どうしようもない僕は報われない恋をする

月夜

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三章 雫ポイズン

海での生活

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「怖がっているのではない…怯えさせたかと思ってな…」
そういうと、ラブは私を抱き上げて、頬ずりをする。
それに驚いてビクリとする。
それも構わず、撫でまわす。
「その態度が怯えてるって言いたいの…。全く、皆に恐れられているんだからもっと威張ってよね。威厳がないっていうか…、そんなんじゃ舐められちゃうわよ?」
ふふ、と笑いながらそういう。
そう言いながらどこかご機嫌なラブを見ていると、不思議な気持ちが浮かんだ。
それの意味がわからなくて、そっと押しつぶした。
ただ、ラブが笑って良かった、と思った。
毎日魔物がやって来る。
来ない日がないほどにやってくる。
ご苦労さんな事と思いながら私は食らい続ける。
それは単純な作業で。
目をつむっていれば終わるようなもので。
ただ、食らっている最中の私の姿を見られたくないなと思ったので、
「見ないでくれないか」
とラブに言ってみたところ、
「何?今更恥ずかしがってんの?もう遅いからねー、私いっぱい見てるし。…、どうしてもっていうなら見ないけどさ。私、ローズが魔物食べてる姿かっこよくて好きなんだけどな」
よく分かんない感情が沸いて、好きと言われるとラブの言うことを聞いてしまう。
そんな自分がよくわかんないけれど、不思議と嫌な気持ちがしないから良いとする。
好きっていったいなんなんだ、魔法の言葉か。
人魚たちは私を警戒し、気づけば私を扱うのはラブのみとなった。
別にそれで全然よかった。ラブさえ傍にいてくれればいい。
私以外にいないこの子が、傍にいてくれさえすればそれでいいのだ。
そう思っていた。
魔物を喰らう。
ラブと会話をする。
私の一日はこれで過ぎ去る。
いつもとりとめのない会話ばかりを交わす。
いつの間にかその行為が互いの心を癒していた。
まるで傷をなめあう獣のように。
二人で会話によって正気を保っていた。
私たちには必要不可欠な行為だった。
欠かす事の出来ない行為となっていた。
日々の不満をラブが言い、私はそれを聞く。
不満は様々なもので、人魚に対するものから始まり、世界に対するもの、魔物に対してと多岐にわたった。
「あの人魚今日もまた私のこと馬鹿にしてきたのよ!私ついに頭きてあいつにこう言ってやったの!『あら、自慢の尾びれ今日は少し汚れてるんじゃない?』って!人魚にとって尾びれの汚れを指摘されることは恥だからよ!」
「そうか、そうか。ラブは何か指摘されなかったのか?」
「されるわけないじゃない!私の足は人間の足と一緒。だから手入れが簡単なの。鱗を一枚一枚磨く必要もないのよ」
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