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一章 颯太アテネ
僕の呪いは僕以上の人しか解けない
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突き刺すはずだった。
王は言った。
「あやつは敵になる確率が高い。いや、一般人になにもしなくとも我々王族に害を加えそうだ。半年前から、考えるとだけれども。つまり、お主には、神月 凪の暗殺を頼みたい。」
それが鍵を貸す条件だと。
「嫌だって言ったら………どうしますか?」
「追放する。」
まぁ、そうだろうなぁ…………
鍵が無ければ入れない。
「王族との仲が良ければ命をとらないでやるがなぁ………」
いや、多分それは無理じゃないかなぁ………
だって僕が会いに行く理由はもう一度話したいのと、単純に恋に落ちたからですからね?
男に恋するはずないって思ってたのに…………
あんな王子みたいだからいけないんだよ!
だから仲良くより、恋人になりたいし。
そしたら、お前ら全員仲良くあの世行きさせてやる!
まぁ、でも、王の命令に従わないと、多分死ぬんだろうなぁ………
運良く、一緒に塔に暮らせたり………
したらいいけど。
ナイフを握る。
結局、僕には多分刺せない。
もし、凪が親の仇とか言われても。
「でも本当に僕は好き………なのかな?それとも…………」
ただ、気に入ったから生かしたいだけ?
自分を認めてくれたから、一生自分の自尊心を保つ為の道具にしたいの?
それとも、親愛?
自分の気持ちもわからない。
ずっと一生一緒に居たいって、今は思える。
でも、それは大人になっても言えるの?
「ん…………あれ?君半年前の子だねぇ……来てくれたんだぁ。」
凪が、起きた。
うん、うっかり声かけたけどさ、案外ヤバめな状況でしょこれ。
と、一般の人々は思うでしょう。
けど、僕は違うんだなぁ……
「何か話したい事あるんでしょ?何でも言ってよ。僕に出来ることなら協力したげる。」
「…………凪、さん。」
「よく僕の名前知ってたね。なぁに?」
「この状況でよくそんな態度とれますね。」
「別に~。よくあることでしょ。」
「僕は、王に貴方を殺すように言われました。」
「うん。それで?」
「僕は貴方を殺せない………ねぇ、どうしたら良いでしょう?貴方の事をどう思ってるのかも、何もかもわからなくなってきちゃって。」
僕に恋しちゃったのかな?
何でだろ……好かれる要素0は自信あるけど。
「……あのさ、結局僕が君にあげられる選択は一つなんだよね。それはさぁ、僕の事を君が殺す。それだけだよ。出来たらいたくない方が良いけど……てか、なに泣いてるの。綺麗な顔が台無し。」
何か泣かせるようなこと言ったかなぁ……
「まぁ、多分出来ないと思うけどさ。どうせ殺されるなら、君がいい。」
これは、本音だ。
頭のすみで赤い瞳が揺れる。
どなたかわからないけど、妙にいとおしい気がする。
目の前にあるのはひたすら綺麗な青なのに。
「じゃあ、いきます……でも、その前に。」
「ん?」
「死んでしまう前に、言ってほしい言葉があります。」
「何て言って欲しいの?」
「好きって………多分それで僕の気持ちがはっきりするので。」
「わかった。」
首に冷たい感触が伝わる。
「僕の名前は、神風 颯太です。さよなら、凪さん。」
刃が、食い込み、鋭い傷みとともに、熱が生まれる。
「ありがとう、颯太……大好きだよ!」
笑う。
嘘しかないかもしれないこの言葉。
ほんとは、本心から、好きって言えるかもだけど。
鮮血が宙を舞う。
(僕にもよくわからないや)
遅れて首も宙を舞った
王は言った。
「あやつは敵になる確率が高い。いや、一般人になにもしなくとも我々王族に害を加えそうだ。半年前から、考えるとだけれども。つまり、お主には、神月 凪の暗殺を頼みたい。」
それが鍵を貸す条件だと。
「嫌だって言ったら………どうしますか?」
「追放する。」
まぁ、そうだろうなぁ…………
鍵が無ければ入れない。
「王族との仲が良ければ命をとらないでやるがなぁ………」
いや、多分それは無理じゃないかなぁ………
だって僕が会いに行く理由はもう一度話したいのと、単純に恋に落ちたからですからね?
男に恋するはずないって思ってたのに…………
あんな王子みたいだからいけないんだよ!
だから仲良くより、恋人になりたいし。
そしたら、お前ら全員仲良くあの世行きさせてやる!
まぁ、でも、王の命令に従わないと、多分死ぬんだろうなぁ………
運良く、一緒に塔に暮らせたり………
したらいいけど。
ナイフを握る。
結局、僕には多分刺せない。
もし、凪が親の仇とか言われても。
「でも本当に僕は好き………なのかな?それとも…………」
ただ、気に入ったから生かしたいだけ?
自分を認めてくれたから、一生自分の自尊心を保つ為の道具にしたいの?
それとも、親愛?
自分の気持ちもわからない。
ずっと一生一緒に居たいって、今は思える。
でも、それは大人になっても言えるの?
「ん…………あれ?君半年前の子だねぇ……来てくれたんだぁ。」
凪が、起きた。
うん、うっかり声かけたけどさ、案外ヤバめな状況でしょこれ。
と、一般の人々は思うでしょう。
けど、僕は違うんだなぁ……
「何か話したい事あるんでしょ?何でも言ってよ。僕に出来ることなら協力したげる。」
「…………凪、さん。」
「よく僕の名前知ってたね。なぁに?」
「この状況でよくそんな態度とれますね。」
「別に~。よくあることでしょ。」
「僕は、王に貴方を殺すように言われました。」
「うん。それで?」
「僕は貴方を殺せない………ねぇ、どうしたら良いでしょう?貴方の事をどう思ってるのかも、何もかもわからなくなってきちゃって。」
僕に恋しちゃったのかな?
何でだろ……好かれる要素0は自信あるけど。
「……あのさ、結局僕が君にあげられる選択は一つなんだよね。それはさぁ、僕の事を君が殺す。それだけだよ。出来たらいたくない方が良いけど……てか、なに泣いてるの。綺麗な顔が台無し。」
何か泣かせるようなこと言ったかなぁ……
「まぁ、多分出来ないと思うけどさ。どうせ殺されるなら、君がいい。」
これは、本音だ。
頭のすみで赤い瞳が揺れる。
どなたかわからないけど、妙にいとおしい気がする。
目の前にあるのはひたすら綺麗な青なのに。
「じゃあ、いきます……でも、その前に。」
「ん?」
「死んでしまう前に、言ってほしい言葉があります。」
「何て言って欲しいの?」
「好きって………多分それで僕の気持ちがはっきりするので。」
「わかった。」
首に冷たい感触が伝わる。
「僕の名前は、神風 颯太です。さよなら、凪さん。」
刃が、食い込み、鋭い傷みとともに、熱が生まれる。
「ありがとう、颯太……大好きだよ!」
笑う。
嘘しかないかもしれないこの言葉。
ほんとは、本心から、好きって言えるかもだけど。
鮮血が宙を舞う。
(僕にもよくわからないや)
遅れて首も宙を舞った
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