お待たせ皇子様、出前です!

カギカッコ「」

文字の大きさ
30 / 39

30 山憂炎のはかりごと1

しおりを挟む
 その人は、文人墨客が目にすればまさに名作が生まれそうな様で扇子を手にし、優雅に背に流した長髪をなびかせ、さや細工も繊細な一振りの剣の上にたたずんでいた。

「――若様!?」
「やあ、阿風」

 驚きに目を剥く凛風を見下ろして、上空の山憂炎は柔らかく目を細め眉尻を下げた。

(わあ~すごい飛んでる。この人って仙人してても風流人だわ。貴重な仙剣も初めて見たし。これって身一つで飛べるじい様とはまた違った才能よね)

 祖父の楊叡は飛翔に仙剣は必要ないので、彼の家にある剣も至って普通の剣だ。
 飛行の仙術には適する剣とそうでない剣があるそうで、巷に出回るどんな剣でも良いというわけではないらしいとは前に祖父から聞いた事があった。

(へえ、でも仙剣って、見た目は普通の剣と変わらないんだ)

 現実をうっかりちょっと忘れて物珍しそうに見ていると、山憂炎は仙剣をゆっくりと降下させ地面に爪先を下ろした。鞘に入ったままの仙剣は彼が扇子をひらりと動かすと奇術のように消え去った。武器収納の仙術だろう。

「とととところで阿風大丈夫だったかい!?」
「はい?」

 次の瞬間、山憂炎は飛び付くようにして凛風の様子をあちこちから検分してきた。

(ああこの慌てぶり、ちゃんと若様だ。黒蛇との攻防を上から見ていたのかも)

「すすす擦り剥いたり切れたり打ったりした所はないかい? あああそれに早く着替えないと風邪を引いてしまうよ! 風邪は万病の元なんだよーーーーっ!」
「ど、どこも何ともありませんから大丈夫です。寒くもないですし、本当に大丈夫です。だから落ち着いて下さい若様」
「ほ、本当に?」
「はい」
「本当の本当に?」
「ええ」
「そうか、良かった~……」

 凛風が内心の辟易を顔に出さずに冷静に宥めて、ようやくいつものきらきらしい貴公子が戻ってきた。

「ところで、いくら私がじい様の孫だからって、そんなに過保護にしなくても大丈夫ですよ?」
「うん? そんな風にしてるつもりはないけれど……僕って過保護なのかな……?」
「あー……自覚、なかったんですか」

(きっと仙人故に感覚がズレて……いやいや深~い心の持ち主なんだわ)

 凛風は自分でもよくわからない納得をした。

「ええと、山太師なのですよね……?」
「えー、山太師どうしてここにいるんですかー」

 人格崩壊もかくやな山憂炎を目の当たりにして、すっかり呆気に取られていた肖兄弟だったが、我に返るや揃って問いを投げた。因みに肖子豪は棒読みだ。

「あなたがこの場に、という事は、もしかして先の水塊はあなたが?」
「ああ、あれはー……まあ半分はね」
「半分?」

 珍しくちょっと目を泳がせた山憂炎のよくわからない説明に、問うた肖子偉同様、凛風も小首を傾げた。

「ああそうだ小風、今日は包子をどうもありがとう。けれど駄目にしてしまったね。それだけは本当にごめんね? 厨房の方でもっと早くに出してくれたら良かったんだけど……」

 出火騒動で肖子偉のように食す前に避難した者もいたのだ。自身が依頼したものであり、尚且つ気に入ってもいる料理だけに、心から残念で申し訳なく思っているのが伝わってきた。配膳の順番までは山憂炎も口を出せなかったのだろう。

「ええとそれは仕方のない状況でしたし別にいいんですけど、逃げる必要はないって言うのは一体……?」
「そうだぜ仙人さんよ~、逃げる必要はねえってどういうこったよ?」

 凛風に呼応するようにして苛立たしげに口を挟んだのは黒蛇だ。
 粗野な自分と正反対の優雅な美形は嫌いなのか、完全に不機嫌丸出しイチャモン上等な態度だ。
 メンチを切る黒蛇に味方したいわけではないが、今この場の若者たちの心に浮かぶ疑問は同じだった。

「言葉通りだよ。君は少々きゅうを据える程度の罪状になるだろうから、ここで逃げて罪を重くするのは得策ではないってこと」
「どういう事だ、山太師?」

 真っ先に肖子豪が詰問した。憤怒に据わった眼差し同様に声音も険呑だ。
 弟が庇ったとは言え、第三者からあろう事か微罪などと言われては、到底納得できるものではないのだろう。
 その感情は共感でき、凛風も純粋な困惑と僅かな非難を込めて山憂炎を見つめた。
 命を狙われた当人は兄が山憂炎に詰め寄るのをおろおろとしながらも、また、狙った当人は疑問を抱いた顔をしながらも、双方どこかまだ仙人の出方を窺っているように口を開かない。

「そうだね。きちんと説明するよ。けれどまず一つはっきり言っておくと――」

 そんな若者たちそれぞれの心境を理解しているのか、仄かに目元を和らげた山憂炎は、片手で器用に閉じたり開いたりを繰り返していた扇子をパチリと閉じ、その先を黒蛇へと向けた。

「――僕はそこの彼が、どうしても欲しかったんだよ」

 一時、妙な沈黙が流れた。




「急にだんまりになって、皆一体どうしたんだい?」

 全く予期しない凍結が生じ、発言した当人は多少のいぶかりを孕んで一同を見回した。
 黒蛇が嫌そうに顔を歪める。

「悪いが俺、女しか無理だぜ」
「女しか?」

 黒蛇の台詞を受け、山憂炎は僅かな苦笑を漏らす。

「いやいや済まないね、誤解を招く言い方をして。正直今はどっちでも行けるけれど、そもそも君は好みではないし、そう言う話でもないしね」

 さらりと両刀発言をかまされたが、凛風は聞き流すと決めた。今は本当にそう言う話をしている場合ではないのだ。

「君が大人しくしていてくれれば、悪いようにはしない。まあ二日三日、長くても十日程度牢に入って反省してもらうって形にはなると思うけれど」

 言外に秘められた意図を摑めず、黒蛇は眉を顰める。
 凛風たち三人も似たような表情を作っている。

「実を言うと、彼はこの件では仕掛け人扱いなんだよ」

 広げていた扇子を片手で閉じてまた開き、山憂炎はそんな事をのたまった。

「はあ? 仕掛け人だと? こいつは子偉を殺そうとした極悪人だろ」
「俺も仕掛け人になった覚えはねえぜ。第二皇子の件を抜きにしても、俺はこの宮だけじゃなく城を何か所も燃やした主犯だぜ、微罪っつーわけにいくかよ。それとも何か? 皇帝陛下が恩赦でもくれるってのか?」
「まさか」

 見た目通りではなく長命な仙人の彼はゆるく首を振ると、扇子を左手に持ち替え空いた右手の指を三本立てた。

「理由は三つ。一つは、皇帝陛下は皇城内からの出火を前もって御存知だったからさ。どうしても必要な訓練だと説得してあったからね。最初は渋られてどうしようかと悩んだけれど最終的に承諾を頂けて良かったよ。今頃は訓練だったと一緒に避難した皆にもきちんと説明してくれているだろうね」

 彼の話には皆絶句した。
 警護を担っていた肖子豪は大事な情報が秘匿されていた事実に難しい顔つきになったし、計画が漏れていたと言われたも同然の黒蛇は愕然としている。仲間に裏切り者がいたとでも思ったのかもしれない。

「心配しなくとも君の計画が誰かから漏れたわけではないよ。僕には僕の情報網があるとでも言っておこう」

 心中を察したように山憂炎から言われ、ついつい安堵の表情を浮かべてしまった黒蛇はそんな自分に気付いて苦々しそうに舌打ちした。
 一つ目で一本指を折っていた山憂炎が二本目の指を折る。

「二つ目は、子偉殿下の命の保証はされていたからかな。本来僕が彼を護るつもりだったんだけど、小風が来てくれたからお役御免になってしまったよ。因みにこれはさすがに皇帝陛下も知らないよ。息子の命を囮に使われるなんて気が気ではないだろうから、僕も敢えて話していない。この事を告げるか否かは君たちの自由にするといい」

 つまりは独断専行。
 さらりととんでもない事を述べる山憂炎の底の知れない微笑に、その場の空気が些か冷えた。

「山太師、三つ目は何ですか?」

 肖子偉がややぎこちない声で最後の指を問えば、雅やかな仙人は雪露宮の入口のある方へとふと視線をやった。

「ああ、ちょうど良かった。来た来た」

(来たって、誰が?)

 山憂炎に倣い同じ方へ目を向けていると、回廊を通り庭を歩いて来る複数の人影が目に入った。
 近付いて来るその影のうちの一人が誰かわかった途端、凛風は大きく目を瞠った。

「えっ!? 父さん!?」

 先頭を歩いてきたのは何と父親の雷浩然だった。
 声が裏返ってしまったが、それほどに意外だった。

「お、お前ら!? 逃げてなかったのか!?」

 ほとんど時間差なく黒蛇も大きく仰天の声を上げた。

(え、何? まさかあの人たちって――……)

 雷浩然の後ろに見える男たちは揃いも揃って手首をしっかりと縛られ、その全員が更に同じ縄で繋がれている。雷浩然はあたかも導き手のようにその始まり部分を握っていた。この皇城内で縛られるということはそれすなわち罪人という意味だ。

「お頭~」
「親分~」
「兄貴~」

 男たちは黒蛇を見て泣き言でも言うような声を上げた。
 彼らは紛れもなく黒蛇が二人もしくは三人一組で火付けを任せた手下たちだった。
 ぞろぞろと歩かされる仲間たちに、彼は酷く狼狽うろたえた様子を見せている。
 そんな様子を目の当たりにすれば、根はいい奴……とまではいかないが、黒蛇という人間全部で悪人というわけではないのだろうと凛風は改めて思ってしまった。

(見る側面が違えばその相手の像も違って見えるんだろうけど、でもやっぱり子偉皇子を狙ったんだし、簡単には赦せない)

 それでも鬱屈したものを押し込めて、凛風は努めて冷静にと何度も自分に言い聞かせた。

「父さん、これはどういう事?」

 かなり真剣にそっくりさんかと疑ったものの、やはりどこからどう見ても父親の雷浩然だ。
 だがしかし文官の父親が、顔に傷があったりいかつい面立ちだったりと、この見るからに荒くれ者どもと渡り合って捕まえたというのだろうか。

(ううん天地が引っくり返ってもそんなわけないよ。だって父さん武芸はからっきしだもの)

 娘の戸惑いを見て取って、雷浩然は察し良く苦笑した。

「実は、一緒にいたお義父さんが彼らを捕まえてくれたんだよ。だけど首領を泳がせる必要があるとかで、彼らの計画に乗っかったというわけだ。今は、頃合いだとお義父さんに呼ばれたから彼らを連れて来た」
「へ!? じい様と一緒に? じゃあ今日はじい様もここにいるってこと?」
「――左様」

 声のした方を見上げれば楊叡が空からゆっくりと下りて来たところだった。
 本当に来ていた祖父の姿を認識すれば、内心気が抜けた。
 武芸事の師事もしている祖父は、凛風にとって小さい頃から無敵の象徴なのだ。
 彼がいればどんな怖い事も大丈夫。
 密かに今も昔もそんな風に思っているし、彼の姿に憧れて自分も誰かにとってそう頼ってもらえる存在でありたいと思うようになった。

「何だ……じい様に若様、仙人が二人もいて余裕だったんだ。さっき若様が池の水を動かしたのは、自分は半分って言ってたけど、じゃあもう半分はじい様なんだね」

 池の水と耳にして何故か楊叡がキッと山憂炎を睨み、山憂炎は気まずそうに横を向いてその突き刺さる眼差しを避けた。
 謎のやり取りを怪訝けげんには思ったが、それよりも他の出火場所の事が気になりその方向を見つめて顔を曇らせれば、気付いた雷浩然も同じ方向を眺めた。

「凛風、大丈夫だ。雪露宮以外に関しては、燃えたのは庭先で大鍋に入れて火に掛けた油だったり城で出たゴミだよ。だから人や建物に実害はない」
「え、それって……?」
「はあ!? おいどういうこったよ?」

 凛風は完全に意表を突かれた心地だった。
 それは黒蛇も同様なのだろう、急かすように真相を求める。

「つまりは、そう――偽の火事だ。煙さえ上げれば良かったからな。実はそこの彼らは宴の前にはもう潜んでいた所を捕縛し終えていたんだ」
「そうなの? じゃあ、本当に大丈夫なんだ……?」

 放心気味に確かめれば、父親は大きく頷いてくれた。
 これで山憂炎の立てた三つ目の指の内容がわかった。

 雪露宮外においては、黒蛇の計画は端から実行されていなかったのだから、罰しようがないという理屈だろう。

「くそっ、俺はまんまと踊らされてたってわけか」

 頭を掻きむしりたいような顔をして悪態をつく黒蛇を前に、彼の手下たちは悄然とはしつつも、その様子からどこかこれで良かったと思っている節がある。
 縛られているとは言え彼らが暴れないのは、黒蛇の死罪を免じる旨の話をされていたからに違いない。
 彼は殺しも厭わない残忍な部分もある一方では、頭として慕われるだけの度量も持ち合わせているのだろう。

「知ってたんなら教えてくれればよかったのに」

 種明かしと言わんばかりの暴露に、安心した半面少し恨めしく思って凛風は身内たちを睨んだ。
 肖子偉だけで手一杯だったが、姿の見えない父親の事も何も知らずに本気で心配していたのだ。

「すまぬの、阿風」
「悪かったよ、凛風」
「阿風、そう二人を怒らないでやって。これは全て僕が考えた策なんだ。雷浩然はこの国の臣下としてそれに従ってくれただけだし、太……ああいや楊仙人は万一があるといけないからって協力してくれただけなんだ。だから怒るなら全面的に責任がある僕に怒って? ねえ?」

 取り成す意味もあるのだろう、山憂炎からそんな風に言われてしまっては怒るに怒れない凛風は、仕方がなく眉間を緩めた。

「ですけど、雪露宮には被害が出たんですよ。この茶番には一体何の意図があったんです?」

 まだ若干口を尖らせ凛風が問えば、肖兄弟も同じ疑問を抱いていたようで、山憂炎へと答えを促すような目を向ける。
 山憂炎は扇子を手で弄びながら困ったような顔をして、その扇子の先をトンと自身のこめかみに小さく当てた。

「さっきも言ったように、僕には彼が必要だからだよ。そのための布石さ」

 常から典雅な仙人は、ぱらりと扇子を開くとその麗しの面に微笑を宿し黒蛇を見据えた。

「ねえ君、僕の下で働かないかい?」

 そんな台詞を口にして。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

短編【シークレットベビー】契約結婚の初夜の後でいきなり離縁されたのでお腹の子はひとりで立派に育てます 〜銀の仮面の侯爵と秘密の愛し子〜

美咲アリス
恋愛
レティシアは義母と妹からのいじめから逃げるために契約結婚をする。結婚相手は醜い傷跡を銀の仮面で隠した侯爵のクラウスだ。「どんなに恐ろしいお方かしら⋯⋯」震えながら初夜をむかえるがクラウスは想像以上に甘い初体験を与えてくれた。「私たち、うまくやっていけるかもしれないわ」小さな希望を持つレティシア。だけどなぜかいきなり離縁をされてしまって⋯⋯?

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

辺境のスローライフを満喫したいのに、料理が絶品すぎて冷酷騎士団長に囲い込まれました

腐ったバナナ
恋愛
異世界に転移した元会社員のミサキは、現代の調味料と調理技術というチート能力を駆使し、辺境の森で誰にも邪魔されない静かなスローライフを送ることを目指していた。 しかし、彼女の作る絶品の料理の香りは、辺境を守る冷酷な「鉄血」騎士団長ガイウスを引き寄せてしまった。

転生賢妻は最高のスパダリ辺境伯の愛を独占し、やがて王国を救う〜現代知識で悪女と王都の陰謀を打ち砕く溺愛新婚記〜

紅葉山参
恋愛
ブラック企業から辺境伯夫人アナスタシアとして転生した私は、愛する完璧な夫マクナル様と溺愛の新婚生活を送っていた。私は前世の「合理的常識」と「科学知識」を駆使し、元公爵令嬢ローナのあらゆる悪意を打ち破り、彼女を辺境の落ちぶれた貴族の元へ追放した。 第一の試練を乗り越えた辺境伯領は、私の導入した投資戦略とシンプルな経営手法により、瞬く間に王国一の経済力を確立する。この成功は、王都の中央貴族、特に王弟公爵とその腹心である奸猾な財務大臣の強烈な嫉妬と警戒を引き寄せる。彼らは、辺境伯領の富を「危険な独立勢力」と見なし、マクナル様を王都へ召喚し、アナスタシアを孤立させる第二の試練を仕掛けてきた。 夫が不在となる中、アナスタシアは辺境領の全ての重責を一人で背負うことになる。王都からの横暴な監査団の干渉、領地の資源を狙う裏切り者、そして辺境ならではの飢饉と疫病の発生。アナスタシアは「現代のインフラ技術」と「危機管理広報」を駆使し、夫の留守を完璧に守り抜くだけでなく、王都の監査団を論破し、辺境領の半独立的な経済圏を確立する。 第三の試練として、隣国との緊張が高まり、王国全体が未曽有の財政危機に瀕する。マクナル様は王国の窮地を救うため王都へ戻るが、保守派の貴族に阻まれ無力化される。この時、アナスタシアは辺境伯夫人として王都へ乗り込むことを決意する。彼女は前世の「国家予算の再建理論」や「国際金融の知識」を武器に、王国の経済再建計画を提案する。 最終的に、アナスタシアとマクナル様は、王国の腐敗した権力構造と対峙し、愛と知恵、そして辺境の強大な経済力を背景に、全ての敵対勢力を打ち砕く。王国の危機を救った二人は、辺境伯としての地位を王国の基盤として確立し、二人の愛の結晶と共に、永遠に続く溺愛と繁栄の歴史を築き上げる。 予定です……

崖っぷち令嬢は冷血皇帝のお世話係〜侍女のはずが皇帝妃になるみたいです〜

束原ミヤコ
恋愛
ティディス・クリスティスは、没落寸前の貧乏な伯爵家の令嬢である。 家のために王宮で働く侍女に仕官したは良いけれど、緊張のせいでまともに話せず、面接で落とされそうになってしまう。 「家族のため、なんでもするからどうか働かせてください」と泣きついて、手に入れた仕事は――冷血皇帝と巷で噂されている、冷酷冷血名前を呼んだだけで子供が泣くと言われているレイシールド・ガルディアス皇帝陛下のお世話係だった。 皇帝レイシールドは気難しく、人を傍に置きたがらない。 今まで何人もの侍女が、レイシールドが恐ろしくて泣きながら辞めていったのだという。 ティディスは決意する。なんとしてでも、お仕事をやりとげて、没落から家を救わなければ……! 心根の優しいお世話係の令嬢と、無口で不器用な皇帝陛下の話です。

氷狼魔術師長様と私の、甘い契約結婚~実は溺愛されていたなんて聞いていません!~

雨宮羽那
恋愛
 魔術国家アステリエで事務官として働くセレフィアは、義理の家族に給料を奪われ、婚期を逃した厄介者として扱われていた。  そんなある日、上司である魔術師長・シリウスが事務室へやってきて、「私と結婚してください」と言い放った!  詳しく話を聞けば、どうやらシリウスにも事情があるようで、契約結婚の話を持ちかけられる。  家から抜け出るきっかけだと、シリウスとの結婚を決意するセレフィア。  同居生活が始まるが、シリウスはなぜかしれっとセレフィアを甘やかしてくる!? 「これは契約結婚のはずですよね!?」  ……一方セレフィアがいなくなった義理の家族は、徐々に狂い始めて……? ◇◇◇◇  恋愛小説大賞に応募予定作品です。  お気に入り登録、♡、感想などいただければ、作者が大変喜びます( . .)"  モチベになるので良ければ応援していただけると嬉しいです! ※この作品は「小説家になろう」様にも掲載しております。

「不吉な黒」と捨てられた令嬢、漆黒の竜を「痛いの飛んでいけー!」で完治させてしまう

ムラサメ
恋愛
​漆黒の髪と瞳。ただそれだけの理由で「不吉なゴミ」と虐げられてきた公爵令嬢ミア。 死の森に捨てられた彼女が出会ったのは、呪いに侵され、最期を待つ最強の黒竜と、その相棒である隣国の竜騎士ゼノだった。 しかし、ミアが無邪気に放った「おまじない」は、伝説の浄化魔法となって世界を塗り替える。 向こう見ずな天才騎士に拾われたミアは、隣国で「女神」として崇められ、徹底的に甘やかされることに。 一方、浄化の源を失った王国は、みるみるうちに泥沼へと沈んでいき……?

ヒロインしか愛さないはずの公爵様が、なぜか悪女の私を手放さない

魚谷
恋愛
伯爵令嬢イザベラは多くの男性と浮名を流す悪女。 そんな彼女に公爵家当主のジークベルトとの縁談が持ち上がった。 ジークベルトと対面した瞬間、前世の記憶がよみがえり、この世界が乙女ゲームであることを自覚する。 イザベラは、主要攻略キャラのジークベルトの裏の顔を知ってしまったがために、冒頭で殺されてしまうモブキャラ。 ゲーム知識を頼りに、どうにか冒頭死を回避したイザベラは最弱魔法と言われる付与魔法と前世の知識を頼りに便利グッズを発明し、離婚にそなえて資金を確保する。 いよいよジークベルトが、乙女ゲームのヒロインと出会う。 離婚を切り出されることを待っていたイザベラだったが、ジークベルトは平然としていて。 「どうして俺がお前以外の女を愛さなければならないんだ?」 予想外の溺愛が始まってしまう! (世界の平和のためにも)ヒロインに惚れてください、公爵様!!

処理中です...