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第一章 「番」と「想い」
24.下世話過ぎるだろ!
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「ア、アウィン..........」
「うん.........」
「怖いよ。どうしよう」
「.................大丈夫だ。俺が居るだろ?体は何ともないか?尻尾とか生えて来てないか?」
「えーーーー!ヤダヤダヤダー!」
「昨日はちゃんと丸い白い尻だったけどな。いや、もう一回見とくか」
「にゃーーーーーーー!」
「猫になるんじゃないか?」
「にゃーーーーーーー!」
「耳生えたら.................それはそれで可愛いかもな」
「アウィン~~捨てないでね?ちゃんと飼ってね?」
「はははっ!馬鹿。お前は俺の妻だぞ?何とかするに決まってるだろ。動けるか?」
「..........うん。楽になったよ」
「そうか............」
俺はサラの腹にキスを落とした。風神の神力では傷や痛みは治せない。でも何となく早く治るよう祈る。
俺の女だ。いずれ俺の子を宿してくれるだろう。小さなサラに耐えられるかな.................心配だけどいずれ番である夫の眷属レベルくらいには風を従えるようになる。そうなれば身体は多少強くなるだろう。髪が色を替えたのもそれが原因かも知れない。直接身体の中に神族の精を入れられてるんだ。変わらない方が可笑しいか。伴侶の制約が多いのもそれが理由かもな。身体を変えてしまうのだから。
************
取り敢えず次の日サラを再び防寒させて、1人ムキムキの男前の眷属を引き連れガイザックのとこに訪れた。
「昨日はありがとうな、ガイザック。《リンミン》貰いに来たぞ」
「初めまして、ガイザック様。わたくしサラと申します。怪我を治して頂いたと聞きました。本当にありがとうございます。すっかり元気になりました。お手数お掛けして申し訳ございませんでした」
流れるような挨拶をしてサラがペコリと頭を下げた。
「ふーん。あなたアウィンの妻になったんだって?もっと良く顔見せてよ。昨日は寝てたしね」
「は、はい。申し訳ありません」
サラは慌ててガイザックの顔を見上げた。緑の瞳とオレンジの瞳が合う。
「.................ああ。複雑。アウィンの恋人としてはあんたなんか地中深く埋めてやりたいのに、身体はあんたを抱きたくて仕方ない。種を植えたくなるのも解るわ。あんたの全部を暴きたい。柔らかそうね。嫌だわー。気持ち悪い」
「....え"?え"?」
「やめろ。触るなよ?て、言うか誰が恋人だ。後、人の妻を気持ち悪いとか。殺して欲しいのか、あ?」
「もう!アウィンったら。昨日のキス最高だったわ。愛が溢れてた。あたしあれで何回抜いたか!」
「下世話過ぎるだろ!やめんか馬鹿!なんであれでそんな事になるんだよ!お前は本当そう言うとこだぞ!」
俺はサラを抱き込みながらゾッとしていた。あれで抜く?
「と、兎に角《リンミン》分けてくれ。金でも良いがお前は受け取らないだろ?お前に護衛を1人付けて行くからそれで良いだろ?」
「.................どんな子?」
不貞腐れながらも聞いて来るガイザック。
「若いぞ。19歳の大陸生まれでな。次男だ。赤い髪で男らしい美形だ。勿論ムキムキ。今扉の外に待機させてる。.................どうする?」
「良いわね。分かったわ。《リンミン》分けてあげる。あたしも無いとその子の匂いが頭に付いて離れないから全部はあげられないけど」
「ああ。助かる。済まないな」
「...........その子の事だと素直になるのね?」
「何度も言うが妻だからな」
「あたしは?」
「友人」ニコリ
ガイザックがサラに向かって睨みつけながら語りかける。
「ねえ。1人子供産んだらあたしにもやらせて?待つから。あんたの甘い匂い.....番の...」
「は?」
「馬鹿野郎!ガイザック!お前業火に焼かれたいのか!やめろ!言うなよ?」
「!! ああ。そうだった。言っちゃダメなんだっけ。アウィン良く我慢したわね。ふうっ。仕方ない。諦めてあげる。ちょっと待ってて」
ガイザックは頭に手を付きながら部屋の奥に歩いて行った。番の匂いに負けそうになっていたのだろう。だが、奴のポリシーが邪魔をして少し言動が噛み合わない。
「サラ。気にするなよ」
それしか言えない。
まあ、業火に焼かれる前に細切れにするけどな。
「うん」俺を見上げるサラ。
可愛いな。でも胸が痛いのは何でだろう。好き過ぎるからか?
