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武神女帝編
ep422 ノリで孤児院にお邪魔しよう!
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「タケゾーはジェットアーマーにならないの?」
「別に俺まで変身しなくても、近くまで行くだけなら隼のデバイスロッドで十分だろ。……極力目立つのは避けるべきだってのを忘れたか?」
「さいでした~」
タケゾーにちょいと苦言を呈されながらも、アタシ達は夫婦揃ってラルカさんが育った孤児院を目指す。
できる限り人目につかない進路を飛行し、近くまで来たら歩いて孤児院へと向かう。
アタシは一度訪れてるから分かるけど、中々入り組んだ場所にあるんだよね。でも、しっかり覚えてる。
母さんが創設した場所なんだから、忘れたら罰が当たりそうだ。
「ここか。ラルカさんが育ち、隼のお母さんが作った孤児院ってのは。何か特別な情報が手に入るとは思えないが……」
「それでも、何か納得できる話を聞ける可能性はあるでしょ。真相に近づくのが目的ってよりかは、アタシ自身の気持ちの問題さ」
そんなわけで、無事に林の奥地にある孤児院に到着。タケゾーも見上げながら語るけど、流石にここで何かあるとは考えにくい。
ラルカさん自身も天鐘と組んでる以上、あまり人の目には出てこないと考えられる。だけどこの場所には色々な繋がりが眠っている。
母さんにラルカさんといった関係だけじゃない。アタシも一人の技術者として、ここには野菜栽培技術の提供をしている。
孤児院で暮らす子供達の未来も気になっちゃうもんでね。タケゾーの保育園と同じでさ。
要するに、目的はどちらかと言うとアタシの気分転換ってところだ。張りつめた戦いの空気に身を置き続けるのは苦手でね。
「あら? まあまあ! あなたは昨日の! 今日も来てくださったのですか!」
「あっ! 院長先生! よっす!」
「そちらは旦那さんかしら? 綺麗な奥さんと同じく、整った容姿の旦那さんですね」
アタシとタケゾーが孤児院の敷地に入ると、早速昨日と同じく院長先生が招いてくれる。
二度目となると、お世辞もうまくなるもんだ。タケゾーの『整った容姿』は事実として、アタシのことまで『綺麗な奥さん』だなんてね。
こういうの、お世辞と分かってても嬉しい。
「本日は視察でしょうか? お国の方からも『また後日話に伺います』とは聞いていますが」
「いや、まあ、気分転換……かな? それとちょっと、ラルカさんに関する話も聞きたくてね。よかったらでいいんだけどさ」
快く中に案内してもらいつつ、一応の用件も口にする。でも、本当に『聞けたらいいな』って感じなんだよね。
アタシって毎度の如く思い付きで行動しちゃうもんだから、最初と思いに振れ幅ができちゃう傾向がある。
流石にこんな中途半端な気持ちで尋ねるのも申し訳ないし、軽く触れてダメで元々な感じで――
「ああ、そうでした。実は先程、ラルカさんもこちらに来られたのですよ」
「えっ!? ラルカさん、ここに来てたの!?」
「そ、そうですが……そこまで驚くことでしょうか?」
――いたんだけど、院長先生の口から思わぬ話が飛び出してくる。
ラルカさん、さっきまでここにいたの? 確かに国全体には公にされてないけど、あの人っていわば反逆者の立場じゃんか?
アタシなりに考えると、下手すれば孤児院を巻き込んじゃわない? 流石にそうなると、ラルカさんだっていたたまれない気持ちになるでしょ?
「そういえば、あなたに会ったらこちらを渡すようにも言われましたね」
「これって……封筒? 何の?」
「さあ……? そこまでは私にも教えてくれなかったので……」
状況への理解が追い付かなくて軽く困惑してると、院長先生はさらに一通の封筒を差し出してくれる。
これまたラルカさんがアタシ宛てに残していったものらしいけど、本当にどういう意図があるのだろうか?
