3 / 5
3
しおりを挟む
魔法の原理が分かったとしても、なぜ彼が魔法を使うことができるのかは分からない。たとえば、僕は魔法を使うことができない。原理を知っていることと、実際にそれが使えることは別だ。
もう一度隣を見たとき、もうそこに魔法使いはいなかった。影も形もない。現実世界に影はある。仮想空間にはなかった。影は、物体と運動のどちらだろう。光が運動だから、影も運動だろうか。そうすると、仮想空間に影がなかったのはなぜだろう。それだけではない。仮想空間には太陽もなかった。それは、おそらく光だけが存在していたからではないか。
カロがこちらに向かって駆けてくる。
その場に立ち止まって、肩を上下させながら僕を見下ろす。
「満足した?」僕は尋ねた。
カロは動作だけは静かに頷く。
「じゃあ、帰ろう」
「さっきまでいた人は?」
「どこかに行ってしまった」
「君のお姉さんと同じ?」
「さあ、どうだろう」
僕はベンチから立ち上がり、軽く腰を叩く。
彼女と一緒に再び歩き始める。
空は、曇ったり、晴れたりの繰り返しだった。雲が太陽の前を行き来している。その度に温度が上がったり下がったりして、微妙な体感だった。こういう天気も悪くないとは思う。変化は大いに歓迎すべきことだが、変化しすぎると少し困る。
僕も、たぶん急には変われない。お姉ちゃんが死んでしまったり、カロが現れたりしても、僕自身が大きく変わったという感覚はなかった。けれど、なんだろう、身体の内側に、今はなんとなく温かいものがあるような気がする。以前の僕にはそれがなかった。これが成長した証だろうか。
家に到着して、ドアに鍵を差し込む。
しかし、把手を捻っても開かなかった。
おかしいと思って、手もとを見る。
差し込んだ鍵が違っていた。
金色に光る大きな鍵が差し込まれている。
こちら側に開くはずのドアが、唐突に向こう側に開いて、僕の身体はそちらに倒れ込んだ。まずいと思ったときには、もうバランスを崩している。少し慌てたカロの気配を背後に感じたが、振り返る前にドアは閉まった。
僕は、いつの間にか閉じていた目を開ける。
玄関の中。
背後にあるドアの隙間から、橙色の陽光が差し込んで、僕の足もとを照らしている。
ひぐらしの鳴き声が聞こえた。
キッチンの方から、包丁を叩く音、鍋が煮える音、そして、微かに鼻歌が聞こえる。
リビングのドアが開いて、お姉ちゃんが半身を覗かせた。
「あ、おかえり」エプロンを着けた格好で、彼女は言った。「今日、お父さんとお母さん、遅いんだって」
「うん」僕は頷く。
沈黙。
「何してるの? 早く入りなよ」
「うん」僕はもう一度頷く。
靴を脱ぎ、洗面所に入って手を洗う。鏡の向こう側に、茫洋とした自分の姿が見えた。髪が伸び、目もとにかかりかけている。だらしがないと自分でも思う。鏡のすぐ下にある台の上に、コップが四つ並んでいた。そのすべてに歯ブラシが一本ずつ立てかけられている。
上着を脱いで、セーター一枚になる。正面のドアを開けて、リビングの中に入った。
右手にキッチン。お姉ちゃんはガスコンロの前に立ち、片手にお玉を持って鍋を掻き回している。
「おかえり」彼女はもう一度言った。「コンロの電池、変えておいてくれてありがとう」
僕は彼女を直視したまま、分かりやすいように大きく頷く。
匂いから、彼女が作っているのがシチューだと分かった。ホワイトシチューだ。流し台の傍に、魚が入っていたらしい白いトレイが重ねられている。微妙に剥がされたフィルムの表示から、もともと鮭が入っていたと分かった。そうだ。前に一度、鮭の入ったシチューが好きだと彼女に言ったことがある気がする。特別好きではないが、一つ挙げるとしたらそれだと言ったような気がした。
「もう少しだから、待ってて」お姉ちゃんが言った。
「お姉ちゃん、料理できたっけ?」僕は質問する。
「できないけど」彼女は鼻から息を漏らす。「やってみたかったのです。任せなさい」
僕はリビングの方へ歩いていく。軽く畳んでから上着をソファの上に置き、自分もその隣に座った。照明はキッチンの方だけ灯っているから、この辺りは暗い。それを察したのか、お姉ちゃんがスイッチを入れて、こちらの照明も灯した。
左手に硝子扉がある。夏だから、隙間が空いたままになっていた。夏なのにシチューを作っているのか、と僕は思った。そう思うだけで、良いとも悪いとも思わない。お姉ちゃんが作ってくれるのだから、嬉しい、と追加で思慕。
硝子の向こう側に人影が見える。
カロがこちらを覗いていた。
開かれた翼が、休息するように小さく動いている。
僕は彼女を見つめた。
口を開きかけた。
そのとき、お待たせと言って、お姉ちゃんがこちらにやって来る。声を出す前に僕は彼女の方を見た。ホワイトシチューが入った皿を運んできて、彼女はそれをテーブルの上に置いた。それから、別の器にご飯をよそって持ってくる。サラダやスープの類はなかった。シチューを作るだけで精一杯だったのかもしれない。
僕はソファから降りて、テーブルの席に着く。スプーンが用意されていなかったから、一度立ち上がり、キッチンに行って二人分を持ってきた。
スプーンで掬って、お姉ちゃんの作ったシチューを食べる。
「どう? 美味しい?」お姉ちゃんは尋ねた。
どう、ときいたあとに、美味しいか、ときくのであれば、最初の、どう、は何をきいているのかと僕は考える。それはともかく、シチューは一言では形容しがたい味だった。液体の粘度は平均よりも小さくて水っぽいし、ニンジンもジャガイモも火が完全には通りきっていない。鮭も少々生っぽい感じがした。けれど、別に不味いわけでもない。僕は味覚音痴だから、お姉ちゃんの料理が下手なのか、僕の味覚がおかしいのか、そのどちらの割合が大きいのか、すぐには判断できなかった。
「うん、まあ」僕は答える。「食べられる」
「いまいちってことか」そう言って、お姉ちゃんは自分でもシチューを口に運ぶ。「たしかに、美味しくはないな」
客観に寄せた意見だったから、僕は思わず笑ってしまった。お姉ちゃんらしい発言だと思う。それをお姉ちゃんらしいと判定できる自分に、少しだけ驚いた。何を根拠にそう考えるのだろう。少なくとも、これは客観的な判定ではない。
スプーンが食器に接触する音が響く。硝子扉の向こうから、涼しい風が室内に入り込んでくる。
暫く無言でシチューを食べた。
「最近、どう?」お姉ちゃんが口を開く。
「どうって?」
「楽しい?」
「何が?」
「色々」
色々と言われても分からない。自分の周囲では、色々なことが起きたように思えたし、かといって、周囲で起こるすべてのことに興味があるわけでもないから、全然色々ではないようにも思える。
「分からない」僕は素直に答えることにする。「お姉ちゃんは、どうなの?」
「うーん」彼女はスプーンを咥えたまま考える素振りをする。「楽しいって、何だろうね」
「何だろうねって……。自分の方からきいてきたんじゃないか」
「楽しいって、物体かな? 運動かな?」
僕は、スプーンを口に運びかけていた手を止めた。開きかけていた口を閉じ、顔を上げて彼女の方を見る。
お姉ちゃんは、じっと僕を見つめていた。
茶色い目。
赤い目でも、青い目でもないことに、僕はそのとき気がついた。
「魔法使いは、誰だと思う?」お姉ちゃんの口が動く。
「え?」
「本当に魔法を使えるのは、誰だろう?」
僕は答えられない。スプーンを完全に皿に戻してしまった。
「形は違えど、私は、いつだって、君の傍にいるよ」お姉ちゃんは言った。「私という物体も、私という運動も、もう、どこにもないけど、姿を変えて、君の傍にいるよ」
それはもう分かっていた。しかし、なぜ分かっているのだろう? たぶん、それは、魔法使いに聞いたからではない。もっと説得力のある感覚として、僕はそのことを分かっていた。
「魔法は、誰にだって見えるものじゃないよ。魔法を使うのにも、魔法を受けるのにも、それができるだけの条件が揃っていなければいけない。君は、魔法を受けることができる。魔法を見ることができる。魔法を見せられているんじゃない。君が魔法を見ているんだよ」
僕たちの前に、もう、シチューはなかった。テーブルも、部屋もない。どこにいるのか分からなかった。
いる?
