空色のサイエンスウィッチ

コーヒー微糖派

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魔女と家族の新たな日常編

ep238 また出てきたのか!? 将軍艦隊右舷将!

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将軍艦隊ジェネラルフリートとして任務を行うだなんて……!? まーた何か企んでるのかい!?」
「企んではいますが、別にあなた達に直接的な被害が及ぶとは言ってません。ただ会ったついでとして、自分達の動きを少しお話ししただけです」

 どうにも不穏な予感が的中したと言うべきか、ラルカさんが口にしたのは将軍艦隊ジェネラルフリートの今後の動向についてだ。
 ついこの間までは星皇社長と契約し、この国では想像もできないような技術力と組織力を秘めた海外の傭兵部隊。あの時だって、アタシも牙島やラルカさんに散々な目に遭わされたものだ。
 そんなとんでもない連中と再び戦う可能性が見えてしまったが、ラルカさんは少し訂正を加えるように言葉を紡いでくる。

「再びこの国で任務に当たるといっても、今回は自分もまだ作戦概要を大まかに聞いただけです。詳細については自分もこれから知ることになります」
「へ? 星皇社長の時みたいに、ラルカさんが陣頭指揮を執るんじゃないの?」
「今回の陣頭指揮は自分ではありません。本国より来られた将軍艦隊ジェネラルフリートのボス――五艦将最後の一人である艦橋将が指揮を執ります。今回の自分はあくまで補佐役ですね」
「あっ、ボスもその五艦将って幹部群に含まれてたんだ……」

 星皇カンパニーの一件ではラルカさんが牙島や大凍亜連合を操っていたように見えたけど、どうにも今回は違うようだ。
 さり気なく将軍艦隊ジェネラルフリートのボスの存在や、五艦将最後の一人の存在も見えちゃったけど、本当にラルカさんも今回は指揮担当ではないっぽい。
 この話をしてきたのだって、物のついで感覚のようだ。

 後、今更だけど、将軍艦隊ジェネラルフリートとか五艦将とかのネーミングって、いかにも悪の組織っぽいよね。
 ボスも五艦将に含まれてるところにも、一つのこだわりみたいなのを感じる。でも、アタシ的にはボスは別枠で最高幹部が四天王でもよかったかな。

 ――いや、そんなことを考えてる場合じゃないや。
 この話において重要なのは『将軍艦隊ジェネラルフリートのボスまで動いてる』ってことだ。

「あんた達のボスまで動くだなんて、相当大手のクライアントでも見つけたのかい?」
「そういうことです。それが誰かまではお話しできませんよ? 自分だって最高幹部といえども、所詮は組織の中間管理職です。守秘義務もありますもので」
「アタシ達にその話の一端だけでも話した時点で、大概な気もするけどねぇ。でもまあ、こっちも平和を脅かさないでくれるのなら、下手に関わりたくはないや」
「……本当にあなたは一線を引いてると言いますか、どうにも自分はやりにくいです。自分も個人として、再戦の機会がないことを願っています」

 将軍艦隊ジェネラルフリートが今回契約したクライアントについて、大物なのは確かだろう。だけど、当然のごとくその正体をラルカさんが明かすことはない。
 本当に挨拶程度の言葉だけ交わすと、そのまま背を向けて立ち去ってしまった。

 ――今のところ何か大きな問題は起こってないけど、その態度はどこか宣戦布告めいたものに見えてしまう。
 相手は仮にも戦争代行屋だ。何か大きな戦いを請け負っていると考えるのが自然か。

「先程のラルカさんの態度について、タケゾー警部補にショーちゃん巡査部長はどうお考えで?」
「なんだよ『タケゾー警部補』って……。ただまあ、俺もなんとも言えないかな。本当にフェリアさんを陰から護衛してたついでって感じにしか……」
「ボクも――ショーちゃん巡査部長もそんな感じがした。あの人、ただ命令の範疇で動いてるだけ。特別悪いことをする人には見えないかも」

