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第18章 光と闇の分岐点
第241話 とある侯爵の鮮烈なる披露宴
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『センビレッジで凄いものを見せるのです! 是非来てほしいのです!』
そんなガルペラからの伝達を受けて、俺とラルフルはセンビレッジにやって来た。
何やら俺とラルフルがそれぞれ出払ってる間に、何かを思いついて実行に移したらしいが――
「なんだ……これ?」
「す、すごい人だかりですよ! わわっ!? 大きなステージまであります!」
呆れる俺と興奮するラルフルの前にあったのは、特大かつ壮大な仕掛けが施されたショーのためのステージだった。
そしてその周りには辺り一面の人、人、人……。
「フッフッフ~! 驚いたのですか? ゼロラさん、ラルフル君」
そんな俺達の元に、この騒動の元凶と思われるガルペラ本人が現れた。
「ガルペラ侯爵! あれは何ですか!?」
「聞いて驚くのです! あれはセンビレッジの盛り上げとパサラダ野菜の宣伝を兼ねた一大イベント――ヒーローショー! お題目は『キャプテン・サラダバーVSヘンショッカー頂上決戦』なのです!」
ヒーローショー……。キャプテン・サラダバー……。
よりにもよってこのお子様侯爵が目を付けてしまったのか……。
「ヒーローショー!? ガルペラ侯爵が監修してるんですか!? す、すごいですよ!」
「フッフッフ~! ゼロラさんやラルフル君が帰ってきたら、驚かせようと思って準備してたのです!」
自信満々に胸を張るガルペラ。
目をキラキラさせながら驚くラルフル。
あっけに取られて驚く俺。
「それにしても俺達がいなかったのは三日程度だろ? よくその間にこれだけのステージを用意できたな」
「てやんでい! それは俺と俺の部下、ギャングレオ盗賊団土方衆の力ってもんでい!」
俺が投げかけた疑問に答えたのは、ギャングレオ盗賊団建設現場主任のヤカタだった。
初めてガルペラに紹介された時に頼りにされそうだったが、こんな形で頼られたのかよ……。
後、部下の"土方衆"ってなんだよ……。
「それにしてもよくこれだけの人が集まりましたね!」
「そこはあっしとあっしの部下、ギャングレオ盗賊団事務衆の宣伝能力の賜物ってもんでやす。デスクワークだけが事務衆の力ではないんでやすよ」
ラルフルが投げかけた疑問に答えたのは、ギャングレオ盗賊団企画営業部長のネモトだった。
確かに企画営業ってなればこいつの力が役に立ちそうだが、こんなところでその力を発揮するなよ……。
後、部下の"事務衆"ってなんだよ……。
「ガルペラ。ギャングレオ盗賊団の力を借りてまで何やってるんだよ……」
「私が考える理想のヒーロショーのためには彼らの力が必要不可欠だったのです。これはセンビレッジのためでもあるのです」
もういいよ、それで。
そもそもガルペラは改革派のリーダーといえる存在とはいえ、見た目も中身も完全なお子様だ。
王国騎士団との戦いの準備はこっちで進めておけばいいだろう。
餅は餅屋。ガルペラには得意の内政を頑張ってもらおう。
……ギャングレオ盗賊団が"盗賊団してない"ことにはもうツッコまないぞ。
「見てくださいよ、ゼロラさん! ヒーローショーのグッズも売ってますよ!」
ラルフルが嬉々とした様子で出店で売られているヒーローショーのグッズを俺に見せてくる。
こいつってこういうのが好きなんだな……。
「お面に、絵に、フィギュアに……。よくこれだけ用意したもんだな」
ガルペラや商会が用意したものなのだろう。
ステージ周りの出店にはキャプテン・サラダバーやヘンショッカー等のグッズが所狭しと並べられていた。
「ん? この"ヘンショ・クイーン"ってキャラのフィギュア、どこかで見たことがあるような……?」
俺はふと近くにあった仮面の悪役っぽい女性キャラのフィギュアを手に取った。
服装はだいぶ違うし色気を出しまくっているが、このキャラ……ものすごく俺の知ってる人物のような――
「み、見ないでください……!」
「……お前だったか、ローゼス」
ローゼスが顔を手で覆い隠しながら俺に嘆願してきた。
やっぱりこの"ヘンショ・クイーン"ってローゼスの事だったのか……。
よく見ると中々売れ行きはいいようだ。……主に中高年の男性層に。
「お前、ガルペラの側近ではあるが母親代わりでもあるんだろ? 止めろよ……」
「すみません……。私もついノリにノッてしまいまして……」
え? ノリノリだったの? 何やってるの、ローゼス?
