記憶なし、魔力ゼロのおっさんファンタジー

コーヒー微糖派

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第9章 激突・ギャングレオ盗賊団

第115話 ギャングレオ城喧嘩祭り④

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 大分奥へと進んできたな。頭領の部屋ももうすぐだろう。……『頭領まであと少し』って看板に書いてたし。

「ここが最後の通路だといいんだが……」

 俺が辿り着いたのは左右を木造の壁で作られた長い通路だった。これまでのような案内の看板もない。簡素な壁で挟まれただけの通路だった。

「これまでが騒がしかったから、余計に不気味だな……」

 俺は恐る恐る歩いていくが、どうもこの通路はおかしい。左右の壁には奇妙な半円の傷がある。

 ガコン ヒュン!

「ッ!?」

 突如俺の背後から物音がし、小さな刃物が飛んできて顔の横をかすめていった。

「避けられたか……。ここまで来るだけのことはある……」

 振り向くと顔を黒い布で覆い、目だけを出した黒づくめの人物が立っていた。声を聴く限り女のようだ。

 ガコン ガコン ガコン

「奇襲は失敗か……」
「まあいい……」
「直接消せばいいだけのこと……」

 壁が横向きに回転してさらに三人の黒づくめの女が現れる。突然背後から現れたのはこの壁の仕掛けだったのか。

「我ら、ギャングレオ盗賊団の忍衆なり……。暗躍を得意とする、ギャングレオの影……」

 "忍衆"? ギャングレオの影か……。しかし仕掛けを使ったとはいえ、気配なく俺に奇襲をしかけるとは……。
 こいつら……できる!

「お前ら女だろ? 女は殴りたくねえんだが?」
「我らに情けは無用なり……」

 四人の忍衆と名乗る女達は俺を囲うように短剣を逆手に持って構える。この不気味な気配……女相手とはいえ、やるしかねえのか……!?

「驚いたか? ゼロラァ! こいつらこそ俺の切り札、忍衆……だばぶっ!?」

 さらにもう一つの回転扉からサイバラが現れる。
 ……ただし、回転扉が"横"ではなく、"縦"に回転してしまったために、サイバラは頭から地面に落ちてしまった。
 お疲れ様。本日六回目の出撃だな。とりあえず早く起き上がれ。マヌケにこっちに尻を向けたままひっくり返るな。

「キャアアアア!? は、半裸ぁあ!?」
「キャアアアア!? へ、変態ぃい!?」
「キャアアアア!? ち、近寄るなぁあ!?」
「ちょ、ちょっと待ってみんな! あれ、サイバラ隊長だから! 手裏剣投げつけちゃダメだから!」

 サイバラの姿を見た忍衆はその奇天烈ルックスに驚いてサイバラに"手裏剣"と呼ばれる刃物を投げつける。てか、キャラは作ってたんだな。

 ブスッ! ブスッ! ブスッ!

「いでででででぇええ!?」
「サ、サイバラ隊長ぉおお!?」

 サイバラの尻に三つの手裏剣が突き刺さった。すごく痛そう。

「お……お前らぁ……いい加減……慣れろって……」
「サイバラ隊長が服着ればいいだけじゃないですかー!」

 もっともだ。グラサンに半裸なんて、ただの変態じゃねえか。

「し……忍衆……。お、俺を……奥の部屋まで……連れて……撤退……」
「さ、さすがに諦めますか?」

 諦めてくれ。頼むから。

「いや……まだだ……! この奥に・・・・・ホクチ、ナンコ、トーカイもスタンバイさせてる……! それにあそこには……"発電機"も……ある!」

 ……もう勝負自体はお前の勝ちでいいよ。

「ゼロラぁ……次で最後だ……! 正真正銘……次でこそ……決着付けて……やる!!」
「いいから撤退しますよ、サイバラ隊長!」
「そこまでして諦めたくないですか……」
「なーんでこんな半裸のデブを担がなきゃいけないのよー!」
「やな感じ~!」

 サイバラは忍衆四人に担がれて奥の部屋へ行った。
 本日六度目の撤退……。本当に次で最後にしてくれ……。
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