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◇式前30日の記録
2.リリア、人間への道⑵
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【結婚式まで 25日】
「ああ!リリア様の手は本当にお美しい!白魚のような滑らかさ、そのお綺麗な手をもう少し優しくお使いになって下さいな。周りに小さな小鳥が居るかのように。そう、音を立てると小鳥も逃げ出しますわよ?ビックリさせないで下さいませ。ええ、お上手ですわ」
ミネルヴァ夫人はとても巧みにリリアに知識を植え付けていく。
流石に元王宮にて王妃の教育係兼講師をしていただけある。
物凄く褒めながら軌道修正して行くような、時折笑いを誘ったり。まるで真っ直ぐな暖かい川の中をふわふわ泳がせながらも紐で引っ張って導く様な教えの天才だった。
流石筆頭公爵家が用意した講師である。
この出会いに感謝しながらリリアは唯ひたすら頑張り続ける。
****
「で~、テオくんは~リリちゃんの~ここに~触る訳よ~」
そう言って筆頭公爵家夫人は木板に描かれた女性の絵の一部分を指揮棒で指し示す。
「奥様。どうやら飛び過ぎの様です。人体の不思議から行きましょう。リリア様がポカンとした顔になられてますよ?」
リリアは椅子にチョンと座らされ、公爵夫人の性教育の授業を受けさせられていた。
「そっかー。シラサギちゃんはお胸が無いものね~」
「まずは身体の器官からの説明を致します」
「遠くない?」
「必要かと思われます」
「ふーん、そうか。あ!リリアちゃん女の子の日はちゃんと来てるかな?」
「?」
「月経です。月のモノとも言います。我々もまだ確認はしてません」
「?」
「そっかー。.........まあ、女神様が付いてるんだから大丈夫よね?」
「それも含めての性教育ですから」
「よーし!頑張ろう!」
「?」
リリアは始終首を捻っていた。そして意を決っして聞いてみる。
「あの.........これは何の為に教わるのでしょうか?」
「! そこから?」
「?」
「リリア様。これはテオルド様とお子を成す為に大変重要な事なのです。鳥の繁殖と人のそれは方法が違いますから.........」
..................................ハッ!!!
「そうか!人間は卵から産まれないのね?いけない。すっかり忘れてた!って、テオルドとの.........お子.........わぁ.........わぁ.........凄い!」
リリアの瞳がキラキラと輝く。
「(テオルドとの卵.........じゃ無かった。赤ちゃんを作るのか。そうか.........作り方知らないな。鳥はお尻を擦れば良い筈なんだけど.........やった事ないし)」
「そうよ~家族を作るの~!沢山産めば楽しいわよ?」
「人間は繁殖方法が異なるんですね?その辺りのお話だったんですね。理解しました」
「なまじ頭が良いので絵からでは無く本からの方が良いのかも知れませんね。良い指南書が無いか探しておきましょう」
「そうね~。じゃあ、暫くはお茶をしながらお喋りの中で教えていきましょうか。ね、リリアちゃん」
「はい奥様。宜しくお願いします」
「(テオルドとの卵.........じゃなくて赤ちゃん!楽しみ!)」
「ヤダー!違うでしょ?お義母様よ。ほら言ってみて?」
「おかあさま?」小首を傾げる。
「...うっ......眩しい........。うちの嫁綺麗で可愛いわ~!胸に来る!痺れるわ~.........無垢なのが解ってるから尚更。テオルドよくやったわね!」
「奥様。少し黒いですよ」
「ふふふふ。10年間挨拶を交わして来たうちの娘よ?可愛いに決まってるわね。良かった、他に盗られなくて」
「ふふ。本当に。女神様に感謝でございますね」
「本当.................あのシラサギちゃんが嫁に。摩訶不思議な国よね、此処は」
そう言いなが公爵夫人はふふふと笑った。
「ああ!リリア様の手は本当にお美しい!白魚のような滑らかさ、そのお綺麗な手をもう少し優しくお使いになって下さいな。周りに小さな小鳥が居るかのように。そう、音を立てると小鳥も逃げ出しますわよ?ビックリさせないで下さいませ。ええ、お上手ですわ」
ミネルヴァ夫人はとても巧みにリリアに知識を植え付けていく。
流石に元王宮にて王妃の教育係兼講師をしていただけある。
物凄く褒めながら軌道修正して行くような、時折笑いを誘ったり。まるで真っ直ぐな暖かい川の中をふわふわ泳がせながらも紐で引っ張って導く様な教えの天才だった。
流石筆頭公爵家が用意した講師である。
この出会いに感謝しながらリリアは唯ひたすら頑張り続ける。
****
「で~、テオくんは~リリちゃんの~ここに~触る訳よ~」
そう言って筆頭公爵家夫人は木板に描かれた女性の絵の一部分を指揮棒で指し示す。
「奥様。どうやら飛び過ぎの様です。人体の不思議から行きましょう。リリア様がポカンとした顔になられてますよ?」
リリアは椅子にチョンと座らされ、公爵夫人の性教育の授業を受けさせられていた。
「そっかー。シラサギちゃんはお胸が無いものね~」
「まずは身体の器官からの説明を致します」
「遠くない?」
「必要かと思われます」
「ふーん、そうか。あ!リリアちゃん女の子の日はちゃんと来てるかな?」
「?」
「月経です。月のモノとも言います。我々もまだ確認はしてません」
「?」
「そっかー。.........まあ、女神様が付いてるんだから大丈夫よね?」
「それも含めての性教育ですから」
「よーし!頑張ろう!」
「?」
リリアは始終首を捻っていた。そして意を決っして聞いてみる。
「あの.........これは何の為に教わるのでしょうか?」
「! そこから?」
「?」
「リリア様。これはテオルド様とお子を成す為に大変重要な事なのです。鳥の繁殖と人のそれは方法が違いますから.........」
..................................ハッ!!!
「そうか!人間は卵から産まれないのね?いけない。すっかり忘れてた!って、テオルドとの.........お子.........わぁ.........わぁ.........凄い!」
リリアの瞳がキラキラと輝く。
「(テオルドとの卵.........じゃ無かった。赤ちゃんを作るのか。そうか.........作り方知らないな。鳥はお尻を擦れば良い筈なんだけど.........やった事ないし)」
「そうよ~家族を作るの~!沢山産めば楽しいわよ?」
「人間は繁殖方法が異なるんですね?その辺りのお話だったんですね。理解しました」
「なまじ頭が良いので絵からでは無く本からの方が良いのかも知れませんね。良い指南書が無いか探しておきましょう」
「そうね~。じゃあ、暫くはお茶をしながらお喋りの中で教えていきましょうか。ね、リリアちゃん」
「はい奥様。宜しくお願いします」
「(テオルドとの卵.........じゃなくて赤ちゃん!楽しみ!)」
「ヤダー!違うでしょ?お義母様よ。ほら言ってみて?」
「おかあさま?」小首を傾げる。
「...うっ......眩しい........。うちの嫁綺麗で可愛いわ~!胸に来る!痺れるわ~.........無垢なのが解ってるから尚更。テオルドよくやったわね!」
「奥様。少し黒いですよ」
「ふふふふ。10年間挨拶を交わして来たうちの娘よ?可愛いに決まってるわね。良かった、他に盗られなくて」
「ふふ。本当に。女神様に感謝でございますね」
「本当.................あのシラサギちゃんが嫁に。摩訶不思議な国よね、此処は」
そう言いなが公爵夫人はふふふと笑った。
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