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一章 颯太アテネ
第八話
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森の奥深くまで行くと、黒い穴がポッカリと空いている。
見ていればいるほど吸い込まれてしまいそうな黒。
暗黒、とでも言うべき代物だろう。
その穴をくぐれば…………
古くさい城なんて嫌だ!
綺麗で美しくて、最新の城が良い!
と言うことで、魔王城はなぜか最新技術を駆使した、ひょっとしたら勇者が住むと言う城よりも更に豪華なんじゃないかと思うような城だった。
王座には誰も座っていないが。
いくつもある部屋のひとつには双子がいた。
二人ともとても似ていて、違うところと言えば、瞳の形と髪の長さというところだろうか。
「ふっふっふ…家臣どもに頼んでお城を最新に変えたし、これでいつ凪が来ても自慢できる!」
「そもそも凪はお前に記憶を消されているんだし、来たくても来れねぇだろ。それとも一応頭良いことになってるけど本当はただのバカなのか?」
「酷い!奏多がバカっていった~!」
「いや、本当の事じゃないのか?」
奏多と呼ばれた少年は、つり目の少年で髪が長く、後ろで縛っている。
バカ、と奏多に言われた方の少年は、丸い目をしていた。
さて、突然ですが、僕には結婚の約束をしている人物がいます!
「いや、お前が勝手にやったことだ。凪に他の選択肢を与えないで……というか記憶消してるから強制的に消されてるんじゃねーの?」
うっさい黙ってよ!
とにかく今日も僕はこの魔法の水晶で遠くから凪の様子を見るんだよ!
「やってることストーカーと大差ねぇこと自覚しろ。こんな弟もってお兄ちゃん悲しいぞ?」
「お兄ちゃんって言っても3分だけだろ!僕より3分早く生まれただけだろ!?」
「いや、3分は結構貴重だ。3分あればカップ麺も………」
「どーでもいいよ!そんなことは!」
なんでこんなに疲れなくちゃいけないの……?
僕なんか悪いことした?
まぁ、気を取り直して………
「おいこのクソガキが!!とっとと出てこいやぁ!私を待たせんな!」
「………この声は月?ってことは……凪も一緒なの?もう、再会は君が僕を呼び出したらってことにしてたのに……気が早いんだから!でもそんなとこも好きだ………」
ドアを開けたら月のみ。
は?
凪はなんでいないの?
「本当にあんた面倒よねぇ………神代 理久。私はあんたに言いたいことがあるから来たのよ。凪、あんたが記憶消したせいで消えるとこだったのよ?」
そうなんだぁ……
てことはやっぱり僕は凪の特別だったわけなのか……
でも、仕方ないよね。
僕にだって凪がいなければいけないし、ずっとそばに居たいくらいだけど。
でも、
「今は無理なんだよ……僕は、魔王だから。だから凪が僕を扱えるくらい上手くならなきゃさ、再会はその時。それに、僕以上に凪にぴったりな人物は絶対に現れないもの。」
目が覚めて、カレンダーを確認する。
明日、颯太が会いに来る。
そう考えると、とても幸せな気がした。
魔法についての本もきちんと読んで、覚えちゃったし。
僕は今のところ暇だ。
もう一眠りつこう。
そう思った時に、それは聞こえた。
歌声が。
「いつもより早い時間だな………あ、そうだ!新しい楽譜をあげよっと!」
楽譜を落とす。
風に乗って、歌声の主の元へ。
ヒラリヒラリと舞う。
顔は見えないけれど、とてもいい声で歌う。
どこか高い声だから、多分女の子だと思う。
綺麗な声を聞きながら、考える。
あぁ、あの言葉を言ったのは誰だっけ?
覚えてない。
なんでなんだろう……
多分何かきっかけがあったと思うけど……
思いだせない。
魔法を使うのは何がきっかけだったっけ?
魔法は知識が無ければなにも使えない。
なのに、なんで使えるんだろう?
どこで知識を仕入れたの?
なんにも僕は覚えちゃいない。
これ程悲しいことってあるかな?
………今のところはないかな。
空は暗くなりかけていた。
夕陽が沈み、三日月が浮かんでいる。
赤と藍のグラデーションを描いた空に。
歌声が響く。
昼が終わり、夜が来る。
僕は眠りにつく。
今日は久しぶりに会える日だ!
