付く枝と見つ

羽上帆樽

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第2部 “

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「あああ、つまらない」シロップは机の前で呟いた。机の前というより、机の上と言った方が正しい。しかし、デスクも机だから、これだけの記述では、彼女がどのような体勢をとっているのか分からない。「毎日毎日同じことの繰り返しで、もうアキタ」

「ココハ、カナガワデイラッシャイマス」デスクが電子的な声で応える。

「いらっしゃるって、誰がいらっしゃるわけ?」

「ワタクシト、アナタサマデゴザイマス」

「ございますって、誰がござるわけ?」

 世界は、基本的に円形の構造をしている。三次元で想定するなら、球形と言うべきかもしれないが、とりあえず、今は二次元で想定することにしておく。そして、その場合に、シロップの生活というのも、また円形を成していた。彼女が言う「繰り返し」というのは、そういうイメージに違いない。しかし、イメージというのは、文字通りイメージであって、必ずしも事実と関係があるかは分からない。捉える側の態度でいくらでも変わりうる。

「アナタサマハ、オジョウサマデアリマスカラ」デスクが言った。「ソウイウクチノキキカタハ、ドウカトオモイマスガ」

「知るか、そんなの」シロップは盛大に溜め息を吐く。吐息だったら甘々だったところだ。この場合の「ところ」というのは、一体何を表しているのだろうか。

「デカケテミレバ、イカガデスカ?」

「外に出るのが嫌いなこと、知ってるでしょう?」

「デハ、ワタクシトアソビマスカ?」

「遊ぶって、何して?」シロップは机から身を離す。「何か、楽しいこと?」

「タノシイトイウノハ、コトノセイシツデハナク、ヒトノカンジョウデス」

「最近、何かを作るということをしていないからなあ」シロップはまたもとの体勢に戻り、呟く。「勉強だけじゃ、つまらないんだよ」

「インプットガツマラナイ、トイウコトデスカ?」

「うーん、そういうわけでもないけど」彼女は少し笑う。「あ、でも、君と話しているのは、面白いよね」

 窓の外から涼しい風が吹いてくる。

 季節は不明。時と場合によりけり。

 春かもしれないし、夏かもしれないし、秋かもしれないし、冬かもしれない。

 その四つの境界は現実世界には存在しない。

 現実世界を、自然界と同義、と定義した場合にのみ成り立つことだが。

「外に行こう」シロップは言った。「君も連れていってあげる」

「ドウヤッテデスカ?」

「虫かごにでも、入りそうじゃない?」
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