どうしようもない僕は報われない恋をする

月夜

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三章 雫ポイズン

歴史

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人間の主張は、魔物の存在は一匹残らず殺すべきらしい。
魔物は、自分達は人に向かって爪の一つも立てた事がないらしい。
なぜなら、自分達の鋭い爪は、柔い肌を持つ人間を傷つける事を理解しているから。
だから立てた事もない。
少し普通の生物よりも硬くて、強靭に作られた生物なだけなのだ。

そもそもの争いは数千年前にさかのぼる。
昔、人間がいた。
人は2つの種類に分かれていた。
自身の中にある力を『魔力』と呼ぶか、『聖力』と呼ぶか。
どちらの人種も元を正せば同じ人間なのだが、その呼称の違いは、二つの民族に分裂されるまでにいたった。
魔力と考えた民族は、積極的に自身の力を探求した。
どこまで力を使えるのか、使うための条件は。
試行錯誤を繰り返した結果、基本形が生まれた。
詠唱を唱える事により魔力を練り上げ、確実に発動させる方法。
次から次へと詠唱は生み出された。
その数は、いくつ本にしても足りないほどに。
それほどまでに進められていた魔族だったが、一方聖族は自身の力は神により与えられし力だと思い、神を信仰した。
神の力だからと探求なんてことはせず、日々決められたきまりを守ってくらしていた。
しかし、裏切り者の処刑のために、処刑道具の研究は進められた。
それぞれの処刑道具には名前がついていた。
その道具達には、オリジナルが存在し、そのオリジナルには人の魂が入っているらしい。
聖力で魂に干渉することで、より強大な力を使用できるという仕組みだ。
似たような武具は魔族にも存在するのだが、人を犠牲にしていないため聖族よりも威力が弱い物となる。
その分魔術を高めていったのだが。
互いに均衡状態だった二つの民族だが、ある日その均衡を破る事になる。
そう、魔王の誕生だ。
魔王は数多くの魂を喰らった。
聖族に対してのみ恨みを持つ彼女は、彼らの魂のみを収集した。
傷つき、ひん死の動物に、自身の魔力を分け与え、彼らを強くし、魔物にした。
滅亡間際まで追い詰められた聖族だが、その侵略は突然止まる事になる。
そう、魔王の自殺だ。
何を思ったのかは分からない。
自身の姉弟の子に、自身の持つ全ての力を分け与えたあとに自らの命を絶った。
最後に何を思っていたのかは分からない。
ただ、彼女のお陰で、聖族からいくつかのオリジナルの道具を得た。
聖族らは魔族の技術を得た。
それは互いのこれからに大きく影響した。

その日はすぐ海へ帰り、情報を必死にまとめた。
その魔術全てを解読し、使えるようにはした。
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