにナイフを突き刺す、ドローンは制御不能になったのかそのままゴーレムに一直線に向かう
ゴーレムは肩の銃器で撃ってきた、ナイフを抜き落下して回避する
ヒロ「ライアー!これ!」
下から声がしたと思うと足元に黒い何かが飛んできた。
壊れたドローンだ、どうやらヒロがまだ下で暴れていてその一部を投げ飛ばしてきたみたいだ。
ライアー「あんがとな」
そのドローンを踏み台にして飛び移る。
肩に乗りゴーレムの顔を覗き込んだ
顔といってもあるのは目の代わりの赤いレンズぐらいだがな。
ライアー「お前に恨みはないが」
そのレンズに拳銃を突きつけた
ライアー「止まってもらう」
発砲する、レンズが割れその中に続けて連射する。レンズの中は回線や機械があった、そのまま鉛玉をぶち込んでいった。
煙や電気が発生し、最終的にレンズだった所から煙が拭きはじめる。
この間ゴーレムは反撃しようにも手が出せなかった、出す前に機械を攻撃を食らったからだ。
ゴーレム「」
ゴーレムは音も声もないが確実に苦しんでいる、するとゴーレムの体が急に後ろに倒れていきながら最後のミサイルを撃ち出した。狙いは自分に取り付いてる俺を狙ってるようだ。
ライアー「やべ」
素早くとび降りると背後で爆発音がなった。高すぎて普通のやつなら骨折ぐらいするんだろう高さだったが身体が軽いおかげで楽々着地できた。
ゴーレムが地面に倒れた、飛んでいたドローンも共鳴してたからか同時に地面に落ちていった。
ライアー「はぁ…」
急にどっと体が鉄のように重くなった、さっきまでの軽さが急に消える。
ライアー「仕事…かんりょ…」
そのまま地面にぶっ倒れ、意識を無くすのだった。
ギルハート「言ったでしょう?」
城のバルコニーから一緒に眺めていたニアと紅蓮に問いかける
ニア「…」
紅蓮「まぁ…多少苦戦してたようだけど」
ニア「とは言え、たった4人で…」
ギルハート「英雄の名はそれなりの実力もありますよ」
少し表情が曇ってた紅蓮にギルハートは得意げに言う。
紅蓮「そうね…」
しかし曇ってた理由は彼らの実力についてではなかった。
紅蓮「(やはり…あやつは強化人間…)」
そう答えを出すと、1人で頷く。
紅蓮「姫の言う通りだわ」
こうして、ゴーレムの騒動は終わりを迎えた。
ライアー「痛い」
アド「俺も痛いわ」
ヒロ「大丈夫ー?」
場所は何でも屋、ベッドとソファにそれぞれ寝ている。あのヤブ医者で受診を受けたがアドは軽い打撲や、骨にヒビが入っていた。対して俺は大量出血、火傷、内臓に軽いダメージ(命に別状無し)だった。
ライアー「しばらく店やれねぇ…」
アド「それどころか生活するのもやっとじゃねえか…」
入院するのが普通だが、生憎家で寝てた方が金が浮くんでね。
ヒロ「じゃあヒロが頑張る!」
ライアー「わかった、わったからそのパワーで殺さないでくれ」
多分無理だから自分でする羽目になるんだろうなと思うのであった。
それが1番の恐怖だった、銃弾よりも、魔法よりも、格闘なんかより、1番怖い存在だった。
なぜか?簡単だ、防ぎようがないからだ。
だがそれも今日までだった
リアーク「凄え…アレが…」
ライアー「…」
目の前に立つのはゴーレムではない、壁でもない、では何か?
巨大なー、ロボットだった。
ヒロ「そこっ!」
アド「あぶね!おら!」
2人が画面に向かって何かしている、見るとコントローラーを持っており、ゲームをしてるようだ。
内容は2Dの格闘ゲームだ。ただし、キャラクターは全員機械か何かの類である。
ヒロ「ロケットパーーーーンチ!!」
アド「ああああああああ!!!?」
ヒロが操るロボットの右腕が勢いよくジェット噴射し、アドのキャラクターをぶっ飛ばす。そのまま体力バーが無くなって、アドの負けとなった。
アド「もう一回!もう一回やるぞ!」
ヒロ「いいよ~♪」
ライアー「…お前らそんなに楽しいのか?」
後ろからずっと眺めてた俺がなんとなく聞いてみる。
アド「当たり前だろ!面白いからやるんだよ!」
ライアー「まあ、確かに…」
俺は時計を見る、既に深夜の時間帯だった。
ライアー「出かけてくる」
アド「え?今から?」
ライアー「ああ、軽く。帰りは待たなくて良いからな」
ヒロ「はーい!」
俺はそう言って1人で出かけた。
場所はスラム街のとある廃倉庫。
建物は廃れているが崩壊はしてなく、天井に穴がいくつか空いてるのが見える。
倉庫の扉は頑強に施錠されており、中には入れない。
俺はその扉の横にあったドラム缶を2回、4回、3回と間を空けながらも素早く叩く。
ガキンッ、と倉庫の中から返事をするかのように音がなると扉が開いてた。
中に入ると何もない倉庫のど真ん中に屋台を構えるように音の原因がいた。
倉庫の中で屋台を構えてるその変人は俺を見ると眉を上げる。
ゲール「なんだ小僧、また用か」
全体的にヒョロっとした体つきに、多少の白髪が頭に残っているこの爺さんは俺に素っ気なく挨拶をしてきた。
ライアー「ああ、また弾薬の補充だ」
ゲールは奥の箱から銃器ごとに入れてある箱を取り出す。ゲールは左目に付けてたレンズを伸ばしては確認をしていた。
ゲール、俺の武器商人の中でもっとも長い付き合いであり、信頼できる武器商人のジジイだ。
ゲール「これで十分か?」
ライアー「ああ、まあ足りるかな」
前に墓地での戦闘で消費してた分の弾薬を回収する。ついでにいくつか装備品がないかラインナップも見ることにした。
ゲール「おい、小僧。前に言ってたスナイパーライフルの小僧はどうだ?」
ライアー「ん、動きが良くなってた」
ゲール「そうか、ならこれで良いだろう」
