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この一帯にいる者は全て薙ぎ払った。探索を掛け岩場に逃げ込んだ奴も捕まえ闇の鎖でふん縛る。
魔術師は最初に物理で気絶させ主力を封じた。魔剣士は同じ火属性だったので更に強い炎で剣を溶かし媒体を封じる。もう1人は水属性だったので風を使って宙に投げ、反動を付け地面に叩き付ける。防御に特化している水属性だがこれを繰り返すとグルグル回され意識を失った。後は切り捨てるだけで足りたので大した時間は掛からなかった。
闇の鎖は光属性の白魔術「灯火」でないと溶けないらしい。らしいと言うのは溶かされた事が無いからだ。光属性を持つ者は闇属性を持つ者などより断然少ない。国に1人か2人程らしい。しっかり雁字搦めに巻き付けてついでに岩に繋いでおいたので普通の属性の奴にはお手上げだろう。
岩場をヒョイヒョイと駆け上がりアンジュの待つ洞窟に戻る。入口付近で俺のコートで身体を包み座り込む彼女の姿が見えた。不安だっただろうな…
「待たせたな、アンジュ。終わったぞ」
「…ダリ様ってやっぱりお強いのですね…お屋敷の警備隊も敵わなかったのに」
「まあ、あれくらいなら…本職だしな、慣れてるよ。それよりアンジュ、寒いだろう。早く山を降りようか。伯爵も心配してるだろうし…馬の所まで行くぞ」
「はい。でもその前に…ダリ様…わたくし…ダリ様に伺いたい事が…」
ゴロゴロ…
「ん?」
ゴロ…ガガン…ガラ…
厚い雲が突然現れて流れて来る。山に特有のアレだ。
「…雷雨が来るな…どうするか…」
チラリとアンジュを見下げると微かに震えている。雨に濡らすのは得策では無い。これ以上身体に負担を負わせたくはなかった。
「アンジュ、雨が降る。こんな場所早く離れたいだろうが途中で降られるかも知れない。少し雨宿りしてから行こう。取り敢えず違う洞窟に移動しようか…その…ここは…嫌だろうから…」
先程男に組み敷かれた場所だ。俺も嫌だがアンジュはもっと嫌だろう。
そう言うと俺はアンジュの身体をコートで包み直し片手で抱えもうニ岩程高い場所にある洞窟まで運ぶ。何度か来た事がある洞窟で他のものより入口が広かった。
何よりカカナンの照明石が多く露出していて明るいのだ。ここなら怖くないだろう。だが洞窟は寒い。
「山の天気は変わり易いから直ぐ止むだろう。暫く此処で待機だ。アンジュあの岩に座れ、俺は雨が降る前に薪木を拾ってくるから」
そう告げて岩場を降り、草を食んでいたローザを木陰に繋いでから、両手いっぱいに枯れた木の枝を拾い集める。パラパラと雨が降り出したので急いで洞窟に戻った。ゴロゴロと雷鳴が鳴り次いでザッと強い雨が降り始める。
「山を降りていたら濡れてたな…」
薪木を組んで剣に魔力を込め炎を出す。火属性は便利だ。水属性が有れば風で岩に穴を掘って湯も沸かせる…まあ、野営する訳では無いので今はいい。
「アンジュ…火にあたれ。秋とは言え冷える」
「…はい、ダリ様…あの…」
「ん?」
「わたくし…16歳、成人になりました」
「…あ!そうだった!誕生日おめでとうアンジュ」
「ふふ…」
ニコリと笑う顔に何だかホッと安堵した。
「今はいつ頃だろうな…昼は回って無いだろうが。とんだ誕生日になってしまったな…」
「…でも…ダリ様が来てくれたから…」
「無事で良かったよ」
「…ダリ様。お膝に乗って良いですか?昔みたいに…」
「え…膝?あ…そうだったかな?」
アンジュはスッと立ち上がり岩に座る俺の前に来ると俺の太ももの上に脚を広げて向かい合わせの体勢でフワリと座り込んだ。
「……え?」
ええぇーーー!こ、これは…対面座位…?じゃなくて、い、いや、た、確かにこんな座り方もしてたかも知れない…が、大きくなってからこれは不味く無いか?