とりあえずは中身を確認してみるけど、入ってるのは何かの書類だけ。宣戦布告の挑戦状とかじゃない。
「これって……アタシとタケゾーが結婚指輪を作ってもらってる店からの書類? 『完成まで一ヶ月程のお時間をいただきます』と書かれてるけど、なんでラルカさんがこれを?」
「考えられるとするならば、俺達の滞在先が王家の住んでるタワーだからかもな。簡単には郵便物も通らないだろうし、ラルカさんが代わりに受け取ったと見るべきか。……だとしても、それをわざわざ孤児院に渡した意図は……?」
タケゾーも封筒の中身を見て、不思議そうに首をかしげている。
結婚指輪の製作期間が分かるのは助かる。その通知をまだウォリアールにいるアタシ達では簡単に受け取れない状況なのも事実だ。
実際、アタシ達がこっちに来てからの身の回りの世話はラルカさんが中心になってしてくれてたし、まさか『将軍艦隊は裏切ってもこれは別業務です』ってこと?
――だとしたら、ラルカさんも洗居さんのことをどうこう言えないレベルのクソ真面目だよ。
「ただ、一つだけ分かることがある。ラルカさんは俺達の――特に隼の行動を予測あるいは観測してるのだろうな」
「あっ……!?」
思わず冗談めいた思考に走っちゃうものの、タケゾーの言葉でふと我に返る。
そうじゃん。そもそもこの封筒を院長先生に託したのって、アタシがここに来るのが分かってたからじゃんか。
本当に油断ならない人だ。この書類にしたって『余計なことをすればいつでも狙えます』っていう警告みたいなもんじゃんか。
――随分と遠回しだけど。
「ラルカさんもすぐに立ち去らずに待ってくれれば、あなた方ともお会いできたのに……」
「……まあ、そこはあの人の自由だからね」
立ち去るタイミングまで完璧だし、こういう動きの読み合いではラルカさんに敵いそうにない。どうにも、気分で孤児院にやって来たのはマズかったかも。
行動が読まれているとすれば、あまり長居もしない方が――
「……え!? む、向こうの空に見えるあれは何でしょうか……!?」
「向こうの空……って!? あ、あれはまさか……!?」
「お、おい! もしかして、あれが隼の言ってた……!?」
――いいのだけれど、その時に遠くの空に嫌な影が映って見えてしまった。
距離はあるけど、あの翼を生やしたシルエットは間違いない。
アタシにとってはクジャクさんよりも古い肉親であり、今は天鐘の傘下に下った人間。
――いや、人間を『辞めさせられた怪物』だ。
「デザイアガルダ……フォーエバー!?」
「別に俺まで変身しなくても、近くまで行くだけなら隼のデバイスロッドで十分だろ。……極力目立つのは避けるべきだってのを忘れたか?」
「さいでした~」
タケゾーにちょいと苦言を呈されながらも、アタシ達は夫婦揃ってラルカさんが育った孤児院を目指す。
できる限り人目につかない進路を飛行し、近くまで来たら歩いて孤児院へと向かう。
アタシは一度訪れてるから分かるけど、中々入り組んだ場所にあるんだよね。でも、しっかり覚えてる。
母さんが創設した場所なんだから、忘れたら罰が当たりそうだ。
「ここか。ラルカさんが育ち、隼のお母さんが作った孤児院ってのは。何か特別な情報が手に入るとは思えないが……」
「それでも、何か納得できる話を聞ける可能性はあるでしょ。真相に近づくのが目的ってよりかは、アタシ自身の気持ちの問題さ」
そんなわけで、無事に林の奥地にある孤児院に到着。タケゾーも見上げながら語るけど、流石にここで何かあるとは考えにくい。
ラルカさん自身も天鐘と組んでる以上、あまり人の目には出てこないと考えられる。だけどこの場所には色々な繋がりが眠っている。
母さんにラルカさんといった関係だけじゃない。アタシも一人の技術者として、ここには野菜栽培技術の提供をしている。
孤児院で暮らす子供達の未来も気になっちゃうもんでね。タケゾーの保育園と同じでさ。
要するに、目的はどちらかと言うとアタシの気分転換ってところだ。張りつめた戦いの空気に身を置き続けるのは苦手でね。
「あら? まあまあ! あなたは昨日の! 今日も来てくださったのですか!」
「あっ! 院長先生! よっす!」
「そちらは旦那さんかしら? 綺麗な奥さんと同じく、整った容姿の旦那さんですね」
アタシとタケゾーが孤児院の敷地に入ると、早速昨日と同じく院長先生が招いてくれる。
二度目となると、お世辞もうまくなるもんだ。タケゾーの『整った容姿』は事実として、アタシのことまで『綺麗な奥さん』だなんてね。
こういうの、お世辞と分かってても嬉しい。
「本日は視察でしょうか? お国の方からも『また後日話に伺います』とは聞いていますが」
「いや、まあ、気分転換……かな? それとちょっと、ラルカさんに関する話も聞きたくてね。よかったらでいいんだけどさ」
快く中に案内してもらいつつ、一応の用件も口にする。でも、本当に『聞けたらいいな』って感じなんだよね。
アタシって毎度の如く思い付きで行動しちゃうもんだから、最初と思いに振れ幅ができちゃう傾向がある。
流石にこんな中途半端な気持ちで尋ねるのも申し訳ないし、軽く触れてダメで元々な感じで――
「ああ、そうでした。実は先程、ラルカさんもこちらに来られたのですよ」
「えっ!? ラルカさん、ここに来てたの!?」
「そ、そうですが……そこまで驚くことでしょうか?」
――いたんだけど、院長先生の口から思わぬ話が飛び出してくる。
ラルカさん、さっきまでここにいたの? 確かに国全体には公にされてないけど、あの人っていわば反逆者の立場じゃんか?