「お待たせ。じゃあ、これね。練り香水に混ぜて首の後ろや手首なんかにつけて。初めは色んな匂い消えるから戸惑うけど。付け過ぎ厳禁よ。大体小指の先一杯で1ヶ月くらい持つかな」
そう言われながら小さな瓶を渡された。
精々3ヶ月分くらいか。
「ああ。悪いな」
これで最悪天界で手に入れられなくても対処法が考えられる時間が稼げる。余裕が出来た。
「あ、あの.................ガイザック様」
「何?」
「私、今日の朝に厨房をお借りしてパイを焼いて来たんです。良ければ.................甘いものがお好きだと伺ったので。春なのでイチゴのクリームパイなのですが.....」
おずおずと包みをガイザックの前に差し出すサラ。俺以外の男の為にパイを作るなんて!と言いたいが、心が狭い奴だと思われたくない。我慢。我慢。
「.................ふーん。人に渡すくらいなら勿論上手なんでしょうね?良いわ。貰ってあげる。あたしパイには煩いわよ?」
「心配するな。旨いよ。俺好みの味だがな」
帰ったら俺にも作って貰おう。何でも旨いがミートパイが好きだな。チーズがたっぷり入ったやつ。ヨダレが出る。腹減ってきた。
「じゃあ、またな。ガイザック。俺の眷属に無茶苦茶にしてもらえ」
風は奔放でドライな奴が多い。中には男も食う奴は沢山いる。
「やーーーーーーーん!」
クネクネするガイザック。
しばし楽しめばいいよ。長くは無いがな。
「うん.........」
「怖いよ。どうしよう」
「.................大丈夫だ。俺が居るだろ?体は何ともないか?尻尾とか生えて来てないか?」
「えーーーー!ヤダヤダヤダー!」
「昨日はちゃんと丸い白い尻だったけどな。いや、もう一回見とくか」
「にゃーーーーーーー!」
「猫になるんじゃないか?」
「にゃーーーーーーー!」
「耳生えたら.................それはそれで可愛いかもな」
「アウィン~~捨てないでね?ちゃんと飼ってね?」
「はははっ!馬鹿。お前は俺の妻だぞ?何とかするに決まってるだろ。動けるか?」
「..........うん。楽になったよ」
「そうか............」
俺はサラの腹にキスを落とした。風神の神力では傷や痛みは治せない。でも何となく早く治るよう祈る。
俺の女だ。いずれ俺の子を宿してくれるだろう。小さなサラに耐えられるかな.................心配だけどいずれ番である夫の眷属レベルくらいには風を従えるようになる。そうなれば身体は多少強くなるだろう。髪が色を替えたのもそれが原因かも知れない。直接身体の中に神族の精を入れられてるんだ。変わらない方が可笑しいか。伴侶の制約が多いのもそれが理由かもな。身体を変えてしまうのだから。
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取り敢えず次の日サラを再び防寒させて、1人ムキムキの男前の眷属を引き連れガイザックのとこに訪れた。
「昨日はありがとうな、ガイザック。《リンミン》貰いに来たぞ」
「初めまして、ガイザック様。わたくしサラと申します。怪我を治して頂いたと聞きました。本当にありがとうございます。すっかり元気になりました。お手数お掛けして申し訳ございませんでした」
流れるような挨拶をしてサラがペコリと頭を下げた。
「ふーん。あなたアウィンの妻になったんだって?もっと良く顔見せてよ。昨日は寝てたしね」
「は、はい。申し訳ありません」
サラは慌ててガイザックの顔を見上げた。緑の瞳とオレンジの瞳が合う。
「.................ああ。複雑。アウィンの恋人としてはあんたなんか地中深く埋めてやりたいのに、身体はあんたを抱きたくて仕方ない。種を植えたくなるのも解るわ。あんたの全部を暴きたい。柔らかそうね。嫌だわー。気持ち悪い」
「....え"?え"?」
「やめろ。触るなよ?て、言うか誰が恋人だ。後、人の妻を気持ち悪いとか。殺して欲しいのか、あ?」
「もう!アウィンったら。昨日のキス最高だったわ。愛が溢れてた。あたしあれで何回抜いたか!」
「下世話過ぎるだろ!やめんか馬鹿!なんであれでそんな事になるんだよ!お前は本当そう言うとこだぞ!」
俺はサラを抱き込みながらゾッとしていた。あれで抜く?
