どうしようもない僕は報われない恋をする

月夜

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三章 雫ポイズン

化物との対峙

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美しい白い鱗はその輝きを失う事が無いとでも言いたげに美しく輝いている。
きらきらと。
見るものを魅了するかのように。
口からは長い舌が覗き、異常な程発達した犬歯から、液体が垂れて床を溶かす。
きっと毒なのだろう。
それも濃度が恐ろしく高い。
そんな攻撃力の高いものをぶら下げながら歩く。
目の前に現れたのは本物の化物だった。
見るものを恐怖に陥れるのに十分な。
「お前を手始めに食べてやろう。雫の愛しい人物のようだから丸呑みにしてやろう」
歌うように言いながら、僕に近づいてくる。
こいつから逃げなければいけない。
そうじゃないと、僕は確実に殺される。
でも、死んだって別にいいんじゃないか?
そう思ったけど。
抜け殻となった雫が視界に入る。
その目は虚ろだ。
こんなところに雫を置いてはいけない。
走って駆け寄り、雫の体を回収する。
もし、永遠に死ねるのなら、僕が願っていた事のはずなのに。
なのに僕は生きたいと思ってしまっている。
あぁ、おかしいな。
けれど、良いか。
「まだ雫と思い出を作っていないんだから。作ってから死んだっていいはずだよ」
そう自分に言い訳をした。
とりあえず、蛇を退けなければいけない。
そうしなければ二人とも食われて終了だ。
とりあえず、周囲に火を巻き、近づけないようにした。
蛇は火に弱いとどこかで聞いたから。
これでどうだと思いながら、一応距離を取るために走ろうとする。
「無駄だ。この程度の炎では私は死なない」
巨体で突っ切って来た。
進みながら火を消している。
まじか、と思いながら走る。
質量があるからこその無理やりの攻撃か。
「そんなのずるいんだけど」
魔法を多重展開する。
死んでも生き返る僕専用の技。
魔力を枯渇するまで使い切り、死んで復活して全快する。
この場限りの召喚獣をいくつも出し、暴走状態にして向かわせる。
しかし、蛇はまるでゴミがあたったくらいの薄い反応しか示さない。
「処刑道具への攻撃は処刑道具でしか出来ないのよ」
「そんなこと言われても処刑道具なんて持ってないよ!!」
むしろそんな物騒な物持っていたら怖いよ!!
てかそもそもなんで月はそんな事を知っているんだよ!
そんな事を思いながら、魔法をそれでも展開する。
足止めにすらなんないけど、ないよりはましだ。
全力で走って逃げる。
「その邪魔な荷物なんて置いていきましょうよ。その方が凪が生き残れる可能性、上がるわよ?処刑道具、ないんでしょ?」
「無理。置いていけないよ。絶対何とかする」
 
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