そう言って渡してきたのは、スナイパーライフルのストックだ。前よりも更に削られている。
ゲール「それがその小僧にピッタリなはずだ。渡しておけ」
ライアー「サンキュー。俺のは?」
ゲール「お前のは修理で手一杯だオンボロ」
ゲールは修理や手入れ、使用者に合わせてのパーツの付け替えなど、お得意様ならしてくれる奴だ。これが長く武器商人をやっていける秘訣なんだろうな。
ゲール「それと小僧、アレはやってるんだろうな?」
ライアー「心配すんなって、打ってるよ」
ゲール「なら構わん」
そうぶつくさ言いながらゲールはガラクタを漁る。
ライアー「んな事はいいだろ、それ何?」
ゲール「夢だ、夢のカケラを探してるんだよ」
ライアー「そのゴミが?」
見たところ、装甲のカケラや破片。タイヤだったりと武器になりそうなものは見当たらない。
ゲール「武器の素材じゃない夢の素材だ」
ライアー「なんだ夢だ夢だって、とうとう頭がイカれたか?」
ゲール「お前ほどじゃないが多少な」
どう言う事だと反論しようとしたらゲールはガラクタから一つの破片を取り出した。それを満足げに見ている。
ライアー「あんたの夢ってなんだよ、オリジナルの銃器でも作ることか?」
ゲール「銃ではない、ロボットだ」
ロボット?そんな子供じみた単語をこいつから聞くとは思ってなかった。
ゲール「いや、正確には可能性の塊だろうか。どちらにしろ、想像のつかん奴には仕上がる」
ライアー「そんなのが何処にあるんだ?」
倉庫を見渡しても、そんな大層な物は見つからない。
ゲール「街の外だ、廃墟にスクラップに見せかけて隠してる」
ライアー「サイズは?」
ゲール「この街を、半分は破壊できるだろうな」
たった一機で国の半分を破壊ー、俺は初めてゲールを拘束した方が良いんじゃないかと思うぐらいだ。
ゲール「安心しな、儂はそんな欲はない」
俺の考えを見透かしたようにケラケラと笑う。
ゲール「儂は、アレが立ち上がる姿を見たい。それだけだ」
ライアー「なら良いんだがな…」
警察あたりが見たら確実に没収だろ。
ライアー「けどそんなもんどうやって見つけた?」
ゲール「昔、自立型AIのロボがあっただろ、廃墟で反乱軍によって撃破された奴が」
ライアー「それがまだ残ってたと?」
ゲール「最初はまさかと思ったが…ゴミと判断されてたらしい」
ニヤニヤしながら答えるゲール、完全に悪戯の内容が決まった子供だ。
ライアー「まあ、どうするかは自由だしな。何も言わんよ」
ゲール「良かったわ、邪魔をするようならこの新武器の試し撃ちにするところだったわい」
ライアー「おっかねえジジイだ」
そうして俺は足早に帰路につくのだった。
翌日、
ライアー「ふわ~~~~~ぁ~~~ぁ~~~~ぁーーーー?」
アド「なんだそのイントネーションあくびは」
昨日、実際に帰ったのは真夜中だったので数時間しか眠れなかった。変な奴らにつけられても大丈夫なように遠回りをするからだ。
ライアー「ヒロー?ヒロー?何処にいるー?」
アド「ヒロならまだ寝てる、ゲーム深夜までやってたからな」
ライアー「叩き起こしてくれ、今日は全員で出かけるぞ」
アド「あ?聞いてないんだが?」
ライアー「そりゃ勿論、言ってねぇもん」
アド「マジかよ…」
ブツクサ言いながらヒロを起こしに向かうアドであった。
俺たちは車に乗って左右に体を揺らされていた。向かってる先はこの国の中心ー、すなわち城だった。
アド「何の用事で行くんだ…」
ライアー「ん、2つぐらい聞くことがあるからこっちから挨拶しに行く。前は来てもらっただろ?」
アド「そうだけどよ、突然過ぎないか?」
ライアー「まあ…急用がね…」
俺は昨日のゲールの件が気になっていた為、さっさと行くことにしたのだ。
運転手「お客さん!城に行くのは良いが紋章はお持ちなのかい!?」
会話を聞いてた運転手が慌てた様子で聞いてきた。
ヒロ「紋章?」
アド「マジかよ、前のパーティーでは無かったぞ」
ライアー「問題無い」
確かに入る為には紋章が必要だが、俺には考えがあった。
ライアー「俺の名前自体が紋章になるかもしれん」
ライアー「さて、楽々入れたな♪」
場所は城の玄関、クソでかい城門前だった。
アド「さっきの門番がめちゃくちゃ訝しんでいたが?」
ライアー「問題ねぇよ、止めるなら撃つだけだし」
アド「良くはねぇな」
名前を告げたら門番は凄え困った顔をしながらも、上の人に電話を掛けると言って少し姿を消した後、結局困った顔のまま現れ、通って良いと言われた。
ヒロ「やっぱり大きいね!」
アド「だな、んで何処に行くんだ?」
ライアー「謁見だからな、もちろん専用の部屋があるらしい」
そう言いながら俺たちはやっと開いた門を通り、廊下を進もうとした時。
ニア「おい!どういう事だ!」
ドタドタと現れた全身鎧一式の人物、ニアだ。
ライアー「ん、用事があったから」
ニア「お前!アレほど秘密裏にお前の所に行ったというのに!結局意味が無くなってるじゃないか!更に城に入るための紋章すら無視するなんて!」
ライアー「そうやって声を荒げる方が意味なくなってると思うぞ、後紋章は結構前に消えたわ」
はっと、周りをキョロキョロし始める。助かったことに廊下には俺たち以外誰もいなかった。
アド「やっぱり良くねぇじゃねえか…」
ライアー「まあまあ、一々来るのも面倒だろうだから来たんだよ」
ニア「手紙とかで良いだろうが…」
ライアー「いや、今回の件はそうはいかない…つーか謁見なんだから部屋まで連れてってくれや」
(鎧でわからないはずなの)膨れっ面のニアと共に部屋まで行くことになった。
