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第8話
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「うわぁ。すごーい」
改札を抜けた私の目に飛び込んできたのは、大きな商店街。私の地元のように大きな商業施設はないけど、初めて見る風景に少しだけ心が弾む。そんな私を谷崎課長は静かに観察しているようだ。
退院してから九日後、私は実家から現在の私が住んでいる場所──谷崎課長の所へ行くことになった。
谷崎課長の出張が終わり、仕事も落ち着いている状態なのでどうかと母や兄に言われた。
正直、今の状態で谷崎課長と一緒に生活するのは嫌だった。けれど、私を見るなり大泣きする蘭ちゃんのことや、記憶が戻る気配がないことを考えたらそんな我儘は言っていられないと思った。南ちゃんは気にしないでと言ってくれていたけど、不安定な蘭ちゃんの相手をするのは大変なはずだ。
実家はもう私と兄が気楽な独身生活を送っていた場所ではない。将来的にはどうなるかわからないけど、今は兄と南ちゃんと蘭ちゃんが家族三人で暮らしている場所だ。
私の部屋は残っていたけど、試験が終わったら読もうと封印していたマンガや好きなCDは姿を消していた。あるのは実家に泊まっても大丈夫な程度な洋服くらいだった。
この九日間で私以外の時間が流れて、変わっているという現実を嫌というほど思い知った。逃げられるものなら逃げたいけどそれはできない。だったら覚悟を決めて谷崎課長の所へ行ってみよう──そう決意したものの、昨日は不安と緊張が頭の中をグルグルと駆け回って眠れなかった。
知らない人と会うだけで緊張するのに、知らない人と暮らすって想像しただけでキツイ。何も考えないようにしていたけど、それは無理だった。
谷崎課長──フルネームは谷崎圭《やざきけい》。国立T工大出身、三十六歳、身長一八〇センチ。大手部品メーカーMS精工の課長と一通りの情報をもらっても、何一つピンとこなかった。これがお見合いの釣書だったら、お見合いの依頼が殺到しそうだなと他人事のような感想を持ったくらい。昔で言うところの三高を兼ね備えた人だし。それで性格がいいときたら……母が思い出せって必死になるのも無理はない。だからって「はい、そうですか」とはいかない。
私の時間は止まったまま。
谷崎課長とはあの日の打ち合わせの前にも顔を合わせたことはあっただろうし、メールでやり取りしたこともあると思う。今にして思えば、谷崎課長が赴任してきた時に女性社員達が三十三歳の独身だって騒いでいた気もする。だけど、私には全く興味のないことだったから気に留めることもなかった。
谷崎課長は私にとって、新しい上司という存在でしかない。
ほぼ初対面に近い会社の上司と一緒に生活する。
マンガやドラマとかだったら、おいしいシチュエーションなんだろうけど、自分の身に起こるとストレス以外の何でもない。「上司と一緒に暮らすなんて、ドキドキしちゃう」みたいなテンションとは程遠い。知らない人と暮らす不安と気まずさで、胃がギリギリと絞られるように痛む。
谷崎課長が迎えに来る時間が刻一刻と近づく度に萎れていく私とは裏腹に、蘭ちゃんは朝からご機嫌だった。
私がいなくなるのがそんなに嬉しいの? とヘコんだけど、谷崎さんが来るからだよと南ちゃんが教えてくれた。
嘘でしょ? と思ったけどインターホンが鳴るなり、ものすごい勢いでハイハイし、谷崎課長が家に入ってきた途端に、きゃあきゃあ言いながら谷崎課長にしがみついた蘭ちゃんを見て納得した。谷崎課長には甥っ子がいるらしく、私より遥かに蘭ちゃんの扱いが上手かった。
私には絶対見せてくれない笑顔を谷崎課長に振りまいている蘭ちゃんに血の繋がりって一体……と、複雑な気持ちになったのは言うまでもない。落ち込んでいる私に兄は、「蘭が懐くくらい、アイツはイイ奴だから心配すんな」と言ってくれた。自分より三歳年上の相手をアイツ呼ばわりする兄の軽さに呆れつつも、少しだけ気が楽になった。中身が変わった叔母さんを怖がるような鋭い子が、笑顔で懐くってことは悪い人じゃないはず──自分で自分を勇気づけ、実家を後にした。
谷崎課長が住んでいる場所は、会社の最寄り駅の二駅手前の場所だった。
駅名は知っていたけど、降りたことは一度もない。毎日通り過ぎていた場所──そこで自分が生活しているのは不思議な感じだ。
屋根付きの商店街は駅を起点に駅を起点に二手に分かれている。上から見ると人の字みたいな感じ? どっちに行くのかキョロキョロしていたら、牛丼屋がある方だよと谷崎課長が教えてくれた。
商店街というと昔ながらのお店の集合体というイメージを持っていたけれど、ここは昔ながらのお店だけではなくチェーン店もある。その中には私が行こうと思っていたけど、なくなったアイスクリームショップがあった。ちょっとだけ得した気分。探検してみると楽しいかもしれない。
ここはとても活気があって家庭的だ。
うまく言えないんだけど、この商店街が行き交う人に「おかえり」って言っているような気がする。もちろん、私の隣を歩く谷崎課長にも。でも、私には「こんにちは」と言っているような気がしてどこか他人行儀な感じがする。
普段は早歩きだけど、見慣れない店を見かける度に目で追ってしまうのでのろのろ歩きになってしまう。
谷崎課長はそんな私にイラつくこともなく歩幅を合わせてくれて、時々お店の説明をしてくれた。
「この商店街を抜けたらマンションがある。一応、最寄り駅はさっきの駅になるけど、違う路線の駅も使えるから」
「二路線二駅利用可能ってやつですね」
「ああ。ただ会社の関係上、こっちの駅を使う方が多いかな」
「朝って、やっぱり混みますよね……」
「そうだな。でも急行の待ち合わせ駅だから、各停に乗れば押し潰されることはない。それに二駅だから苦ではないよ」
淡々と語るその姿とこの街が重なっていく。雰囲気が何となく似ている。おしゃれではないけど温かい感じが。
「なんか、谷崎課長に似合っている街ですね」
「そうか?」
何気なく言った言葉に谷崎課長は一瞬驚いた顔をして、私に穏やかな笑みを見せた。その表情が妙にくすぐったかった。
商店街を抜けると大きなマンション群が見えた。そこに谷崎課長が住んでいるマンションがある。同じような建物がいくつもあるので迷いそうだ。
「こんなスペースが残ってたんですね……」
「ああ、元々メーカーの研究所だったんだけど、撤退してね……」
「何だか切ない話ですね……」
しみじみ言うと、笑われてしまった。
ここはAからHまで棟があって、谷崎課長の部屋はマンションの入り口の手前から二番目のG棟にあるらしい。
手前から二番目のG棟……忘れないように心の中でぶつぶつ繰り返す。
エントランスで鍵をかざし、オートロックを解除する。最近のマンションだと当たり前なんだろうけど、一軒家に長く暮らしていた私には一つ一つの動作が新鮮だ。
エレベーターに乗り込み、谷崎課長は八階のボタンを押した。エレベーターを降りてすぐの部屋が、谷崎課長の部屋らしい。部屋番号は808。覚えやすそうな番号で良かった。
ドアが開き、中に入るよう促される。
「おじゃまします」
そう言って部屋に入ると、谷崎課長は寂しそうに笑った。
「つぐみの家だよ」
しまった……。また、この人に悲しい顔をさせてしまった。
けれど、「ただいま」とは言えなかった。私が知らない三年間の間に、谷崎つぐみになったという事実は受け止めた。でもそれを受け入れたわけではない。というかできない。私の中身は柏原つぐみのままなのだから。
気まずい思いを抱えたまま、室内に入る。
一番奥のリビングに向かい鞄を置く。
「お茶の準備をしておくから、他の部屋を自由に見ておいで」
谷崎課長の好意に甘えて探索することにした。
改札を抜けた私の目に飛び込んできたのは、大きな商店街。私の地元のように大きな商業施設はないけど、初めて見る風景に少しだけ心が弾む。そんな私を谷崎課長は静かに観察しているようだ。
退院してから九日後、私は実家から現在の私が住んでいる場所──谷崎課長の所へ行くことになった。
谷崎課長の出張が終わり、仕事も落ち着いている状態なのでどうかと母や兄に言われた。
正直、今の状態で谷崎課長と一緒に生活するのは嫌だった。けれど、私を見るなり大泣きする蘭ちゃんのことや、記憶が戻る気配がないことを考えたらそんな我儘は言っていられないと思った。南ちゃんは気にしないでと言ってくれていたけど、不安定な蘭ちゃんの相手をするのは大変なはずだ。
実家はもう私と兄が気楽な独身生活を送っていた場所ではない。将来的にはどうなるかわからないけど、今は兄と南ちゃんと蘭ちゃんが家族三人で暮らしている場所だ。
私の部屋は残っていたけど、試験が終わったら読もうと封印していたマンガや好きなCDは姿を消していた。あるのは実家に泊まっても大丈夫な程度な洋服くらいだった。
この九日間で私以外の時間が流れて、変わっているという現実を嫌というほど思い知った。逃げられるものなら逃げたいけどそれはできない。だったら覚悟を決めて谷崎課長の所へ行ってみよう──そう決意したものの、昨日は不安と緊張が頭の中をグルグルと駆け回って眠れなかった。
知らない人と会うだけで緊張するのに、知らない人と暮らすって想像しただけでキツイ。何も考えないようにしていたけど、それは無理だった。
谷崎課長──フルネームは谷崎圭《やざきけい》。国立T工大出身、三十六歳、身長一八〇センチ。大手部品メーカーMS精工の課長と一通りの情報をもらっても、何一つピンとこなかった。これがお見合いの釣書だったら、お見合いの依頼が殺到しそうだなと他人事のような感想を持ったくらい。昔で言うところの三高を兼ね備えた人だし。それで性格がいいときたら……母が思い出せって必死になるのも無理はない。だからって「はい、そうですか」とはいかない。
私の時間は止まったまま。
谷崎課長とはあの日の打ち合わせの前にも顔を合わせたことはあっただろうし、メールでやり取りしたこともあると思う。今にして思えば、谷崎課長が赴任してきた時に女性社員達が三十三歳の独身だって騒いでいた気もする。だけど、私には全く興味のないことだったから気に留めることもなかった。
谷崎課長は私にとって、新しい上司という存在でしかない。
ほぼ初対面に近い会社の上司と一緒に生活する。
マンガやドラマとかだったら、おいしいシチュエーションなんだろうけど、自分の身に起こるとストレス以外の何でもない。「上司と一緒に暮らすなんて、ドキドキしちゃう」みたいなテンションとは程遠い。知らない人と暮らす不安と気まずさで、胃がギリギリと絞られるように痛む。
谷崎課長が迎えに来る時間が刻一刻と近づく度に萎れていく私とは裏腹に、蘭ちゃんは朝からご機嫌だった。
私がいなくなるのがそんなに嬉しいの? とヘコんだけど、谷崎さんが来るからだよと南ちゃんが教えてくれた。
嘘でしょ? と思ったけどインターホンが鳴るなり、ものすごい勢いでハイハイし、谷崎課長が家に入ってきた途端に、きゃあきゃあ言いながら谷崎課長にしがみついた蘭ちゃんを見て納得した。谷崎課長には甥っ子がいるらしく、私より遥かに蘭ちゃんの扱いが上手かった。
