どうしようもない僕は報われない恋をする

月夜

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三章 雫ポイズン

蛇の語り

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だって、嫌だから。
これ以上何かを食べるのが。
私をこんな姿にした人間が嫌いだ。
ラブを死に追いやった人魚も嫌いだ。
全部全部死んでしまえばいい。
何なら私が直接手を下してやってもいい。
けれど、ラブがそれを望んでいるのかわからないから。
私は眠りについたままになった。
ある日、私はドロドロに溶かされて卵の中へ入れられた。
「処刑道具を溶かして卵に入れることで持ち主の魂を食らわせて…」
「人間達への反逆の材料へ…」
また糞みたいな思考の嵐で吐き気がした。
いくら吐いても足りないだろうなと思うくらいに。
その卵の持ち主は雫だった。
雫はラブそっくりの見た目をしていた。
「あんたが処刑道具なの?僕を…殺すの?」
わかりきっているとでも言いたげに。
だけど。
雫は。
王の風格を抱いていた。
この子はこの人魚の国を統治出来る程の器を持っていると感じてしまった。
「言っとくけどさ、ただで殺される気、ないから。あんたがどんだけ強くてもさ、僕はまだ死にたくない。生きたいんだ。だから抵抗するから」
ラブそっくりの強気な瞳が私を睨む。
「…、お前を殺さない」
このまま成長して欲しいと思ってしまった。
体が震えているのに。
それでも抵抗しようとする雫。
あぁ、素晴らしい。
雫は私達の子供だ。
私達を見事に受け継いでいる。
二人の特徴を受け継いで成長した。
異常なまでの魔力量に、知識量。
私を完全に使いこなすのも時間の問題だろう。
そう言えるくらいには強くなった。
精神的にも、肉体的にも。
その雫が望むなら…。
私はどんな願いも叶えたいと思う。
その結果世界が滅んでしまっても構わない。
何なら、こんな糞みたいな世界なんて、一度滅ぶべきなんじゃないか?
「私は全てを喰らう蛇責めへともう一度『成る』」
さぁ、お話は終了だ。
時は満ちた。
今こそ反逆の時だ。
己の愚かさに身を焦がすがよい。

 雫の腹が裂ける。
質量の大きな物体が内から雫を破こうとしている。
裂け目が少しずつできてきて、徐々に姿を現そうとする。
ビリビリと音を立てて。
中に潜む大きな何かが這い出てくる。
雫の顔は全く変化しない。
痛そうなのに、少しの苦痛も顔に出さないで。
出て来たのは一匹の白い蛇。
太いその体を引きずって、中から出てくる。
表面は何かの液体で濡れて光っている。
きっと、雫の体液だ。
それを纏いながら、我が物顔で出てきた蛇は、ズルズルと効果音を立てながら出てくる。
額には瞳が生えていた。
緑色の瞳。
しかし、蛇と同じ文様を描いている瞳。
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