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第七章 あなたと信じる心
116.優しい試練⑵
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「うん。届いたね。地上に許しが。これで少しずつ人の中にある魔力は大地に取り込まれ、いずれ身体から魔力は無くなって行くだろう。次の世代、いや、次の次の世代には魔術師は居なくなるね」
「.........ダヤン様.....」
「彼はどうかな」
「え?」
「彼の魔力はもう人の内なるものとは違うから」
「え?え?どう言う事ですの?何が違うのですか?ダヤン様はどうなるのですか?」
「うーん。判らない。でも、儚くなるとかじゃ無いよ。彼はね、長年ミリアーナの魔力を受け過ぎた。だから判らない。人の身体のままだから」
「鍛錬で...........?......わたくしダヤン様の魔力を変えていた?どうしよう。ダヤン様に何かあったら」
ミリアーナは涙目でウロウロクルクルし始める。
「ふふ。心配する必要は無いよ。彼もまた大地に選ばれた者だと言う事さ」
「え?ダヤン様が?」
「目印を付けていたはずだよ。大地がね」
「目印?」
「さあ、この辺にしようか。では最後の試練だよ。シャルの魂の存続は本来なら難しい。だが、三界の管理者の許可を得れば再び大地が取り込み、命として生み出し生きる事を《妖精王》の私が手を尽くそう」
「三界.................とは、何処ですか?」
「宙界・妖精界・大地だよ。ふふ」
「妖精界は........誰が管理者なのですか?」
「勿論私だよ。精霊も含め《妖精王》が管理者だ」
「で、ではどうすれば良いのでしょう?私達は....」
「シーラのポケットに入っている魔石。それに君達の魔力を込めて私に。それを『許し』の証にしよう」
「魔石.......シャルの?」
ミリアーナはワンピースのポケットから3つの澄んだ青緑の魔石を取り出した。
「愛が詰まった魔石だね。綺麗だ。濁りが無く澄んだ優しさを感じる。さあ、私に一つおくれ。彼を助けるんだろう?」
「.................はい。やってみます」
シーラはミリアーナから魔石を一つ受け取り、手の中に握る。魔石は丸い訳ではなく細長い角張った形をしていた。
ウンウンと唸りながら魔石に力を込める。だが強い力によって次第に魔石に亀裂が入ってしまう。
「ああ!どうしよう!割れちゃう!上手く入らないわ」
それを見ていたミリアーナが少し考えながらシーラの手の上に自身の手を重ねる。
「ねえ、シーラ。ただ魔力を入れるだけじゃダメかもしれないわ。ほら、魔力玉あるでしょ?あれを作った時の事思い出してみて。手の中に魔力の渦を作るの。わたくしも一緒にやるわ。2人なら上手くいくわよ。ゆっくり魔力を出して..........優しくね」
ミリアーナとシーラは手を重ね合い少しずつ魔石に魔力を被せる様に流していく。次第に魔石は形を変え手の中でくるくると回り始めた。
「もう少し........ああ、何だか質が変わったわ。不思議。自分でもわかるくらい暖かい、抜ける様な清涼感」
ミリアーナはゆっくりと手を離す。
シーラは握っていた両手を開いた。
そこには丸い青緑に周りをオレンジの飴状の筋がグルグルと螺旋状に巻きついた美しい球状の手の平大の玉が有り、真ん中には白い光がボンヤリと光っていた。
「これは.................」
「魔力玉と魔石を練り合わせて出来た感じかしら?真ん中の光は........きっとシャルの想いね。穏やかな気持ちになる」
「.................優しい人だから」
「ええ、そうね。だからこそちゃんと大地に魂を帰してあげましょう。いつか報われる日が来るように」
「うん。《妖精王》様。『許し』の証になりますか?」
シーラは2人で作った玉を両の手に乗せ見せる。
「うん。上出来だよ。綺麗だね、君達のようだ。確かに『許し』の証を受け取った。さて。次は宙界だね。無事に済むと良いけど」
「あの、何処から行ったら良いのでしょう?」
「妖精界にピチルパパと言う山がある。この世界で一番高い山だ。その頂上から管理者に声を掛けてご覧。私から教えるのはそれだけ。後は自分達でやってみなさい」
「ーーーーー分かりました。行って来ます」
空気が揺れ、空間が開く。
シーラはシャルの魂に声を掛けた。
「シャル。必ず貴方の魂を助けるわ!待っててね」
空間の穴の中に2人で足を踏み入れる。手を繋ぎ、今度はしばらく歩くと草木の混ざった風の匂いがしてきた。明るい方へ歩いて行く。視界が開けるとそこはどうやら妖精界の森林の中のようだった。少し開けた平地から周りを見渡すが白い木が生い茂りよく分からない。
「何故こんな場所に.................え?」
シーラはガチリと固まった。
何かがこちらをじっと見ている。ミリアーナはシーラのその様子を見ながら、恐る恐る振り返った。そこには赤く光る双眼が。
「ひーーーーーーー!!何?なに?やだーー!」
「え?え?何?待って!ダメダメ!キャーー!」
2人は抱き合いながらキャーキャーと叫んだ。
ガサガサと草や葉を分け進んで来る音がする。
涙目でガチガチに固まる2人。
ドシリと太い足が目の前に現れる。鉤爪が鋭い。にゅっと突き出されるのは羽根に覆われたまん丸な目が付いた顔。そして巨大なクチバシだった。
「は.....、なんかキラキラしてる?」
「羽根虹色..............?でも......でも.......お、お、」
ドシンドシンと二本の太い足で前に進んで来るそれは最近見たシロナガスクジラには及ばないが、半分くらいの鳩の様な顔をした
「「大き過ぎるーーーーーーーー!!」」
鳥だった。
「くるっぽ」
「へ?」
「くるっぽぽ」
「え?」
「ぽっぽー」
「は、鳩?鳩よね?顔は鳩だわ!でも身体が鷲みたい。爪が鋭いし太いし........鳩ってどんなだったかしら?」
「待ってミリアーナ。あのクチバシは鳩のじゃ無いわ!私達を食べる気かも。ツンツンされたら死んじゃうわ!」
「くるくるくるっぽ!」
「全然判らないけど何だか怒ってるみたい」
「食べるって言ったからかな?」
「くるくる。るー」
「流石に鳩の言葉は解らないか。でも、なんで.................あ!まさか。運んでくれるとか?かな........ち、違う?」
「くるっぽくるっぽくっくー!」
鳩らしく頭を上下に動かした。
「ほ、本当に?宙界の管理者様の何処に?」
「くっくー!」
「《妖精王》様のお知り合いかしら?えっとじゃあ.......お願いします!御使い様!」
「くっくー!」
そう鳴くと巨大鳩もどきの鳥は座り込み頭を下げる。どうやらクチバシから身体によじ登るように促しているようだ。
「ヒーー!それでも怖い!でも行かなくちゃ!ミリアーナ!大丈夫?」
「うっう。が、頑張るわ。靴は滑るから脱ぐわ。もう!ワンピースも長いから縛るわ。なんでも来いだわー!」
何だか吹っ切れていた。
半泣きになりながらミリアーナは靴とくつ下を脱ぎ、ワンピースの裾を膝丸出しにしてぎゅっと一つに片結びにしている。
「ミ.....ミリ...ふ、ふふ。もう、ミリアーナったら。大人しい顔して大胆ね。これじゃダヤン様大変そう。王太子も平手打ちしてたものね。ふふふ」
「わたくしは元々ジャジャ馬でしたわ。カサナロ中を走り回ってました。人間中身なんて早々変わりませんもの。さあ、乗らせて頂きましょう!」
とガッツポーズをするミリアーナ。
「ええ。そうね。ふふ。貴方とならなんでも平気よ。行きましょう、宙界へ!」
そうして2人は巨大な鳩もどきの御使いの鳥の首に乗りしがみ付く。それを合図に「ぽっぽー!」と一声上げると翼をはためかせ宙に舞い上がった。
目指すはピチルパパと呼ばれる妖精界最高峰の山。
大地の娘達は無事に辿り着けるのか。
優しい試練はまだまだ続く。
「.........ダヤン様.....」
「彼はどうかな」
「え?」
「彼の魔力はもう人の内なるものとは違うから」
「え?え?どう言う事ですの?何が違うのですか?ダヤン様はどうなるのですか?」
「うーん。判らない。でも、儚くなるとかじゃ無いよ。彼はね、長年ミリアーナの魔力を受け過ぎた。だから判らない。人の身体のままだから」
「鍛錬で...........?......わたくしダヤン様の魔力を変えていた?どうしよう。ダヤン様に何かあったら」
ミリアーナは涙目でウロウロクルクルし始める。
「ふふ。心配する必要は無いよ。彼もまた大地に選ばれた者だと言う事さ」
「え?ダヤン様が?」
「目印を付けていたはずだよ。大地がね」
「目印?」
「さあ、この辺にしようか。では最後の試練だよ。シャルの魂の存続は本来なら難しい。だが、三界の管理者の許可を得れば再び大地が取り込み、命として生み出し生きる事を《妖精王》の私が手を尽くそう」
「三界.................とは、何処ですか?」
「宙界・妖精界・大地だよ。ふふ」
「妖精界は........誰が管理者なのですか?」
「勿論私だよ。精霊も含め《妖精王》が管理者だ」
「で、ではどうすれば良いのでしょう?私達は....」
「シーラのポケットに入っている魔石。それに君達の魔力を込めて私に。それを『許し』の証にしよう」
「魔石.......シャルの?」
ミリアーナはワンピースのポケットから3つの澄んだ青緑の魔石を取り出した。
「愛が詰まった魔石だね。綺麗だ。濁りが無く澄んだ優しさを感じる。さあ、私に一つおくれ。彼を助けるんだろう?」
「.................はい。やってみます」
シーラはミリアーナから魔石を一つ受け取り、手の中に握る。魔石は丸い訳ではなく細長い角張った形をしていた。
ウンウンと唸りながら魔石に力を込める。だが強い力によって次第に魔石に亀裂が入ってしまう。
「ああ!どうしよう!割れちゃう!上手く入らないわ」
それを見ていたミリアーナが少し考えながらシーラの手の上に自身の手を重ねる。
「ねえ、シーラ。ただ魔力を入れるだけじゃダメかもしれないわ。ほら、魔力玉あるでしょ?あれを作った時の事思い出してみて。手の中に魔力の渦を作るの。わたくしも一緒にやるわ。2人なら上手くいくわよ。ゆっくり魔力を出して..........優しくね」
ミリアーナとシーラは手を重ね合い少しずつ魔石に魔力を被せる様に流していく。次第に魔石は形を変え手の中でくるくると回り始めた。
「もう少し........ああ、何だか質が変わったわ。不思議。自分でもわかるくらい暖かい、抜ける様な清涼感」
ミリアーナはゆっくりと手を離す。
シーラは握っていた両手を開いた。
そこには丸い青緑に周りをオレンジの飴状の筋がグルグルと螺旋状に巻きついた美しい球状の手の平大の玉が有り、真ん中には白い光がボンヤリと光っていた。
「これは.................」
「魔力玉と魔石を練り合わせて出来た感じかしら?真ん中の光は........きっとシャルの想いね。穏やかな気持ちになる」
「.................優しい人だから」
「ええ、そうね。だからこそちゃんと大地に魂を帰してあげましょう。いつか報われる日が来るように」
「うん。《妖精王》様。『許し』の証になりますか?」
シーラは2人で作った玉を両の手に乗せ見せる。
「うん。上出来だよ。綺麗だね、君達のようだ。確かに『許し』の証を受け取った。さて。次は宙界だね。無事に済むと良いけど」
