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第24章 常なる陰が夢見た未来
第354話 対決・元魔王軍四天王②
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『本気を出す』と言ったダンジェロは、左手を俺の方へとかざす――
ブゥウウン――
――そして俺の足元から立ち込める、<詠唱の黒霧>。
それはどんどんと俺を飲み込むほどに膨れ上がっていく――
「この技は!? 俺には見せたことのない技か!?」
「確かに卿には見せたことがなかったな。なに、"原理"は同じだ。さあ……避けてみたまえ!」
俺も初めて見るダンジェロの技――
だがこいつ自身も言っている通り、技の原理は変わらない。
俺は後ろに下がって、<詠唱の黒霧>から距離を置く。
そしてダンジェロの方は、かざした左手を握りしめる――
ドガァアアン!!
――それと同時に起こる大爆発。
<詠唱の黒霧>があった場所は、壮大な爆炎に包まれていた――
「よそ見をする余裕などあるのかね? 小生は――ここだ!」
「しまった!?」
爆炎で姿を隠し、ダンジェロは<縮地>で俺の傍まで近づいていた!
そしてその左手で、俺の肩を掴む――
ボォオオン!
「ぐぅう!?」
ダンジェロが掴んだ俺の肩から、爆発が巻き起こる!
慌ててダンジェロから距離を置くが、爆発で焼かれた肩が痛む。
「そういえば、お前は"掴んだものを爆発させる"こともできるんだったな……!」
「左様左様。小生の技を把握しているのならば、対処してもらわねば面白くない……な!」
ダンジェロは相変わらずニヤつきながら、余裕を見せている。
ここまではダンジェロの優勢。
巻き起こす炎で戦場を支配し、俺を圧倒してきている。
俺に魔法が使えたら、ダンジェロも問題なく倒せた。
だが今の俺に残っている力は、この身に刻まれた武術のみ――
それでこいつを倒してみせよう。
そのことが俺も今後、"ゼロラ"という人間として生きていくことの糧となる――
「行くぞ――ダンジェロォオ!!」
「来たまえ――【零の修羅】よ!!」
俺は再びダンジェロとの距離を詰める。
ダンジェロも<縮地>を使って距離を離そうとするが、俺もそれに追随する。
「むぅ……!? 小生の動きを捉えているのか?」
「お前の動きは読めている。どれだけ<縮地>で離そうとしても、どこに動くか読めれば反応できる!」
俺はダンジェロの動く先を読んで、先手を打つ。
<詠唱の黒霧>による遠隔攻撃も、俺と近づいたままでは使えない。
ドゴムッ!
「んぐぅ!? ハッハッハッ……フハハハッ!」
次第に俺の攻撃が通り始める。
ラッシュによる一撃一撃がダンジェロに当たるが、当の本人にはまだ余裕が見える。
ダンジェロは笑いながら攻撃の機会を伺っている――
「仕方あるまい。小生とて、護身用の<杖術>ぐらいは覚えがある」
「ぐっ!? 杖を!?」
俺と距離をとるのを無理と判断したのか、ダンジェロは右手に持った杖で反撃に転じる。
自身の周囲に杖を旋回させつつ、俺を"仕留める"ことよりも"いたぶる"ことを目的とした<杖術>――
「お前もこういう武術を持ってたんだな……!」
「生憎と、小生が使えるものは卿とは違い、その場しのぎのものだが……な!!」
ガシィイ!
俺がダンジェロの突然使った<杖術>に怯んだ隙に、左手で首根っこを掴まれた。
ダンジェロは俺の体を軽々と持ち上げる――
「この力……。つくづくお前の"正体"が信じれなくなってくるな」
「それを卿に言われる筋合いはないと思うがね? まあ、いい。小生の最大火力の劫火……受け取りたまえ!!」
ダンジェロは俺の首を握りしめた左手に力を込める。
そして、左手の袖口から少しずつ溢れる<詠唱の黒霧>――
――この時を待っていた。
ここまで俺と密接した状態なら、こいつとて逃れられまい。
「オラァアッ!!」
俺は無理矢理ダンジェロの襟元を掴み、その額に自らの額を激しくぶつける。
ゴチンッ!!
「うぐぅ……! あの頃よりも、随分と品のない戦い方をするな……!」
その衝撃に耐えかねたダンジェロは、咄嗟に俺の首を掴んでいた左手を離す――
「悪いが、一人で爆発しててもらうぞ。ダンジェロ」
「ハッハッハッ。流石流石……! これは見誤った……か!」
そのまま俺はダンジェロを蹴り飛ばして、距離を離す――
ドガァアアン!!