僕は学校から駆け足で向かう。
いつも長いと思っていた道がとても短く感じられた。
学校。
2週間前に入学式を迎え、かれこれ頑張ってきたけど………
「今まで勉強してきたところと全然違いますよ!ていうかこのクラスなんなんですか!」
僕は落ちぶれてしまった………
いや、別に出来る出来ないじゃなく、単純に知らないだけだ。
今まで学んで来たのがあまりにも上位過ぎたようで、初歩をぶっ飛ばしすぎていたみたいだ。
なので、知らなかった知識ばかりで困るのみ。
そんなこんなで何故か僕が配属されたのは俗に言う『底辺クラス』
しかも習うのは魔物の使う魔術ばかり………
ちなみに僕の双子の兄はもう単位を取り終えているので自主休学中である。
まぁ、それも特別処置だ。
だって、兄は15歳には死んでしまう運命なのだから。
だからみんな兄に優しい。
まぁ、僕は醜いだけですからねぇ………
搭の階段を登り、ドアを開けて
「先輩!僕です颯太ですよ!元気にしてましたか……ってあれ?」
凪さんもとい先輩は眠っていた。
ぐっすりと。
「起きてくださーい!っていうか無防備過ぎじゃない………?」
仮にも自分に好きだといった人間が来るのに眠ってるとか。
……少しイタズラしようかな?
魔法を詠唱する。
といっても心のなかで唱えるだけで僕は出せるけど。
普通の人間は声に出さないとダメらしい。
風が空間を舞う。
さぁ、初めよっと。
これが最底辺の僕の実力だ。
「えいっ」
空間を変化させた。
風の魔法のかなり上級者の使い方。
風の魔力で空間を満たすことで発生する魔力に満ちた空間。
通称『ゲート』。
この中で、この空間外と風で断絶させることでゲートに完全に入る事が出来る。
まぁ、中の魔力をすべて使えば破壊されるけれど。
「ん…あれ?颯太じゃん。久し振りぃ、元気にしてたぁ?」
ん?風のゲート?閉じ込めたのか……まぁ、邪魔だから消すね。
辺りを暗闇が包み込むと同時に、元の部屋に戻っていた。
さすが先輩……というか……
「今の闇の魔法ですよね?しかもかなり上級の。なんでそんなの先輩がしってるんですか!?」
「先輩って僕のこと?まぁ、気づいたら知ってた。使ったの随分久しぶりみたいだけど。」
「じゃあ、初歩的なのも使えますかね?よかったら教えて欲しいのですが……」
「別にいいよ?」
「やったぁ!」
たくさん教えてもらおう。
泊まり掛けで。
「そんなことよりさ……ねぇ颯太。」
「なんです先輩。お金でも借りたいのですか?」
「いつ僕がそんなこと言ったのさ………あのね見つかったの。」
「何がですか?」
すると先輩は悪い顔をしていった。
「呪いを解呪する方法だよ。」
見ていればいるほど吸い込まれてしまいそうな黒。
暗黒、とでも言うべき代物だろう。
その穴をくぐれば…………
古くさい城なんて嫌だ!
綺麗で美しくて、最新の城が良い!
と言うことで、魔王城はなぜか最新技術を駆使した、ひょっとしたら勇者が住むと言う城よりも更に豪華なんじゃないかと思うような城だった。
王座には誰も座っていないが。
いくつもある部屋のひとつには双子がいた。
二人ともとても似ていて、違うところと言えば、瞳の形と髪の長さというところだろうか。
「ふっふっふ…家臣どもに頼んでお城を最新に変えたし、これでいつ凪が来ても自慢できる!」
「そもそも凪はお前に記憶を消されているんだし、来たくても来れねぇだろ。それとも一応頭良いことになってるけど本当はただのバカなのか?」
「酷い!奏多がバカっていった~!」
「いや、本当の事じゃないのか?」
奏多と呼ばれた少年は、つり目の少年で髪が長く、後ろで縛っている。
バカ、と奏多に言われた方の少年は、丸い目をしていた。
さて、突然ですが、僕には結婚の約束をしている人物がいます!
「いや、お前が勝手にやったことだ。凪に他の選択肢を与えないで……というか記憶消してるから強制的に消されてるんじゃねーの?」
うっさい黙ってよ!
とにかく今日も僕はこの魔法の水晶で遠くから凪の様子を見るんだよ!
「やってることストーカーと大差ねぇこと自覚しろ。こんな弟もってお兄ちゃん悲しいぞ?」
「お兄ちゃんって言っても3分だけだろ!僕より3分早く生まれただけだろ!?」
「いや、3分は結構貴重だ。3分あればカップ麺も………」
「どーでもいいよ!そんなことは!」
なんでこんなに疲れなくちゃいけないの……?
僕なんか悪いことした?
まぁ、気を取り直して………
「おいこのクソガキが!!とっとと出てこいやぁ!私を待たせんな!」
「………この声は月?ってことは……凪も一緒なの?もう、再会は君が僕を呼び出したらってことにしてたのに……気が早いんだから!でもそんなとこも好きだ………」
ドアを開けたら月のみ。
は?
凪はなんでいないの?
「本当にあんた面倒よねぇ………神代 理久。私はあんたに言いたいことがあるから来たのよ。凪、あんたが記憶消したせいで消えるとこだったのよ?」
そうなんだぁ……
てことはやっぱり僕は凪の特別だったわけなのか……
でも、仕方ないよね。
僕にだって凪がいなければいけないし、ずっとそばに居たいくらいだけど。
でも、
「今は無理なんだよ……僕は、魔王だから。だから凪が僕を扱えるくらい上手くならなきゃさ、再会はその時。それに、僕以上に凪にぴったりな人物は絶対に現れないもの。」
目が覚めて、カレンダーを確認する。
明日、颯太が会いに来る。
そう考えると、とても幸せな気がした。
魔法についての本もきちんと読んで、覚えちゃったし。
僕は今のところ暇だ。
もう一眠りつこう。
そう思った時に、それは聞こえた。
歌声が。
「いつもより早い時間だな………あ、そうだ!新しい楽譜をあげよっと!」
楽譜を落とす。
風に乗って、歌声の主の元へ。
ヒラリヒラリと舞う。
顔は見えないけれど、とてもいい声で歌う。
どこか高い声だから、多分女の子だと思う。
綺麗な声を聞きながら、考える。
あぁ、あの言葉を言ったのは誰だっけ?
覚えてない。
なんでなんだろう……
多分何かきっかけがあったと思うけど……
思いだせない。
魔法を使うのは何がきっかけだったっけ?
魔法は知識が無ければなにも使えない。
なのに、なんで使えるんだろう?
どこで知識を仕入れたの?
なんにも僕は覚えちゃいない。
これ程悲しいことってあるかな?
………今のところはないかな。
空は暗くなりかけていた。
夕陽が沈み、三日月が浮かんでいる。
赤と藍のグラデーションを描いた空に。
歌声が響く。
昼が終わり、夜が来る。
僕は眠りにつく。
今日は久しぶりに会える日だ!
僕は学校から駆け足で向かう。
いつも長いと思っていた道がとても短く感じられた。
学校。
2週間前に入学式を迎え、かれこれ頑張ってきたけど………
「今まで勉強してきたところと全然違いますよ!ていうかこのクラスなんなんですか!」
僕は落ちぶれてしまった………
いや、別に出来る出来ないじゃなく、単純に知らないだけだ。
今まで学んで来たのがあまりにも上位過ぎたようで、初歩をぶっ飛ばしすぎていたみたいだ。
なので、知らなかった知識ばかりで困るのみ。
そんなこんなで何故か僕が配属されたのは俗に言う『底辺クラス』
しかも習うのは魔物の使う魔術ばかり………
ちなみに僕の双子の兄はもう単位を取り終えているので自主休学中である。
まぁ、それも特別処置だ。
だって、兄は15歳には死んでしまう運命なのだから。
だからみんな兄に優しい。
まぁ、僕は醜いだけですからねぇ………
搭の階段を登り、ドアを開けて
「先輩!僕です颯太ですよ!元気にしてましたか……ってあれ?」
凪さんもとい先輩は眠っていた。
ぐっすりと。
「起きてくださーい!っていうか無防備過ぎじゃない………?」
仮にも自分に好きだといった人間が来るのに眠ってるとか。
……少しイタズラしようかな?
魔法を詠唱する。
といっても心のなかで唱えるだけで僕は出せるけど。
普通の人間は声に出さないとダメらしい。
風が空間を舞う。
さぁ、初めよっと。
これが最底辺の僕の実力だ。
「えいっ」
空間を変化させた。
風の魔法のかなり上級者の使い方。
風の魔力で空間を満たすことで発生する魔力に満ちた空間。
通称『ゲート』。
この中で、この空間外と風で断絶させることでゲートに完全に入る事が出来る。
まぁ、中の魔力をすべて使えば破壊されるけれど。
「ん…あれ?颯太じゃん。久し振りぃ、元気にしてたぁ?」
ん?風のゲート?閉じ込めたのか……まぁ、邪魔だから消すね。
辺りを暗闇が包み込むと同時に、元の部屋に戻っていた。
さすが先輩……というか……
「今の闇の魔法ですよね?しかもかなり上級の。なんでそんなの先輩がしってるんですか!?」
「先輩って僕のこと?まぁ、気づいたら知ってた。使ったの随分久しぶりみたいだけど。」
「じゃあ、初歩的なのも使えますかね?よかったら教えて欲しいのですが……」
「別にいいよ?」
「やったぁ!」
たくさん教えてもらおう。
泊まり掛けで。
「そんなことよりさ……ねぇ颯太。」
「なんです先輩。お金でも借りたいのですか?」
「いつ僕がそんなこと言ったのさ………あのね見つかったの。」
「何がですか?」
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「呪いを解呪する方法だよ。」
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