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二章 美空ミカエル
自殺の痛み
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そんな保証はどこにもない。
どこにもないから、俺はこの事を見てみぬふりをした。
その方が賢い選択だから。
ずるいなんて思わない。
酷いなんて思わない。
だって仕方がないじゃないか。
好きな人と離ればなれになる方が辛いのだから。
とりあえず、空気口しか凪先輩の出口はない。
だから、窓からいつも出入りしているらしい。
自身の不死性を利用して。
毎回飛び降りる度に死ぬのって痛いのかを聞いたら、
「痛いよ?凄く凄く痛い。泣いても収まんないくらい。始めの頃はずっと泣いてたかな。おなかがすいてさ、どうしてもって外に出たんだけど」
ここへご飯の支給を運ぶ人なんていないから。
「上から見下ろすのってさ、凄く怖いの。あんなに遠い地面に勢い良く衝突しちゃうんだぁって思ったら足ががくがく震えちゃってさ」
俺も見下ろしてみたけどとても怖かった。
心臓がヒュッと音をたてて縮み上がった。
「だけどご飯を食べるためだ、もう餓死はしたくないって勢い良く飛び出したの。そしたら凄い勢いで地面に向かってさ、僕のからだが砕ける音がしたの」
人間が楽に死ねるのは六メートルくらい、と誰かがいっていた気がする。
たぶんもう少し違うけど。
この塔は数十メートルあるから。
なにかものを落としても簡単に砕けてしまう。
それは重いものでも同じで。
むしろ重いものの方が勢いが良く出るから。
きっと凄いスピードで落ちて、衝突したんだね。
「それで大泣きしたんだよね。あまりの痛さに。いつまでもいつまでも治まる気配がなくて。そのまま必死に這いつくばって、食料探してた。途中で、やっと美味しそうな木の実を見つけて、夢中で頬張ってたらさ、見回りの人に見つかって処刑されて怒られて戻されちゃった」
僕がいなくなると困るんだってさ。
僕がいなくなったら、罪のない人々の命が次から次へと消えてくんだって。
そういわれたらさ、戻るしかないじゃん?
お腹がすいたら外に出ちゃうけど、それでもちゃんと戻るのはそういう理由。
そう凪先輩は話してくれた。
とても申し訳ない気持ちで一杯になった。
今すぐにでも事実をいってしまいたくなった。
だけど、一緒にいてくれなくなったらと思うと、口は開かなくなる。
思った以上に、俺の体は正直だった。
どこにもないから、俺はこの事を見てみぬふりをした。
その方が賢い選択だから。
ずるいなんて思わない。
酷いなんて思わない。
だって仕方がないじゃないか。
好きな人と離ればなれになる方が辛いのだから。
とりあえず、空気口しか凪先輩の出口はない。
だから、窓からいつも出入りしているらしい。
自身の不死性を利用して。
毎回飛び降りる度に死ぬのって痛いのかを聞いたら、
「痛いよ?凄く凄く痛い。泣いても収まんないくらい。始めの頃はずっと泣いてたかな。おなかがすいてさ、どうしてもって外に出たんだけど」
ここへご飯の支給を運ぶ人なんていないから。
「上から見下ろすのってさ、凄く怖いの。あんなに遠い地面に勢い良く衝突しちゃうんだぁって思ったら足ががくがく震えちゃってさ」
俺も見下ろしてみたけどとても怖かった。
心臓がヒュッと音をたてて縮み上がった。
「だけどご飯を食べるためだ、もう餓死はしたくないって勢い良く飛び出したの。そしたら凄い勢いで地面に向かってさ、僕のからだが砕ける音がしたの」
人間が楽に死ねるのは六メートルくらい、と誰かがいっていた気がする。
たぶんもう少し違うけど。
この塔は数十メートルあるから。
なにかものを落としても簡単に砕けてしまう。
それは重いものでも同じで。
むしろ重いものの方が勢いが良く出るから。
きっと凄いスピードで落ちて、衝突したんだね。
「それで大泣きしたんだよね。あまりの痛さに。いつまでもいつまでも治まる気配がなくて。そのまま必死に這いつくばって、食料探してた。途中で、やっと美味しそうな木の実を見つけて、夢中で頬張ってたらさ、見回りの人に見つかって処刑されて怒られて戻されちゃった」
僕がいなくなると困るんだってさ。
僕がいなくなったら、罪のない人々の命が次から次へと消えてくんだって。
そういわれたらさ、戻るしかないじゃん?
お腹がすいたら外に出ちゃうけど、それでもちゃんと戻るのはそういう理由。
そう凪先輩は話してくれた。
とても申し訳ない気持ちで一杯になった。
今すぐにでも事実をいってしまいたくなった。
だけど、一緒にいてくれなくなったらと思うと、口は開かなくなる。
思った以上に、俺の体は正直だった。
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