どうしようもない僕は報われない恋をする

月夜

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三章 雫ポイズン

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そこだけをひたすらなめられる。
拘束されているからされるがままで、危険な快楽に染められてしまいそうになる。
知らないその先を求めてしまいそうになる。
舌と舌をからめ合って、ひたすら感じ続ける。
頭の中はどんどんだめになっていく。
離れようとする颯太の舌を求めるように舌を伸ばした。
ただひたすら甘い水音だけがずっとひびいた。
はぁ、はぁと荒い呼吸をくり返して、目隠し越しに見つめ合う。
すると急に視界が明るくなり、颯太を押し倒す理久の姿がそこにあった。
なぜか理久は涙目だった。
「僕だってそこまでしてないのに!!なにしてくれてんの!!」
「うるさいですね…へぇ…じゃあ僕が初めてなんだ…。あは♡嬉しいな」
二人で言い争いをしているみたいだけど、ぼーっとした頭では上手く入ってこない。
「理久…、颯太…」
二人がこちらを見る。
すると、二人はそろって顔を赤くした。
どうしたのかな。
なにか変な事しちゃったかな、そう考えていると、二人はのどを鳴らした。
その時の二人の瞳は飢えた獣そのものだった。

その後何があったかは正直覚えていないけど、目覚めたら三人で眠っていた。
仲良く寝れて良かった。
少しベッドが大きくなっている気がする。
きっとどちらかが魔法で大きくしたんだろうな。
「理久、颯太。起きて。朝だよ」
二人ともなかなか起きない。
僕の事をガッチリ抱いて眠っているから動けないし。
早くしないと約束の時間になっちゃうんだよな…。
けれど二人とも起きる気配がない。
む…、と思って、理久の耳をはむっとする。
「ひゃっ!?な…、凪…?なに、してるの…?」
「耳たべた」
起きない理久が悪いんだよ?
と首をかしげると、理久は顔を赤くしながら、
「反則!!そんなの反則だよ!!」
起きない理久が悪いです。
そんなこんなで次は颯太だ。
同じように起こそうとしたら、理久が颯太に向かって、手を振り下ろした。
「…!!まったく…、危ないですね。朝から殺そうとしないでもらえます?」
「この方が早く起きるでしょ?手っ取り早く起こしてあげようと思ってさぁ」
パキン、と音がして、見えない刃が砕け散った。
どうやら理久が魔法でギロチンを作り、殺そうとし、生存本能を刺激された颯太は即魔法を打ち破ったという事だ。
「二人とも、朝から騒がないで。あと、理久は朝から殺そうとするな。これなら颯太先に起こした方が良かったかも」
首をかしげた颯太に理久が何か耳打ちする。颯太は顔を赤くして、鼻を抑えた。
「ほんと…、朝から何しようとしてるんですか…。まったく…」
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