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二章 美空ミカエル
第二話
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陶酔に近いこの感情をどう処理して良いのかわからないから近づこうにも近づけない。
この石の塔の立札を超えて。
棘の巻き付いたフェンスを越えて。
その先にある木製の扉をたたけば。
その先には大好きで仕方が無い人がいる。
愛している人がいる。
あぁ、早く会いたいな。
会うのが怖いな。
その人は俺の事を覚えていないけど。
覚えていないからこの胸を強く締め付けるのだけど。
残り半年を示すカウントダウンだけが、冷酷に俺を見下ろしていた。
お前に逃げ場なんてないんだよ、なんて言いたげに。
それに対して挑戦的な笑みを浮かべる。
そんなの百も承知さ。
それでも良い。
この呪いも、能力も、すべてを利用し尽くせば。
もう一度貴方の元で笑える権利が手に入るでしょう?
アテネの一件があってから、僕は先輩の元に行き辛くなっていた。
顔を見るのが怖くなっていた。
行った所で前回と同じようにアテネと呼ばれたら?
あぁ、あの時の先輩の顔なんて簡単に思い出せてしまうのだ。
脳裏にこびりついて離れないのだ。
だからこそ怖い。
僕がこんなに怖がるのは先輩のことくらいで。
あぁ、いやだな。
僕自身を見てもらえないんじゃないか。
そう思うと不安で。
怖くて。
震えが止まらなくなる。
そんなの嫌だよ。
本当の僕を初めて見てくれたのは先輩で。
それで恋をしたのに。
それなのに、さらに僕の事を忘れて違うやつに重ねるなんて。
壊れてしまいそうだよ。
「早く会いに行けば良いのに。『最強の勇者様』はチキンですねー。まぁ、仕方ないと思いますけど」
「そのあだ名はやめろ。吐き気がする。それにお前が原因だろ。お前が先輩と会わなければ」
アテネが脳内でそう茶化して来たのでそう言う。
舌打ちをしながら。
不快極まりない。
こいつの所為で。
最強の勇者様、なんてふざけた称号もはっきり言っていらなかった。
そんなのいらない。
人じゃないって言われているみたいでいやだった。
苦しい。
勇者なんて期待しないでよ。
今まで散々劣等生なんて馬鹿にしてきた癖に。
アテネの能力と、元からの素質が相まってそう言われているらしいが、努力した結果なので何とも言えない。
なんというか、容姿のおかげだなんて言ってくる人もいるものだから。
そういう人に対しては、呪いにかかっていた僕と同じ状況になってから言ってほしいと思う。
あの頃少しは頑張って。
先輩に認められたいと思ってから、死ぬ気でさらに頑張って。
睡眠時間だって削ったよ。
できる事は何でもやったよ。
その結果が最強の勇者様。
この石の塔の立札を超えて。
棘の巻き付いたフェンスを越えて。
その先にある木製の扉をたたけば。
その先には大好きで仕方が無い人がいる。
愛している人がいる。
あぁ、早く会いたいな。
会うのが怖いな。
その人は俺の事を覚えていないけど。
覚えていないからこの胸を強く締め付けるのだけど。
残り半年を示すカウントダウンだけが、冷酷に俺を見下ろしていた。
お前に逃げ場なんてないんだよ、なんて言いたげに。
それに対して挑戦的な笑みを浮かべる。
そんなの百も承知さ。
それでも良い。
この呪いも、能力も、すべてを利用し尽くせば。
もう一度貴方の元で笑える権利が手に入るでしょう?
アテネの一件があってから、僕は先輩の元に行き辛くなっていた。
顔を見るのが怖くなっていた。
行った所で前回と同じようにアテネと呼ばれたら?
あぁ、あの時の先輩の顔なんて簡単に思い出せてしまうのだ。
脳裏にこびりついて離れないのだ。
だからこそ怖い。
僕がこんなに怖がるのは先輩のことくらいで。
あぁ、いやだな。
僕自身を見てもらえないんじゃないか。
そう思うと不安で。
怖くて。
震えが止まらなくなる。
そんなの嫌だよ。
本当の僕を初めて見てくれたのは先輩で。
それで恋をしたのに。
それなのに、さらに僕の事を忘れて違うやつに重ねるなんて。
壊れてしまいそうだよ。
「早く会いに行けば良いのに。『最強の勇者様』はチキンですねー。まぁ、仕方ないと思いますけど」
「そのあだ名はやめろ。吐き気がする。それにお前が原因だろ。お前が先輩と会わなければ」
アテネが脳内でそう茶化して来たのでそう言う。
舌打ちをしながら。
不快極まりない。
こいつの所為で。
最強の勇者様、なんてふざけた称号もはっきり言っていらなかった。
そんなのいらない。
人じゃないって言われているみたいでいやだった。
苦しい。
勇者なんて期待しないでよ。
今まで散々劣等生なんて馬鹿にしてきた癖に。
アテネの能力と、元からの素質が相まってそう言われているらしいが、努力した結果なので何とも言えない。
なんというか、容姿のおかげだなんて言ってくる人もいるものだから。
そういう人に対しては、呪いにかかっていた僕と同じ状況になってから言ってほしいと思う。
あの頃少しは頑張って。
先輩に認められたいと思ってから、死ぬ気でさらに頑張って。
睡眠時間だって削ったよ。
できる事は何でもやったよ。
その結果が最強の勇者様。
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