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第二章 「天界」と「女神」
34.誰かの?
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この天界と言う所は本当に広い。其々の神の領域が有るからだ。創造、風、水、火、土、闇、光を中心にその他女神やら獣人神、審判神など多数の神が点在している。
その中で誰の領域でも無い場所も幾つかある。
何も無い《無機》なるそこは何処に繋がっているか判らない。闇のような光のような空間がポッカリと口を開けていた。だが、不思議な事に側には必ず美しく清涼な泉が湧いているのだ。俺は単に『泉』と呼んでいるが、泉と空間との関連性は分からない。主に神族の休憩場所にされている。
「ああ、有ったな。泉。今夜はここに野営しよう。何回か爺さんと天界を散策してた事があるんだ。簡単な用意はして来てるから。」
爺さんから神族を引き継いだ後、力を上手く使えるように暫く訓練していた。そんなに大した間では無いが。俺はどうやら力が強いらしい。風も難なく使えるし、威力も強い。まあ、どこで使うんだって話だから自慢にもならんが。
過ぎたる力は混乱の元だ。親父に良く言われてたな。
「サラ?」
俺とサラは泉の前に降り立つ。目の前には美しい泉が湧き出し、そこそこ大きい水溜りがある。池と言うには小さいか。周りには短い花が咲き乱れていて、基本全てが美しい。
「今日は此処で休もう。結界を張るから怖くは無いぞ?」
サラはその空間を凝視していた。どうかしたのか?
「サラ?これが怖いのか?大丈夫だよ。何の為にあるかは判らんが入らなければ良い。ただそこに有るだけのモノらしい.........」
「.....なんか.........凄く悲しくて」
「悲しい?何で?」
「.........アウィン。抱き締めて」
サラが両手を俺に差し出してくる。
「ん?うん」
サラを胸に抱き込む。サラは俺の胸に顔を押し付けギュウッと身体を固くしている。
「.....私ね、アウィンと居ると凄く嬉しいのに、たまに悲しくなるの。何でかな?胸がキューッて痛いの。これを見たら余計に....」
「.....サラ。サラもか?俺だけじゃなかったのか!俺も.........胸が.........痛くて。.......なんだろうな」
「.........アウィン。行かないで」
「? どこに?俺がサラを置いて?まさか。行かないよ。唯一のつが.........妻なんだから。」
「うん。何だか不安になるの。私頑張るから離さないで.........ぅ.....ぅ....浮気しないでね?」
キュウッと縮こまるサラ。
「.................なあ、顔見せて。」
「ヤダ」
「見たい」
「ヤダぁ~」
「サ~ラ~?」
俺はサラの脇に両手を入れてグンと持ち上げる。
「ふわぁ~~ゃぁ!!」
持ち上げられたサラは真っ赤な顔をしながら変な奇声をあげる。トマトみたいだ。
「ふふふ。可愛いなサラ。でもサラは分かって無い。俺は昔から.........昔........昔.........に裏ぎ....え?裏切る?」
自分の吐いた言葉に身体が固まる。
「.........アウィン。ねえ.........アウィンも?私....も.....何だか。もしかして.......」
「.................」
生まれ代わり?.........代わり?誰かの?天界に来てから急に....知らない場面が一瞬過ぎる様になってる。
「アウィン.........」
「....だからなんだ。俺は俺だよサラ。お前はお前だろ?サラが女神の生まれ代わりだろうが何だろうが関係ない。俺も.........誰かの.........生まれ代わりかも知れないけど、やっぱり関係無い」
「.........アウィン」
「サラ。今の俺はお前しか居ないし、生涯の伴侶だと決めている。この先何があってもお前を離さない。手を出そうとする奴には全力で戦う。サラ。俺を信じろ。今のお前の目で俺を見てくれ」
「.........はい、アウィン。この気持ちは私のモノだよね?アウィンが大好き。アウィンのお嫁さんになれて幸せ。アウィンの.........子....共.....沢山産みたい」
