333 / 492
第8章
332話
しおりを挟む
そこは、集団対集団の戦いが繰り広げられていた。
「皆さん、頭の固いドワーフ達に弓の雨をお見舞いしてやりましょう!」
ゴブリン族代表のグダがドワーフ達に向かって弓を放つ。
「お前ら、盾を構えろ!」
ドワーフのキルの号令でドワーフ達は前に向かって盾を構える。
すると、盾に弓が当たる度に甲高い音が鳴る。
「よっしゃ! お前ら距離を詰めるぞ!」
キルは大きなハンマーを振り回しながら先陣を切りドワーフ達を先頭する。
そして、グダの方はそんなドワーフ達を見ても慌てずに指示を飛ばす。
「皆さん、もう一度放って下さい!」
グダの合図と共に放たれた弓を先程同様同じく防ぎ、ドワーフ達は徐々にゴブリン達に近づいて行く。
人数の面では、ゴブリン達の方が多い。
しかし、そんな人数の差などものともせずにドワーフ達は距離を詰めていく。
そんな様子を見てグダは……
「あの、脳筋のオーク共とは違う様ですね……」
一度、周りの様子を確認したグダ。
ゴブリン達は数では優っていると理解しているが、ドワーフ達の圧力に若干及び腰になっているのが分かる。
「皆さん、落ち着いて下さい! 向こうが近付いて来た分、我々は下がればいいんです」
グダの言葉にゴブリン達は肯く。
「ゆっくり下がりますよ! ですが攻撃の手を緩めないで下さい!」
ゴブリンはどんどんと村の奥へと下がりながら、攻撃を続ける。
「──ッハン! こんな弓がワシらに効くと思っているのか──それに弓はお前達だけでは無い!」
キルがハンマーを大きく上げると、後方に居たドワーフ達が弓を構えた。
「──放て!」
キルのハンマーが下がると共に弧を描いてゴブリン達の方に向かって飛んでいく。
「盾を構えて下さい!」
グダの合図と共に半分のゴブリン達が盾を構えて、自身と隣の仲間を守る。
そして、もう半分は引き続き弓を撃ち続ける。
どうやら、コンビネーションはゴブリンの方が何枚も上手の様だ。
「皆さん、その調子です!」
こうして、ドワーフが距離を詰めれば、ゴブリンが距離を開けるを繰り返し、少しずつしか距離が詰められ無いキル達。
その距離は現在50メートル位である。
しかも、幾ら弓矢が一発当たっただけで死なないとは言え、何本もの弓矢が刺されば話は別だ……
「おい、キル! 距離が全然縮まないし、仲間達がどんどん倒れていくぞ!」
「──ック……ゴブリン共め……」
そう、ゴブリン達は少しずつだが、ドワーフ達の数を減らしていたのだ。
逆にドワーフ達はゴブリン達を倒す事が出来ずに居た……
では何故、こうまで差が着き始めて来たのか……それは、あまりにもグダ達のコンビネーションが取れているからだろう。
「皆さん、良いですよ! ドワーフ達はどんどん人数が減って来ています、その調子です」
「「「「「「「おう!!」」」」」」」
そして、そんな様子に、このままでは不味いと思ったキル。
「ワシが崩して来るしかないな……」
「お、おい──何を考えている?!」
キルの言葉に隣に居たドワーフは慌てる。
「まぁ、見ていろ」
「お、おい!?」
仲間のドワーフの静止を振り切りキルは大ハンマーを盾にする様にしてゴブリンの集団に突っ込む。
そんなキルに向かって集中的に弓矢が飛んで来る──しかし、その弓矢を大ハンマーを回転させて、まるで傘で雨を防ぐ様な感じで全てを防ぎ切ったキル。
「──ワシにそんなチンケな攻撃が効くか!」
キルは更にゴブリンに向かって走り出す。
最初は50メートル程の距離が合った筈だが、既に半分以上は距離を詰めたキルに、グダは表情を歪める。
「これだから、突出した力の持ち主は嫌いなんですよね……」
キルを見て、どうするかを頭の中で計算するグダ。
そして、素早く計算をして、直ぐに仲間達に指示を出す。
「半分は上に向けて弓矢を! もう半分は直接あのドワーフを狙って下さい!」
この様な集団に突発的な指示を出した場合、普通であれば混乱するか、上手く指示が行き渡らない筈だが、ゴブリン達は違った……
直ぐ様、グダの指示を理解する。
まずはゴブリンの半分が上に向かって一斉に弓矢を放つ。
そして、少し時間を置いて、もう半分がキルに向かって弓矢を放った。
「──ッち、これは不味そうだな」
キルは自身に飛んでくる無数の弓矢を見て呟く。
先程までは斧を回転させて弓矢から自身を守っていたが、今回はそうもいかない。
上からの弓矢を斧で防御すれば前からの弓に当たるし、前からの弓矢を防げば上からの弓矢が当たるだろう。
そして、キルが選んだ防御方法は前から飛んで来る弓矢を防ぐ事であった──しかし、それだけでは上からの弓矢を全て受けてしまう為、キルは一旦横に向かって走りながら上からの弓矢を避ける事を試みた。
「──ッグァ!」
しかし、やはりと言うべきか、キルの肩には数本の弓矢が突き刺さっていた……
「──手強い……しかしワシが道を切り開く!」
何本もの弓矢を身体に受けながらもキルはゴブリン達に向かって走る。
ゴブリン達は急いで二発目の弓矢を放つ為に弓に矢をセットしようとする──しかし、その前にキルはゴブリン達の前まで到着した……
「皆さん、頭の固いドワーフ達に弓の雨をお見舞いしてやりましょう!」
ゴブリン族代表のグダがドワーフ達に向かって弓を放つ。
「お前ら、盾を構えろ!」
ドワーフのキルの号令でドワーフ達は前に向かって盾を構える。
すると、盾に弓が当たる度に甲高い音が鳴る。
「よっしゃ! お前ら距離を詰めるぞ!」
キルは大きなハンマーを振り回しながら先陣を切りドワーフ達を先頭する。
そして、グダの方はそんなドワーフ達を見ても慌てずに指示を飛ばす。
「皆さん、もう一度放って下さい!」
グダの合図と共に放たれた弓を先程同様同じく防ぎ、ドワーフ達は徐々にゴブリン達に近づいて行く。
人数の面では、ゴブリン達の方が多い。
しかし、そんな人数の差などものともせずにドワーフ達は距離を詰めていく。
そんな様子を見てグダは……
「あの、脳筋のオーク共とは違う様ですね……」
一度、周りの様子を確認したグダ。
ゴブリン達は数では優っていると理解しているが、ドワーフ達の圧力に若干及び腰になっているのが分かる。
「皆さん、落ち着いて下さい! 向こうが近付いて来た分、我々は下がればいいんです」
グダの言葉にゴブリン達は肯く。
「ゆっくり下がりますよ! ですが攻撃の手を緩めないで下さい!」
ゴブリンはどんどんと村の奥へと下がりながら、攻撃を続ける。
「──ッハン! こんな弓がワシらに効くと思っているのか──それに弓はお前達だけでは無い!」
キルがハンマーを大きく上げると、後方に居たドワーフ達が弓を構えた。
「──放て!」
キルのハンマーが下がると共に弧を描いてゴブリン達の方に向かって飛んでいく。
「盾を構えて下さい!」
グダの合図と共に半分のゴブリン達が盾を構えて、自身と隣の仲間を守る。
そして、もう半分は引き続き弓を撃ち続ける。
どうやら、コンビネーションはゴブリンの方が何枚も上手の様だ。
「皆さん、その調子です!」
こうして、ドワーフが距離を詰めれば、ゴブリンが距離を開けるを繰り返し、少しずつしか距離が詰められ無いキル達。
その距離は現在50メートル位である。
しかも、幾ら弓矢が一発当たっただけで死なないとは言え、何本もの弓矢が刺されば話は別だ……
「おい、キル! 距離が全然縮まないし、仲間達がどんどん倒れていくぞ!」
「──ック……ゴブリン共め……」
そう、ゴブリン達は少しずつだが、ドワーフ達の数を減らしていたのだ。
逆にドワーフ達はゴブリン達を倒す事が出来ずに居た……
では何故、こうまで差が着き始めて来たのか……それは、あまりにもグダ達のコンビネーションが取れているからだろう。
「皆さん、良いですよ! ドワーフ達はどんどん人数が減って来ています、その調子です」
「「「「「「「おう!!」」」」」」」
そして、そんな様子に、このままでは不味いと思ったキル。
「ワシが崩して来るしかないな……」
「お、おい──何を考えている?!」
キルの言葉に隣に居たドワーフは慌てる。
「まぁ、見ていろ」
「お、おい!?」
仲間のドワーフの静止を振り切りキルは大ハンマーを盾にする様にしてゴブリンの集団に突っ込む。
そんなキルに向かって集中的に弓矢が飛んで来る──しかし、その弓矢を大ハンマーを回転させて、まるで傘で雨を防ぐ様な感じで全てを防ぎ切ったキル。
「──ワシにそんなチンケな攻撃が効くか!」
キルは更にゴブリンに向かって走り出す。
最初は50メートル程の距離が合った筈だが、既に半分以上は距離を詰めたキルに、グダは表情を歪める。
「これだから、突出した力の持ち主は嫌いなんですよね……」
キルを見て、どうするかを頭の中で計算するグダ。
そして、素早く計算をして、直ぐに仲間達に指示を出す。