私には絶対見せてくれない笑顔を谷崎課長に振りまいている蘭ちゃんに血の繋がりって一体……と、複雑な気持ちになったのは言うまでもない。落ち込んでいる私に兄は、「蘭が懐くくらい、アイツはイイ奴だから心配すんな」と言ってくれた。自分より三歳年上の相手をアイツ呼ばわりする兄の軽さに呆れつつも、少しだけ気が楽になった。中身が変わった叔母さんを怖がるような鋭い子が、笑顔で懐くってことは悪い人じゃないはず──自分で自分を勇気づけ、実家を後にした。
谷崎課長が住んでいる場所は、会社の最寄り駅の二駅手前の場所だった。
駅名は知っていたけど、降りたことは一度もない。毎日通り過ぎていた場所──そこで自分が生活しているのは不思議な感じだ。
屋根付きの商店街は駅を起点に駅を起点に二手に分かれている。上から見ると人の字みたいな感じ? どっちに行くのかキョロキョロしていたら、牛丼屋がある方だよと谷崎課長が教えてくれた。
商店街というと昔ながらのお店の集合体というイメージを持っていたけれど、ここは昔ながらのお店だけではなくチェーン店もある。その中には私が行こうと思っていたけど、なくなったアイスクリームショップがあった。ちょっとだけ得した気分。探検してみると楽しいかもしれない。
ここはとても活気があって家庭的だ。
うまく言えないんだけど、この商店街が行き交う人に「おかえり」って言っているような気がする。もちろん、私の隣を歩く谷崎課長にも。でも、私には「こんにちは」と言っているような気がしてどこか他人行儀な感じがする。
普段は早歩きだけど、見慣れない店を見かける度に目で追ってしまうのでのろのろ歩きになってしまう。
谷崎課長はそんな私にイラつくこともなく歩幅を合わせてくれて、時々お店の説明をしてくれた。
「この商店街を抜けたらマンションがある。一応、最寄り駅はさっきの駅になるけど、違う路線の駅も使えるから」
「二路線二駅利用可能ってやつですね」
「ああ。ただ会社の関係上、こっちの駅を使う方が多いかな」
「朝って、やっぱり混みますよね……」
「そうだな。でも急行の待ち合わせ駅だから、各停に乗れば押し潰されることはない。それに二駅だから苦ではないよ」
淡々と語るその姿とこの街が重なっていく。雰囲気が何となく似ている。おしゃれではないけど温かい感じが。
「なんか、谷崎課長に似合っている街ですね」
「そうか?」
何気なく言った言葉に谷崎課長は一瞬驚いた顔をして、私に穏やかな笑みを見せた。その表情が妙にくすぐったかった。
商店街を抜けると大きなマンション群が見えた。そこに谷崎課長が住んでいるマンションがある。同じような建物がいくつもあるので迷いそうだ。
「こんなスペースが残ってたんですね……」
「ああ、元々メーカーの研究所だったんだけど、撤退してね……」
「何だか切ない話ですね……」
しみじみ言うと、笑われてしまった。
ここはAからHまで棟があって、谷崎課長の部屋はマンションの入り口の手前から二番目のG棟にあるらしい。
手前から二番目のG棟……忘れないように心の中でぶつぶつ繰り返す。
エントランスで鍵をかざし、オートロックを解除する。最近のマンションだと当たり前なんだろうけど、一軒家に長く暮らしていた私には一つ一つの動作が新鮮だ。
エレベーターに乗り込み、谷崎課長は八階のボタンを押した。エレベーターを降りてすぐの部屋が、谷崎課長の部屋らしい。部屋番号は808。覚えやすそうな番号で良かった。
ドアが開き、中に入るよう促される。
「おじゃまします」
そう言って部屋に入ると、谷崎課長は寂しそうに笑った。
「つぐみの家だよ」
しまった……。また、この人に悲しい顔をさせてしまった。
けれど、「ただいま」とは言えなかった。私が知らない三年間の間に、谷崎つぐみになったという事実は受け止めた。でもそれを受け入れたわけではない。というかできない。私の中身は柏原つぐみのままなのだから。
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