「てやんでい! "ヘンショ・クイーン"のフィギュアは特に完成度に自信があるでい!」
「顧客のニーズにお応えする……。"ヘンショ・クイーン"のフィギュアへの要望は多かったですからねい。あっしらも協力いたしやしたよ」
ヤカタとネモトも"ヘンショ・クイーン"のフィギュア作成に協力したのかよ……。
確かにこのフィギュアだけ完成度が異様に高い。小さく『監修:ギャングレオ盗賊団』って書いてるし。
ギャングレオ盗賊団の異様な技術力の高さが垣間見える。
この二人、こういうことをやらせたら最強だな。
……この二人がギャングレオ"盗賊団"の幹部だなんてことはもう知らん。
「準備は万端なのです! 今こそセンビレッジ領主、ガルペラ侯爵の力をお見せするのです!」
ガルペラがポーズを決めながら高らかに宣言する。
こいつは領主としては優秀なんだろう。盛り上げる手腕については本物だ。
見た目も中身も完全にお子様だけどな……。
そんなガルペラからの伝達を受けて、俺とラルフルはセンビレッジにやって来た。
何やら俺とラルフルがそれぞれ出払ってる間に、何かを思いついて実行に移したらしいが――
「なんだ……これ?」
「す、すごい人だかりですよ! わわっ!? 大きなステージまであります!」
呆れる俺と興奮するラルフルの前にあったのは、特大かつ壮大な仕掛けが施されたショーのためのステージだった。
そしてその周りには辺り一面の人、人、人……。
「フッフッフ~! 驚いたのですか? ゼロラさん、ラルフル君」
そんな俺達の元に、この騒動の元凶と思われるガルペラ本人が現れた。
「ガルペラ侯爵! あれは何ですか!?」
「聞いて驚くのです! あれはセンビレッジの盛り上げとパサラダ野菜の宣伝を兼ねた一大イベント――ヒーローショー! お題目は『キャプテン・サラダバーVSヘンショッカー頂上決戦』なのです!」
ヒーローショー……。キャプテン・サラダバー……。
よりにもよってこのお子様侯爵が目を付けてしまったのか……。
「ヒーローショー!? ガルペラ侯爵が監修してるんですか!? す、すごいですよ!」
「フッフッフ~! ゼロラさんやラルフル君が帰ってきたら、驚かせようと思って準備してたのです!」
自信満々に胸を張るガルペラ。
目をキラキラさせながら驚くラルフル。
あっけに取られて驚く俺。
「それにしても俺達がいなかったのは三日程度だろ? よくその間にこれだけのステージを用意できたな」
「てやんでい! それは俺と俺の部下、ギャングレオ盗賊団土方衆の力ってもんでい!」
俺が投げかけた疑問に答えたのは、ギャングレオ盗賊団建設現場主任のヤカタだった。
初めてガルペラに紹介された時に頼りにされそうだったが、こんな形で頼られたのかよ……。
後、部下の"土方衆"ってなんだよ……。
「それにしてもよくこれだけの人が集まりましたね!」
「そこはあっしとあっしの部下、ギャングレオ盗賊団事務衆の宣伝能力の賜物ってもんでやす。デスクワークだけが事務衆の力ではないんでやすよ」
ラルフルが投げかけた疑問に答えたのは、ギャングレオ盗賊団企画営業部長のネモトだった。
確かに企画営業ってなればこいつの力が役に立ちそうだが、こんなところでその力を発揮するなよ……。
後、部下の"事務衆"ってなんだよ……。
「ガルペラ。ギャングレオ盗賊団の力を借りてまで何やってるんだよ……」
「私が考える理想のヒーロショーのためには彼らの力が必要不可欠だったのです。これはセンビレッジのためでもあるのです」
もういいよ、それで。
そもそもガルペラは改革派のリーダーといえる存在とはいえ、見た目も中身も完全なお子様だ。
王国騎士団との戦いの準備はこっちで進めておけばいいだろう。
餅は餅屋。ガルペラには得意の内政を頑張ってもらおう。
……ギャングレオ盗賊団が"盗賊団してない"ことにはもうツッコまないぞ。
「見てくださいよ、ゼロラさん! ヒーローショーのグッズも売ってますよ!」
ラルフルが嬉々とした様子で出店で売られているヒーローショーのグッズを俺に見せてくる。
こいつってこういうのが好きなんだな……。
「お面に、絵に、フィギュアに……。よくこれだけ用意したもんだな」
ガルペラや商会が用意したものなのだろう。
ステージ周りの出店にはキャプテン・サラダバーやヘンショッカー等のグッズが所狭しと並べられていた。
「ん? この"ヘンショ・クイーン"ってキャラのフィギュア、どこかで見たことがあるような……?」
俺はふと近くにあった仮面の悪役っぽい女性キャラのフィギュアを手に取った。
服装はだいぶ違うし色気を出しまくっているが、このキャラ……ものすごく俺の知ってる人物のような――
「み、見ないでください……!」
「……お前だったか、ローゼス」
ローゼスが顔を手で覆い隠しながら俺に嘆願してきた。
やっぱりこの"ヘンショ・クイーン"ってローゼスの事だったのか……。
よく見ると中々売れ行きはいいようだ。……主に中高年の男性層に。
「お前、ガルペラの側近ではあるが母親代わりでもあるんだろ? 止めろよ……」
「すみません……。私もついノリにノッてしまいまして……」
え? ノリノリだったの? 何やってるの、ローゼス?
「てやんでい! "ヘンショ・クイーン"のフィギュアは特に完成度に自信があるでい!」
「顧客のニーズにお応えする……。"ヘンショ・クイーン"のフィギュアへの要望は多かったですからねい。あっしらも協力いたしやしたよ」
ヤカタとネモトも"ヘンショ・クイーン"のフィギュア作成に協力したのかよ……。
確かにこのフィギュアだけ完成度が異様に高い。小さく『監修:ギャングレオ盗賊団』って書いてるし。
ギャングレオ盗賊団の異様な技術力の高さが垣間見える。
この二人、こういうことをやらせたら最強だな。
……この二人がギャングレオ"盗賊団"の幹部だなんてことはもう知らん。
「準備は万端なのです! 今こそセンビレッジ領主、ガルペラ侯爵の力をお見せするのです!」
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