270 / 476
第20章 獅子は吠え、虎は猛る
第270話 獅子凶行逆襲戦③
しおりを挟む
「準備ができたのです! これで<転移魔法陣>が使えるのです!」
図書室に入ると早速ガルペラが<転移魔法陣>を準備してくれた。
これでこの屋敷からも脱出できるが――
「しかしギャングレオ盗賊団が敵の術中にはまってしまったか……。これでは王国騎士団と戦う以前の話になってしまったな……」
「そうですわね……。たとえここから逃げ出せても、今後に大きな支障が――」
ロギウスとローゼスが苦悶の表情を浮かばせている。
脱出を優先させるべき状況だが、たとえ脱出に成功しても今後の戦いは圧倒的に不利なままだ。
――仕方ない。俺が動こう。
「ロギウス、ガルペラ、ローゼス。お前ら三人だけで脱出してくれ。俺はここに残る」
「な、何を言ってるのですか!? ゼロラさん! ゼロラさんを置いて脱出なんてできないのです!」
「俺はシシバと話をつけてくる。頭領であるシシバさえ説得できれば、ギャングレオ盗賊団の暴走も抑えられるかもしれない」
俺の身を案じるガルペラだったが、この状況を放っておくわけにはいかない。
このままギャングレオ盗賊団を暴走させるわけにもいかないし、今回の件にはあの<ナイトメアハザード>も関わっている。
リョウを苦しめた力の元凶。悲しい少女の声が呼び起こした悪夢。
俺にはこれらを野放しにはできなかった。
「……信じて大丈夫だね? ゼロラ殿」
「ああ。ギャングレオ盗賊団の暴走は俺が必ず食い止める。そっちのことは任せたぞ、ロギウス」
表情からまだ不安も伺えるロギウスだったが、俺の言葉を信じて後を託してくれた。
ガルペラとローゼスのことはロギウスに任せよう。
屋敷から離れられれば大丈夫だと思うが、もしかしたらこの騒動を引き起こした黒幕が外で待ち構えているかもしれない。
ガルペラ、ローゼス、ロギウスの三人は<転移魔法陣>の中へと入っていった――
「ゼロラさん! 必ず無事でいるのです! 信じてるのです――」
魔法陣の光に包まれながら、ガルペラの激励の言葉と共に三人の姿は消えていった――
後は無事を祈るだけだ。
「……よし。俺も向かうとするか」
俺は地下の図書室を出て、再び屋敷の廊下を進んで行った――
■
「ドオラァア!!」
「うぎぃ!? く、くそ……!」
俺は来た道を再度戻る。
道中のギャングレオ盗賊団をなぎ倒しながら階段を上がっていく。
ギャングレオ盗賊団はガルペラを探して進撃を続けているが、どうやら最上階にあるガルペラの執務室を目指しているらしい。
この集団の先頭を走っているのはおそらく――
「ガルペラァアア!! どこ行きおったぁあ!? 出てこんかいぃい!!」
――やはりいた! シシバだ!
部下を三人ほど引き連れて先陣を切っている!
どんどんと階段を上がって先へと進んで行くが、とにかくあいつを止めて――
ガガガガッ!
「ッ!? 後ろから!? 銃撃か!?」
シシバを止めようとした矢先、俺の背後から多数の銃弾が襲い掛かってきた。
幸い当たることはなかったが、後続から邪魔を入れられてはあのシシバの相手をするのは難しい。
俺は後ろを振り向いて銃を撃ってきた相手の姿を確認した――
「ゼロラの旦那もいやしたとはね……! ガルペラの居所を吐いてもらいやしょうか……!」
図書室に入ると早速ガルペラが<転移魔法陣>を準備してくれた。
これでこの屋敷からも脱出できるが――
「しかしギャングレオ盗賊団が敵の術中にはまってしまったか……。これでは王国騎士団と戦う以前の話になってしまったな……」
「そうですわね……。たとえここから逃げ出せても、今後に大きな支障が――」
ロギウスとローゼスが苦悶の表情を浮かばせている。
脱出を優先させるべき状況だが、たとえ脱出に成功しても今後の戦いは圧倒的に不利なままだ。
――仕方ない。俺が動こう。
「ロギウス、ガルペラ、ローゼス。お前ら三人だけで脱出してくれ。俺はここに残る」
「な、何を言ってるのですか!? ゼロラさん! ゼロラさんを置いて脱出なんてできないのです!」
「俺はシシバと話をつけてくる。頭領であるシシバさえ説得できれば、ギャングレオ盗賊団の暴走も抑えられるかもしれない」
俺の身を案じるガルペラだったが、この状況を放っておくわけにはいかない。
このままギャングレオ盗賊団を暴走させるわけにもいかないし、今回の件にはあの<ナイトメアハザード>も関わっている。
リョウを苦しめた力の元凶。悲しい少女の声が呼び起こした悪夢。
俺にはこれらを野放しにはできなかった。
「……信じて大丈夫だね? ゼロラ殿」
「ああ。ギャングレオ盗賊団の暴走は俺が必ず食い止める。そっちのことは任せたぞ、ロギウス」
表情からまだ不安も伺えるロギウスだったが、俺の言葉を信じて後を託してくれた。
ガルペラとローゼスのことはロギウスに任せよう。
屋敷から離れられれば大丈夫だと思うが、もしかしたらこの騒動を引き起こした黒幕が外で待ち構えているかもしれない。
ガルペラ、ローゼス、ロギウスの三人は<転移魔法陣>の中へと入っていった――
「ゼロラさん! 必ず無事でいるのです! 信じてるのです――」
魔法陣の光に包まれながら、ガルペラの激励の言葉と共に三人の姿は消えていった――
後は無事を祈るだけだ。
「……よし。俺も向かうとするか」
俺は地下の図書室を出て、再び屋敷の廊下を進んで行った――
■
「ドオラァア!!」
「うぎぃ!? く、くそ……!」
俺は来た道を再度戻る。
道中のギャングレオ盗賊団をなぎ倒しながら階段を上がっていく。
ギャングレオ盗賊団はガルペラを探して進撃を続けているが、どうやら最上階にあるガルペラの執務室を目指しているらしい。
この集団の先頭を走っているのはおそらく――
「ガルペラァアア!! どこ行きおったぁあ!? 出てこんかいぃい!!」
――やはりいた! シシバだ!
部下を三人ほど引き連れて先陣を切っている!
どんどんと階段を上がって先へと進んで行くが、とにかくあいつを止めて――
ガガガガッ!
「ッ!? 後ろから!? 銃撃か!?」
シシバを止めようとした矢先、俺の背後から多数の銃弾が襲い掛かってきた。
幸い当たることはなかったが、後続から邪魔を入れられてはあのシシバの相手をするのは難しい。
俺は後ろを振り向いて銃を撃ってきた相手の姿を確認した――
「ゼロラの旦那もいやしたとはね……! ガルペラの居所を吐いてもらいやしょうか……!」
0
あなたにおすすめの小説
99歳で亡くなり異世界に転生した老人は7歳の子供に生まれ変わり、召喚魔法でドラゴンや前世の世界の物を召喚して世界を変える
ハーフのクロエ
ファンタジー
夫が病気で長期入院したので夫が途中まで書いていた小説を私なりに書き直して完結まで投稿しますので応援よろしくお願いいたします。
主人公は建築会社を55歳で取り締まり役常務をしていたが惜しげもなく早期退職し田舎で大好きな農業をしていた。99歳で亡くなった老人は前世の記憶を持ったまま7歳の少年マリュウスとして異世界の僻地の男爵家に生まれ変わる。10歳の鑑定の儀で、火、水、風、土、木の5大魔法ではなく、この世界で初めての召喚魔法を授かる。最初に召喚出来たのは弱いスライム、モグラ魔獣でマリウスはガッカリしたが優しい家族に見守られ次第に色んな魔獣や地球の、物などを召喚出来るようになり、僻地の男爵家を発展させ気が付けば大陸一豊かで最強の小さい王国を起こしていた。
異世界だろうがソロキャンだろう!? one more camp!
ちゃりネコ
ファンタジー
ソロキャン命。そして異世界で手に入れた能力は…Awazonで買い物!?
夢の大学でキャンパスライフを送るはずだった主人公、四万十 葦拿。
しかし、運悪く世界的感染症によって殆ど大学に通えず、彼女にまでフラれて鬱屈とした日々を過ごす毎日。
うまくいかないプライベートによって押し潰されそうになっていた彼を救ったのはキャンプだった。
次第にキャンプ沼へのめり込んでいった彼は、全国のキャンプ場を制覇する程のヘビーユーザーとなり、着実に経験を積み重ねていく。
そして、知らん内に異世界にすっ飛ばされたが、どっぷりハマっていたアウトドア経験を駆使して、なんだかんだ未知のフィールドを楽しむようになっていく。
遭難をソロキャンと言い張る男、四万十 葦拿の異世界キャンプ物語。
別に要らんけど異世界なんでスマホからネットショッピングする能力をゲット。
Awazonの商品は3億5371万品目以上もあるんだって!