その部屋には長い、楕円形の木製テーブルがあった。そのテーブルをざっと10以上の椅子が並んでいる。その1番奥の一際デケェ椅子に少女は座っていた。
ちょうど、テーブルを挟んで反対のドアから入ったのだ。その少女はこちらを見ると手に持ってた万年筆を置き、ニッコリと笑顔を向ける。
小柄の体格に、長く漆黒に近い黒い髪。そして対照的に色白の肌。
ニア「こちらは紅蓮(こうれん)だ。紅蓮(ぐれん)と書いて紅蓮(こうれん)と呼ぶ」
アド「紅蓮…」
ライアー「東洋の人間?」
紅蓮「おっしゃる通り、妾は東洋人です」
独特な一人称だな、そう思いつつ俺は軽く会釈する
ライアー「初めまして、俺はー、」
紅蓮「ライアー、でしょ?知ってるわよ」
おっ、意外と偉そうな言い方をするなこいつ。
ライアー「ニア、こいつは何処で拾ってきたんだ?東洋にでも出向いたのか?」
ニア「紛争後に復興の為に助力をいただいたのだ…後、私達よりも歳上なんだから敬語を使え」
ライアー「ほーん………何だって?」
さっきのこいつの容姿の特徴を思い出してみようか。
小柄で色地の肌で、少女。
それが俺たちよりも歳上?それはいわゆる「合法(ピー音)」って奴か?
紅蓮「おい貴様、今何を考えた」
ライアー「ロリBBA?」
紅蓮「死にたいようだな!!!」
紅蓮は怒号と共に両手にクナイを構え睨みつけてくる、なるほど紅蓮と言う名前の通りだな。
アド「失礼過ぎるだろアホ…」
ヒロ「BBAって何?」
アド「今は黙ってくれ…」
ニアに至っては、もう何処から注意すればいいのか困り果てて思考停止してる。
と、間違いなく修羅場になると言う所に
ギルハート「……どんな状況でして?」
目を丸くしたギルハートが現れた。
ギルハート「貴方は相変わらず失礼な事を言うのね…」
ライアー「失礼以外の何かを言ったことがあったか?」
ギルハート「…はぁ」
ため息をつくな、冗談だろうが。
紅蓮「…姫とはどのくらいの付き合いなの?」
紅蓮が俺たちの会話から、自分よりも付き合いが長い事を察したようだ。
ライアー「戦争で反乱軍が攻勢に出た頃だったか?」
ギルハート「そうね、それくらいの時」
アド「…意外と長いな」
アドに言われ、確かにそうだなとは思う。だが…
ギルハート「戦争後に姿を消さなきゃね」
ライアー「…」
その通りだ、俺は戦争が終わった瞬間に公共から姿を消した。
ニア「それは何故ー」
ライアー「そんな事よりギルハート、気になることがあってきた」
無理くり話を変える、ニアがまた膨れっ面になった。
ギルハート「何かしら?」
ギルハートは追求せずにさらりと言い返してくれた。
ライアー「旧国が使っていた、ゴーレムを覚えてるか?」
アド「ゴーレム?ゴーレムってあのゴーレムか?」
ニア「いや、聞いたことがある確か…」
紅蓮「自立型AIロボット、通称ゴーレム」
ヒロ「ロボット!?」
その単語に敏感になったなヒロ。
ライアー「そ、そのゴーレムだ。数機しか無かったがな」
ギルハート「それが今更どうしたの?」
ライアー「アレは回収したって聞いたが、今どうなってるんだ?」
俺以外の全員が何でそんなことを聞くんだと言わんばかりに眉を潜める。
勿論、ゲールの奴のせいで余計な心配が増えたからこうして確認しに来たんだよ。
なんて言ったら、このお堅い姫さんはその人を捕らえろなんて言いそうだから言わんけど。
ギルハート「…殆どの兵器や武器は回収してるわ。壊れてる物は放置したままだけど」
紅蓮「一々、城まで運び入れるのも時間と金と人手が必要になるからな。最低限の物だけ」
アド「ん?じゃあそのぶっ壊れた物は直したりしたらまた使えるんじゃないか?」
ニア「わざわざそんな事をする奴は旧帝国の奴しかいないし、そんな資材も持ち合わせるぐらいなら奴等は新しいのを作るからこのような判断になったのだ」
いるんだよなぁ、資材も暇も持ち合わせてる変人が。
ライアー「…分かった、取り敢えず心配は無いんだな?」
ギルハート「ええ、その必要は無いわ」
じゃあ、あのジジイのだけをどうにかするか…ついでにC4(爆弾)かC3(やっぱり爆弾)でも貰えねぇかな…。
ニア「何でそんな心配をするんだ?何か心当たりがあるのか?」
心当たりしかねぇんだよ。
ライアー「いや別に、アリネスの件は?」
話題を逸らす、アリネスの進捗はどうなってるか。
ニア「残念だが新しい情報は無い、そうそう見つかる物でも無いからな」
だよな…、ヒロを見ると爆睡していた。
つまらん話だったらしい。
ライアー「分かった、あんがとな」
俺は立ち上がり、アドとヒロに帰宅準備をするように言うとー、
ギルハート「ライアー、貴方何か隠してませんか?急に来たと思えばこんな事をわざわざ…?」
不審に思うギルハート、紅蓮もめちゃくちゃ訝しんでらっしゃる。
アド「そうなのか?」
ニア「…」
おーい、アド。お前まで聞いちまったらお終いや。
いよいよ無理かなと思った時、ドアが開いた。
?「ただいま戻りました」
見ると、随分とイケメン面な鎧を纏った男が入ってきた。そいつは俺たちを一瞥した後、ギルハートに視線を向ける。ニニア「ガルギティアの遠征、ご苦労だったキリング。して王は何と?」
キリング「これからも同様、交易をしてくれるとのことでした」
ギルハート「良かった…」
ほっとしたギルハートを見て満足そうに笑顔になるキリング。なんだろ、もの凄くその顔面を潰したい。ちなみにアドはスナイパーのセーフティーロックを解除して…おい待てそれは危険だ。
キリング「…それでこの人たちは?」
ニア「ライアー・スレードとそのお仲間だ」
キリング「ライアー…?」
急に侮辱するような視線を向けてきた、おお?やんのか顔面整形上等だぞ?