「半分は上に向けて弓矢を! もう半分は直接あのドワーフを狙って下さい!」
この様な集団に突発的な指示を出した場合、普通であれば混乱するか、上手く指示が行き渡らない筈だが、ゴブリン達は違った……
直ぐ様、グダの指示を理解する。
まずはゴブリンの半分が上に向かって一斉に弓矢を放つ。
そして、少し時間を置いて、もう半分がキルに向かって弓矢を放った。
「──ッち、これは不味そうだな」
キルは自身に飛んでくる無数の弓矢を見て呟く。
先程までは斧を回転させて弓矢から自身を守っていたが、今回はそうもいかない。
上からの弓矢を斧で防御すれば前からの弓に当たるし、前からの弓矢を防げば上からの弓矢が当たるだろう。
そして、キルが選んだ防御方法は前から飛んで来る弓矢を防ぐ事であった──しかし、それだけでは上からの弓矢を全て受けてしまう為、キルは一旦横に向かって走りながら上からの弓矢を避ける事を試みた。
「──ッグァ!」
しかし、やはりと言うべきか、キルの肩には数本の弓矢が突き刺さっていた……
「──手強い……しかしワシが道を切り開く!」
何本もの弓矢を身体に受けながらもキルはゴブリン達に向かって走る。
ゴブリン達は急いで二発目の弓矢を放つ為に弓に矢をセットしようとする──しかし、その前にキルはゴブリン達の前まで到着した……
0
あなたにおすすめの小説
俺、何しに異世界に来たんだっけ?
右足の指
ファンタジー
「目的?チートスキル?…なんだっけ。」
主人公は、転生の儀に見事に失敗し、爆散した。
気づいた時には見知らぬ部屋、見知らぬ空間。その中で佇む、美しい自称女神の女の子…。
「あなたに、お願いがあります。どうか…」
そして体は宙に浮き、見知らぬ方陣へと消え去っていく…かに思えたその瞬間、空間内をとてつもない警報音が鳴り響く。周りにいた羽の生えた天使さんが騒ぎたて、なんだかポカーンとしている自称女神、その中で突然と身体がグチャグチャになりながらゆっくり方陣に吸い込まれていく主人公…そして女神は確信し、呟いた。
「やべ…失敗した。」
女神から託された壮大な目的、授けられたチートスキルの数々…その全てを忘れた主人公の壮大な冒険(?)が今始まる…!
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
充実した人生の送り方 ~妹よ、俺は今異世界に居ます~
中畑 道
ファンタジー
「充実した人生を送ってください。私が創造した剣と魔法の世界で」
唯一の肉親だった妹の葬儀を終えた帰り道、不慮の事故で命を落とした世良登希雄は異世界の創造神に召喚される。弟子である第一女神の願いを叶えるために。
人類未開の地、魔獣の大森林最奥地で異世界の常識や習慣、魔法やスキル、身の守り方や戦い方を学んだトキオ セラは、女神から遣わされた御供のコタローと街へ向かう。
目的は一つ。充実した人生を送ること。
地味スキル「ためて・放つ」が最強すぎた!~出来損ないはいらん!と追い出したくせに英雄に駆け上がってから戻れと言われても手遅れです~
かくろう
ファンタジー
【ためて・放つ】という地味スキルを一生に一度の儀式で授かってしまった主人公セージ。
そのせいで家から追放され、挙げ句に異母弟から殺されかけてしまう。
しかしあらゆるものを【ためる】でパワフルにできるこのスキルは、最高ランクの冒険者すらかすんでしまうほどのぶっ壊れ能力だった!
命からがら魔物の強襲から脱したセージは、この力を駆使して成り上がっていく事を決意する。
そして命の危機に瀕していた少女リンカニアと出会い、絆を深めていくうちに自分のスキルを共有できる事に気が付いた。
――これは、世界で類を見ない最強に成り上がっていく主人公と、彼の元へ集まってくる仲間達との物語である。
スライムに転生した俺はユニークスキル【強奪】で全てを奪う
シャルねる
ファンタジー
主人公は気がつくと、目も鼻も口も、体までもが無くなっていた。
当然そのことに気がついた主人公に言葉には言い表せない恐怖と絶望が襲うが、涙すら出ることは無かった。
そうして恐怖と絶望に頭がおかしくなりそうだったが、主人公は感覚的に自分の体に何かが当たったことに気がついた。
その瞬間、謎の声が頭の中に鳴り響いた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる