どうしようもない僕は報われない恋をする

月夜

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二章 美空ミカエル

歪な思い

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そう考えて一番最適なのは王座に立つことなのだ。
俺が王座を支配して、凪先輩の周囲を安全で暮らしやすくする。
それくらいしか考えられない。
そしてもしも凪先輩がどこかに行きたいなんて。
俺から離れたいなんて言ったそのときには。
この世の快楽と名のつくもの全てを俺の手で与えてしまうのだ。
そして、最後は俺抜きでは生きられなくなってしまえば良い。
気がつけば、そんな思考まみれていた。
いつだって俺はこんなドロドロの想いを抱えながら凪先輩の近くにいる。
だけど、そんな思考は汚くて、とても似合いそうに無いから、心の底に沈めておいた。
きれいな凪先輩にはこんな俺は似合わないから。
「迷ってしまうから、手を握っておこうか。ここから人混みが激しくなるから。人混みで酔ったりしたら教えてね?」
そんな事を微笑みながら言う。
ねぇ、凪先輩。
貴方が笑いかけている男は、あなたに対して普通じゃない異常なほどの愛情を抱いているんですよ。
そう素直に言えれば良いのに。
全部全部言えたら良いのに。
「はい、わかりました」
そう言って手を握る。
この温もりが消えることが怖くて口に出せない。
あぁ、苦しいな。
その際、指を絡ませた。
ん、と声を出して、強く握り返される。
この握りかたが世間では恋人繋ぎなんて呼ばれているのをきっと凪先輩は知らない。
知っていたら何かしら言うとおもうし、それでも握りかえすなら。
なんてあり得もしない妄想が頭を過る。
夢を見たって絶望するだけなのに、やめられない。
けど、そんな事を振りきり、凪先輩と肩を並べて歩く。
旗からみれば恋人同士に見えるように。
仲睦まじいカップルのように。
せめてもの抵抗だった。
子供みたいだな、なんて思ってしまった。
実際、俺は子供だった。
その手を必死に離さないようにしないと、死んでしまいそうな。
そんな子供だった。
連れ添って歩いて向かう先は魔王城。
美しい煉瓦で出来た城。
黒い煉瓦で作られたそこは禍々しい雰囲気を背負っていた。
門番は凪先輩に親しげに話しかける。
門番は外見は人間と変わらなかった。
二人でしばらくなにかを話している。
混ざる訳にもいかず、どうしようかと二人を見つめていた。
じっと見つめていると、
「そこの坊っちゃんはどうした?全く知らない子供だが、迷い子かい?」
と言われた。
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