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軍部に属してからは闇属性の特性を主に敵の兵の捕縛や探索に使う事が多かった。
剣を媒体にして影から凡その位置を把握する事が出来る。近づけば近づく程数も判るように鍛錬した。今手元にあるのはアンジュがくれた剣の鞘。これを媒体にアンジュを探す。
暫く反応は無かったが徐々に彼女の魔力に反応する様になって来る。
このゴード伯爵領を俺は何度行き来しただろう。アンジュを連れて端から端まで訪れている。彼女はこの領地が好きだった。不思議な光る石カカナンを始め様々な魔石が採掘出来る。洞窟に入ると岩の間からほんのりと光る石達が綺麗で…瞳を輝かせジッと眺めていたアンジュの姿が俺にとって…何よりも美しかった。
ああ…もう解っている。
俺はアンジュが…あの子を愛しているのだ。
だからこそ幸せになって欲しいのだ。
汚い奴らからその身を護り、彼女の思うままに…
悲しむ顔も、泣く姿も見たくない。
瞳を輝かせ笑う顔が……それが……見たいんだ。
その為なら
俺はなんだって出来る!なんでもしてみせる!
「……居た……ここは…」
馬で走る事四半刻。アンジュだけを探索する事に集中していると林道を抜け山に入る道に居る事が判る。
ヤボイヌ伯爵領は確かここから馬で2日は掛かる。山越えをすれば短縮は出来るだろうがこの山はかなり入り組んでいて同じ様な岩盤が乱立しているので遭難しやすいのだ。
逃走経路には適さない…が、アンジュは今日既に16歳になっている。
「…まさか…時間稼ぎしてその間にアンジュを?既成事実を作ろうとしているとしたら?…あまりに下衆な発想か…いや、こんな大胆な襲撃をする様な奴に常識など通用せん!急がねば!」
俺は更に魔力を込め剣に呟いた。
「風よ。ローザを運べ」
剣を媒体に風が馬の脚を包み込む。一定期間速度を上げる事が出来る。勿論風属性を持つ者なら初歩の初歩だが、俺は少し違う。魔力の消費は高いが風に物理性を加え、馬の脚に羽を付ける形に鍛錬したのだ。これにより険しい山道や崖、クレバスも飛び越えられる様になった。
グンッと馬の身体が持ち上がり目の前にある山への道を上がり始める。岩がゴロゴロして身体の大きな馬には歩き難い悪路もヒョイッと越えて行った。相棒のローザは既に何度もこれで戦地を走って来たからか怖がりはしない。
「アンジュ…もう少し…耐えてくれ!」
闇の探索でアンジュの魔力が近づいているのが判る。同時にざっと30程の人の魔力を感知した。やはり悪路の所為かなかなか歩みが進まなかった様だ。中腹の平地辺りで留まっている。
風属性を持つ者は鍛錬次第で身体を浮かす事が出来る様になる。だが魔力を増やす事は難しい。つまり乱用出来ないのだ。魔術師が居たとしてもこの数を運ぶ事など不可能だろう。
「まずはアンジュの確保だ。行くぞローザ!」
巨大な岩壁を駆け上がり一気に距離を稼いだ。そのまま走り続け前方に拓けた平地と薄らと馬の陰が見えて来る。
「…追い付いた。魔術師が居るんだったな…闇よ我を覆い隠せ」
俺は自分に隠蔽魔術を施し走るローザから飛び降りた。
山の中の平地部分は岩盤に囲まれた小規模な野草群生地帯で湧水もある。もう少し岩場を上がれば洞窟が点在している。おそらく中は繋がっているのだろうがアンジュを連れてはこの辺りまでしか入って行った事は無かった。
突然デカイ馬が走り込んで来た事に驚いたのか一斉に武器を構える敵兵。鎧に家紋などは付いていない。もしかしたら雇いの傭兵かも知れない。服装もバラバラだ。ある程度の注意を馬に任せ、風を伴い走り抜ける。アンジュの魔力は1番近い位置にある洞窟に留まっていた。そして重なる様に微量の誰かの魔力が…
一瞬で血が沸き、洞窟に向かって全速で走る。岩場を飛び越え入口に立つ数人を薙ぎ払い暗い中に飛び込んだ。直ぐに女の、いやアンジュの声が壁に反射して俺の全身を通り抜ける。
「ーーっ!アンジュ!やっぱりか!!」
アンジュは…白い子鹿の様だ。他の男の目にどう映っているかは知らないが手に入れたくなるのは解る。婚約者が居てしかも自分よりも高位貴族の子息。手を出せば制裁を受け、下手すれば領地没収や降位処罰を受ける。更に貴族の未成年が相手だと貴族席すら剥奪され兼ねない。だが同意であれば全て覆る。16歳で婚約を本契約される前に身体を奪って責任を取る…腹に子が出来るかも知れないのだ。簡単に罰せられないとアンジュを拐ったのだろう。恐らく前から計画していた筈だ。唯、アンジュを手に入れるその為だけに…もし、アンジュとお互いに想い合う相手なら…それなら…
だが…
冷たい濡れた岩の床に転がされ組み敷かれたアンジュの叫びは
『悲鳴』だ!