キリング「かの有名な英雄…ふん、それほどでも無いんですね…」
ニア「なんだ、お前はそんなに嫌いだったのか?」
キリング「いえ、ただ期待外れだっただけです」
よし、リアークの拷問部屋に送りつけてやるか。俺は無言でハンドガンのセーフティーを解除しようと懐に手突っ込んだ所でアドに止められる。
紅蓮「期待外れとはどう言う事だ?」
キリング「英雄ならば、もっと高貴で気品がある人かと思えばこんな普通な人間とはね…オマケも一緒で失望しただけですよ」
おいアド、流石にライフルを取り出すのはまずち、ここの物を壊すのはやめろ。
ちなみにヒロも言葉の意味は分かってなさそうが表情から察するにこいつの事を嫌いみたいだ。
キリングは残念そうな顔をしながらこちらに近づいてきた。
キリング「何か反論はありますか、英雄さm」
そこで顔面にハイキックぶっ放してキリングを壁際まで吹き飛ばす。
ゴッ、と生鈍い音が部屋に響き渡った。
ライアー「反論はでねぇけど、手が出ちまったわ笑」
壁に当たった際に腰を痛めたのだろう、立ち上がらない。
ニアは額に手を置き、ギルハートは仕方がないと言わんばかりにため息を吐き、紅蓮はライアーをマジマジと見ていた。
ライアー「それで?俺の意見に対する感想か質問はあるかい、キリングくん」
腰に手を当てながら、こちらを睨み付けるキリング。
キリング「き…貴様!何をやってるのか分かってるのか!?私は軍団長だぞ!こんな事をして生きていれると思うなよ!貴様がやってることは蛮族と変わりがないー、」
俺は聞き飽きたと言わんばかりにそいつの額に銃口を突きつけた。キリングは目を見開き完全に止まる。
ライアー「…良いか?この国の英雄と仲間たちは、こんなもんだ」
俺とキリング以外の全員がまるでポーカーフェイスをやってる如く、表情を動かさない。誰も、俺の行動に発言をする奴が居ないのだ。
ライアー「流石に何も知らなすぎだぜ、軍団長」
銃を戻し、俺はさっさと部屋から出る。アドとヒロも無言で付いてきた。
ニア「こればっかりはお前は悪くないが…相手が悪かった」
キリングは分からないと言わんばかりに皆に視線を向けるも、誰も答えなかった。
紅蓮「…強化人間…」
唯一、紅蓮だけがライアー達が出てったドアを見ながらボソリと呟いたのだった。
アド「んで、これからの予定は?」
ライアー「帰る」
アド「城の中を見たりしないのか、せっかく入ったっつうのに」
ライアー「…」
アドの言葉に確かにと思った、ここに来るのもだいぶ久しい。それに今ならうるさい監視もいない。
ライアー「予定変更だ」
俺は2人を連れ、門から反対方向に歩き出した。
アド「何処に行くんだ?」
ライアー「何処でも、お前らも行きたい所に行ってこい」
ヒロ「高い所!」
アド「じゃあ俺はブラブラほっつき歩くか」
ライアー「見回りに見つかったら逃げろよ?各自で家に帰るように」
ヒロ「はーい!」
アド「あいあい」
2人はそれぞれ行きたい所に向かう為に別れた。
ライアー「…さてと」
俺も、一つ気掛かりな場所に向かうことにした。
兵士「緊急!きんきゅー!!」
そんなコントでもやってるのかと言わんばかりな台詞を叫びながら入ってきたのは城の兵士だった。
ギルハート「何事!?」
先程の部屋に居たギルハート、ニア、紅蓮、キリングがその兵士を見る。
兵士「ご、ごー、ゲホッゲホッ!」
走ってきた反動として、息を荒げる。
ニア「落ち着け、呼吸を整えてから事を伝えろ」
兵士「ハァ…ハァ…、み、南の平原に突然巨大なゴーレムが!大き過ぎて混乱が生じてます!」
ギルハート「ゴーレム…?」
ニア「紅蓮!塔の監視兵と繋げられるか!?」
紅蓮「もう繋げている………ッ!?何よこれ!?」
テレビ電話みたいに映し出された画面には、平原に仁王立ちをしている巨大なゴーレムが映っていた。全身が焦げた後があるようで真っ黒になっており、緑色の平原と青空には異色すぎて目立つ。
ニア「全長はどのくらいだ」
紅蓮「…恐らく、100mぐらい…?」
キリング「で、デカすぎないか!?」
紅蓮「一体何処から…」
謎や疑問が出始めたと思いきや、その巨人が動き出した。
ニア「まずい、キリング!警察と連絡を取って市民を避難させろ!」
キリング「了解!」
ニア「紅蓮は城の兵士たちに指示を!」
紅蓮「分かってるわ!」
ニア「お嬢様、ここは…」
ギルハート「あの3人を、呼び戻して」
ニアが驚いた顔をする、見るとギルハートは窓から外を見ていた。
ギルハート「彼等の力を見せてあげるわ」
振り返ったギルハートお嬢さんは自信たっぷり言い切った。
ライアー「ふーんふんふんふーん」
あの後、ライアーは1人地下に足を運んでいた。目につかないようにひっそりと生きていたような扉から階段を降る。
地下の廊下はそんなに長く無く、曲がり角が3、4箇所しかない。
ライアー「マジか」
そんな曲がり角を曲がるとそこには、赤黒い壁や地面があった。更に言うなら乾いた何かが臭う。
ライアー「…じゃあ扉もぶっ壊れたまんまか?」
まさかなと思いつつ、更に曲がり角を曲がり見ると、予想通りぶっ壊れたまんまだった。
無言で中に入ると、そこには普通のオフィス『だった』ものがあった。
今じゃ形状も地形も変化して瓦礫の山があちこちにある、ついでに言うなら赤黒い色も。
ライアー「…」
その部屋の端をに目をやると、そこには他の赤黒い色よりも一段と真っ黒な場所があった。
ライアー「…やだやだ」
わざとらしく肩をすくめる、それから近くの窓から外を見た。
その部屋は一丁前に窓がありー、地下なので外なんて見えんがー、外を見るとデカイ下水道の配管工の穴が見える。
あの配管工は町の外まで続いている、何で知ってるんだって?外から入ったからだよ。
ライアー「今はどうなってるんだろ」
確か掘り起こしたから今は埋まってるのかー?