半ばパニックになりカチンと固まる俺の胸に顔を埋めるアンジュ。いや、今心臓がバクバクで飛び出しそうだしヤバい不味い!聞こえる!でも…動けないっ!
「ダリ様…怖かった」
ハッとした。そうだった。アンジュは怖かったんだ。好きでも無いあんな男に組み敷かれたんだ。勘違いするところだった。昼前だしなっ!
「うん…もうあんな奴は近付かせないから…」
「…ダリ様…わたくし聞きたい事があるのです」
「ん?ああ、言ってたな。何だ?」
「ダリ様は王都に恋人がいらっしゃるのですか?」
「…は?」
「女学校の先生が…赤髪の軍隊長殿は『男色』らしいって。だから男娼宿に通ってるって…。しかも最近は娼館にまで行って女性を引っ切り無しに取っ替え引っ替えしていてタウンハウスには男女関わらずハーレムが出来上がっているって言うんです……本当なのですか?」
プシューーーッ
ふにゃふにゃと身体から力が抜けた。おヒレがつき過ぎてツッコミ処が分からない。しかも女学校でそんな噂が…死ねる。悪意しか感じられ無い。つまりはそう言う事だ。その教師も…敵だ。恐らくアンジュに懸想している男だな!
「アンジュ…その話どれ1つとして真実は無い。俺は『男色』でも無ければ娼館を利用した事も無いし、タウンハウスには執事と侍従と通いの料理人と掃除夫だけだ。どれもこれも全部嘘だよ!」
ビビッと目を大きくして俺を見上げるアンジュ。勢い余ってしまった。
「あ、怒ってる訳じゃ無くて…その…最近やたらそう言う噂に振り回されてるんだ。多分だけど…俺を陥れようとしてるのかも知れないんだ、誰かが…」
「……ダリ様はあまりお話ししてくれないから…少し不安になりました。でもちゃんと聞けて良かったです」
「そうか、その……すまん」
そう呟く間にアンジュの細い腕がスラリと延びて来て俺の首に巻き付いて来た。
「ア、アンジュ…」
「誕生日のプレゼントが欲しいです」
「あ、ああ…ちゃんと用意してき…」
「今…欲しいです」
「え?」
「やっと大人になれました…寂しくて逢えなくて身体が疼いて…でも我慢しました…」
「……え…?」
カカナンの照明石が薪火の炎に反射してピンクと赤色が洞窟を明るく照らす。アンジュの淡いオレンジ色の髪はふわふと背景に溶け込み、ピンクの瞳が更に輝いていた。幻想的でもあり扇情的な女性特有の雰囲気を醸し出す。
「貴方の為に…早く成りたくて…もがいていたの」
俺の為?
「……俺は…こんな容姿で…無駄にデカいし…言葉も少なくて気が利かない。それでも…」
「どうして?大きくて大人っぽくてとっても素敵です。それにわたくしは初めて会ったあの時から…」
「初めて?生まれて…まだ1月の頃だっただろ?」
「そう…あの時…ダリ様ったらわたくしの手を取って下さらないから…」
「え…」
「だから貴方を捕まえる為に…」
捕まえる?
「お父様にお願いしたの…貴方が…」
「ア…アンジュ?」
「わたくしの旦那様になる様に」
小さな口から温かい舌が出て俺の口の端をペロリと舐める。
「っ…は……」
なっ…何?どう言う事だ…?