すごいよね。
―――――――――
以前公開していた小説のセルフリメイクです。
アルファポリス様で掲載していたのは同名のリメイク前の作品となります。
基本的には同じですが、リメイクするにあたって展開をかなり変えているので御注意を。
1話2000~3000文字で毎日更新してます。
無魔力の令嬢、婚約者に裏切られた瞬間、契約竜が激怒して王宮を吹き飛ばしたんですが……
タマ マコト
ファンタジー
王宮の祝賀会で、無魔力と蔑まれてきた伯爵令嬢エリーナは、王太子アレクシオンから突然「婚約破棄」を宣告される。侍女上がりの聖女セレスが“新たな妃”として選ばれ、貴族たちの嘲笑がエリーナを包む。絶望に胸が沈んだ瞬間、彼女の奥底で眠っていた“竜との契約”が目を覚まし、空から白銀竜アークヴァンが降臨。彼はエリーナの涙に激怒し、王宮を半壊させるほどの力で彼女を守る。王国は震え、エリーナは自分が竜の真の主であるという運命に巻き込まれていく。
帰国した王子の受難
ユウキ
恋愛
庶子である第二王子は、立場や情勢やら諸々を鑑みて早々に隣国へと無期限遊学に出た。そうして年月が経ち、そろそろ兄(第一王子)が立太子する頃かと、感慨深く想っていた頃に突然届いた帰還命令。
取り急ぎ舞い戻った祖国で見たのは、修羅場であった。
酒好きおじさんの異世界酒造スローライフ
天野 恵
ファンタジー
酒井健一(51歳)は大の酒好きで、酒類マスターの称号を持ち世界各国を飛び回っていたほどの実力だった。
ある日、深酒して帰宅途中に事故に遭い、気がついたら異世界に転生していた。転移した際に一つの“スキル”を授かった。
そのスキルというのは【酒聖(しゅせい)】という名のスキル。
よくわからないスキルのせいで見捨てられてしまう。
そんな時、修道院シスターのアリアと出会う。
こうして、2人は異世界で仲間と出会い、お酒作りや飲み歩きスローライフが始まる。
能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?
火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…?
24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?
【改訂版アップ】10日間の異世界旅行~帰れなくなった二人の異世界冒険譚~
ばいむ
ファンタジー
10日間の異世界旅行~帰れなくなった二人の異世界冒険譚~
大筋は変わっていませんが、内容を見直したバージョンを追加でアップしています。単なる自己満足の書き直しですのでオリジナルを読んでいる人は見直さなくてもよいかと思います。主な変更点は以下の通りです。
話数を半分以下に統合。このため1話辺りの文字数が倍増しています。
説明口調から対話形式を増加。
伏線を考えていたが使用しなかった内容について削除。(龍、人種など)
別視点内容の追加。
剣と魔法の世界であるライハンドリア・・・。魔獣と言われるモンスターがおり、剣と魔法でそれを倒す冒険者と言われる人達がいる世界。
高校の休み時間に突然その世界に行くことになってしまった。この世界での生活は10日間と言われ、混乱しながらも楽しむことにしたが、なぜか戻ることができなかった。
特殊な能力を授かるわけでもなく、生きるための力をつけるには自ら鍛錬しなければならなかった。魔獣を狩り、いろいろな遺跡を訪ね、いろいろな人と出会った。何度か死にそうになったこともあったが、多くの人に助けられながらも少しずつ成長し、なんとか生き抜いた。
冒険をともにするのは同じく異世界に転移してきた女性・ジェニファー。彼女と出会い、ともに生き抜き、そして別れることとなった。
2021/06/27 無事に完結しました。
2021/09/10 後日談の追加を開始
2022/02/18 後日談完結しました。
2025/03/23 自己満足の改訂版をアップしました。
【男装歴10年】異世界で冒険者パーティやってみた【好きな人がいます】
リコピン
ファンタジー
前世の兄と共に異世界転生したセリナ。子どもの頃に親を失い、兄のシオンと二人で生きていくため、セリナは男装し「セリ」と名乗るように。それから十年、セリとシオンは、仲間を集め冒険者パーティを組んでいた。
これは、異世界転生した女の子がお仕事頑張ったり、恋をして性別カミングアウトのタイミングにモダモダしたりしながら過ごす、ありふれた毎日のお話。
※日常ほのぼの?系のお話を目指しています。
※同性愛表現があります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる