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1.RPG
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眼を開けると青い空と大きな門が見えた。
仰向けの身体を起こすと門の向こうに城が見えた。
両脇に2つの塔を携え、真ん中に国旗のような旗(遠くて柄を判別するのは難しい)をつけた、典型的な城。配管工が何個か潰しそうな城。
ここは、どこだ?
自分のパーソナルな情報は覚えていない。名前、出自が思い出せない。当然、なぜ自分が仰向けになっていたかも。
身体をさぐると腰には鞘があり、剣が刺さっている。剣を抜くと太陽に刃がキラリと反射する。切れ味の良さそうな眩しさに眼を細める。
剣に反射して整った顔のイケメンが眼を細めて見つめていることに気づいた。
要するに、これが自分の顔ということである。
本能がうっすらと嫌悪感を覚える。理性はそれを疑問に感じる。
剣は見た目に比べ軽く、簡単に振り回すことができた。というか腕は筋肉隆々で引き締まっていた。
服装は、簡素にGパンにTシャツ。筋肉質な外国人の様に厚い胸板がピッタリTシャツに張り付いている。
服装以外はまさしくRPGの世界。
考察する。きっと自分はゲームの世界に入った。自分が何者かはわからないが、少なくともRPGを知っていて、本能的にイケメンを毛嫌いする。
要するに…。
考察を途中で終える。問題がないのに証明をしてもしょうがない。と自分に言い聞かせる。
どうせ仮説で終わるのだ、いくら理論を並べても。
うおぉぉぉ
考察も仮説も中途半端に終わらせると同時に城の方向から獣の様な咆哮が聞こえ、それを合図とする様に、急に辺りが人で溢れる。
「魔王が出た」「魔王に攻め入られた」「王様が危ない」「城はメチャクチャだ」
方々に口に出されているはずの言葉でも聞き取りづらくなく、クリアに耳に入る。聖徳太子にでもなった気分だ。
街人のあからさまなお膳立てで、何をすればいいかはだいたいわかった。
RPGの定番、魔王を倒して世界に平和をもたらす。そしてエンディング。
倒すのは勇者である自分、きっと。
剣持ってるし、ゲームの世界に入ったんだし、主人公であるはずだ。きっと、たぶん、maybe、about。
仮説を現状証拠で無理やりQ.E.Dする。採点者がいなけりゃ正解も不正解もない。
剣を鞘に戻し、立ち上がる。心持ち身体が軽い。かなり速く走れそうだ。
城へは門をくぐって一直線。
走る、走る、走る。胸は痛くならない、息切れもしない、速すぎて景色が、街並みがぼやける。
城の前の階段もスピードを落とさず登る。城の扉は開いたままで、そのまま城の中に入った。
「ガハハハ、きたか勇者」
大広間に響き渡る声、頭が5mはありそうな天井にたどり着きそうで、顔や手、足といった部位が自分と変わらないサイズで極端に大きい。
三角形の顔はおどろおどろしい紫色で目には何重もの輪があった。びっくり箱のピエロの様な風貌だ。
こいつが魔王か。
お互いに睨み、鎮静の時間も束の間、魔王はハエがいたかの様に腕を横に振り払う。
咄嗟に後ろに下がった、というか驚いて尻餅をついた。ブンッと鼻先に風を感じた。
「お前では勝てない」
魔王はそう言うと口を開けた。
何かがくる。頭が予測する。予言する。警報する。避けなくては、立つ時間がない、どうする?剣で防ぐ?
あたふたする思考の中で唯一の武器を防具として選択する。
魔王の口から出たのは案の定ビームだった。ビームがどんな成分で構成されているのか、そんなことは知らないが、どう見てもビームだった。
顔の前に突き立てた剣など、簡単に打ち砕き、ビームは身体全体を包んだ。
身体がバラバラになる。10cm、1cm、1㎜…。身体は破片となりカケラとなり、粒になり、消滅した。
最初から始める
眼を開けると青い空と大きな門が見えた。
仰向けの身体を起こすと門の向こうに城が見えた。
両脇に2つの塔を携え、真ん中に国旗のような旗(遠くて柄を判別するのは難しい)をつけた、典型的な城。配管工が何個か潰しそうな城。
魔王に消滅されたはずの身体を起こす。
腰の剣と筋肉隆々の身体、イケメンの顔、TシャツとGパン
え、待って、どういうこと?
仰向けの身体を起こすと門の向こうに城が見えた。
両脇に2つの塔を携え、真ん中に国旗のような旗(遠くて柄を判別するのは難しい)をつけた、典型的な城。配管工が何個か潰しそうな城。
ここは、どこだ?
自分のパーソナルな情報は覚えていない。名前、出自が思い出せない。当然、なぜ自分が仰向けになっていたかも。
身体をさぐると腰には鞘があり、剣が刺さっている。剣を抜くと太陽に刃がキラリと反射する。切れ味の良さそうな眩しさに眼を細める。
剣に反射して整った顔のイケメンが眼を細めて見つめていることに気づいた。
要するに、これが自分の顔ということである。
本能がうっすらと嫌悪感を覚える。理性はそれを疑問に感じる。
剣は見た目に比べ軽く、簡単に振り回すことができた。というか腕は筋肉隆々で引き締まっていた。
服装は、簡素にGパンにTシャツ。筋肉質な外国人の様に厚い胸板がピッタリTシャツに張り付いている。
服装以外はまさしくRPGの世界。
考察する。きっと自分はゲームの世界に入った。自分が何者かはわからないが、少なくともRPGを知っていて、本能的にイケメンを毛嫌いする。
要するに…。
考察を途中で終える。問題がないのに証明をしてもしょうがない。と自分に言い聞かせる。
どうせ仮説で終わるのだ、いくら理論を並べても。
うおぉぉぉ
考察も仮説も中途半端に終わらせると同時に城の方向から獣の様な咆哮が聞こえ、それを合図とする様に、急に辺りが人で溢れる。
「魔王が出た」「魔王に攻め入られた」「王様が危ない」「城はメチャクチャだ」
方々に口に出されているはずの言葉でも聞き取りづらくなく、クリアに耳に入る。聖徳太子にでもなった気分だ。
街人のあからさまなお膳立てで、何をすればいいかはだいたいわかった。
RPGの定番、魔王を倒して世界に平和をもたらす。そしてエンディング。
倒すのは勇者である自分、きっと。
剣持ってるし、ゲームの世界に入ったんだし、主人公であるはずだ。きっと、たぶん、maybe、about。
仮説を現状証拠で無理やりQ.E.Dする。採点者がいなけりゃ正解も不正解もない。
剣を鞘に戻し、立ち上がる。心持ち身体が軽い。かなり速く走れそうだ。
城へは門をくぐって一直線。
走る、走る、走る。胸は痛くならない、息切れもしない、速すぎて景色が、街並みがぼやける。
城の前の階段もスピードを落とさず登る。城の扉は開いたままで、そのまま城の中に入った。
「ガハハハ、きたか勇者」
大広間に響き渡る声、頭が5mはありそうな天井にたどり着きそうで、顔や手、足といった部位が自分と変わらないサイズで極端に大きい。
三角形の顔はおどろおどろしい紫色で目には何重もの輪があった。びっくり箱のピエロの様な風貌だ。
こいつが魔王か。
お互いに睨み、鎮静の時間も束の間、魔王はハエがいたかの様に腕を横に振り払う。
咄嗟に後ろに下がった、というか驚いて尻餅をついた。ブンッと鼻先に風を感じた。
「お前では勝てない」
魔王はそう言うと口を開けた。
何かがくる。頭が予測する。予言する。警報する。避けなくては、立つ時間がない、どうする?剣で防ぐ?
あたふたする思考の中で唯一の武器を防具として選択する。
魔王の口から出たのは案の定ビームだった。ビームがどんな成分で構成されているのか、そんなことは知らないが、どう見てもビームだった。
顔の前に突き立てた剣など、簡単に打ち砕き、ビームは身体全体を包んだ。
身体がバラバラになる。10cm、1cm、1㎜…。身体は破片となりカケラとなり、粒になり、消滅した。
最初から始める
眼を開けると青い空と大きな門が見えた。
仰向けの身体を起こすと門の向こうに城が見えた。
両脇に2つの塔を携え、真ん中に国旗のような旗(遠くて柄を判別するのは難しい)をつけた、典型的な城。配管工が何個か潰しそうな城。
魔王に消滅されたはずの身体を起こす。
腰の剣と筋肉隆々の身体、イケメンの顔、TシャツとGパン
え、待って、どういうこと?
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