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第18章 光と闇の分岐点
第249話 ナイトメアハザード・激
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「お、おい!? これはどういうことだ!?」
「何がどないなっとんねん!? リョウも中におるんか!?」
魔幻塔の前に戻ってきたジフウとシシバが目にしたものは、魔幻塔全体を覆い隠す膨大な闇であった。
その少し前に妹のリョウが魔幻塔に連れ戻されたという話を聞いており、目の前に映る魔幻塔の現状もそれが原因ではないかと感じ取った。
「お、お前ら! ギャングレオの面子はどないしたんや!?」
「カ、カシラが戻ってくる前にコゴーダの兄貴とサイバラの兄貴も戻ってきて、この事態を見るや否や中へ飛び込んで行ったでヤンス!」
「それにさっきから魔幻塔の中にいる兵隊達がこっちに襲ってきてるでゴンス! 何かに操られてるみたいに襲ってきて怖いでゴンス!」
「俺達だけじゃ兵隊を止めるので精いっぱいでアリンス!」
シシバの聞かれて答えたホクチ、ナンコ、トーカイから伝えられた現状。
そこから考えられるのは『この闇によって中の人間が操られている』ということ――
魔幻塔の兵隊達は今尚、塔の中から出てきて周囲へと無差別に攻撃を繰り返している。
「マズい状況だぞ……! お前のところの幹部は大丈夫なのか!?」
「コゴーダもサイバラもまだ出てきてへんところを見ると、まだ大丈夫やとは思うけど……」
ジフウもシシバもこの異常事態に困惑してしまう。
だが、さらに二人の不安を掻き立てる声が塔の屋上から発せられた――
「クハハハハ! いいヨ! お前達! そうやって全部滅茶苦茶にしテ、この国を――邪魔な世界を消しちゃうんダ!!」
「「リョウ!!??」」
魔幻塔の屋上に浮かぶ一際膨大な闇に覆われた一人の影。
狂った声を上げながら、この闇を生み出していると思われる人物。
それはジフウとシシバの妹――リョウの姿であった。
「ど、どういうことだ!? この闇はリョウが生み出してるのか!?」
「おい! リョウ! 何やっとるんや!? 早うこないなことやめるんや!!」
妹に対して必死に呼びかける兄二人。
だが、その声は届かない。
リョウはさらに自らの体からこの騒動の原因となっている闇を放出させ、今度は空をも覆い隠そうとし始める。
「くそ! これは悠長なことも言ってられねえ! 黒蛇部隊! 全員出撃するぞ! 魔幻塔の屋上を目指せ!」
「ギャングレオ盗賊団! お前らはここでおかしなった兵隊どもの相手しとれ! 俺も黒蛇部隊と一緒に魔幻塔の中に向かうで!」
最早立場上の敵味方など関係ない。
ジフウもシシバも妹を助けるために、魔幻塔内部へと進入を始める。
「クハハハハ!! そうだヨ! ボクの大切な人達を傷つけル、こんな悪夢のような世界はいらないんダ! 全部……全部壊れちゃえばいいんダァアア!!」
今のリョウに正気と言えるような意識はない。
『守るために全てを破壊する』という支離滅裂な発言をしながら、とにかく闇を放出し続ける。
それは、具現化された"悪夢"のような姿で……。
■
「フフ……ウフフフ……!」
「おや? どうしたのかな? "悪夢の少女"よ?」
時を同じくして魔幻塔からはるか離れた魔王城の内部で、全ての元凶となっている<ナイトメアハザード>の生みの親である幼い少女が玉座に座して笑っていた。
「愚カな人間どモガ! わたシノ<ナイトメアハザード>を使ッテ何をスルかと思エば、ワたシの悪夢ヲ世界中にバラまいテ自ら破滅ノ道を歩もウトするトハな!!」
「ほう……。<ナイトメアハザード>を利用する人間が現れた……か」
玉座に座する少女の横で、彼女を"悪夢の少女"と呼んだ男――"紅の賢者"も笑いながら事態について考えていた。
「どうヤら<ナイトメアハザード>ヲ一人の人間ニ憑依さセ、利用しヨウと考エていたヨウだナ! 丁度いイ! こノ人間をワタしが利用しテ、まズハ憎きルクガイア王国を滅ぼシてやろうゾ!!」
少女は両手を天へと掲げ、気配を辿る。
自らの能力でリョウを意のままに操ろうと画策する。
「さア! 人間どモよ! このワたシの力で、全テ根絶やシにしテクレようゾォォオオ!!!」
少女はただただ行使する。自らの怒りを、人間への憎しみから生まれた暴力をただ思うがままに――
