雨はやさしく嘘をつく

黒崎優依音

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第八章 開かずの扉がひらくとき

囚われの姫と、二人の王子

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sideルアルク



部屋に沈む空気は、重かった。

ランプの炎が壁に揺れを映すたび、その影が胸の不安を大きくしていく気がする。



シェイは机に肘をつき、淡々と口を開いた。

「……状況を整理しましょう。

 臨時審理の召喚状は出した。

 明日には教会の扉を開けられる。

 問題は――その前にどこへ囚われているか、絞れるかどうかです」





ルアルクは深く息を吸い込み、紙と筆を取り出した。

「すでにある程度の見当はついています。

 ……外から見た窓の数、廊下の長さ。

 感覚ですが、怪しい一角は存在します」



几帳面に引かれる線が、机の上で形を成す。

シェイはそれを覗き込み、短く息を吐いた。

「……なるほど。信じる価値は十分にある。

 ただし、無策で飛び込めば、ユリカさんとリシェリアを危険にさらす」



「……でも、遅れればそれだけ危険が増す。

 一刻も早く助けたいんです」

抑えていた声が、わずかに震えた。



「わかっています」

シェイの声は低く、しかし確かだった。

「だからこそ、確実に取り戻すための手順が要るんです」



重苦しい沈黙を破ったのは、リリだった。

「……はいはい、二人とも」

椅子の背にもたれ、わざと大げさに肩をすくめる。

「要するに――“囚われのお姫様を助けに行く”ってことでしょ?」



彼女はルアルクの背をぽんと叩き、にやりと笑った。

「頑張んなさいよ、王子様!」



「ふふ、それはいい」

シェイが悪ノリするように口元を歪める。

「頑張ってね、王子♡」



「……あなたこそ王子でしょう」

思わずむっとして返すと、リリがすかさず合いの手を入れる。

「えー? シェイさん、気品あるしねぇ」



場の空気が、少しだけ和らいだ。

シェイは視線を逸らし、苦笑いを浮かべる。

「僕に“王子”なんて似合いませんよ。

 でも――二人で必ず助けます」



ルアルクもまた、深く頷いた。

「……ええ。父として、必ず」



リリは腕を組み、得意げに胸を張る。

「じゃあ後方は任せて!

 気配を消す結界くらいなら得意だし、絶対に気づかせないから」



ランプの炎が再び揺れる。

重苦しい空気の中に、わずかに灯った決意の温度。

三人はそれぞれの役割を胸に刻み、明日への準備へと身を傾けた。





sideユリカ





まわりの景色がすりガラスの中にいるようにぼやけて見えない。

ユリカはきっとこれが結界の中なのだろうと理解していた。



ぼやけた外側から低い声がした。



「……なるほど。見間違いようもない。あやつにそっくりだ」



リシェリアを抱くユリカの腕に力がこもる。声は続いた。

「直系の証。

 ……あやつにしては、よくやった」



冷たい響きに背筋が凍る。



(……誰? でも、この声音――どこか……)



「道具は道具。

 見定めが済めば、それでいい。

 ……情など要らん」

吐き捨てるような調子。



ユリカは唇を震わせ、思わず声を返した。

「……人を、人として見ないで……。

 ここに、ルアルクがいなくて良かった。

 こんな言葉、聞かせたくない……」



一拍の静寂。

そして、せせら笑うような返答が落ちてきた。



「あやつには何十……いや、それ以上、言い聞かせてある。

 いい加減、理解していると思うがな」



胸が張り裂けそうになり、ユリカの頬を涙が伝った。



(……違う。あの人は道具なんかじゃない。誰よりも優しい――)



「……間違っています。

 あの人は、私を道具だと思ったことなんて一度もない。

 私は彼に救われました。

 リシェリアも……あの人の愛から生まれた子です」



「揃いも揃って、道理も分からぬか」

聞こえてきたのは、心底嘲るような響きだった。



声はそれきり消え、残ったのは結界の冷たい光だけだった。

リシェリアを抱き締める腕に、彼女はただ祈るように力を込めた。





sideルアルク



朝の冷たい光が回廊を洗っていた。

王命特別監査の布告はすでに門へ打ち付けられ、封呪の青が脈打っている。

警護のガーディアンと教会側の立会人が距離を取って並び、重い扉が音を立てて開いた。



「――入ります」

シェイの声に頷き、ルアルクは見取り図を手に先導する。

紙の端は汗でわずかに湿っていた。



目的の一角に着く。

壁面は白く滑らかで、等間隔に柱型が立ち、窓も寸分違わず整っている。

だが、ルアルクの描いた線は、その先に「小部屋」を示していた。



「図面上、ここに一室……」

彼は壁を指でなぞる。石の継ぎ目は見当たらない。



「……書き間違いでは?」

教会の立会人が淡々と言う。

ガーディアンの隊員も、小さく肩をすくめた。

「現場の形と一致しませんね」



胸の奥がひやりとする。ルアルクは図面を見下ろした。



(本当に――僕の勘違い?)



昨日の焦燥、夜を通した不眠、手の震え。

弱い考えが喉元まで上がりかけた、そのとき。



「違います」

シェイが短く断言した。

「ルーくんが“ここにある”と言うなら、ある。

 ――徹底的に見ます」



彼は膝をつき、床と壁の隙を目で追った。

指で石を撫で、耳を当て、最後にふっと息を吐きかける。

ランプの火が小さく揺れ、壁下の換気口の縁で止まった。



「……リリさん、灯りを」

「はいよ」



差し出されたランプの光に、細い赤がきらりと浮いた。

換気口の網目に、赤い糸くずが一つ、蝶結びのような結び目で引っかかっている。

さらに――結び目の根本に、月光色の一本が絡んでいた。



「赤……リシェのリボン」

ルアルクの喉が鳴る。

シェイは頷き、指先で結び目をそっとほどいて掌に乗せた。



「蝶結び。――ユリカさん」

彼の目が細くなる。



「ここで間違いない。吸気の向きが不自然です。壁の奥が“空いている”」



リリが小声で息を呑む。

「やっぱり隠してるんだね。後方、結界で覆っとく」



シェイは柱型と巾木の寸法を手早く測り、壁の同じ模様がわずかに“繰り返し”を誤魔化している箇所を指で示した。

「ここが目地。押すと――」



低く沈む音。

白い壁が一歩ぶん、闇を開いた。

冷たい空気が、穴の奥から吐き出される。



ガーディアンの隊員が慌てて前に出る。

「危険です、我々が――」

「非致死で制圧します。――ルーくん」

呼ばれて、ルアルクは頷いた。

喉の奥が熱く、視界の縁が澄む。

靴底から背骨へ、白を通す。



(行く)



三人は身を沈め、闇の中へ滑り込む。

細い通路の先、膨らんだ空間。気配が、動いた。



「来たぜ」



影が二つ、三つ。

袖の白刺繍がちらりと揺れる。

短剣の鈍い光。

リリは後方に手を広げ、気配を畳むように結界を展開した。

「通路、遮断。音、外には出さないよ」



闇の広間に、白刺繍の影が雪崩れ込んだ。

短剣の刃が閃き、詠唱の声が重なる。



――その顔を、知っていた。



認知のとき、優しく祝福をかけてくれた神官たち。

穏やかな笑みで、リシェリアの未来を言祝いしてくれた人々。



(……そうか。あれは“白”を讃える言葉だったのだな)



背中を合わせ、シェイと呼吸を合わせる。

息を合わせれば、動きは舞のように流れた。



(僕は……道化だな)



シェイが黒を操り、影縫いで突進を止める。

ルアルクはその隙に相手の腕を極め、白で拘束し倒す。



ルアルクが横合いの刃を弾けば、シェイは振り返りもせず黒の粒子を散らして相手の視界を奪う。

シェイが深く踏み込み、真正面から敵を叩き伏せれば、ルアルクがその背を守って別の刃を払い落とす。



呼吸は同じ。

意図を伝える言葉は不要だった。



(……やりやすすぎる)



ルアルクは心の中で苦笑する。

シェイもまた、黒の影を解きながらふっと笑った。



(……彼となら、背中を預けられる)





sideシェイ





 五人の神官が結界を重ねていた。

 破っても破っても、すぐに次の白が重ねられる。

 道を塞ぐ膜は分厚く、先が見えない。



 だが背中に藍の気配を感じるだけで、迷いは消えた。



「――三秒」



 短く告げた。

 即座に白が展開され、自分の剣筋を護る。

 滑らかに、邪魔することなく。

 欲しいと望む前に、そこにある。



 一から十を求めれば、十二で返ってくる。

 それがルアルクとの連携だった。



 剣が舞う。

 黒髪を翻し、結界を裂き、敵を薙ぐ。

 その軌跡に白が寄り添い、世界が舞台のように整っていく。



(――やりやすい。誰よりも)



 敵の顔に、かつての記憶がよぎった。

 ――認知のとき、祝福の言葉を告げてくれた神官。

 優しい笑みは、今も崩れない。

 だがそれは、人に向けられたものではなかった。

 “白”を讃える道具としての祝福。



(……そういうこと、だったのか)



 言葉にせず、ただ次の一手へと進む。



 結界は裂け、神官たちが次々と倒れ伏していった。







二人は再び構えを整え、隠し部屋のさらに奥――最後の扉へ、音もなく歩を進めた。





sideユリカ





すりガラスのような結界が揺らぎ、向こうから低い声が落ちてきた。



「……あの直系を繋ぎとめるために残したというのに。

 お前も端くれとはいえ直系の血を引く身――なぜ子を産む役目を放棄する?」



ユリカは息を呑み、リシェリアを抱く腕に力をこめた。

次の瞬間、揺らぎの中心から影が形を成し、冷たい空気をまとって中へ踏み込んでくる。



銀の髪に、桃色を帯びた瞳。

輪郭は確かにユリカに似ていた。



だがその目には、温もりはなく、氷のような冷たさしか宿っていなかった。



男は椅子に腰掛け、感情の籠らぬ瞳で二人を見下ろす。

その仕草ひとつで、幼いころから刷り込まれた威圧感が空気を満たし、ユリカの体は竦んだ。



「……途中までは実にいい働きだったではないか。

 あの娘を産んだことだけは褒めてやろう。

 ……だがそれきり次を作らぬとは、愚か者め」



胸の奥に、鋭い痛みが走った。

この人はずっと、息子を“人”として見てこなかった。



「愛や恋など、白の血統の前では塵にもならぬ」



その一言が、ユリカの胸を焼く。



――塵などではない。



彼は、あれほど傷つけられ、笑うことさえ禁じられながら、それでも笑った。

泣いた。

人に優しくあり続けた。



だからユリカは彼を尊敬した。

だからこそ、好きになった。

そして今は――その笑顔を、これ以上傷つけさせたくなかった。

守りたいと心から願っていた。





「我らは等しく神の道具。血縁も倫理も、枷にはならぬ。

 フィオレッタが身体さえ丈夫であったなら――姉弟で子を作ったはずだ」



ぞっとする言葉に、ユリカの唇が震える。

「……お祖母様と……あなたは姉弟でしょう……何を……」



「血など些細なものだ。魔力の前ではな」



男の声は冷酷だった。

同じ血を持ちながら、どうしてここまで冷たくなれるのか。

ルアルクは幼いころから、この声に耐えてきたのだ――そう思うと、胸が押し潰されそうだった。



やがて男の目がリシェリアを射抜いた。

その口元がわずかに動き、低く言葉が零れる。



「……なるほど。確かに可愛い。

 リシェリアは、フィオレッタにそっくりだ」



その名を呼ばれた瞬間、ユリカの全身が震えた。

彼女の耳に届いたのは、歪んだ特別視の証。

どうしてこの人の口から、この子の名が出るのか――恐怖と嫌悪が入り混じり、胸が張り裂けそうになる。



ユリカは娘を胸に抱き寄せ、必死に視線から隠した。

「見ないで!」



喉を裂くような声が広間に響いた。

無垢な笑顔を、この人にだけは向けさせたくなかった。



この子は道具ではない。

彼女とルアルクが守り抜いてきた、大切な娘――愛そのものだった。



男の白い手が、ゆっくりとリシェリアへ伸びていく。





その瞬間――空気が裂けた。

鋭い黒の刃が奔り、結界を一閃で切り裂く。

白い光が軋み、音を立てて崩れ落ちた。



裂け目の向こうから差し込んだのは、鮮烈な光。

その中に立つ姿を見た途端、ユリカの理性は何もかも吹き飛んだ。



「ルアルク……!」



涙がにじみ、視界が揺れる。

気付けばユリカは駆け寄り、彼の胸に飛び込んでいた。

声もなく抱きつき、ただその体温を確かめるようにしがみつく。



(……もう二度と、奪わせない。

 この人を、これ以上傷つけさせない……!)





ただ彼を守りたい、その一心で必死で抱きしめ続けた。



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