「と、兎に角《リンミン》分けてくれ。金でも良いがお前は受け取らないだろ?お前に護衛を1人付けて行くからそれで良いだろ?」
「.................どんな子?」
不貞腐れながらも聞いて来るガイザック。
「若いぞ。19歳の大陸生まれでな。次男だ。赤い髪で男らしい美形だ。勿論ムキムキ。今扉の外に待機させてる。.................どうする?」
「良いわね。分かったわ。《リンミン》分けてあげる。あたしも無いとその子の匂いが頭に付いて離れないから全部はあげられないけど」
「ああ。助かる。済まないな」
「...........その子の事だと素直になるのね?」
「何度も言うが妻だからな」
「あたしは?」
「友人」ニコリ
ガイザックがサラに向かって睨みつけながら語りかける。
「ねえ。1人子供産んだらあたしにもやらせて?待つから。あんたの甘い匂い.....番の...」
「は?」
「馬鹿野郎!ガイザック!お前業火に焼かれたいのか!やめろ!言うなよ?」
「!! ああ。そうだった。言っちゃダメなんだっけ。アウィン良く我慢したわね。ふうっ。仕方ない。諦めてあげる。ちょっと待ってて」
ガイザックは頭に手を付きながら部屋の奥に歩いて行った。番の匂いに負けそうになっていたのだろう。だが、奴のポリシーが邪魔をして少し言動が噛み合わない。
「サラ。気にするなよ」
それしか言えない。
まあ、業火に焼かれる前に細切れにするけどな。
「うん」俺を見上げるサラ。
可愛いな。でも胸が痛いのは何でだろう。好き過ぎるからか?
「お待たせ。じゃあ、これね。練り香水に混ぜて首の後ろや手首なんかにつけて。初めは色んな匂い消えるから戸惑うけど。付け過ぎ厳禁よ。大体小指の先一杯で1ヶ月くらい持つかな」
そう言われながら小さな瓶を渡された。
精々3ヶ月分くらいか。
「ああ。悪いな」
これで最悪天界で手に入れられなくても対処法が考えられる時間が稼げる。余裕が出来た。
「あ、あの.................ガイザック様」
「何?」
「私、今日の朝に厨房をお借りしてパイを焼いて来たんです。良ければ.................甘いものがお好きだと伺ったので。春なのでイチゴのクリームパイなのですが.....」
おずおずと包みをガイザックの前に差し出すサラ。俺以外の男の為にパイを作るなんて!と言いたいが、心が狭い奴だと思われたくない。我慢。我慢。
「.................ふーん。人に渡すくらいなら勿論上手なんでしょうね?良いわ。貰ってあげる。あたしパイには煩いわよ?」
「心配するな。旨いよ。俺好みの味だがな」
帰ったら俺にも作って貰おう。何でも旨いがミートパイが好きだな。チーズがたっぷり入ったやつ。ヨダレが出る。腹減ってきた。
「じゃあ、またな。ガイザック。俺の眷属に無茶苦茶にしてもらえ」
風は奔放でドライな奴が多い。中には男も食う奴は沢山いる。
「やーーーーーーーん!」
クネクネするガイザック。
しばし楽しめばいいよ。長くは無いがな。
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