――飛ばされたダンジェロは、自身の左手の爆発に巻き込まれる。
俺に蹴り飛ばされた時、ダンジェロは体勢を崩したためか、その爆発をまともに浴びてしまう。
そのままダンジェロは爆風で吹き飛び、自らが用意した炎の壁へと飲み込まれていった――
ブゥウウン――
――そして俺の足元から立ち込める、<詠唱の黒霧>。
それはどんどんと俺を飲み込むほどに膨れ上がっていく――
「この技は!? 俺には見せたことのない技か!?」
「確かに卿には見せたことがなかったな。なに、"原理"は同じだ。さあ……避けてみたまえ!」
俺も初めて見るダンジェロの技――
だがこいつ自身も言っている通り、技の原理は変わらない。
俺は後ろに下がって、<詠唱の黒霧>から距離を置く。
そしてダンジェロの方は、かざした左手を握りしめる――
ドガァアアン!!
――それと同時に起こる大爆発。
<詠唱の黒霧>があった場所は、壮大な爆炎に包まれていた――
「よそ見をする余裕などあるのかね? 小生は――ここだ!」
「しまった!?」
爆炎で姿を隠し、ダンジェロは<縮地>で俺の傍まで近づいていた!
そしてその左手で、俺の肩を掴む――
ボォオオン!
「ぐぅう!?」
ダンジェロが掴んだ俺の肩から、爆発が巻き起こる!
慌ててダンジェロから距離を置くが、爆発で焼かれた肩が痛む。
「そういえば、お前は"掴んだものを爆発させる"こともできるんだったな……!」
「左様左様。小生の技を把握しているのならば、対処してもらわねば面白くない……な!」
ダンジェロは相変わらずニヤつきながら、余裕を見せている。
ここまではダンジェロの優勢。
巻き起こす炎で戦場を支配し、俺を圧倒してきている。
俺に魔法が使えたら、ダンジェロも問題なく倒せた。
だが今の俺に残っている力は、この身に刻まれた武術のみ――
それでこいつを倒してみせよう。
そのことが俺も今後、"ゼロラ"という人間として生きていくことの糧となる――
「行くぞ――ダンジェロォオ!!」
「来たまえ――【零の修羅】よ!!」
俺は再びダンジェロとの距離を詰める。
ダンジェロも<縮地>を使って距離を離そうとするが、俺もそれに追随する。
「むぅ……!? 小生の動きを捉えているのか?」
「お前の動きは読めている。どれだけ<縮地>で離そうとしても、どこに動くか読めれば反応できる!」
俺はダンジェロの動く先を読んで、先手を打つ。
<詠唱の黒霧>による遠隔攻撃も、俺と近づいたままでは使えない。
ドゴムッ!
「んぐぅ!? ハッハッハッ……フハハハッ!」
次第に俺の攻撃が通り始める。
ラッシュによる一撃一撃がダンジェロに当たるが、当の本人にはまだ余裕が見える。
ダンジェロは笑いながら攻撃の機会を伺っている――
「仕方あるまい。小生とて、護身用の<杖術>ぐらいは覚えがある」
「ぐっ!? 杖を!?」
俺と距離をとるのを無理と判断したのか、ダンジェロは右手に持った杖で反撃に転じる。
自身の周囲に杖を旋回させつつ、俺を"仕留める"ことよりも"いたぶる"ことを目的とした<杖術>――
「お前もこういう武術を持ってたんだな……!」
「生憎と、小生が使えるものは卿とは違い、その場しのぎのものだが……な!!」
ガシィイ!
俺がダンジェロの突然使った<杖術>に怯んだ隙に、左手で首根っこを掴まれた。
ダンジェロは俺の体を軽々と持ち上げる――
「この力……。つくづくお前の"正体"が信じれなくなってくるな」
「それを卿に言われる筋合いはないと思うがね? まあ、いい。小生の最大火力の劫火……受け取りたまえ!!」
ダンジェロは俺の首を握りしめた左手に力を込める。
そして、左手の袖口から少しずつ溢れる<詠唱の黒霧>――
――この時を待っていた。
ここまで俺と密接した状態なら、こいつとて逃れられまい。
「オラァアッ!!」
俺は無理矢理ダンジェロの襟元を掴み、その額に自らの額を激しくぶつける。
ゴチンッ!!
「うぐぅ……! あの頃よりも、随分と品のない戦い方をするな……!」
その衝撃に耐えかねたダンジェロは、咄嗟に俺の首を掴んでいた左手を離す――
「悪いが、一人で爆発しててもらうぞ。ダンジェロ」
「ハッハッハッ。流石流石……! これは見誤った……か!」
そのまま俺はダンジェロを蹴り飛ばして、距離を離す――
ドガァアアン!!
――飛ばされたダンジェロは、自身の左手の爆発に巻き込まれる。
俺に蹴り飛ばされた時、ダンジェロは体勢を崩したためか、その爆発をまともに浴びてしまう。
そのままダンジェロは爆風で吹き飛び、自らが用意した炎の壁へと飲み込まれていった――
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