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第9章 激突・ギャングレオ盗賊団
第109話 突入前日
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「ゼロラさん! 大丈夫ですか!?」
地下室から戻った俺をマカロンが心配して出迎えてくれた。
「大丈夫だ。どこもケガなんてしてねえし」
「ケガ!? やっぱり戦ったんですか!? 無事なんですか!?」
「だからどこもケガしてねえって」
「むしろ相手の方がケガしてそうですよね……」
もっともだ、ラルフル。それにしてもマカロンが普段にも増して心配性だ。
「まあ、コゴーダの眼鏡には適うよな。それでどうなったんだ?」
ジフウも気にはなっていたようで俺に問いかける。
「明日の朝、俺一人で指定された場所に来るように言われた」
「そ、それってまさか罠じゃ!?」
「いーや、ない。シシバに限ってそんなことはしない」
マカロンは不安を述べるが、ジフウはハッキリと否定する。シシバの望みは俺と戦うことにあるようだ。俺の力量を図りつつ、自らが戦うにふさわしい相手かを見極めたいようだ。だがそうなると一つだけ解せないことがある。
「ジフウ。お前の弟もお前と同じで戦うことが好きなタイプか?」
「戦うことが好きなタイプっていうと少し語弊があるな。"戦う事こそ生き甲斐"ってタイプと言ったほうがいいな」
要するに戦闘狂ってやつか。ならますます気になるのは……。
「ならそいつは"回りくどく義賊のような行為を進んでする"タイプなのか?」
「……痛いところを突いてくるな。少なくとも本来はそんな奴じゃない」
ジフウの言い方が妙に引っかかるが、それ以上のことは答えてくれなかった。ここから先は本人に会って直接確認するか。
「後はガルペラに報告しに行くか」
「だったらアタシとラルフルがしてくるわ」
「そうですね。お姉ちゃんとゼロラさんは二人で街でも歩いてきてください」
ミリアとマカロンがニコニコしながら促す。何か悪意のようなものを感じる……。
「し、仕方ないわね。ラルフルとミリアちゃんがそこまで強く言うなら私とゼロラさんはちょっと出かけてくるわ」
いや、そこまで強く言ってねえだろ。
そんな俺の気持ちを他所に、俺はマカロンに半ば強引に街へと連れ出された。
■
「こ、こうしてゼロラさんと二人きりでセンビレッジの街を歩くなんて初めてですよね」
「あ、ああ。そうだな」
俺とマカロンは二人で街を歩いていた。……なぜだか気まずい。
「お? あれは……」
「え? 何ですか?」
俺は目の前の人だかりを見た。
「好き嫌いは許さない! 愛と正義の野菜戦士! キャプテン・サラダバー! とぉう!」
「来たな~、キャプテン・サラダバー! 今日こそはこのヘンショッカー様がこの一帯を"不健康・揚げ物専門店街"に変えてくれるわ~!」
キャプテン・サラダバーとヘンショッカーだ。あいつらまだショーは続けてるのか。
「え!? 何ですかあれ!? 面白そう!」
マカロンはこういうのが結構好きらしい。中身は普通の青年と普通の商会長だがな。
ショーが終わるとせっかくなので俺は二人に声をかけた。
「よお。その後の調子はどうなんだ?」
「あ! ゼロラさん! おかげであれから野菜の売り上げも上々ですよ!」
「でもショーの人気もすごいので、今後も続けていく予定です!」
元気そうで何よりだ。
「おや? 今日は彼女さんもご一緒ですか?」
「よろしければこちらをどうぞ。新商品の"野菜とお肉のカップルサンド"です。その名の通り、カップルにも人気なんですよ」
商会長は俺に新商品を渡してくれた。いつもならここでマカロンが『カップルなんかじゃないです!』と反論してきそうなものだが――
「……私達って、カップルに見えます?」
反論どころか確認してきた。
「あれ? 違うのですか?」
「親子とかには見えませんか?」
「確かに歳の差はありますが、親子とは違う気がしますね。カップルと言ったほうがしっくりきます」
さらにマカロンは質問を重ねた後――
「……よし! 私にだってチャンスはある!」
何かに対して意気込んだ。
何にだ? 何のチャンスがあるんだ? ……いや、俺も"もしかしたら"というレベルだが、分かってきてはいる。
その後、マカロンは俺の方に向き直って宣言した。
「私だって……ライバルには負けませんから!」
顔を赤くしながら宣言した後、一人でどこかへ走り去ってしまった。
話が飛び過ぎていてよく分からない。こういうところ、ラルフルとも似てる気がする。
だが俺にはマカロンが言った"ライバル"がリョウのことであるのがなんとなく分かった。
地下室から戻った俺をマカロンが心配して出迎えてくれた。
「大丈夫だ。どこもケガなんてしてねえし」
「ケガ!? やっぱり戦ったんですか!? 無事なんですか!?」
「だからどこもケガしてねえって」
「むしろ相手の方がケガしてそうですよね……」
もっともだ、ラルフル。それにしてもマカロンが普段にも増して心配性だ。
「まあ、コゴーダの眼鏡には適うよな。それでどうなったんだ?」
ジフウも気にはなっていたようで俺に問いかける。
「明日の朝、俺一人で指定された場所に来るように言われた」
「そ、それってまさか罠じゃ!?」
「いーや、ない。シシバに限ってそんなことはしない」
マカロンは不安を述べるが、ジフウはハッキリと否定する。シシバの望みは俺と戦うことにあるようだ。俺の力量を図りつつ、自らが戦うにふさわしい相手かを見極めたいようだ。だがそうなると一つだけ解せないことがある。
「ジフウ。お前の弟もお前と同じで戦うことが好きなタイプか?」
「戦うことが好きなタイプっていうと少し語弊があるな。"戦う事こそ生き甲斐"ってタイプと言ったほうがいいな」
要するに戦闘狂ってやつか。ならますます気になるのは……。
「ならそいつは"回りくどく義賊のような行為を進んでする"タイプなのか?」
「……痛いところを突いてくるな。少なくとも本来はそんな奴じゃない」
ジフウの言い方が妙に引っかかるが、それ以上のことは答えてくれなかった。ここから先は本人に会って直接確認するか。
「後はガルペラに報告しに行くか」
「だったらアタシとラルフルがしてくるわ」
「そうですね。お姉ちゃんとゼロラさんは二人で街でも歩いてきてください」
ミリアとマカロンがニコニコしながら促す。何か悪意のようなものを感じる……。
「し、仕方ないわね。ラルフルとミリアちゃんがそこまで強く言うなら私とゼロラさんはちょっと出かけてくるわ」
いや、そこまで強く言ってねえだろ。
そんな俺の気持ちを他所に、俺はマカロンに半ば強引に街へと連れ出された。
■
「こ、こうしてゼロラさんと二人きりでセンビレッジの街を歩くなんて初めてですよね」
「あ、ああ。そうだな」
俺とマカロンは二人で街を歩いていた。……なぜだか気まずい。
「お? あれは……」
「え? 何ですか?」
俺は目の前の人だかりを見た。
「好き嫌いは許さない! 愛と正義の野菜戦士! キャプテン・サラダバー! とぉう!」
「来たな~、キャプテン・サラダバー! 今日こそはこのヘンショッカー様がこの一帯を"不健康・揚げ物専門店街"に変えてくれるわ~!」
キャプテン・サラダバーとヘンショッカーだ。あいつらまだショーは続けてるのか。
「え!? 何ですかあれ!? 面白そう!」
マカロンはこういうのが結構好きらしい。中身は普通の青年と普通の商会長だがな。
ショーが終わるとせっかくなので俺は二人に声をかけた。
「よお。その後の調子はどうなんだ?」
「あ! ゼロラさん! おかげであれから野菜の売り上げも上々ですよ!」
「でもショーの人気もすごいので、今後も続けていく予定です!」
元気そうで何よりだ。
「おや? 今日は彼女さんもご一緒ですか?」
「よろしければこちらをどうぞ。新商品の"野菜とお肉のカップルサンド"です。その名の通り、カップルにも人気なんですよ」
商会長は俺に新商品を渡してくれた。いつもならここでマカロンが『カップルなんかじゃないです!』と反論してきそうなものだが――
「……私達って、カップルに見えます?」
反論どころか確認してきた。
「あれ? 違うのですか?」
「親子とかには見えませんか?」
「確かに歳の差はありますが、親子とは違う気がしますね。カップルと言ったほうがしっくりきます」
さらにマカロンは質問を重ねた後――
「……よし! 私にだってチャンスはある!」
何かに対して意気込んだ。
何にだ? 何のチャンスがあるんだ? ……いや、俺も"もしかしたら"というレベルだが、分かってきてはいる。
その後、マカロンは俺の方に向き直って宣言した。
「私だって……ライバルには負けませんから!」
顔を赤くしながら宣言した後、一人でどこかへ走り去ってしまった。
話が飛び過ぎていてよく分からない。こういうところ、ラルフルとも似てる気がする。
だが俺にはマカロンが言った"ライバル"がリョウのことであるのがなんとなく分かった。
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