空間は、物体だろうか? 運動だろうか?
「私には、物体か、運動か、どちらかに振り切ることしかできなかったけど……。君になら、もっと別の方法がとれると思う。魔法は、魔法なのだから……」
「魔法は魔法という言い方も、魔法だ」僕は言った。
僕の言葉を聞いて、お姉ちゃんは笑ってくれた。
「ほら、向こう」そう言って、彼女は僕の背後を指さす。「あの子が待ってる」
後ろを振り返ると、玄関のドアが中空に浮いていた。その向こう側に人影が見える。
確認するまでもなく、カロだと分かった。
「私は、もうどこにもいないけど、それは、どこにでもいるのと同じ」
お姉ちゃんは、僕の身体を軽く押す。僕はドアの方へ流されていった。
お姉ちゃんの姿がどんどん小さくなっていく。
「あの子は、あの子だよ。でも、もしかしたら、少しは私かもしれない」
背後でドアが開き、僕の身体はその先へと飛び出す。
後ろから腕が伸びてきて、僕の身体を包み込んだ。
カロの浮力に支えられて、僕はゆっくりと宙を進む。
前方で、ドアが閉まるのが見えた。
もう一度隣を見たとき、もうそこに魔法使いはいなかった。影も形もない。現実世界に影はある。仮想空間にはなかった。影は、物体と運動のどちらだろう。光が運動だから、影も運動だろうか。そうすると、仮想空間に影がなかったのはなぜだろう。それだけではない。仮想空間には太陽もなかった。それは、おそらく光だけが存在していたからではないか。
カロがこちらに向かって駆けてくる。
その場に立ち止まって、肩を上下させながら僕を見下ろす。
「満足した?」僕は尋ねた。
カロは動作だけは静かに頷く。
「じゃあ、帰ろう」
「さっきまでいた人は?」
「どこかに行ってしまった」
「君のお姉さんと同じ?」
「さあ、どうだろう」
僕はベンチから立ち上がり、軽く腰を叩く。
彼女と一緒に再び歩き始める。
空は、曇ったり、晴れたりの繰り返しだった。雲が太陽の前を行き来している。その度に温度が上がったり下がったりして、微妙な体感だった。こういう天気も悪くないとは思う。変化は大いに歓迎すべきことだが、変化しすぎると少し困る。
僕も、たぶん急には変われない。お姉ちゃんが死んでしまったり、カロが現れたりしても、僕自身が大きく変わったという感覚はなかった。けれど、なんだろう、身体の内側に、今はなんとなく温かいものがあるような気がする。以前の僕にはそれがなかった。これが成長した証だろうか。
家に到着して、ドアに鍵を差し込む。
しかし、把手を捻っても開かなかった。
おかしいと思って、手もとを見る。
差し込んだ鍵が違っていた。
金色に光る大きな鍵が差し込まれている。
こちら側に開くはずのドアが、唐突に向こう側に開いて、僕の身体はそちらに倒れ込んだ。まずいと思ったときには、もうバランスを崩している。少し慌てたカロの気配を背後に感じたが、振り返る前にドアは閉まった。
僕は、いつの間にか閉じていた目を開ける。
玄関の中。
背後にあるドアの隙間から、橙色の陽光が差し込んで、僕の足もとを照らしている。
ひぐらしの鳴き声が聞こえた。
キッチンの方から、包丁を叩く音、鍋が煮える音、そして、微かに鼻歌が聞こえる。
リビングのドアが開いて、お姉ちゃんが半身を覗かせた。
「あ、おかえり」エプロンを着けた格好で、彼女は言った。「今日、お父さんとお母さん、遅いんだって」
「うん」僕は頷く。
沈黙。
「何してるの? 早く入りなよ」
「うん」僕はもう一度頷く。
靴を脱ぎ、洗面所に入って手を洗う。鏡の向こう側に、茫洋とした自分の姿が見えた。髪が伸び、目もとにかかりかけている。だらしがないと自分でも思う。鏡のすぐ下にある台の上に、コップが四つ並んでいた。そのすべてに歯ブラシが一本ずつ立てかけられている。
上着を脱いで、セーター一枚になる。正面のドアを開けて、リビングの中に入った。
右手にキッチン。お姉ちゃんはガスコンロの前に立ち、片手にお玉を持って鍋を掻き回している。
「おかえり」彼女はもう一度言った。「コンロの電池、変えておいてくれてありがとう」
僕は彼女を直視したまま、分かりやすいように大きく頷く。
匂いから、彼女が作っているのがシチューだと分かった。ホワイトシチューだ。流し台の傍に、魚が入っていたらしい白いトレイが重ねられている。微妙に剥がされたフィルムの表示から、もともと鮭が入っていたと分かった。そうだ。前に一度、鮭の入ったシチューが好きだと彼女に言ったことがある気がする。特別好きではないが、一つ挙げるとしたらそれだと言ったような気がした。
「もう少しだから、待ってて」お姉ちゃんが言った。
「お姉ちゃん、料理できたっけ?」僕は質問する。
「できないけど」彼女は鼻から息を漏らす。「やってみたかったのです。任せなさい」
僕はリビングの方へ歩いていく。軽く畳んでから上着をソファの上に置き、自分もその隣に座った。照明はキッチンの方だけ灯っているから、この辺りは暗い。それを察したのか、お姉ちゃんがスイッチを入れて、こちらの照明も灯した。
左手に硝子扉がある。夏だから、隙間が空いたままになっていた。夏なのにシチューを作っているのか、と僕は思った。そう思うだけで、良いとも悪いとも思わない。お姉ちゃんが作ってくれるのだから、嬉しい、と追加で思慕。
硝子の向こう側に人影が見える。
カロがこちらを覗いていた。
開かれた翼が、休息するように小さく動いている。
僕は彼女を見つめた。
口を開きかけた。
そのとき、お待たせと言って、お姉ちゃんがこちらにやって来る。声を出す前に僕は彼女の方を見た。ホワイトシチューが入った皿を運んできて、彼女はそれをテーブルの上に置いた。それから、別の器にご飯をよそって持ってくる。サラダやスープの類はなかった。シチューを作るだけで精一杯だったのかもしれない。
僕はソファから降りて、テーブルの席に着く。スプーンが用意されていなかったから、一度立ち上がり、キッチンに行って二人分を持ってきた。
スプーンで掬って、お姉ちゃんの作ったシチューを食べる。
「どう? 美味しい?」お姉ちゃんは尋ねた。
どう、ときいたあとに、美味しいか、ときくのであれば、最初の、どう、は何をきいているのかと僕は考える。それはともかく、シチューは一言では形容しがたい味だった。液体の粘度は平均よりも小さくて水っぽいし、ニンジンもジャガイモも火が完全には通りきっていない。鮭も少々生っぽい感じがした。けれど、別に不味いわけでもない。僕は味覚音痴だから、お姉ちゃんの料理が下手なのか、僕の味覚がおかしいのか、そのどちらの割合が大きいのか、すぐには判断できなかった。
「うん、まあ」僕は答える。「食べられる」
「いまいちってことか」そう言って、お姉ちゃんは自分でもシチューを口に運ぶ。「たしかに、美味しくはないな」
客観に寄せた意見だったから、僕は思わず笑ってしまった。お姉ちゃんらしい発言だと思う。それをお姉ちゃんらしいと判定できる自分に、少しだけ驚いた。何を根拠にそう考えるのだろう。少なくとも、これは客観的な判定ではない。
スプーンが食器に接触する音が響く。硝子扉の向こうから、涼しい風が室内に入り込んでくる。
暫く無言でシチューを食べた。
「最近、どう?」お姉ちゃんが口を開く。
「どうって?」
「楽しい?」
「何が?」
「色々」
色々と言われても分からない。自分の周囲では、色々なことが起きたように思えたし、かといって、周囲で起こるすべてのことに興味があるわけでもないから、全然色々ではないようにも思える。
「分からない」僕は素直に答えることにする。「お姉ちゃんは、どうなの?」
「うーん」彼女はスプーンを咥えたまま考える素振りをする。「楽しいって、何だろうね」
「何だろうねって……。自分の方からきいてきたんじゃないか」
「楽しいって、物体かな? 運動かな?」
僕は、スプーンを口に運びかけていた手を止めた。開きかけていた口を閉じ、顔を上げて彼女の方を見る。
お姉ちゃんは、じっと僕を見つめていた。
茶色い目。
赤い目でも、青い目でもないことに、僕はそのとき気がついた。
「魔法使いは、誰だと思う?」お姉ちゃんの口が動く。
「え?」
「本当に魔法を使えるのは、誰だろう?」
僕は答えられない。スプーンを完全に皿に戻してしまった。
「形は違えど、私は、いつだって、君の傍にいるよ」お姉ちゃんは言った。「私という物体も、私という運動も、もう、どこにもないけど、姿を変えて、君の傍にいるよ」
それはもう分かっていた。しかし、なぜ分かっているのだろう? たぶん、それは、魔法使いに聞いたからではない。もっと説得力のある感覚として、僕はそのことを分かっていた。
「魔法は、誰にだって見えるものじゃないよ。魔法を使うのにも、魔法を受けるのにも、それができるだけの条件が揃っていなければいけない。君は、魔法を受けることができる。魔法を見ることができる。魔法を見せられているんじゃない。君が魔法を見ているんだよ」
僕たちの前に、もう、シチューはなかった。テーブルも、部屋もない。どこにいるのか分からなかった。
いる?
空間は、物体だろうか? 運動だろうか?
「私には、物体か、運動か、どちらかに振り切ることしかできなかったけど……。君になら、もっと別の方法がとれると思う。魔法は、魔法なのだから……」
「魔法は魔法という言い方も、魔法だ」僕は言った。
僕の言葉を聞いて、お姉ちゃんは笑ってくれた。
「ほら、向こう」そう言って、彼女は僕の背後を指さす。「あの子が待ってる」
後ろを振り返ると、玄関のドアが中空に浮いていた。その向こう側に人影が見える。
確認するまでもなく、カロだと分かった。
「私は、もうどこにもいないけど、それは、どこにでもいるのと同じ」
お姉ちゃんは、僕の身体を軽く押す。僕はドアの方へ流されていった。
お姉ちゃんの姿がどんどん小さくなっていく。
「あの子は、あの子だよ。でも、もしかしたら、少しは私かもしれない」
背後でドアが開き、僕の身体はその先へと飛び出す。
後ろから腕が伸びてきて、僕の身体を包み込んだ。
カロの浮力に支えられて、僕はゆっくりと宙を進む。
前方で、ドアが閉まるのが見えた。
0
あなたにおすすめの小説
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
愚者による愚行と愚策の結果……《完結》
アーエル
ファンタジー
その愚者は無知だった。
それが転落の始まり……ではなかった。
本当の愚者は誰だったのか。
誰を相手にしていたのか。
後悔は……してもし足りない。
全13話
☆他社でも公開します
日本の運命を変えた天才少年-日本が世界一の帝国になる日-
ましゅまろ
歴史・時代
――もしも、日本の運命を変える“少年”が現れたなら。
1941年、戦争の影が世界を覆うなか、日本に突如として現れた一人の少年――蒼月レイ。
わずか13歳の彼は、天才的な頭脳で、戦争そのものを再設計し、歴史を変え、英米独ソをも巻き込みながら、日本を敗戦の未来から救い出す。
だがその歩みは、同時に多くの敵を生み、命を狙われることも――。
これは、一人の少年の手で、世界一の帝国へと昇りつめた日本の物語。
希望と混乱の20世紀を超え、未来に語り継がれる“蒼き伝説”が、いま始まる。
※アルファポリス限定投稿
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる