【完結】愛する夫の務めとは

Ringo

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再会

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 年に一度の花祭り。

 それに合わせて開催される夜会で久しぶりに再会する事が決まったセドリックとレイチェル。

 産後初めての夜会とあって、締め付け過ぎないデザインのドレスがセドリックから贈られた。

 それを身に纏って王城の回廊を歩く。


「レイチェル」


 その途中、会場となる大ホールで待っているはずのセドリックが現れ、何故と聞けば「待ちきれなくて迎えに来た」という。


「着てくれたんだね…思った通り良く似合う」


 紫色のグラデーションドレスには銀糸の刺繍が施されており、宝飾品はプラチナとアメジストだけを使用して誂え、セドリックの独占欲がこれでもかと盛り込まれたもの。


「……セドリック様…」


 愛する夫は現在、別の女性と閨に臨んでいる。

 会って嫌な気持ちが生まれたらどうしようと悩んでいたが、そのような思いは微塵も湧かず、広げられた腕の中に躊躇せず飛び込んだ。

 部屋に飾られた花と同じ、セドリックが纏う香りに目頭がジワっと熱くなってしまう。


「レイチェル…実はパーティーが始まるまで3時間以上あるんだ」

「………え?」


 どういうことだと見上げ視線を合わせればセドリックは優しく微笑み、レイチェルの手を引いて回廊を歩き出した。

 そして奥まった場所の部屋まで行くと侍女や護衛を扉の前に残し、ふたりで中へ入っていく。


「セドリック様……あの…」


 日が落ち始めた外は薄暗いのに、部屋の中は沢山の明かりが灯されお互いの姿をハッキリと目に映すことが出来る。

 そして大きな寝台が置かれていることも。


「ここは限られた者だけが使える休憩室だよ」


 そう言ってセドリックはレイチェルの唇に自分のものを重ね、愛しい人の温もりを味わうように角度を変えて何度も口付けわ繰り返す。

 やがてレイチェルの細い腕がセドリックの首へと回り、それを合図に寝台へとなだれ込んだ。

 優しく手早くドレスを脱がせると自分も早々に全てを脱ぎ捨て、欲してやまなかったレイチェルの全身に口付けを落としていく。


「レイチェル……好きだよ…愛してる…」

「わた、くしも……愛しております…っ…」


 義務とはいえ他の女を抱いたことを嫌悪し拒絶されたら…と不安だったセドリックは受け入れてもらえたことが嬉しくて、ただでさえレイチェルに会えて落ち着かない鼓動が更に加速する。

 そしてレイチェルの足を大きく開くとそこへ顔を埋めた。


「ぁ………っ…」


 丁寧にじっくりと…レイチェルが悦ぶ箇所を的確に攻めれば蜜が溢れ出し、それを一滴も無駄にするものかと啜り取る。

 セドリックにとっては何よりのご馳走。

 一頻り味わい体を起こすとレイチェルが目に涙を滲ませていることに気付き、やはり嫌だったのかと心が締め付けられた。


「……レイチェル…」

「………の時も…こうしてさしあげているのですか……?」


 ミレイユにもしているのかと、言外にそう問われたセドリックは頭が取れそうなほど勢いよく左右に振って「一度足りとも、口付けすらしたことはない!!」と否定。


「ですが……最近では…仲睦まじく…お茶やお食事をしていらっしゃると……っ…」


 セドリックがミレイユと顔を合わせるのは人目を避けた“特別な場所”で、極秘事項であるそれを知る者は極わずか。

 レイチェルの耳に入れて心を煩わせた者に殺意すら湧くが、それよりも優先すべきは泣き出してしまった愛する妻。

 父王に厳命されたことで仕方なく交流を図ってはいるが、それはレイチェルが思うような親密なものではないこと、務め以外での“接触”は一切ないことを必死に説明した。


「僕が愛しているのは…こうして触れたいと思うのは君だけだ、レイチェル」

「では……朝までお過ごしになられているというのは……」


 盛大な舌打ちをしそうになるが内心に留め、一度として夜を明かしたことはないと告げる。


「こんなこと君は聞きたくないと思うけれど…務めの最中、君のことを思い浮かべているんだ」

「……わたくし……?」

「務めの前には強力な精力剤を飲み…その……君が使った下着につく匂いを吸い込んで…ます」


 そうでもしないと務めを果たす以前に役に立たないことを告げると、レイチェルは“いつもの事だ”と下着の匂いを嗅いでいることは華麗にスルーし、セドリックの下半身へと視線を移した。


「え……でも……」

「……君相手だと簡単にこうなってしまうんだ」


 血管が浮き出るほどパンパンに膨れ上がったそれはたっぷりと重量を湛え、久し振りというのもあってレイチェルは少しだけ怯えてしまう。


「……わたくし…あの……」

「レイチェルが嫌ならしない。だけど…」


 臍まで反り返った剛直はピクピクと動き、先端からは透明な液が零れ落ちる。

 レイチェルの中に入りたいと訴える様子に、意を決して受け入れることを決めた。


「久し振りなので……優しく…してください…」


 子を儲けても未だ恥じらう愛妻の姿に理性を失いかけたセドリックは、ゆっくり…少しずつレイチェルの中へと入り込んだ。


「っ………おっき……っ」


 確かに自分でも驚くほど膨張していると思ったが、苦悶しつつ快楽も得ている様子のレイチェルに残っていた理性の欠片が砕け散る。


「ごめっ……我慢出来ない……っ、」


 一気に奥まで貫き激しく腰を動かし始めたセドリックの下でレイチェルは悲鳴にも似た嬌声をあげるが、に作られた部屋の扉は分厚い。

 どれだけ啼こうと声が漏れることはないと知っているセドリックは、時間いっぱい、とことんまでレイチェルの体を味わい尽くしたのである。





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