「…ダリ…様…駄目…わたくしだけにして?他の方なんて…嫌」
「アンジュ…俺は本当に…ちが…う」
もう頭がクラクラしてきて目すら開けていられない。胸は破裂しそうな程煩くて…喉が熱くなる。
重なる唇にピリッと痺れが走る。いや、緊張し過ぎて敏感になっているのだ。
「ダリ様お嫁様にして下さいませ。ずっと貴方の側に置いて…そしてわたくしに言葉を下さい」
パチッパチッと火の中で木が爆ぜる。ゆらゆらと炎が揺れて暖気にまるで頬を撫でられているかの様で心地良い。それにアンジュの甘い魔力が絡み合い、その所為か徐々に顎の力が抜けて
いつの間にか彼女の小さな頭を両手で挟み
深く
深く…舌を絡めて口付けを交わす。
ボンヤリする頭で言葉を探した。
君の望むモノかは解らないけど、今口から出るのはこれだけだ。
「愛してるよ…小さな君も大人の君も。もう逃がさない」
魔術師は最初に物理で気絶させ主力を封じた。魔剣士は同じ火属性だったので更に強い炎で剣を溶かし媒体を封じる。もう1人は水属性だったので風を使って宙に投げ、反動を付け地面に叩き付ける。防御に特化している水属性だがこれを繰り返すとグルグル回され意識を失った。後は切り捨てるだけで足りたので大した時間は掛からなかった。
闇の鎖は光属性の白魔術「灯火」でないと溶けないらしい。らしいと言うのは溶かされた事が無いからだ。光属性を持つ者は闇属性を持つ者などより断然少ない。国に1人か2人程らしい。しっかり雁字搦めに巻き付けてついでに岩に繋いでおいたので普通の属性の奴にはお手上げだろう。
岩場をヒョイヒョイと駆け上がりアンジュの待つ洞窟に戻る。入口付近で俺のコートで身体を包み座り込む彼女の姿が見えた。不安だっただろうな…
「待たせたな、アンジュ。終わったぞ」
「…ダリ様ってやっぱりお強いのですね…お屋敷の警備隊も敵わなかったのに」
「まあ、あれくらいなら…本職だしな、慣れてるよ。それよりアンジュ、寒いだろう。早く山を降りようか。伯爵も心配してるだろうし…馬の所まで行くぞ」
「はい。でもその前に…ダリ様…わたくし…ダリ様に伺いたい事が…」
ゴロゴロ…
「ん?」
ゴロ…ガガン…ガラ…
厚い雲が突然現れて流れて来る。山に特有のアレだ。
「…雷雨が来るな…どうするか…」
チラリとアンジュを見下げると微かに震えている。雨に濡らすのは得策では無い。これ以上身体に負担を負わせたくはなかった。
「アンジュ、雨が降る。こんな場所早く離れたいだろうが途中で降られるかも知れない。少し雨宿りしてから行こう。取り敢えず違う洞窟に移動しようか…その…ここは…嫌だろうから…」
先程男に組み敷かれた場所だ。俺も嫌だがアンジュはもっと嫌だろう。
そう言うと俺はアンジュの身体をコートで包み直し片手で抱えもうニ岩程高い場所にある洞窟まで運ぶ。何度か来た事がある洞窟で他のものより入口が広かった。
何よりカカナンの照明石が多く露出していて明るいのだ。ここなら怖くないだろう。だが洞窟は寒い。
「山の天気は変わり易いから直ぐ止むだろう。暫く此処で待機だ。アンジュあの岩に座れ、俺は雨が降る前に薪木を拾ってくるから」
そう告げて岩場を降り、草を食んでいたローザを木陰に繋いでから、両手いっぱいに枯れた木の枝を拾い集める。パラパラと雨が降り出したので急いで洞窟に戻った。ゴロゴロと雷鳴が鳴り次いでザッと強い雨が降り始める。
「山を降りていたら濡れてたな…」
薪木を組んで剣に魔力を込め炎を出す。火属性は便利だ。水属性が有れば風で岩に穴を掘って湯も沸かせる…まあ、野営する訳では無いので今はいい。
「アンジュ…火にあたれ。秋とは言え冷える」
「…はい、ダリ様…あの…」
「ん?」
「わたくし…16歳、成人になりました」
「…あ!そうだった!誕生日おめでとうアンジュ」
「ふふ…」
ニコリと笑う顔に何だかホッと安堵した。
「今はいつ頃だろうな…昼は回って無いだろうが。とんだ誕生日になってしまったな…」
「…でも…ダリ様が来てくれたから…」
「無事で良かったよ」
「…ダリ様。お膝に乗って良いですか?昔みたいに…」
「え…膝?あ…そうだったかな?」
アンジュはスッと立ち上がり岩に座る俺の前に来ると俺の太ももの上に脚を広げて向かい合わせの体勢でフワリと座り込んだ。
「……え?」
ええぇーーー!こ、これは…対面座位…?じゃなくて、い、いや、た、確かにこんな座り方もしてたかも知れない…が、大きくなってからこれは不味く無いか?
半ばパニックになりカチンと固まる俺の胸に顔を埋めるアンジュ。いや、今心臓がバクバクで飛び出しそうだしヤバい不味い!聞こえる!でも…動けないっ!
