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それからはトントン拍子に事は進んだ。秋宏から来年新作のゲームが出るかもしれないという連絡が入り、重ねて涼が久しぶりに会いたがっている旨を伝えた。
祝いを謳った宅飲みをすぐさまこじつけると、航大はそのまま涼にメッセージを送った。
『明後日20時に兄貴の家。どっちもシフト無し』
要件のみのそっけないメッセージに、すぐさま既読の文字が付いた。
『おけ! 行ける!』
航大は既読だけ付け、そのままスマホを閉じる。
ミザリの写真流出事件はネットでは大炎上したものの、内容が際どいということもあり昼のワイドショーなどでは大々的に取り扱われることはなかった。それでも未だにネットでは多くの火種が撒かれている。
『男と逃亡か?』
『みんな信じてたのに… 他のメンバーに悪いと思わないのかよ』
『クソビッチ。もうお前の居場所はないから死んでどうぞ』
未莉沙を罵倒する数々の言葉。読みたくないはずなのに、エゴサーチをして自ら目に入れてしまう。
このネットの海のどこかに、プレイヤーである自分の顔写真までもが晒されているのではないかという不安も常に頭の中にあった。
『死んでどうぞ』
フリックする親指が小さく震える。フラッシュバックするのは血の海の中で横たわるミザリ。
何も悪いことをしていない彼女が、どうしてあんな目に遭わなければならないのか……
航大は汗ばんだ拳をぎゅっと握りしめると、そのままベッドに拳を下ろした。
「くそっ……!」
枕元に転がったスマホが勢いよくぼすんと跳ねたと同時に、パッと画面が明るくなる。
『ほぼ夏だけど鍋するか(笑)涼ってキムチ鍋好きだっけ?』
メッセージの相手は秋宏だった。航大はスマホを力無く握ると、そのまま項垂れるようにベッドに頭を沈めた。
「兄ちゃん……」
祝いを謳った宅飲みをすぐさまこじつけると、航大はそのまま涼にメッセージを送った。
『明後日20時に兄貴の家。どっちもシフト無し』
要件のみのそっけないメッセージに、すぐさま既読の文字が付いた。
『おけ! 行ける!』
航大は既読だけ付け、そのままスマホを閉じる。
ミザリの写真流出事件はネットでは大炎上したものの、内容が際どいということもあり昼のワイドショーなどでは大々的に取り扱われることはなかった。それでも未だにネットでは多くの火種が撒かれている。
『男と逃亡か?』
『みんな信じてたのに… 他のメンバーに悪いと思わないのかよ』
『クソビッチ。もうお前の居場所はないから死んでどうぞ』
未莉沙を罵倒する数々の言葉。読みたくないはずなのに、エゴサーチをして自ら目に入れてしまう。
このネットの海のどこかに、プレイヤーである自分の顔写真までもが晒されているのではないかという不安も常に頭の中にあった。
『死んでどうぞ』
フリックする親指が小さく震える。フラッシュバックするのは血の海の中で横たわるミザリ。
何も悪いことをしていない彼女が、どうしてあんな目に遭わなければならないのか……
航大は汗ばんだ拳をぎゅっと握りしめると、そのままベッドに拳を下ろした。
「くそっ……!」
枕元に転がったスマホが勢いよくぼすんと跳ねたと同時に、パッと画面が明るくなる。
『ほぼ夏だけど鍋するか(笑)涼ってキムチ鍋好きだっけ?』
メッセージの相手は秋宏だった。航大はスマホを力無く握ると、そのまま項垂れるようにベッドに頭を沈めた。
「兄ちゃん……」
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