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三章 雫ポイズン
未知の感覚を知る
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それを聞けば聞くほど楽しくて仕方がなかった。
ラブは泣いて帰ってくる日もあれば、すっきりしたとでも言いたげな顔で帰ってくるときもあったし、かと思えば怒り心頭、といった様子で来ることもあった。
ラブの番が終われば、次は私の番だ。
今度は私が魔物の味を語り、ラブがそれを興味あり気に聞く。
「今日の魔物は少し脂肪が多かったな。こってりとしていた」
「そんなに味がわかるものなの?どれも似たような見た目しているけど」
「割とわかるものだぞ。一匹一匹、いろんな特徴があるからな。ほら、あの魔物を見てみろ。顔が赤いのと青いのが…」
「そんな事言ってる場合じゃないでしょ!早く倒しに行かなきゃ!」
ラブと慌てて魔物を退治しに行く。
日々は忙しなく過ぎる。
「もー!貴族はほんと汚れ仕事任せるの大好きね!」
「どうしたんだ、ラブ」
「どうしたもこうしたもないわよ!秘密裏に飼ってた魔物が繁殖しすぎて困るから処分してくれって言いだしたの!あーもーめんどくさい!」
そういうラブに連れられて魔物を食べてみたり。
流石の私もおなかが痛くなるレベルで。
「あの魔物達かなり劣悪な環境で飼育されていたみたいだ…うっ…、気持ち悪い…」
「そんなにまずかったの?」
「あぁ…、例えるならラブが時々まずそうに食べてる料理屋さんの料理くらい」
「まずいでしょうとおなじくらい!?それは相当まずいわね…可哀そうに…。何か口直しに食べに行きましょうか。何がいい?」
「ラブの手料理が食べたい」
私の要求にしょうがないわね、と言って一生懸命答えてくれるラブ。
料理を作っている姿を見つめながら幸せだった。
私達の住処にしていた深海は、いつの日か、赤が混じり、紫に変わってしまった。
初めは清々しいほど青かった癖して、すっかり紫に染まってしまったのだ。
でも、それでもよかった。
それでも、変わらず、ラブと過ごす海は美しかった。
ラブと眺めた夜空も、美しかった。
まるで、空に幾千ものの宝石をばらまいたように。
冷たく輝くその宝石を、ラブにプレゼントしたいと思った。
けれど、できないから、海底に落ちていた綺麗な石を渡した。
ラブは少し驚いて、ありがとうと言って笑ってくれた。
うれしかった。
ありがとうという言葉はこんなに人の心を温かくするんだなと知った。
少し前の自分なら知りもしない事実。
それを知れたということが、私の心を温かくした。
ラブは泣いて帰ってくる日もあれば、すっきりしたとでも言いたげな顔で帰ってくるときもあったし、かと思えば怒り心頭、といった様子で来ることもあった。
ラブの番が終われば、次は私の番だ。
今度は私が魔物の味を語り、ラブがそれを興味あり気に聞く。
「今日の魔物は少し脂肪が多かったな。こってりとしていた」
「そんなに味がわかるものなの?どれも似たような見た目しているけど」
「割とわかるものだぞ。一匹一匹、いろんな特徴があるからな。ほら、あの魔物を見てみろ。顔が赤いのと青いのが…」
「そんな事言ってる場合じゃないでしょ!早く倒しに行かなきゃ!」
ラブと慌てて魔物を退治しに行く。
日々は忙しなく過ぎる。
「もー!貴族はほんと汚れ仕事任せるの大好きね!」
「どうしたんだ、ラブ」
「どうしたもこうしたもないわよ!秘密裏に飼ってた魔物が繁殖しすぎて困るから処分してくれって言いだしたの!あーもーめんどくさい!」
そういうラブに連れられて魔物を食べてみたり。
流石の私もおなかが痛くなるレベルで。
「あの魔物達かなり劣悪な環境で飼育されていたみたいだ…うっ…、気持ち悪い…」
「そんなにまずかったの?」
「あぁ…、例えるならラブが時々まずそうに食べてる料理屋さんの料理くらい」
「まずいでしょうとおなじくらい!?それは相当まずいわね…可哀そうに…。何か口直しに食べに行きましょうか。何がいい?」
「ラブの手料理が食べたい」
私の要求にしょうがないわね、と言って一生懸命答えてくれるラブ。
料理を作っている姿を見つめながら幸せだった。
私達の住処にしていた深海は、いつの日か、赤が混じり、紫に変わってしまった。
初めは清々しいほど青かった癖して、すっかり紫に染まってしまったのだ。
でも、それでもよかった。
それでも、変わらず、ラブと過ごす海は美しかった。
ラブと眺めた夜空も、美しかった。
まるで、空に幾千ものの宝石をばらまいたように。
冷たく輝くその宝石を、ラブにプレゼントしたいと思った。
けれど、できないから、海底に落ちていた綺麗な石を渡した。
ラブは少し驚いて、ありがとうと言って笑ってくれた。
うれしかった。
ありがとうという言葉はこんなに人の心を温かくするんだなと知った。
少し前の自分なら知りもしない事実。
それを知れたということが、私の心を温かくした。
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