「ダリ様…怖かった」
ハッとした。そうだった。アンジュは怖かったんだ。好きでも無いあんな男に組み敷かれたんだ。勘違いするところだった。昼前だしなっ!
「うん…もうあんな奴は近付かせないから…」
「…ダリ様…わたくし聞きたい事があるのです」
「ん?ああ、言ってたな。何だ?」
「ダリ様は王都に恋人がいらっしゃるのですか?」
「…は?」
「女学校の先生が…赤髪の軍隊長殿は『男色』らしいって。だから男娼宿に通ってるって…。しかも最近は娼館にまで行って女性を引っ切り無しに取っ替え引っ替えしていてタウンハウスには男女関わらずハーレムが出来上がっているって言うんです……本当なのですか?」
プシューーーッ
ふにゃふにゃと身体から力が抜けた。おヒレがつき過ぎてツッコミ処が分からない。しかも女学校でそんな噂が…死ねる。悪意しか感じられ無い。つまりはそう言う事だ。その教師も…敵だ。恐らくアンジュに懸想している男だな!
「アンジュ…その話どれ1つとして真実は無い。俺は『男色』でも無ければ娼館を利用した事も無いし、タウンハウスには執事と侍従と通いの料理人と掃除夫だけだ。どれもこれも全部嘘だよ!」
ビビッと目を大きくして俺を見上げるアンジュ。勢い余ってしまった。
「あ、怒ってる訳じゃ無くて…その…最近やたらそう言う噂に振り回されてるんだ。多分だけど…俺を陥れようとしてるのかも知れないんだ、誰かが…」
「……ダリ様はあまりお話ししてくれないから…少し不安になりました。でもちゃんと聞けて良かったです」
「そうか、その……すまん」
そう呟く間にアンジュの細い腕がスラリと延びて来て俺の首に巻き付いて来た。
「ア、アンジュ…」
「誕生日のプレゼントが欲しいです」
「あ、ああ…ちゃんと用意してき…」
「今…欲しいです」
「え?」
「やっと大人になれました…寂しくて逢えなくて身体が疼いて…でも我慢しました…」
「……え…?」
カカナンの照明石が薪火の炎に反射してピンクと赤色が洞窟を明るく照らす。アンジュの淡いオレンジ色の髪はふわふと背景に溶け込み、ピンクの瞳が更に輝いていた。幻想的でもあり扇情的な女性特有の雰囲気を醸し出す。
「貴方の為に…早く成りたくて…もがいていたの」
俺の為?
「……俺は…こんな容姿で…無駄にデカいし…言葉も少なくて気が利かない。それでも…」
「どうして?大きくて大人っぽくてとっても素敵です。それにわたくしは初めて会ったあの時から…」
「初めて?生まれて…まだ1月の頃だっただろ?」
「そう…あの時…ダリ様ったらわたくしの手を取って下さらないから…」
「え…」
「だから貴方を捕まえる為に…」
捕まえる?
「お父様にお願いしたの…貴方が…」
「ア…アンジュ?」
「わたくしの旦那様になる様に」
小さな口から温かい舌が出て俺の口の端をペロリと舐める。
「っ…は……」
なっ…何?どう言う事だ…?
「…ダリ…様…駄目…わたくしだけにして?他の方なんて…嫌」
「アンジュ…俺は本当に…ちが…う」
もう頭がクラクラしてきて目すら開けていられない。胸は破裂しそうな程煩くて…喉が熱くなる。
重なる唇にピリッと痺れが走る。いや、緊張し過ぎて敏感になっているのだ。
「ダリ様お嫁様にして下さいませ。ずっと貴方の側に置いて…そしてわたくしに言葉を下さい」
パチッパチッと火の中で木が爆ぜる。ゆらゆらと炎が揺れて暖気にまるで頬を撫でられているかの様で心地良い。それにアンジュの甘い魔力が絡み合い、その所為か徐々に顎の力が抜けて
いつの間にか彼女の小さな頭を両手で挟み
深く
深く…舌を絡めて口付けを交わす。
ボンヤリする頭で言葉を探した。
君の望むモノかは解らないけど、今口から出るのはこれだけだ。
「愛してるよ…小さな君も大人の君も。もう逃がさない」
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