未完】風神アウィンの受難〜全属性神族の番になれる愛妻は女神らしい。いや、俺のだからな?〜

平川

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第五章 「勝者」と「陰謀」

93.色々ダメだった!

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 サラの口回りをペロペロ舐めて食紅を落としてやる。「そろそろ取れたと思うぞ?」最後にサラの唇に舌を這わしながらそう言った。

「ふ.........ぅん.........はっ.........」
「次リンゴ飴食べる時は齧り付くなよ?」
「ぅぅ、先に言ってくれたら良かったのに~」
「後、ぬるま湯で石鹸使っても普通に落ちるから」
「ええ!酷いわアウィン!」
「ふふ。お前の口を舐めたかったから黙ってた」
「な、舐めたかったの?もう、アウィンはいじわるだ~」
「クックック.........意地悪じゃないよ。最初に知っといた方が良いだろ?次は防げるじゃん。勉強だよサラ」
「勉強になりました~」
「ふふ。.........おっと.........!そろそろ試合が終わりそうだ。あー.........へぇ、成る程」

 最後の試合は水対ヒグマ。それが今終わったのだ。
 俺はトーナメント表の結果を風で見る。


 トーナメント戦第2試合結果

✖️アナコンダ獣人神族 vs  ✖️ワニ獣人神族
▲水神族 vs  ✖️ヒグマ獣人神族
●土神族 vs  ✖️バッファロー獣人神族
●風神族 vs  ✖️ヤマアラシ獣人神族 
✖️闇神族 vs ●黒ヒョウ獣人神族       


 まあ、予想通りだな。アナコンダとワニは喰い合って身体の欠損が激しいみたいで共倒れした。サラが見たら泡吹いて卒倒するだろう壮絶グロ試合だった。
 後、レインは実は無傷では無い。ヒグマはどうやら能力持ちだったようで、身体に入り込んだレインは奴の溶解毒に侵された。ヒグマの水分を抜き取る際に毒も一緒に取り込んだらしい。勝ったは良いが今医務室に搬送されている。
 真面なのは俺と土とシャザだけだ。今日第3試合するのかな?

 さてじゃあ、そろそろこの部屋を出ないと。

 ぼんやり光るサラの衣服を整えようとリボンに手を掛けた。隙間からチラッと蕾が見えてる。
 胸当てをずり下げたまんまだった。

「.................」

 色々惜しい事したな.........まあ、多分ちゃんと立たなかっただろうし。正直サラの中に女神が居ると知ってしまったから戸惑ってる。しかも口で舐めさせたし.........ん?あれは良いのか。

 .........い、いや、なんかダメだった!色々ダメだった!あーーーーー!!

「サ、サラ!次はちゃんとするから.........今日はごめんな?」

 ああ、もう、色々ダメダメな俺を見せてしまった。恥ずかしさで顔が熱い。
 サラの胸当てを直しドレスのリボンをキュッと結ぶ。

「一度ミル様の所に行ってみるか?解毒出来てると良いんだけど.........」
「うん。行きたい」
「ああ、行こう」

 人気が無いのを確認して扉を開けて廊下に出る。そのままミル様の治療をしていた診察室に向かって歩き出した。

「ねぇ、アウィン」
「ん?」
「さっきの続き.........ちゃんとしてね?お腹ウズウズしちゃった」

 下を向き少し不貞腐れてる風に見えるサラ。

「!!」

 いつの間にかサラがちょっといやらしくなってた。あれ?これって焦らした事になるのかな?


 ****


 再度ミル様の治療室に向かうと、同じ位置に黒いデカいのが座っていた。俺達の足音に早々に気付きこちらを見ている。

「アウィン.........奥方まで.........」
「どうだシャザ。ミル様の解毒終わったか?」
「いや.........まだ.........。何か特殊な毒だったらしくてな。血清が出来ない無いらしい。何の毒かはあの皇子に聞くしか無いが、もう居ないしな。兎に角色々試してみるそうだ」
「.................光の神なら治せるんじゃ無いか?土とか.........」
「治せるが治してはくれないみたいだ。獣人神が色々やらかしてるみたいでな。過去に光の眷族の蛍を根こそぎ食べたらしくて.........大変お怒りになったそうだ」
「本当碌な事してねーな!」
「一度ハルレア皇国に行って来ようかと思っている」
「全く何の為の力なんだか.........なんとでも出来るだろうに。今はミル様どうしてる?」
「一応面会謝絶だがまあ、今は寝ておられる。我は見てられなくて.........此処に」
「入って良いのか?」
「ああ、アウィン達なら構わない。奥方は女神だしな」
「そうだな.........サラ、顔見とこう」
「.........うん」

 静かに治療室の扉を開ける。そこには顔の色を無くしたままのミル様が横たわっていた。
 身じろぎもせず、呼吸音も無く唯眠る姿は死期の近さを感じさせる。天界で有ろうとも万能薬は無いらしい。いや、薬ってのは毒と紙一重だ。なんでもかんでも使えば良いってものじゃないのだろうけど.........困ったな。

 するとサラがフイッとミル様に近づき口の端に指を付けた。

「え?サラ?」
「.........ペレチエリンね。後、アルカロイドかな。混合物だろうけど、どちらも植物系の毒ね。難しくはないけど見つけにくいかな?」
「!!  め、女神.........?」
「この子、後7分くらいで儚くなるわよ?」
「7分!?.........助けられるのか?」
「勿論」
「助けて.........やってくれるのか?」
「貴方次第ね。アウィン、私まだちゃんと覚醒してないの。.........協力してくれる?」
「ーーっ!! やっぱり貴方は女神の人格なんだな?」
「.........どうする?」

「な、何をすれば.........」

 サラの姿でふふふと笑う女神。不思議とサラには無い妖艶さが滲み出ている。ミル様の唇をツイッと撫でながら唄う様に言い放った。



「解ってるでしょう?アウィン。貴方の精を頂戴。ちゃんと愛してね?凄く美味しいのじゃないと.........許さないんだから」
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