と、その時背後から
ニア「ここにいたか!」
急に部屋に響くほどの大声で呼ばれたから思わず背筋がピンとなった。
ライアー「…マジでビックリしたぞ」
ニア「問題が起こった、お嬢様がお前をご指名だ!」
ライアー「エー」
ニア「何だその声!?いいからこい!」
面倒ごとを押し付けられてるとしか考えられないと思いつつ地下室を後にすることになった。
ライアー「ナニアレ」
アド「昨日のゲームみたいだな」
ヒロ「操作できるかな!?」
俺たちは城壁の外側にある、草原にいた。
目の先にいるのはロボット、ここに来るまでに聞いていたゴーレムそのものだ。
ライアー「(まさかと思うがあのクソジジイ…)」
俺はそこで考えるのをやめる、どうせ聞けば分かる話だ。
アド「んで、俺たちにどうにかして欲しいと」
ライアー「どうにかして欲しいだ~?おい、アド、その適当な依頼出したの何処のアホだ?」
アド「国からだ」
ライアー「スケールが急にデカい」
ヒロ「アレ乗れるかな!?」
ライアー「乗れるならそのままどっかに飛ばして欲しいわ…」
敵意は無さそうだが、城壁の中に侵入されたらどんな被害が出たもんか分かったもんじゃない。
という訳で俺たちがここに駆り出されたと言うことだ、面倒ごとは全部押し付けられてるとしか思えない。
ちなみに国の兵士や警察連中は城壁内部で構えている、万が一の被害を止める為らしい。
…お前らも来いよ。
アド「にしてもアレはどうするんだ?破壊出来るのかあれ」
ライアー「昔の奴と同じなら戦車当たりの砲撃じゃものともしないだろうな。となると…」
リアーク「よう、持ってきてやったぜ」
ゴツい音と共に現れたのはリアークだ、その後ろには一台の戦車。
ライアー「徹甲弾式の戦車ならいけるだろ」
リアーク「お前もうちを武器庫みたいに使うんじゃねえよ」
アド「…時々思うがライアー、お前ってどれだけ顔が効くんだ?」
ライアー「さあねー」
ゴーレムは未だ不動のまま、目の代わりになっているレンズはどこか虚空を見ているかのようだ。
ライアー「じゃあ一発かましちゃってくだせぇな」
リアーク「ほいご注文の品だ…よ!!!」
リアークの叫び声と同時に砲弾が発射され、その弾は真っ直ぐとゴーレムの胸を貫通ー、しなかった。
ライアー「…あれ?」
リアーク「…ん?」
俺とリアークは完全に同じビジョンを想像してたようで、予想外のことが起こっており混乱している。
アレおっかしいなぁ…本来ならあの胸を貫通してるはずなんだけどなぁ…
アド「どうしたんだ2人とも」
ライアー「まずくね?通常弾だった?」
リアーク「俺が装填したから見間違えるわけねぇだろ!」
となると、あの装甲は更に上位の素材って事になるのか…?
ヒロ「動き出したよ!」
そのワクワクした声で考えてたことをかき消される、見ると確かにゴーレムは左の脚部から何かを横に突出させた。
アド「ミサイルだ!!」
ライアー「リアーク!戦車を出せ!」
いち早く気づいたアドが叫ぶ、俺はヒロを抱えると戦車に飛び乗る。アドも続けて乗った。リアークは元々乗っていた為、全員が乗車を確認したら一気にバックする。
ゴーレムの脚部から飛び出した4本のミサイルは小さいのだが、空中で獲物を探すかのように少し彷徨った後、こちらに迷うことなく飛んで来た。
リアーク「追尾式か!」
戦車はバックを止めるとそのまま横に走り出す、戦車と言えばスピードなんてクソ遅そうなイメージが強いが案外そうでもない、現にこの戦車はそこら辺の自家用車の最高スピードと同じくらいの速さを出している。
ライアー「アド、降りる準備をしろ」
アド「オッケー、やってやるか!」
周りで爆発音が鳴り響く、運良くミサイルをスレスレで全弾避けたようだ。
ライアー「ただしお前らだけ」
アド「え?」
ヒロ「?」
戦車が一時停止するタイミングで、俺は戦車の中にあったとある物をヒロに押し付けると2人を外に引っ張り出した。
2人を降ろした後、俺は再び戦車に乗り込み発進させる。
アド「おいいいいいいいい!!!!」
ライアー『アド!さっきのミサイルの着弾地点の跡があるはずだ!そのクレーターに身を隠せ!』
アド「それを先に言えよ!」
無線で教えられたクレーターに体を滑り込ませる、ヒロも難なくついてきた。
ゴーレムは今度は両肩から機銃を出し、射撃を始めた。アドとヒロはクレーターの窪みに上手く隠れてそれを回避する。
ライアー『俺たちが気を引く!お前らが隙をついて攻撃しろ!』
リアーク「俺たちが毎回キツイ役だよな!ライアー!」
ライアー「いつものことだろ、やるぞ!」
さて、今更だが戦車は何人で動かすのが基本か知ってるだろうか?
