舞台装置は闇の中

羽上帆樽

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第2章

第13話 部活動見学?

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 昼休みになって、月夜は今度は校舎を歩き回ることにした。図書室に行っても良かったが、昨日行ったし、新しい場所の情報は、できるだけ早めに収集しておいた方が良いだろう、と考えたからだ。

 教室を出て左に曲がり、そのまま真っ直ぐ行くと、右手に食堂が見えてくる。今は昼時だから、食堂の中も、その付近も、沢山の生徒で賑わっていた。近くにはパンやお菓子の類が売られている一画もある。この盛況具合は、人間の食に対する執着の度合いに置き換えられるだろうか、となんとなく思考。考えてもあまり意味のないことだと判断して、先へと進む。

 食堂のほぼ正反対に図書室があり、そのままさらに進めば、職員用の玄関に行き当たる。左手に階段。それを上れば二階に辿り着く。昇降口も二階にあるから、こちらの階段から一階に回って、自分の教室に向かうこともできるが、昇降口がある方と、月夜の教室がある方とでは棟が異なっており、その間を埋めるための経路が、一階の場合は分割されていて、早いとドアが開いていない可能性があるので、月夜は朝は二階の渡り廊下を使うようにしていた。

 右に続く廊下を進む。そちらは専ら事務的な部屋が多く配置されている。何に使うのか分からない応接室や、倉庫のような部屋もあった。右側にある窓からは中庭を見ることができる。さらに進むと保健室が現れて、終着には硝子扉があった。

 硝子扉を開いてみると、外に出られるみたいだった。昼休みには外で遊ぶことができるから、走ったり、ボールをついたりしている生徒の姿がちらほらと見える。目の前には二階建ての別の棟があって、階段を上って中を覗いてみると、そこには卓球台が並べられていた。今も使っている生徒が何人かいて、ピンポン玉が跳ねる軽快な音と、無邪気なかけ声が室内に響いていた。

 覗いている月夜に気がついて、男子生徒が一人、彼女の傍に近づいてきた。

「見学の人?」

 彼の言葉を聞いて、月夜は首を傾げる。

「見学?」

「卓球部に、入らない?」彼は少し笑って言った。

 部活動に入るか否かの判断は、月夜はまだしていなかった。ただ、入らない可能性が高い。中学のときもそうだった。

「まだ、何ともいえない」月夜は結論を素直に口に出した。

「そう」男子生徒は笑みを深める。「じゃあ、気が向いたら、いつでも来てね」
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