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三章 雫ポイズン
バレちゃった
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「待って、私もつれて行ってよ。雫のところに」
絵美が僕に声をかける。
僕の魔法が解けたばかりだから少し気だるげに。
「どうして連れて行かなくちゃいけないの?」
「雫に会いたいから。雫は私の大切な人なの」
大切な人。
そっか。
だけど残念ながら雫はそう思っていないみたいだ。
逆に君達人魚を恨んでいる。
だってそうだろう?
君達に不当な扱いをされたのだから。
そう言い切るのはたやすい事だった。
だけど、それを言ってしまうのは、自身を否定してしまうようで言えなかった。
「良いよ、連れて行ってあげる。ただし、何言われても、されても自己責任だから」
勝手に傷ついておいてくれ。
僕はただ好きな人に会いたいだけだから。
雫は驚いている。
僕はフードを深く被った男をみて頭が痛くなる。
どこかで見た事があるような気がするのだ。
こっちに近づいてきた。
どんどん走ってくる。
勢いをつけて僕に抱きついてきた。
強く力が込められている。
「ちょ、ま、待って…。く、苦しいから。せめて力を弱めてよ…」
「凪の馬鹿…、どんだけ心配したと思ってるんだよぉ…」
泣きながら僕に馬鹿と言ってきた。
いや、失礼じゃないか?
いくらなんでも馬鹿の連呼は酷いだろ。
フードがとれる。
赤い瞳と見つめ合う。
「僕を間違えないで。ちゃんと覚えててよ。もう僕の事を忘れないで」
理久、と声を出そうとしたら、首に噛みつかれた。
声にならない悲鳴が喉から駆け上がり頭に警鐘をならす。
「い、痛いよ理久!!どんな力で噛んでるの!!」
「これで僕の事覚えたでしょ?…、この痛みでちゃんと覚えてね」
完全に思い出した。
僕には幼なじみはいない。
理久が僕と一緒にこの学園に来る予定だった。
「…、ばれちゃったんだ。もう少し、この生活続けたかったな」
僕とこの数日を過ごした雫は、一体。
「この数日、すごい楽しかったよ。僕の人生の中で一番楽しかった時だったかも。…、今まで、だましてて、本当ごめん。さよなら」
雫はそう言って走り出した。
僕はその後を追いかけた。
雫は泣いていた。
僕は雫に泣いていて欲しくないと思った。
走る理由はそれだけで充分だ。
幼なじみの雫は嘘でも、この数日を共にした雫は嘘じゃないはずだ。
なら、答えは一つだ。
あぁ、バレちゃったな。
きっともうあそこにはいられない。
だましていた奴となんて、一緒にいたくないはずだ。
いつか終わると分かっていたけれど、今その時が来るなんて。
…、どうしようか。
絵美が僕に声をかける。
僕の魔法が解けたばかりだから少し気だるげに。
「どうして連れて行かなくちゃいけないの?」
「雫に会いたいから。雫は私の大切な人なの」
大切な人。
そっか。
だけど残念ながら雫はそう思っていないみたいだ。
逆に君達人魚を恨んでいる。
だってそうだろう?
君達に不当な扱いをされたのだから。
そう言い切るのはたやすい事だった。
だけど、それを言ってしまうのは、自身を否定してしまうようで言えなかった。
「良いよ、連れて行ってあげる。ただし、何言われても、されても自己責任だから」
勝手に傷ついておいてくれ。
僕はただ好きな人に会いたいだけだから。
雫は驚いている。
僕はフードを深く被った男をみて頭が痛くなる。
どこかで見た事があるような気がするのだ。
こっちに近づいてきた。
どんどん走ってくる。
勢いをつけて僕に抱きついてきた。
強く力が込められている。
「ちょ、ま、待って…。く、苦しいから。せめて力を弱めてよ…」
「凪の馬鹿…、どんだけ心配したと思ってるんだよぉ…」
泣きながら僕に馬鹿と言ってきた。
いや、失礼じゃないか?
いくらなんでも馬鹿の連呼は酷いだろ。
フードがとれる。
赤い瞳と見つめ合う。
「僕を間違えないで。ちゃんと覚えててよ。もう僕の事を忘れないで」
理久、と声を出そうとしたら、首に噛みつかれた。
声にならない悲鳴が喉から駆け上がり頭に警鐘をならす。
「い、痛いよ理久!!どんな力で噛んでるの!!」
「これで僕の事覚えたでしょ?…、この痛みでちゃんと覚えてね」
完全に思い出した。
僕には幼なじみはいない。
理久が僕と一緒にこの学園に来る予定だった。
「…、ばれちゃったんだ。もう少し、この生活続けたかったな」
僕とこの数日を過ごした雫は、一体。
「この数日、すごい楽しかったよ。僕の人生の中で一番楽しかった時だったかも。…、今まで、だましてて、本当ごめん。さよなら」
雫はそう言って走り出した。
僕はその後を追いかけた。
雫は泣いていた。
僕は雫に泣いていて欲しくないと思った。
走る理由はそれだけで充分だ。
幼なじみの雫は嘘でも、この数日を共にした雫は嘘じゃないはずだ。
なら、答えは一つだ。
あぁ、バレちゃったな。
きっともうあそこにはいられない。
だましていた奴となんて、一緒にいたくないはずだ。
いつか終わると分かっていたけれど、今その時が来るなんて。
…、どうしようか。
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