「貴様などに渡せるものかーーーーーっ!」
嫌がり泣き叫ぶアンジュに覆い被さり下半身を肌蹴させた中肉…いや、少し小太りな男の脇腹を走り込んで来たままの勢いに更に渾身の力で蹴り上げた。
バカーーーンンッッと盛大に音を鳴らして洞窟の壁面に叩き付けられた男を横目にアンジュに顔を向ける。
朧げに光るカカナンの照明石がアンジュをぼんやりと照らしている。淡いオレンジの髪は乱れて地面に張り付き、白い顔は涙に濡れていた。
「ぁ……」
「ハァハァ…ア…アンジュ…」
「あ…ああ…ダリ…さま…?」
「ああ、ハァ…俺だ…無事か?」
「ダ…ダリ様ぁ…ああ…うーーっ!」
「大丈夫。大丈夫だ。何も心配するな。もう怖い思いはさせない」
アンジュを抱き起こし抱き締める。頼りなく震える柔い身体は冷え切って冷たい。こんな濡れた固い地面に寝かせる様な奴が本気でアンジュを大事に出来る訳が無い!
「アンジュ…身体は…その、痛いところは…無いか?」
「手首…ヒック…痛い…うっうっ」
「強く掴まれたのか…他には…その…無体は…」
「…太ももを撫でられ足首を掴まれましたっ…うーーーっ」
「…そ、そうか…」
未遂か!良かった…しっかりしたドレスを着てるから助かったのか。夜着のままだったら…遅かったかも知れない…
ホッと胸を撫で下ろし息を吐く。これで憂いは無くなった。
「アンジュ。一応聞くが…こいつはお前の恋人とかじゃ無いよな?」
「こ…恋人?」
「その…好きな男…って事」
「………どう言う意味ですか?」
「あ、いや…なんでも無い。違うなら良いんだ」
「ダリ様…酷い…やっぱりあの噂…」
「え?」
その時洞窟の外で人の騒いでいる声が近づいて来る。倒れている見張りに気付いたのだろう。
「ふう…取り敢えず他の奴らを片付けて来る。アンジュは此処に居てくれ。直ぐ戻るから…待てるな?」
「ダリ様…はい」
コートを脱いでアンジュに被せ、頭を撫でてから壁面前の床にクシャリと潰れた男を担いで洞窟の外に出た。ザッと30程だが全員武器持ち、魔術剣士に魔術士有り。
ゴキンッと肩を鳴らし向き合った。
「お前らの雇い主はこいつか?いくら貰ってるか知らないが女を拐かす為に雇われたならもう失敗だ。俺が来たからには、な」
ザワッと騒つく兵達。
「貴族子女誘拐は重罪だ。しかも伯爵家を襲撃したんだろ?怪我人も出ている…逃がす訳にはいかないな」
スラッと剣を鞘から抜いて魔力を込める。俺は身体がデカいだけでは無い。火と風と闇属性を持つ魔術剣士だ。
「俺の婚約者を泣かせた罪は償って貰う。第二軍隊隊長リダリオス・バンス・ローザンテ…貴様らを断罪する者だ」
剣を媒体にして影から凡その位置を把握する事が出来る。近づけば近づく程数も判るように鍛錬した。今手元にあるのはアンジュがくれた剣の鞘。これを媒体にアンジュを探す。
暫く反応は無かったが徐々に彼女の魔力に反応する様になって来る。
このゴード伯爵領を俺は何度行き来しただろう。アンジュを連れて端から端まで訪れている。彼女はこの領地が好きだった。不思議な光る石カカナンを始め様々な魔石が採掘出来る。洞窟に入ると岩の間からほんのりと光る石達が綺麗で…瞳を輝かせジッと眺めていたアンジュの姿が俺にとって…何よりも美しかった。
ああ…もう解っている。
俺はアンジュが…あの子を愛しているのだ。
だからこそ幸せになって欲しいのだ。
汚い奴らからその身を護り、彼女の思うままに…
悲しむ顔も、泣く姿も見たくない。
瞳を輝かせ笑う顔が……それが……見たいんだ。
その為なら
俺はなんだって出来る!なんでもしてみせる!
「……居た……ここは…」
馬で走る事四半刻。アンジュだけを探索する事に集中していると林道を抜け山に入る道に居る事が判る。
ヤボイヌ伯爵領は確かここから馬で2日は掛かる。山越えをすれば短縮は出来るだろうがこの山はかなり入り組んでいて同じ様な岩盤が乱立しているので遭難しやすいのだ。
逃走経路には適さない…が、アンジュは今日既に16歳になっている。
「…まさか…時間稼ぎしてその間にアンジュを?既成事実を作ろうとしているとしたら?…あまりに下衆な発想か…いや、こんな大胆な襲撃をする様な奴に常識など通用せん!急がねば!」
俺は更に魔力を込め剣に呟いた。
「風よ。ローザを運べ」
剣を媒体に風が馬の脚を包み込む。一定期間速度を上げる事が出来る。勿論風属性を持つ者なら初歩の初歩だが、俺は少し違う。魔力の消費は高いが風に物理性を加え、馬の脚に羽を付ける形に鍛錬したのだ。これにより険しい山道や崖、クレバスも飛び越えられる様になった。
グンッと馬の身体が持ち上がり目の前にある山への道を上がり始める。岩がゴロゴロして身体の大きな馬には歩き難い悪路もヒョイッと越えて行った。相棒のローザは既に何度もこれで戦地を走って来たからか怖がりはしない。
「アンジュ…もう少し…耐えてくれ!」
闇の探索でアンジュの魔力が近づいているのが判る。同時にざっと30程の人の魔力を感知した。やはり悪路の所為かなかなか歩みが進まなかった様だ。中腹の平地辺りで留まっている。
風属性を持つ者は鍛錬次第で身体を浮かす事が出来る様になる。だが魔力を増やす事は難しい。つまり乱用出来ないのだ。魔術師が居たとしてもこの数を運ぶ事など不可能だろう。
「まずはアンジュの確保だ。行くぞローザ!」
巨大な岩壁を駆け上がり一気に距離を稼いだ。そのまま走り続け前方に拓けた平地と薄らと馬の陰が見えて来る。
「…追い付いた。魔術師が居るんだったな…闇よ我を覆い隠せ」
俺は自分に隠蔽魔術を施し走るローザから飛び降りた。
山の中の平地部分は岩盤に囲まれた小規模な野草群生地帯で湧水もある。もう少し岩場を上がれば洞窟が点在している。おそらく中は繋がっているのだろうがアンジュを連れてはこの辺りまでしか入って行った事は無かった。
突然デカイ馬が走り込んで来た事に驚いたのか一斉に武器を構える敵兵。鎧に家紋などは付いていない。もしかしたら雇いの傭兵かも知れない。服装もバラバラだ。ある程度の注意を馬に任せ、風を伴い走り抜ける。アンジュの魔力は1番近い位置にある洞窟に留まっていた。そして重なる様に微量の誰かの魔力が…
一瞬で血が沸き、洞窟に向かって全速で走る。岩場を飛び越え入口に立つ数人を薙ぎ払い暗い中に飛び込んだ。直ぐに女の、いやアンジュの声が壁に反射して俺の全身を通り抜ける。
「ーーっ!アンジュ!やっぱりか!!」
アンジュは…白い子鹿の様だ。他の男の目にどう映っているかは知らないが手に入れたくなるのは解る。婚約者が居てしかも自分よりも高位貴族の子息。手を出せば制裁を受け、下手すれば領地没収や降位処罰を受ける。更に貴族の未成年が相手だと貴族席すら剥奪され兼ねない。だが同意であれば全て覆る。16歳で婚約を本契約される前に身体を奪って責任を取る…腹に子が出来るかも知れないのだ。簡単に罰せられないとアンジュを拐ったのだろう。恐らく前から計画していた筈だ。唯、アンジュを手に入れるその為だけに…もし、アンジュとお互いに想い合う相手なら…それなら…
だが…
冷たい濡れた岩の床に転がされ組み敷かれたアンジュの叫びは
『悲鳴』だ!
「貴様などに渡せるものかーーーーーっ!」
嫌がり泣き叫ぶアンジュに覆い被さり下半身を肌蹴させた中肉…いや、少し小太りな男の脇腹を走り込んで来たままの勢いに更に渾身の力で蹴り上げた。
バカーーーンンッッと盛大に音を鳴らして洞窟の壁面に叩き付けられた男を横目にアンジュに顔を向ける。
朧げに光るカカナンの照明石がアンジュをぼんやりと照らしている。淡いオレンジの髪は乱れて地面に張り付き、白い顔は涙に濡れていた。
「ぁ……」
「ハァハァ…ア…アンジュ…」
「あ…ああ…ダリ…さま…?」
「ああ、ハァ…俺だ…無事か?」
「ダ…ダリ様ぁ…ああ…うーーっ!」
「大丈夫。大丈夫だ。何も心配するな。もう怖い思いはさせない」
アンジュを抱き起こし抱き締める。頼りなく震える柔い身体は冷え切って冷たい。こんな濡れた固い地面に寝かせる様な奴が本気でアンジュを大事に出来る訳が無い!
「アンジュ…身体は…その、痛いところは…無いか?」
「手首…ヒック…痛い…うっうっ」
「強く掴まれたのか…他には…その…無体は…」
「…太ももを撫でられ足首を掴まれましたっ…うーーーっ」
「…そ、そうか…」
未遂か!良かった…しっかりしたドレスを着てるから助かったのか。夜着のままだったら…遅かったかも知れない…
ホッと胸を撫で下ろし息を吐く。これで憂いは無くなった。
「アンジュ。一応聞くが…こいつはお前の恋人とかじゃ無いよな?」
「こ…恋人?」
「その…好きな男…って事」
「………どう言う意味ですか?」
「あ、いや…なんでも無い。違うなら良いんだ」
「ダリ様…酷い…やっぱりあの噂…」
「え?」
その時洞窟の外で人の騒いでいる声が近づいて来る。倒れている見張りに気付いたのだろう。
「ふう…取り敢えず他の奴らを片付けて来る。アンジュは此処に居てくれ。直ぐ戻るから…待てるな?」
「ダリ様…はい」
コートを脱いでアンジュに被せ、頭を撫でてから壁面前の床にクシャリと潰れた男を担いで洞窟の外に出た。ザッと30程だが全員武器持ち、魔術剣士に魔術士有り。
ゴキンッと肩を鳴らし向き合った。
「お前らの雇い主はこいつか?いくら貰ってるか知らないが女を拐かす為に雇われたならもう失敗だ。俺が来たからには、な」
ザワッと騒つく兵達。
「貴族子女誘拐は重罪だ。しかも伯爵家を襲撃したんだろ?怪我人も出ている…逃がす訳にはいかないな」
スラッと剣を鞘から抜いて魔力を込める。俺は身体がデカいだけでは無い。火と風と闇属性を持つ魔術剣士だ。
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