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第7話
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第7話
あれから二日後、私は退院した。
色々な検査をしたけれど、記憶が抜けている以外の異常は見当たらなかった。記憶が抜けているのは事故による一時的なショックでしょうということで、今後は心療内科に定期的に通うことになった。
今は実家で過ごしている。
もう谷崎つぐみなんだから谷崎課長と住んでいる場所に帰れって言われるかと内心ドキドキしていた。でも、幸いなことに谷崎課長は出張を控えていたそうで、記憶がない状態で知らない家に一人でいるのはよくないと実家に帰れることになった。
あの日以来、谷崎課長には会っていない。母達とは連絡を取り合っているみたいだけど……。
一時的なものという医師の説明通りにはいかず、私の頭の中は柏原つぐみ二十七歳のまま。
頭も気持ちも全然整理できていない。
これは記憶喪失じゃなくてタイムスリップだから、何かの拍子で戻れるかもって本気で考えたりもする。だけど、鏡に映る私はしっかり時を進んでいる。
三十歳の私の姿──試験に落ちたことで暴飲暴食に走って、顔についていた肉を増やして丸かった顔をさらに膨らませているに違いない。そう考えると今の自分の顔を確かめるのが怖くなった。
記憶喪失モノの小説やマンガの主人公達はみんな、現在の自分の姿を見てショックを受けている。だから私もそうだろうって……そう思っていた。もっとも、自分の姿から目を逸らし続けていてもいつかは必ず見るはめになる。傷つくなら早い方がいいと退院前にビクビクしながら病室の洗面所の鏡を覗き込んだ。
そこに映った顔を見て、私はしばらく言葉を失った。
それは目を覆いたくなるようなひどい顔だったからじゃない。今まで見てきた中で一番キレイな私が映っていたからだ。もちろん、自分比でだ。
相変わらず顔は丸い。でも意外なことに顔の肉が減っていて、心なしか目が大きくなったように見えた。毎朝格闘していた癖のあったロングヘアーは肩までに切りそろえられ、ストレートパーマを掛けたのかシャープな感じになっていた。
シミはあるし、肌も少しカサついていたけど、休憩室で眠る前の私の顔より何倍もマシだと思う。
体も……胸のなさは相変わらずだったけど、変な肉が付くこともなく問題なしと言いたいところだったけど、うっすらとついている腹筋に、三年の間に何が? と不安がよぎったのは言うまでもない。
実家に帰った私を待っていたのは、蘭ちゃんの大泣きと兄と母による思い出せ攻撃だった。
蘭ちゃんは私を見る度に泣く。抱いてみると慣れるかもよ、という南ちゃんのアドバイスで抱いてみたけど……大失敗だった。
頭を撫でようとしたら殴られ、笑顔を作って顔を近づけたら、イナバウアーの勢いで背中を反らされ、MPがガリガリと削られていく気分だった。
蘭ちゃんにとって、今の私は大好きな叔母さんの身体を乗っ取っている悪魔みたいなものらしい。赤ちゃんってわからないなりに、そういうことに鋭いみたいだ。
兄と母は私が谷崎課長から離婚されるのを恐れているのか、結婚式や新婚旅行の写真やDVDを私に見せては何回も説明している。そして、いかに谷崎課長が素晴らしい人かを熱弁している。……それで思い出せたら苦労はしないのに。
南ちゃんが言うには、私と谷崎課長の結婚が決まった時の家族の喜びは尋常じゃなかったらしい。結婚は無理だと思っていた娘が、大手企業の課長を捕まえただけでもラッキーなのに、それが人間的にも申し分のない人物だったから。母にとって谷崎課長は自慢の義理の息子らしい。
自分の結婚式の写真やDVDは拷問だった。
私の知らない私が幸せそうに誓いのキスをしたり、ブーケトスをしたりしている姿には本気で鳥肌が立った。
そこに映る私は、私の顔をしたニセモノだって本気で思った。たけど、披露宴で料理をおいしそうにパクパク食べている姿は、私そのものだった。
悔しいことに出てくる料理が全ておいしそうで、結婚式のことより味を覚えていないことに腹がたった。
私が披露宴をするにあたって一番重視したことは、食べること。披露宴で花嫁は料理を食べられないというのが常識だけど、私はそれを受け入れなかったらしい。
結婚式と披露宴のドレスが同じだったのは、お色直しする暇があるなら食べたいとカラードレスには目もくれなかったから。ウェディングドレスも体を締め付けるのは嫌だと、本気でマタニティ用を選ぼうとしていたらしい。それを止めるのが大変だったと南ちゃんは苦笑いを浮かべていたけれど、私はわかるわかると自分で過去の自分に頷いていた。女性としてどうなんだって話だけど、苦しい思いをして着飾るよりかは目の前にあるごちそうを食べたいと思ってしまう。
周囲の説得を受けた私が選んだドレスは、マタニティ用ではなく妊婦さんでも着用できるエンパイアドレスだった。着替えはしなかったけど単調にならないようにと、結婚式と披露宴とでは髪型とアクセサリーを変えていた。結婚式と披露宴の最初の方では、髪をアップにして真珠が散りばめられたティアラを身に着け、それに真珠のネックレスとイヤリングを合わせて、シックな雰囲気を出していた。披露宴の途中からは、おろした髪にデニムのハットを被り、ビーズ系のアクセサリーを合わせてカジュアルな感じにしていた。
自分で言うのもあれだけど私にしてはセンスいいじゃんと感心した。
披露宴での私の様子はというとよく食べてよく笑い、そして……歌っていた。谷崎課長や列席してくれた人達へ感謝を込めてのものらしいけど、思わず頭が痛くなった。あまりにも今の私のテンションと違い過ぎる。客観的に見れば、みんなが幸せそうに笑ういい式だったとは思うけど。
実家で写真やDVDを眺めていても、気が滅入る一方な気がしたので、実家の周辺を歩いたりもした。
ぱっと見には変らない街並み。
だけど、最寄りの駅には新たな商業施設ができていて華やかになっていた。その一方でなくなってしまったものもある。試験が終わったら行こうと思っていたアイスクリームショップもその一つ。私は一回でもそこに行くことができたのだろうか? 自分に問いかけても答えは返ってこない。
変わっていた景色達は、私に確実に時間は進んでいるのだという現実を飲み込ませた。
結婚式を挙げた場所にも足を運んだ。写真やDVDを見て、それが隣の駅にある結婚式場だということはわかっていた。行ったところで思い出せる気はしなかったけど、何も考えずただその場所に立ってみようと思った。
土曜日だったからか、その日は二組の挙式案内が表示されていた。
式場に着いた時は花婿と花嫁がチャペルから出て来るところだった。ここは外からも見える式場だから、道行く人達も足を止め二人をを眺めていた。
チャペルから出てきたカップルはとても幸せそうに見えた。小さな女の子が二人の様子を柵越しに熱心に見入っていて、とても微笑ましかった。
ここは幸せが満ち足りている空間だ──そう思った。
幸せに違いないのだ。自分が選んだ人と二人で歩いていこうという日なのだから。それを眺めている人達だって自分達のことを思い出しているかもしれないし、自分の未来への希望を抱いているかもしれない。
けれど私には何もない。
思い描く未来も、思い出せる過去も。
幸せな空間は今の私の立場を教えてくれた。
私は迷子。
時間という流れからはぐれて、どうやって戻ればいいのかわからない、出口を探すこともできない三十歳の迷子なのだと。
あれから二日後、私は退院した。
色々な検査をしたけれど、記憶が抜けている以外の異常は見当たらなかった。記憶が抜けているのは事故による一時的なショックでしょうということで、今後は心療内科に定期的に通うことになった。
今は実家で過ごしている。
もう谷崎つぐみなんだから谷崎課長と住んでいる場所に帰れって言われるかと内心ドキドキしていた。でも、幸いなことに谷崎課長は出張を控えていたそうで、記憶がない状態で知らない家に一人でいるのはよくないと実家に帰れることになった。
あの日以来、谷崎課長には会っていない。母達とは連絡を取り合っているみたいだけど……。
一時的なものという医師の説明通りにはいかず、私の頭の中は柏原つぐみ二十七歳のまま。
頭も気持ちも全然整理できていない。
これは記憶喪失じゃなくてタイムスリップだから、何かの拍子で戻れるかもって本気で考えたりもする。だけど、鏡に映る私はしっかり時を進んでいる。
三十歳の私の姿──試験に落ちたことで暴飲暴食に走って、顔についていた肉を増やして丸かった顔をさらに膨らませているに違いない。そう考えると今の自分の顔を確かめるのが怖くなった。
記憶喪失モノの小説やマンガの主人公達はみんな、現在の自分の姿を見てショックを受けている。だから私もそうだろうって……そう思っていた。もっとも、自分の姿から目を逸らし続けていてもいつかは必ず見るはめになる。傷つくなら早い方がいいと退院前にビクビクしながら病室の洗面所の鏡を覗き込んだ。
そこに映った顔を見て、私はしばらく言葉を失った。
それは目を覆いたくなるようなひどい顔だったからじゃない。今まで見てきた中で一番キレイな私が映っていたからだ。もちろん、自分比でだ。
相変わらず顔は丸い。でも意外なことに顔の肉が減っていて、心なしか目が大きくなったように見えた。毎朝格闘していた癖のあったロングヘアーは肩までに切りそろえられ、ストレートパーマを掛けたのかシャープな感じになっていた。
シミはあるし、肌も少しカサついていたけど、休憩室で眠る前の私の顔より何倍もマシだと思う。
体も……胸のなさは相変わらずだったけど、変な肉が付くこともなく問題なしと言いたいところだったけど、うっすらとついている腹筋に、三年の間に何が? と不安がよぎったのは言うまでもない。
実家に帰った私を待っていたのは、蘭ちゃんの大泣きと兄と母による思い出せ攻撃だった。
蘭ちゃんは私を見る度に泣く。抱いてみると慣れるかもよ、という南ちゃんのアドバイスで抱いてみたけど……大失敗だった。
頭を撫でようとしたら殴られ、笑顔を作って顔を近づけたら、イナバウアーの勢いで背中を反らされ、MPがガリガリと削られていく気分だった。
蘭ちゃんにとって、今の私は大好きな叔母さんの身体を乗っ取っている悪魔みたいなものらしい。赤ちゃんってわからないなりに、そういうことに鋭いみたいだ。
兄と母は私が谷崎課長から離婚されるのを恐れているのか、結婚式や新婚旅行の写真やDVDを私に見せては何回も説明している。そして、いかに谷崎課長が素晴らしい人かを熱弁している。……それで思い出せたら苦労はしないのに。
南ちゃんが言うには、私と谷崎課長の結婚が決まった時の家族の喜びは尋常じゃなかったらしい。結婚は無理だと思っていた娘が、大手企業の課長を捕まえただけでもラッキーなのに、それが人間的にも申し分のない人物だったから。母にとって谷崎課長は自慢の義理の息子らしい。
自分の結婚式の写真やDVDは拷問だった。
私の知らない私が幸せそうに誓いのキスをしたり、ブーケトスをしたりしている姿には本気で鳥肌が立った。
そこに映る私は、私の顔をしたニセモノだって本気で思った。たけど、披露宴で料理をおいしそうにパクパク食べている姿は、私そのものだった。
悔しいことに出てくる料理が全ておいしそうで、結婚式のことより味を覚えていないことに腹がたった。
私が披露宴をするにあたって一番重視したことは、食べること。披露宴で花嫁は料理を食べられないというのが常識だけど、私はそれを受け入れなかったらしい。
結婚式と披露宴のドレスが同じだったのは、お色直しする暇があるなら食べたいとカラードレスには目もくれなかったから。ウェディングドレスも体を締め付けるのは嫌だと、本気でマタニティ用を選ぼうとしていたらしい。それを止めるのが大変だったと南ちゃんは苦笑いを浮かべていたけれど、私はわかるわかると自分で過去の自分に頷いていた。女性としてどうなんだって話だけど、苦しい思いをして着飾るよりかは目の前にあるごちそうを食べたいと思ってしまう。
周囲の説得を受けた私が選んだドレスは、マタニティ用ではなく妊婦さんでも着用できるエンパイアドレスだった。着替えはしなかったけど単調にならないようにと、結婚式と披露宴とでは髪型とアクセサリーを変えていた。結婚式と披露宴の最初の方では、髪をアップにして真珠が散りばめられたティアラを身に着け、それに真珠のネックレスとイヤリングを合わせて、シックな雰囲気を出していた。披露宴の途中からは、おろした髪にデニムのハットを被り、ビーズ系のアクセサリーを合わせてカジュアルな感じにしていた。
自分で言うのもあれだけど私にしてはセンスいいじゃんと感心した。
披露宴での私の様子はというとよく食べてよく笑い、そして……歌っていた。谷崎課長や列席してくれた人達へ感謝を込めてのものらしいけど、思わず頭が痛くなった。あまりにも今の私のテンションと違い過ぎる。客観的に見れば、みんなが幸せそうに笑ういい式だったとは思うけど。
実家で写真やDVDを眺めていても、気が滅入る一方な気がしたので、実家の周辺を歩いたりもした。
ぱっと見には変らない街並み。
だけど、最寄りの駅には新たな商業施設ができていて華やかになっていた。その一方でなくなってしまったものもある。試験が終わったら行こうと思っていたアイスクリームショップもその一つ。私は一回でもそこに行くことができたのだろうか? 自分に問いかけても答えは返ってこない。
変わっていた景色達は、私に確実に時間は進んでいるのだという現実を飲み込ませた。
結婚式を挙げた場所にも足を運んだ。写真やDVDを見て、それが隣の駅にある結婚式場だということはわかっていた。行ったところで思い出せる気はしなかったけど、何も考えずただその場所に立ってみようと思った。
土曜日だったからか、その日は二組の挙式案内が表示されていた。
式場に着いた時は花婿と花嫁がチャペルから出て来るところだった。ここは外からも見える式場だから、道行く人達も足を止め二人をを眺めていた。
チャペルから出てきたカップルはとても幸せそうに見えた。小さな女の子が二人の様子を柵越しに熱心に見入っていて、とても微笑ましかった。
ここは幸せが満ち足りている空間だ──そう思った。
幸せに違いないのだ。自分が選んだ人と二人で歩いていこうという日なのだから。それを眺めている人達だって自分達のことを思い出しているかもしれないし、自分の未来への希望を抱いているかもしれない。
けれど私には何もない。
思い描く未来も、思い出せる過去も。
幸せな空間は今の私の立場を教えてくれた。
私は迷子。
時間という流れからはぐれて、どうやって戻ればいいのかわからない、出口を探すこともできない三十歳の迷子なのだと。
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