 とはいえ、さっきのラルカさんの様子を見ても、今のところは何かが分かるわけでもない。
 それについてはアタシがノリよく訪ねたタケゾーとショーちゃんも、同じような見解を述べている。
 アタシとしても一般人に被害を出さず、裏でコッソリ別のことで仕事をしてくれるならば文句は言わない。ちょっとはモヤモヤするけど、そういうのって街のヒーローの専門外だ。
 将軍艦隊ジェネラルフリートについても本当に雇われてるだけの組織で、別に悪の組織というわけでもなし。大凍亜連合みたいに、こっちから突っつく必要性もない。

 ――まあ『今はまだ』ってレベルの話だけど。
 もしも無関係な人達に被害が出るのならば、アタシだって黙っちゃいない。
 牙島だってまた出てくるだろうし、ラルカさん相手には勝てたことすらない。
 将軍艦隊ジェネラルフリートの最高幹部が集結すると考えると、アタシも思わず体に力が入ってしまう。

 ――願わくば、本当にアタシ達とは関係ないところで関係ない活動だけして欲しいもんだ。

「あっ、将軍艦隊ジェネラルフリートの話をしてて少し思い出したことがあるや。いや、直接的な関係性はないんだけど」
「なんだ? 何を思い出したんだ?」
「実はさ、タケゾーがフェリアさんと密会してる時に、妙な連中に会ったんだよね。アタシやショーちゃんとは別のヒーローなんだけど、ファンタジーRPGの勇者御一行みたいって言うか」
「ボクも会った。あの人達、結局何者だったの?」

 そんな将軍艦隊ジェネラルフリートという日常からかけ離れた異常な組織に接触したからか、アタシも少し前に出会った異常な連中のことを思い出してしまう。
 アタシとショーちゃんが誘拐犯を撃退しようとした時に出会った、謎のヒーローパーティー三人組。あれって、結局何だったんだろ?
 あれ以降は姿も見てないし、音沙汰もない。街でも目立った事件は起こってなかったし、また出てくる機会自体もなかったってことかな?

 一応は誘拐犯を捕えようとしてたし、あの三人組もヒーロー的な立場だとは思うんだよね。多分。
 装備に秘密があったのかどうか知らないけど、アタシに近い感じの超人パワーも発揮してた。
 ただ、やり方が乱暴極まりない。アタシが止めてなかったら、誘拐犯の首と胴体がお別れしてたところだ。

「そんな連中がいたのか? 隼以外にヒーローが出てきたのにも驚きだが、そんな超人が他にいたことにも驚きだな」
「確かにその力でヒーローっぽいことはしてたんだけど、どうにもアタシの見た感じ行き過ぎてるって言うかさ。なんだか、力の暴走の方を危惧しちゃうよ」
「でも、隼さんの方が強い。何かあったら、隼さんが止められる」
「ショーちゃんに褒めてもらえるのはありがたいけど、アタシだって毎回その場にいれるわけじゃないからねぇ……」

 正直、アタシの中ではあの三人組をヒーローとして認めたくない気がするんだよね。
 アタシにとってのヒーローってのは『困った人々を助ける存在』なのよ。戦うことはそんな目的のための手段に過ぎない。
 でも、あの三人組って『戦うことが目的』って感じがするのよ。そこがどうにも釈然としない。

 まあ、所詮はこれらもアタシが勝手に編み出した価値観なわけだ。
 無理に強要はできないけど、また行き過ぎた真似をするようならちょいとお仕置きもしてやろう。



【では、続いてのニュースです。本日の国会にて、新たな法制度の試験運用が決まりました。首相官邸より、発表の映像をお送りいたします】

「ん? 新法案のニュース?」



 なんてことを考えながら空港を出ようと歩いていると、出入り口にある大型モニターに映るニュースが、思わず目に入ってしまった。
 何かの新法案が試験的に施行されるらしいけど、ぶっちゃけアタシって政治への関心が薄いのよね。
 いや、自分でもダメな気はしてるのよ? でもさ、アタシってガチ理系なもんだから――ってのは関係ないよね。うん。

 でもまあ、こんだけ大きなモニターならば、歩きながら軽く目を通すぐらいは――



【どうも、国民の皆様。内閣総理大臣の固厳こげん ごうです。この度は試験運用という形ですが、新たに『ヒーロー制定法』を施行することにいたしました】

「……はへぇ? 何それ?」
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