普通は3、4人だ。
砲手、操縦手、装填手、車長の役割がある。だが生憎この戦車には2人しかいない。
なので…
ライアー「止まったら死ぬからな!」
リアーク「弾込めと砲手は頼むぞ!」
俺が二役やることになる、これキツイ…!
ライアー「撃つ!」
戦車の球は迷うことなくゴーレムの脇腹に当たるが、装甲にダメージを与えただけで内部に響やしない。
そこでゴーレムの標的がこちらに向いた、俺はリロードし始める。
一方、降ろされた2人。
アド「今だ、ヒロ!」
ヒロ「はーい…えーとここを引くんだっけかな?えい!」
カチッと良い音が鳴ると、その無反動砲から白い煙を出しながら鋭く目標目掛けてぶち当たりに行った。ゴーレムの上半身が黒煙に包まれ、あまりの威力にゴーレムの体制が少しよろける。
ヒロに持たせたのは、新作の無反動砲であった。だがあまりにもデカく重すぎ、何より発射の反動に(訓練兵が)3人ほど必要なthe脳筋御用達と言った代物なので使用者はいないみたいだ(ヒロを除く)。
ライアー「…リアーク、あの無反動砲をさ」
リアーク「やらんぞ、欲しけりゃ買え」
言いながら戦車のリロードを終えたので、再度発射する為に照準を合わせる。
ライアー「ケチケチすんなよな」
体制を立て直してるゴーレムに畳み掛けるが如く、もう一発お見舞いした。
これだけ直撃させてるがうんともすんとも言わない。硬すぎんだろアレ。
と、そこでまたもやゴーレムからミサイルが発射された。今度は先ほどよりも倍の数が追ってきた。
リアーク「懲りない奴だな!」
リアークは余裕といった表情で戦車を回避行動に移す。
だが…
ライアー「うおっ!?」
リアーク「何!?」
戦車全体に衝撃が走り、思わず車内に頭を打ちつけそうになった。
ライアー「おま、ちゃんと避けろよ!」
リアーク「当たってない!直撃は避けてる!」
ライアー「じゃあ…」
俺は嫌な予感がし、機銃につくために上のハッチを開けて外に顔を出す。
後ろを見ると、地面にミサイルが刺さっておりそこから何か飛び出したと思いきや爆発が起こった。
俺はすぐさま戦車に顔を引っ込める。
ライアー「リアーク!ミサイルにクラスター爆弾が入ってやがる!」
リアーク「んだと!?」
クラスター爆弾、爆弾が入っている箱が爆発してその中に入ってた爆弾を周囲にばら撒いた後に爆発すると言うタチの悪い爆弾だ。さっきのミサイルは不発だったようで地面に刺さってから爆発したが…
ライアー「うお…!」
リアーク「くっ…そ!!!」
先ほどから上空の方で爆発がなると周囲に衝撃が走りまくる。どうやら戦車に直撃させるよりも小さな爆弾で確実に当てに来てるようだ。
ライアー『アド!ミサイルを撃ち落とせるか!?』
アド「無茶苦茶言うよなお前な!」
ヒロが2発目を撃とうと構えてる隣でアドも体を起こしスナイパーを構える
アド「期待すんなよ!」
アドが距離と角度を合わせる、あまりにもデカすぎて距離感に酔いが起きそうなミサイルに照準を合わせ、撃つ。
その銃声に合わせるようにミサイルが何発か空中で爆発していく。やっぱりアイツは良い腕だ!