そんな少女の姿を、"紅の賢者"はただただ眺めているだけだった。
己の考えを少女の耳に入らぬよう、少しだけ口にしながら――
「愚劣愚劣。己が身も半分は"人間"であることさえ忘れた……か」
「何がどないなっとんねん!? リョウも中におるんか!?」
魔幻塔の前に戻ってきたジフウとシシバが目にしたものは、魔幻塔全体を覆い隠す膨大な闇であった。
その少し前に妹のリョウが魔幻塔に連れ戻されたという話を聞いており、目の前に映る魔幻塔の現状もそれが原因ではないかと感じ取った。
「お、お前ら! ギャングレオの面子はどないしたんや!?」
「カ、カシラが戻ってくる前にコゴーダの兄貴とサイバラの兄貴も戻ってきて、この事態を見るや否や中へ飛び込んで行ったでヤンス!」
「それにさっきから魔幻塔の中にいる兵隊達がこっちに襲ってきてるでゴンス! 何かに操られてるみたいに襲ってきて怖いでゴンス!」
「俺達だけじゃ兵隊を止めるので精いっぱいでアリンス!」
シシバの聞かれて答えたホクチ、ナンコ、トーカイから伝えられた現状。
そこから考えられるのは『この闇によって中の人間が操られている』ということ――
魔幻塔の兵隊達は今尚、塔の中から出てきて周囲へと無差別に攻撃を繰り返している。
「マズい状況だぞ……! お前のところの幹部は大丈夫なのか!?」
「コゴーダもサイバラもまだ出てきてへんところを見ると、まだ大丈夫やとは思うけど……」
ジフウもシシバもこの異常事態に困惑してしまう。
だが、さらに二人の不安を掻き立てる声が塔の屋上から発せられた――
「クハハハハ! いいヨ! お前達! そうやって全部滅茶苦茶にしテ、この国を――邪魔な世界を消しちゃうんダ!!」
「「リョウ!!??」」
魔幻塔の屋上に浮かぶ一際膨大な闇に覆われた一人の影。
狂った声を上げながら、この闇を生み出していると思われる人物。
それはジフウとシシバの妹――リョウの姿であった。
「ど、どういうことだ!? この闇はリョウが生み出してるのか!?」
「おい! リョウ! 何やっとるんや!? 早うこないなことやめるんや!!」
妹に対して必死に呼びかける兄二人。
だが、その声は届かない。
リョウはさらに自らの体からこの騒動の原因となっている闇を放出させ、今度は空をも覆い隠そうとし始める。
「くそ! これは悠長なことも言ってられねえ! 黒蛇部隊! 全員出撃するぞ! 魔幻塔の屋上を目指せ!」
「ギャングレオ盗賊団! お前らはここでおかしなった兵隊どもの相手しとれ! 俺も黒蛇部隊と一緒に魔幻塔の中に向かうで!」
最早立場上の敵味方など関係ない。
ジフウもシシバも妹を助けるために、魔幻塔内部へと進入を始める。
「クハハハハ!! そうだヨ! ボクの大切な人達を傷つけル、こんな悪夢のような世界はいらないんダ! 全部……全部壊れちゃえばいいんダァアア!!」
今のリョウに正気と言えるような意識はない。
『守るために全てを破壊する』という支離滅裂な発言をしながら、とにかく闇を放出し続ける。
それは、具現化された"悪夢"のような姿で……。
■
「フフ……ウフフフ……!」
「おや? どうしたのかな? "悪夢の少女"よ?」
時を同じくして魔幻塔からはるか離れた魔王城の内部で、全ての元凶となっている<ナイトメアハザード>の生みの親である幼い少女が玉座に座して笑っていた。
「愚カな人間どモガ! わたシノ<ナイトメアハザード>を使ッテ何をスルかと思エば、ワたシの悪夢ヲ世界中にバラまいテ自ら破滅ノ道を歩もウトするトハな!!」
「ほう……。<ナイトメアハザード>を利用する人間が現れた……か」
玉座に座する少女の横で、彼女を"悪夢の少女"と呼んだ男――"紅の賢者"も笑いながら事態について考えていた。
「どうヤら<ナイトメアハザード>ヲ一人の人間ニ憑依さセ、利用しヨウと考エていたヨウだナ! 丁度いイ! こノ人間をワタしが利用しテ、まズハ憎きルクガイア王国を滅ぼシてやろうゾ!!」
少女は両手を天へと掲げ、気配を辿る。
自らの能力でリョウを意のままに操ろうと画策する。
「さア! 人間どモよ! このワたシの力で、全テ根絶やシにしテクレようゾォォオオ!!!」
少女はただただ行使する。自らの怒りを、人間への憎しみから生まれた暴力をただ思うがままに――
そんな少女の姿を、"紅の賢者"はただただ眺めているだけだった。
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