アタシなりに考えると、下手すれば孤児院を巻き込んじゃわない? 流石にそうなると、ラルカさんだっていたたまれない気持ちになるでしょ?
「そういえば、あなたに会ったらこちらを渡すようにも言われましたね」
「これって……封筒? 何の?」
「さあ……? そこまでは私にも教えてくれなかったので……」
状況への理解が追い付かなくて軽く困惑してると、院長先生はさらに一通の封筒を差し出してくれる。
これまたラルカさんがアタシ宛てに残していったものらしいけど、本当にどういう意図があるのだろうか?
とりあえずは中身を確認してみるけど、入ってるのは何かの書類だけ。宣戦布告の挑戦状とかじゃない。
「これって……アタシとタケゾーが結婚指輪を作ってもらってる店からの書類? 『完成まで一ヶ月程のお時間をいただきます』と書かれてるけど、なんでラルカさんがこれを?」
「考えられるとするならば、俺達の滞在先が王家の住んでるタワーだからかもな。簡単には郵便物も通らないだろうし、ラルカさんが代わりに受け取ったと見るべきか。……だとしても、それをわざわざ孤児院に渡した意図は……?」
タケゾーも封筒の中身を見て、不思議そうに首をかしげている。
結婚指輪の製作期間が分かるのは助かる。その通知をまだウォリアールにいるアタシ達では簡単に受け取れない状況なのも事実だ。
実際、アタシ達がこっちに来てからの身の回りの世話はラルカさんが中心になってしてくれてたし、まさか『将軍艦隊は裏切ってもこれは別業務です』ってこと?
――だとしたら、ラルカさんも洗居さんのことをどうこう言えないレベルのクソ真面目だよ。
「ただ、一つだけ分かることがある。ラルカさんは俺達の――特に隼の行動を予測あるいは観測してるのだろうな」
「あっ……!?」
思わず冗談めいた思考に走っちゃうものの、タケゾーの言葉でふと我に返る。
そうじゃん。そもそもこの封筒を院長先生に託したのって、アタシがここに来るのが分かってたからじゃんか。
本当に油断ならない人だ。この書類にしたって『余計なことをすればいつでも狙えます』っていう警告みたいなもんじゃんか。
――随分と遠回しだけど。
「ラルカさんもすぐに立ち去らずに待ってくれれば、あなた方ともお会いできたのに……」
「……まあ、そこはあの人の自由だからね」
立ち去るタイミングまで完璧だし、こういう動きの読み合いではラルカさんに敵いそうにない。どうにも、気分で孤児院にやって来たのはマズかったかも。
行動が読まれているとすれば、あまり長居もしない方が――
「……え!? む、向こうの空に見えるあれは何でしょうか……!?」
「向こうの空……って!? あ、あれはまさか……!?」
「お、おい! もしかして、あれが隼の言ってた……!?」
――いいのだけれど、その時に遠くの空に嫌な影が映って見えてしまった。
距離はあるけど、あの翼を生やしたシルエットは間違いない。
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――いや、人間を『辞めさせられた怪物』だ。
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