同時にまたもやゴーレムに豪快な黒煙が上がる、ヒロのも当たったようだ。
ゴーレムの胴体や頭が少し装甲が剥がれ、そこから電気のショートのような火花が少し放っている。
リアーク「これなら壊せるな!」
ライアー「日が沈む頃にはとか言うじゃねえぞ!?」
それまでこっちの命があるかどうかの耐久試合になろうとした時
ゴーレム「…」
突如としてアラームが鳴り響いた。
音の発生源は何処だと確認するとそれはすぐに分かった。
ゴーレムだ、ゴーレムの背中から鳴り響いてた。
アド『おい…なんか出すぞ!』
焦り声まじりな叫びが聞こえてきた、またミサイルだろう?と予想していたがそれは裏切られる。
ヒロ『飛行機飛んでくるー!』
リアーク「っ!?ドローンだ!!」
アドの無線から僅かに聞こえたヒロの声を聞き、即座に判断する。
確認すると、長方形型の小さなドローンが小鳥の群れのように飛び始めていた。
ライアー「お前ら速攻でゴーレムから距離とれ!迎えに行く!」
リアーク「行くぞ!」
リアークが戦車をドリフトさせる、側からみれば似つかないだろうがスピードだけはスポーツカーに負けず劣らずだった。
外から「チュン!」やら「キン!」やら「カン!」と音が鳴り始めた、ドローンの小型銃器に撃たれ始めたか。
リアーク「ライアー!キャタピラがやられたらドローンが相手とはいえマズイ!」
ライアー「わぁーったよ!心配性だな!」
俺は再度ハッチをこじ開け機銃につくと目についたドローンから狙い始める。
勿論、俺が撃たれる可能性もあったが撃たれる前に撃ち落とせば関係は無かった。
ライアー「お前ら!」
ライアーが無線に叫ぶ
アド「何だよこっちは走ってるのに!」
アドとヒロは指示通りゴーレムから逃げるように距離を取ってるがドローンが追いかけてきてる、撃ち落としても次から次へと執拗に出てくる
ライアー『そろそろつく!準備しろ!』
アド「準備って…やべ」
ドローンが前から迫ってきた、勿論後ろからも。
アド「ヒロ!後ろを頼む!」
ヒロ「はーい!」
それを聞いたヒロはぐるりと体を返すと、地面を思いっきり蹴って跳躍する。
アドは走った状態からスライディングに行動を移す、そのままスコープを覗き込みドローンを撃ち落とす。
跳躍したヒロは空中でドローンを一機踏み潰すとその反動で再度ジャンプをする、今度は前にいた2機を両手でそれぞれ掴むと前転の要領でその2機を地面に思いっきり投げつけ叩き潰した。
着地した後、アドに追いつく為再度走り出す。アドは全部撃ち落とすとヒロに合わせて走り始めた。
アド「また来るのかよ…!」
今度は左右から迫ってきた、と思いきや
ライアー「よう!」
左の方から声がしたと思えばいつのまにか戦車が同じスピードで走っていた。
ライアー「そっち頼む!」
アド「任せろ!」
ヒロ「元気に行こー!」
戦車を止め、こっから反撃を開始する
ライアーはまたもや機銃で撃ち始める、アドは戦車を遮蔽物とし、スナイパーで遠くから来るのを撃ち落とす、ヒロは相変わらず競技でもやってるのかと言わんばかりに楽しんで落としている
リアーク「マズイぞ」
戦車からリアークも武器を手にして外に出てくる。
ライアー「どうした?」
リアーク「戦車の燃料が無くなってる」
ライアー「はぁ!?まだ半分以上あるんじゃねぇのか!?」
リアーク「…運悪く燃料タンクに当たったようだ、予備もやられた」
ライアー「おいおい…」
こんな場所で立ち往生になるなんてな…冗談がキツすぎるぞ?
街中に戻ろうにも、俺たちはゴーレムを挟んで真反対の方にいる。つまり補給が欲しいならあのゴーレムの隣を通れってことだ、徒歩でな。
ライアー「だいぶ不利になったなこれ」
リアーク「そんなことはわかってる」
ライアー「援軍呼べないかな~…」
リアーク「姫は俺たちだけで倒して欲しいそうだ」
ライアー「アド、テメェの彼女はとんでもないワガママだな!」
アド「彼女じゃない!!!」
言いながらも取り敢えず今は迫り来るドローンを片っ端から撃ち落とす、戦車の機銃の残り球はまだあるからいける。
俺は撃ちながら破壊目標をチラと見る、なんとなく、そう何となく嫌な予感がしたんだよ。俺だったら…
その嫌な予感は思っくそ当たってしまった。
ライアー「ミサイルが来るぞ!!!」
俺は叫びながら機銃が全力で離れる、全員が反応する前にミサイルが着弾した
アド「うえああああああああ!!!?」
リアーク「うおおーー!ーー……!!」
戦車の近くにいたアドとリアークが爆風によって吹き飛ばされる。
破片と化した戦車と共に3人は空中に投げ飛ばされた。
リアーク「ぐぅ…あぁ…腰に効くぜクソが…」
地面に叩きつけられて立ち上がるのにやっとになったリアークが周りを見渡す。
周囲は戦車破片が転がってた、ライアーとアドの姿が見えない。ヒロと言う少女は遠くで暴れてる。
リアーク「ら…ライアー!?何処だ!」
立ち上がりドローンに応戦しながら周りを捜索する。運良く戦車だったもののデカい塊がありそれにドローンの攻撃から身を隠せれた。
アド「いってぇ…マジで…」
そこに横から転がり込んできたのはアドだった、見ると持っていたスナイパーが無くなったか持つほどの力が無いのか少なくとも手には持ってなかった。
リアーク「ライアーは、見なかったか?」
アド「いや…やべ!」
裏に回ったドローンがこちらに攻撃しようとした時
ヒロ「このぉ!」
飛び蹴りと言うより空中でハイキックを繰り出したヒロが反動を生かして2人の元に着地した。
リアーク「ライアーを見なかったか?」
ヒロ「え?いないの?」
同じ質問をするも答えは同じだった。
リアーク「くっそ…死んだか…?」
アド「あいつがそんな簡単に、死ぬとは思えないけどな」
呼吸を整えるぐらい時間を稼いだ後、再度落ち着いて周囲を見渡す。
リアーク「………アレか!?」
小さな破片の下敷きになっていて気づかなかったが、近くにそれらしき物を見つける
リアーク「ヒロと言ったな、援護してくれるか?」
ヒロ「任せてー!まだ疲れてないよー!」
リアーク「お前は動けるか?」
アド「い、いける」
アドは予備の拳銃を手にして頷き返す
リアーク「行くぞ!」
ドローンはまだまだいたが危険は承知だった。近くのドローンを落としつつライアーの元に着いた
リアーク「…冗談だろ」
破片を退かすと気絶していること以外でわかりたくないことがわかってしまった。
腹部に破片が突き刺さっていたのだ、30センチほどの縦長の破片が剣を刺されたように突き刺さっている。血は刺さっているので流れは止まってるようだ。
リアーク「抜くしか無い…!」
アド「大丈夫なのか!?」
リアーク「やるしかねぇだろ!」
周りはヒロが蹴散らしているため、取り敢えず安全だが悠長に言ってもられない。
慎重に引き抜いていくと、腹からまた血が流れ出した。リアークは上着を素早くライアーの腹にきつく巻き付け血を止めようとする。
リアーク「クソ…早くしねぇと」
アド「まずいぞ…ゴーレムが近い!」
アドの叫びに振り向くとゴーレムがさっきよりも近かった、ますます逃げきれない
リアーク「(どうする…このままお陀仏なのか…!)」
その時
ライアーが目を開いた
周りが真っ白だ、
ここが天国って奴か?ようやく?
…違うな、この感じは
ライアー「…[また]か?これ以上はしたく無いんだがな…」
目の前に、二重螺旋の何かが浮かんでいる。それは少し震えた後、その螺旋は形を変えた。
ドクン、と心臓が跳ねるように響く
何かが見える、これは…まるでモンスターの影か?
ライアー「…痛みも無視できるなら楽なんだけどな」
白色の世界から白が消えて…闇に包まれた
ライアーが目を見開く
リアークはその瞳を見て、思い出した。
[戦争を]
リアーク「…また、か?」
腹が裂けるように痛いがそれは無視をして立ち上がる、痛みを堪えるのは無視をするしか無い。
アド「…ライアー?」
ライアー「短期決戦だ」
周りにはドローンが円を描くように囲んでいた、だが丁度いい。
ライアー「」
ひと息呼吸を置いた後に地面を蹴って跳躍する、その跳躍は完全に人間の域ではなかったヒロと同じぐらいだ。
アド「なっ…」
リアーク「アド、下がるぞ」
飛び上がりついでにドローンを一機蹴り飛ばす、蹴り飛ばすと言っても装甲が歪む程強烈な蹴りだ。そのまま重力に従い落ちようとする時に2丁の拳銃を両手に構え、逆さまに落下したまま撃ち始める。
ドローンを破壊するほどの威力はないが、プロペラに確実に当てていく。
地面に着地する頃には殆どのドローンが行動不能になっていた。
2人は近くの遮蔽物を見つけ隠れている
アド「…一体…」
ライアーがそこまで戦えるのは知っていたが、これは…
リアーク「どんな効果があるのか知らんが」
リアークがリロードしながら答える
リアーク「ライアーはとある実験のモルモットだったんだよ」
アド「実験…?」
リアーク「オリジナルの『種族』を作るための基礎の実験らしいが…」
ライアーをチラと見る、ますます言葉では表現出来ないとんでもない動きをしている。
リアーク「大抵の奴は、その種族に『進化』するのに耐えられず廃人、化け物、はたまた自己崩壊だったそうだ」
アド「じゃあライアーは…」
リアーク「…成功したんだろうな」
ライアー「(体が軽い)」
ジャンプしてドローンにナイフを突き刺す、ドローンは制御不能になったのかそのままゴーレムに一直線に向かう
ゴーレムは肩の銃器で撃ってきた、ナイフを抜き落下して回避する
ヒロ「ライアー!これ!」
下から声がしたと思うと足元に黒い何かが飛んできた。
壊れたドローンだ、どうやらヒロがまだ下で暴れていてその一部を投げ飛ばしてきたみたいだ。
ライアー「あんがとな」
そのドローンを踏み台にして飛び移る。
肩に乗りゴーレムの顔を覗き込んだ
顔といってもあるのは目の代わりの赤いレンズぐらいだがな。
ライアー「お前に恨みはないが」
そのレンズに拳銃を突きつけた
ライアー「止まってもらう」
発砲する、レンズが割れその中に続けて連射する。レンズの中は回線や機械があった、そのまま鉛玉をぶち込んでいった。
煙や電気が発生し、最終的にレンズだった所から煙が拭きはじめる。
この間ゴーレムは反撃しようにも手が出せなかった、出す前に機械を攻撃を食らったからだ。
ゴーレム「」
ゴーレムは音も声もないが確実に苦しんでいる、するとゴーレムの体が急に後ろに倒れていきながら最後のミサイルを撃ち出した。狙いは自分に取り付いてる俺を狙ってるようだ。
ライアー「やべ」
素早くとび降りると背後で爆発音がなった。高すぎて普通のやつなら骨折ぐらいするんだろう高さだったが身体が軽いおかげで楽々着地できた。
ゴーレムが地面に倒れた、飛んでいたドローンも共鳴してたからか同時に地面に落ちていった。
ライアー「はぁ…」
急にどっと体が鉄のように重くなった、さっきまでの軽さが急に消える。
ライアー「仕事…かんりょ…」
そのまま地面にぶっ倒れ、意識を無くすのだった。
ギルハート「言ったでしょう?」
城のバルコニーから一緒に眺めていたニアと紅蓮に問いかける
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紅蓮「まぁ…多少苦戦してたようだけど」
ニア「とは言え、たった4人で…」
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少し表情が曇ってた紅蓮にギルハートは得意げに言う。
紅蓮「そうね…」
しかし曇ってた理由は彼らの実力についてではなかった。
紅蓮「(やはり…あやつは強化人間…)」
そう答えを出すと、1人で頷く。
紅蓮「姫の言う通りだわ」
こうして、ゴーレムの騒動は終わりを迎えた。
ライアー「痛い」
アド「俺も痛いわ」
ヒロ「大丈夫ー?」
場所は何でも屋、ベッドとソファにそれぞれ寝ている。あのヤブ医者で受診を受けたがアドは軽い打撲や、骨にヒビが入っていた。対して俺は大量出血、火傷、内臓に軽いダメージ(命に別状無し)だった。
ライアー「しばらく店やれねぇ…」
アド「それどころか生活するのもやっとじゃねえか…」
入院するのが普通だが、生憎家で寝てた方が金が浮くんでね。
ヒロ「じゃあヒロが頑張る!」
ライアー「わかった、わったからそのパワーで殺さないでくれ」
多分無理だから自分でする羽目になるんだろうなと思うのであった。
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