「っ!.........あ、ああ」
いきなり言われて照れた。顔に熱が集まる。サラめ。
へへっと笑うサラが愛しくてたまらない。
俺は再びサラをギュッと抱き締めた。
その中で誰の領域でも無い場所も幾つかある。
何も無い《無機》なるそこは何処に繋がっているか判らない。闇のような光のような空間がポッカリと口を開けていた。だが、不思議な事に側には必ず美しく清涼な泉が湧いているのだ。俺は単に『泉』と呼んでいるが、泉と空間との関連性は分からない。主に神族の休憩場所にされている。
「ああ、有ったな。泉。今夜はここに野営しよう。何回か爺さんと天界を散策してた事があるんだ。簡単な用意はして来てるから。」
爺さんから神族を引き継いだ後、力を上手く使えるように暫く訓練していた。そんなに大した間では無いが。俺はどうやら力が強いらしい。風も難なく使えるし、威力も強い。まあ、どこで使うんだって話だから自慢にもならんが。
過ぎたる力は混乱の元だ。親父に良く言われてたな。
「サラ?」
俺とサラは泉の前に降り立つ。目の前には美しい泉が湧き出し、そこそこ大きい水溜りがある。池と言うには小さいか。周りには短い花が咲き乱れていて、基本全てが美しい。
「今日は此処で休もう。結界を張るから怖くは無いぞ?」
サラはその空間を凝視していた。どうかしたのか?
「サラ?これが怖いのか?大丈夫だよ。何の為にあるかは判らんが入らなければ良い。ただそこに有るだけのモノらしい.........」
「.....なんか.........凄く悲しくて」
「悲しい?何で?」
「.........アウィン。抱き締めて」
サラが両手を俺に差し出してくる。
「ん?うん」
サラを胸に抱き込む。サラは俺の胸に顔を押し付けギュウッと身体を固くしている。
「.....私ね、アウィンと居ると凄く嬉しいのに、たまに悲しくなるの。何でかな?胸がキューッて痛いの。これを見たら余計に....」
「.....サラ。サラもか?俺だけじゃなかったのか!俺も.........胸が.........痛くて。.......なんだろうな」
「.........アウィン。行かないで」
「? どこに?俺がサラを置いて?まさか。行かないよ。唯一のつが.........妻なんだから。」
「うん。何だか不安になるの。私頑張るから離さないで.........ぅ.....ぅ....浮気しないでね?」
キュウッと縮こまるサラ。
「.................なあ、顔見せて。」
「ヤダ」
「見たい」
「ヤダぁ~」
「サ~ラ~?」
俺はサラの脇に両手を入れてグンと持ち上げる。
「ふわぁ~~ゃぁ!!」
持ち上げられたサラは真っ赤な顔をしながら変な奇声をあげる。トマトみたいだ。
「ふふふ。可愛いなサラ。でもサラは分かって無い。俺は昔から.........昔........昔.........に裏ぎ....え?裏切る?」
自分の吐いた言葉に身体が固まる。
「.........アウィン。ねえ.........アウィンも?私....も.....何だか。もしかして.......」
「.................」
生まれ代わり?.........代わり?誰かの?天界に来てから急に....知らない場面が一瞬過ぎる様になってる。
「アウィン.........」
「....だからなんだ。俺は俺だよサラ。お前はお前だろ?サラが女神の生まれ代わりだろうが何だろうが関係ない。俺も.........誰かの.........生まれ代わりかも知れないけど、やっぱり関係無い」
「.........アウィン」
「サラ。今の俺はお前しか居ないし、生涯の伴侶だと決めている。この先何があってもお前を離さない。手を出そうとする奴には全力で戦う。サラ。俺を信じろ。今のお前の目で俺を見てくれ」
「.........はい、アウィン。この気持ちは私のモノだよね?アウィンが大好き。アウィンのお嫁さんになれて幸せ。アウィンの.........子....共.....沢山産みたい」
「っ!.........あ、ああ」
いきなり言われて照れた。顔に熱が集まる。サラめ。
へへっと笑うサラが愛しくてたまらない。
俺は再びサラをギュッと抱き締めた。
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