101 / 255
第10章までのあらすじ
<<log1>>
しおりを挟む
高校生になった暗闇月夜は、当然ながら学校に通うようになった。高校生になったのに、学校に通わないというのは、高校生というレッテルだけあれば良ということだから、ペーパードライバーみたいなものだろう。しかし、現代ではそうしたレッテルを所持していることが、将来のために重要だとされている。
さっそく話が脱線したが、実は脱線するほど話はしっかりしていない。今のところ、彼女の周りではこれといって目立った事件は起こっていない。事件などというと、如何にもミステリーみたいな雰囲気を醸し出してしまうが、この物語はミステリー、つまり探偵小説の類ではない。
無理矢理に特異な事象と思われるものを引き出してみれば、彼女の知り合いには小夜という不思議な少女と、フィルという不思議な黒猫がいる、ということが挙げられるだろうか。そして、真昼という、これまた不思議な少年もいる。ただし、彼らは物語の上で別段重要な役割は担っていない。ただ、月夜にとってどうかは分からない。彼女にとっては数少ない知り合いだから、もしかすると、何らかの特別な感情を抱いているかもしれない。特別な感情というのはよく分からない表現だが。
さらに、もっと頑張って、ほかに特異な事象と呼べるものがあるだろうかと考えてみると、月夜の自宅の周囲で、同様のタイプの皿が幾枚も見つかった、ということが挙げられるだろうか。しかし、爆弾が設置されていたとか、まきびしが撒かれていたというのと違って、玄関を出た先に皿が落ちていても、さほど困ったことにはならない。ご近所の視線を集めることにはなるかもしれないが、月夜は日常的に他者の視線を感じることがないので、それで勘定が合うといえばそれまでだ。
本当にどうでも良いこととして、月夜は最後に不思議な少女と出会う。この不思議な少女というのは、小夜のことではないし、自分自身の中に隠れていた、新たな自分と出会ったのだというような、自己啓発本の背表紙に書かれているような内容を意味するものでもない。
月夜はまだ死なないので、物語は続いていくものと思われる。
その前に、私が死んでしまったらどうもこうもないのだが……。
さっそく話が脱線したが、実は脱線するほど話はしっかりしていない。今のところ、彼女の周りではこれといって目立った事件は起こっていない。事件などというと、如何にもミステリーみたいな雰囲気を醸し出してしまうが、この物語はミステリー、つまり探偵小説の類ではない。
無理矢理に特異な事象と思われるものを引き出してみれば、彼女の知り合いには小夜という不思議な少女と、フィルという不思議な黒猫がいる、ということが挙げられるだろうか。そして、真昼という、これまた不思議な少年もいる。ただし、彼らは物語の上で別段重要な役割は担っていない。ただ、月夜にとってどうかは分からない。彼女にとっては数少ない知り合いだから、もしかすると、何らかの特別な感情を抱いているかもしれない。特別な感情というのはよく分からない表現だが。
さらに、もっと頑張って、ほかに特異な事象と呼べるものがあるだろうかと考えてみると、月夜の自宅の周囲で、同様のタイプの皿が幾枚も見つかった、ということが挙げられるだろうか。しかし、爆弾が設置されていたとか、まきびしが撒かれていたというのと違って、玄関を出た先に皿が落ちていても、さほど困ったことにはならない。ご近所の視線を集めることにはなるかもしれないが、月夜は日常的に他者の視線を感じることがないので、それで勘定が合うといえばそれまでだ。
本当にどうでも良いこととして、月夜は最後に不思議な少女と出会う。この不思議な少女というのは、小夜のことではないし、自分自身の中に隠れていた、新たな自分と出会ったのだというような、自己啓発本の背表紙に書かれているような内容を意味するものでもない。
月夜はまだ死なないので、物語は続いていくものと思われる。
その前に、私が死んでしまったらどうもこうもないのだが……。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
意味が分かると怖い話(解説付き)
彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです
読みながら話に潜む違和感を探してみてください
最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください
実話も混ざっております
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
痩せたがりの姫言(ひめごと)
エフ=宝泉薫
青春
ヒロインは痩せ姫。
姫自身、あるいは周囲の人たちが密かな本音をつぶやきます。
だから「姫言」と書いてひめごと。
別サイト(カクヨム)で書いている「隠し部屋のシルフィーたち」もテイストが似ているので、混ぜることにしました。
語り手も、語られる対象も、作品ごとに異なります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる