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act.06
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act.06
今日は本当に疲れた。毎週木曜日は一限から授業があり、その後はアルバイトを終電ギリギリまでやって帰る。カフェのアルバイトで夜はあまり人が来ないのだけれど、今日は天変地異の前触れか、馬鹿みたいに客が来店したのだ。
クタクタになってお店を出ると、スマホに一件の通知。
山蛇さんだ。
どうやら、彼も仕事が終わって俺のアパートに居るらしい。先にご飯食べてていいよ、と返すと少し迷ったのだろう、五分くらい空いてわかった、と返ってきた。
今から帰ると日付を跨ぐ。早く帰って買っておいたプリンを食べよう。お疲れ自分。
俺は急いで、電車に乗り込んだ。
風呂から出て、冷蔵庫の中を確認した時に事件は怒った。
「は!?山蛇さん、プリン食べた!?!?」
冷蔵庫に入れて置いたプリンが無い。風呂から出てきてソファに座ってやがる彼に詰め寄った。
「え、うん。美味しそうだったから」
「お、美味しそうだったから!?!?!」
確かに山蛇さんの前のテーブルには空になったプリンのカップ。
「なんで食べちゃうのさ!!!」
「いや…二個あったし……」
違うのだ、浅草橋で売っている限定プリンで人気の味を二種類をひとつずつ買ってきたのだ。しかも、山蛇さんが食べたのは俺が特に楽しみにしてた方!平日ですら長蛇の列でおひとり様二個までなのだ。
二人で半分ずっこしようと思ってたのに………
「なんで俺に聞かずに食べちゃうの!」
「ごめんね?今からコンビニで買ってこようか」
「それじゃダメなんだって!」
俺はふと冷静になってこれじゃ、駄々を捏ねる子供だ。落ち着きたいのに、それでも怒りは収まらない。どうしよう、どうしよう。
「~~~!、もう知らん!!山蛇さんなんて大っ嫌い!!!」
疲れと怒りで爆発してしまい、そのまま寝室に向かう。ベッドに潜るとなんだか涙が出てくる。
ほんと、こんなことで怒るなんてガキ過ぎる。
しばらくして、ベッドにそっと潜り込んでくる暖かいもの。きっと山蛇さんだ。背を向けて寝る俺のジャージをきゅ、と掴んで、おやすみ、と囁いた。
今日は疲れた。もう眠ってしまいたい。
次の日の朝、今日は二限からなのでちょっと遅起きだ。山蛇さんが寝ていたであろう場所はもう冷たくなっており、テーブルの上には朝ごはんにラップがしてあった。
『昨日はごめんね、いってきます。』
そう書かれてある。その優しげな彼の気持ちが伝わってきてまた泣いてしまった。俺はいつからこんなに涙脆くなってしまったのだろう。
それから、日中に山蛇さんからLINEが入っていたが全て未読無視をしてしまった。
本当に子供でごめんなさい、モヤモヤして仕方がない。自分の部屋に帰ってきてソファでふて寝をする。
「俊平くん、俊平くん起きて」
何時間経ったのだろうか、目を開けると山蛇さんがちょっと困ったように笑ってる。
「おかえりなさ、やまださ、」
「ほら、見て?」
山蛇さんの手には、プリンのお店のロゴが書いてある紙袋を持っている。
「ね、怒るの疲れたでしょ?許してくれる?」
きっと、あの長蛇の列だから部下の人に買わせたのだろうか。部下の人、かわいそう。
「心外だなあ、ちゃんと自分で並んできたさ」
そう、俺の為に?
「そう、君の為に
………いや、僕の為かもしれない。」
俺の為?
「君に嫌われたら、僕は生きていけない」
ハハ、重いなあ
「そうかな」
うん、そう。そのままもっともっと深みに嵌っちまえよ。俺はとっくに……
今日は本当に疲れた。毎週木曜日は一限から授業があり、その後はアルバイトを終電ギリギリまでやって帰る。カフェのアルバイトで夜はあまり人が来ないのだけれど、今日は天変地異の前触れか、馬鹿みたいに客が来店したのだ。
クタクタになってお店を出ると、スマホに一件の通知。
山蛇さんだ。
どうやら、彼も仕事が終わって俺のアパートに居るらしい。先にご飯食べてていいよ、と返すと少し迷ったのだろう、五分くらい空いてわかった、と返ってきた。
今から帰ると日付を跨ぐ。早く帰って買っておいたプリンを食べよう。お疲れ自分。
俺は急いで、電車に乗り込んだ。
風呂から出て、冷蔵庫の中を確認した時に事件は怒った。
「は!?山蛇さん、プリン食べた!?!?」
冷蔵庫に入れて置いたプリンが無い。風呂から出てきてソファに座ってやがる彼に詰め寄った。
「え、うん。美味しそうだったから」
「お、美味しそうだったから!?!?!」
確かに山蛇さんの前のテーブルには空になったプリンのカップ。
「なんで食べちゃうのさ!!!」
「いや…二個あったし……」
違うのだ、浅草橋で売っている限定プリンで人気の味を二種類をひとつずつ買ってきたのだ。しかも、山蛇さんが食べたのは俺が特に楽しみにしてた方!平日ですら長蛇の列でおひとり様二個までなのだ。
二人で半分ずっこしようと思ってたのに………
「なんで俺に聞かずに食べちゃうの!」
「ごめんね?今からコンビニで買ってこようか」
「それじゃダメなんだって!」
俺はふと冷静になってこれじゃ、駄々を捏ねる子供だ。落ち着きたいのに、それでも怒りは収まらない。どうしよう、どうしよう。
「~~~!、もう知らん!!山蛇さんなんて大っ嫌い!!!」
疲れと怒りで爆発してしまい、そのまま寝室に向かう。ベッドに潜るとなんだか涙が出てくる。
ほんと、こんなことで怒るなんてガキ過ぎる。
しばらくして、ベッドにそっと潜り込んでくる暖かいもの。きっと山蛇さんだ。背を向けて寝る俺のジャージをきゅ、と掴んで、おやすみ、と囁いた。
今日は疲れた。もう眠ってしまいたい。
次の日の朝、今日は二限からなのでちょっと遅起きだ。山蛇さんが寝ていたであろう場所はもう冷たくなっており、テーブルの上には朝ごはんにラップがしてあった。
『昨日はごめんね、いってきます。』
そう書かれてある。その優しげな彼の気持ちが伝わってきてまた泣いてしまった。俺はいつからこんなに涙脆くなってしまったのだろう。
それから、日中に山蛇さんからLINEが入っていたが全て未読無視をしてしまった。
本当に子供でごめんなさい、モヤモヤして仕方がない。自分の部屋に帰ってきてソファでふて寝をする。
「俊平くん、俊平くん起きて」
何時間経ったのだろうか、目を開けると山蛇さんがちょっと困ったように笑ってる。
「おかえりなさ、やまださ、」
「ほら、見て?」
山蛇さんの手には、プリンのお店のロゴが書いてある紙袋を持っている。
「ね、怒るの疲れたでしょ?許してくれる?」
きっと、あの長蛇の列だから部下の人に買わせたのだろうか。部下の人、かわいそう。
「心外だなあ、ちゃんと自分で並んできたさ」
そう、俺の為に?
「そう、君の為に
………いや、僕の為かもしれない。」
俺の為?
「君に嫌われたら、僕は生きていけない」
ハハ、重いなあ
「そうかな」
うん、そう。そのままもっともっと深みに嵌っちまえよ。俺はとっくに……
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