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VS北夕鮮・尖閣諸島編
第63話:螺旋創出④
しおりを挟む――――マキと共に戦い、複数人の敵兵を葬ったオウカ。
国衛隊の審議会において、数人の幹部が ”オウカの武功を高く評価すべき” と声高に主張。
オウカは、将校の座へ一歩近づいていた。
加えて、部隊長マキから忍者族ハツメへと、殉職直前に最後のメッセージが送信されていた。
[オウカ隊員は信じられる。スパイである可能性は極めて低い。詳細は後日]
ハツメは、マキの意向を尊重――オウカをスパイ被疑者から、除外した。
……オウカは、それらを知る由もない。
――――1週間後、石垣島駐屯地での治療が終了。
(引き続き治療を受ける隊員も数名いる)
オウカとエレナ、そして他3名の隊員たちは 本土へと向かうため、防衛省と契約した民間のフェリーに乗っていた。
オウカとエレナは、そのデッキ部分のテーブルにレモンジュースを置き、椅子に座りながら 大海原を眺めていた。
……水平線あたりに、沖縄本島が ぼんやりと見える。
――動員数32名中、死亡者9名。
甚大な、被害だ。
魚釣島での戦死者を弔うため、その遺体を回収しにいった者たちからの報告の一部が、隊員たちにも知らされている。
……そして、オウカとエレナにとっては、重大な情報も。
”カンナ隊員の愛刀が、何者かによって持ち去られていた”
「――マキ部隊長は、上に報告してくれてた。カンナ、最期まで信念を貫いたんだね。」
エレナは、オウカの心情を察しつつも……慎重に言葉を選びつつ口を開いた。
「ああ、カンナとは一緒に戦った。別行動の後は、ヨハンってヤツに……」
……カンナが最期まで戦った相手がヨハンであることは、国衛隊情報課から すでに伝わっている。
マキ部隊長と戦ったヨハンが、カンナを殺していた……という事実を知ったのは、石垣島駐屯地に来た2日後だった。
「……話そうか?私がカンナと共に行動した、数時間の出来事を」
エレナは、オウカの心情を理解・共感しつつも、話を聞きたい衝動……
……そして、自分に話すと言ってくれているオウカの決意をムダにしないために、静かに頷いた。
シーナ国で、味方が死ぬことは何回も経験した。
なのに何故、カンナの死が これほど自分の精神に影響しているのか?
信念への共感?心境への理解?……わからない。
オウカの語りは、自分自身に問いかけている様にも、思えた。
……オウカは、一通り話した後、改めて口を開く。
「私も知りたい……カンナって、普段どんな子だったの?」
――――同時刻。
それは、ありとあらゆる動画サイトやSNSで拡散されていた。
「まさか、あの平和なハズの日ノ国が……こんな事態に」
世界中が、そんな意見で溢れかえっていた。
火種は撒かれた。
巨大な悪意に 突き動かされ、大悪が実行に移される。
北夕鮮 総統ギムは――日ノ国本土への侵攻の意思を、正式に表明した。
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