「あの、何処から行ったら良いのでしょう?」
「妖精界にピチルパパと言う山がある。この世界で一番高い山だ。その頂上から管理者に声を掛けてご覧。私から教えるのはそれだけ。後は自分達でやってみなさい」
「ーーーーー分かりました。行って来ます」
空気が揺れ、空間が開く。
シーラはシャルの魂に声を掛けた。
「シャル。必ず貴方の魂を助けるわ!待っててね」
空間の穴の中に2人で足を踏み入れる。手を繋ぎ、今度はしばらく歩くと草木の混ざった風の匂いがしてきた。明るい方へ歩いて行く。視界が開けるとそこはどうやら妖精界の森林の中のようだった。少し開けた平地から周りを見渡すが白い木が生い茂りよく分からない。
「何故こんな場所に.................え?」
シーラはガチリと固まった。
何かがこちらをじっと見ている。ミリアーナはシーラのその様子を見ながら、恐る恐る振り返った。そこには赤く光る双眼が。
「ひーーーーーーー!!何?なに?やだーー!」
「え?え?何?待って!ダメダメ!キャーー!」
2人は抱き合いながらキャーキャーと叫んだ。
ガサガサと草や葉を分け進んで来る音がする。
涙目でガチガチに固まる2人。
ドシリと太い足が目の前に現れる。鉤爪が鋭い。にゅっと突き出されるのは羽根に覆われたまん丸な目が付いた顔。そして巨大なクチバシだった。
「は.....、なんかキラキラしてる?」
「羽根虹色..............?でも......でも.......お、お、」
ドシンドシンと二本の太い足で前に進んで来るそれは最近見たシロナガスクジラには及ばないが、半分くらいの鳩の様な顔をした
「「大き過ぎるーーーーーーーー!!」」
鳥だった。
「くるっぽ」
「へ?」
「くるっぽぽ」
「え?」
「ぽっぽー」
「は、鳩?鳩よね?顔は鳩だわ!でも身体が鷲みたい。爪が鋭いし太いし........鳩ってどんなだったかしら?」
「待ってミリアーナ。あのクチバシは鳩のじゃ無いわ!私達を食べる気かも。ツンツンされたら死んじゃうわ!」
「くるくるくるっぽ!」
「全然判らないけど何だか怒ってるみたい」
「食べるって言ったからかな?」
「くるくる。るー」
「流石に鳩の言葉は解らないか。でも、なんで.................あ!まさか。運んでくれるとか?かな........ち、違う?」
「くるっぽくるっぽくっくー!」
鳩らしく頭を上下に動かした。
「ほ、本当に?宙界の管理者様の何処に?」
「くっくー!」
「《妖精王》様のお知り合いかしら?えっとじゃあ.......お願いします!御使い様!」
「くっくー!」
そう鳴くと巨大鳩もどきの鳥は座り込み頭を下げる。どうやらクチバシから身体によじ登るように促しているようだ。
「ヒーー!それでも怖い!でも行かなくちゃ!ミリアーナ!大丈夫?」
「うっう。が、頑張るわ。靴は滑るから脱ぐわ。もう!ワンピースも長いから縛るわ。なんでも来いだわー!」
何だか吹っ切れていた。
半泣きになりながらミリアーナは靴とくつ下を脱ぎ、ワンピースの裾を膝丸出しにしてぎゅっと一つに片結びにしている。
「ミ.....ミリ...ふ、ふふ。もう、ミリアーナったら。大人しい顔して大胆ね。これじゃダヤン様大変そう。王太子も平手打ちしてたものね。ふふふ」
「わたくしは元々ジャジャ馬でしたわ。カサナロ中を走り回ってました。人間中身なんて早々変わりませんもの。さあ、乗らせて頂きましょう!」
とガッツポーズをするミリアーナ。
「ええ。そうね。ふふ。貴方とならなんでも平気よ。行きましょう、宙界へ!」
そうして2人は巨大な鳩もどきの御使いの鳥の首に乗りしがみ付く。それを合図に「ぽっぽー!」と一声上げると翼をはためかせ宙に舞い上がった。
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